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Yamareco

記録ID: 72862
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

富士山【須走ルート<荒天のため無念の撤退>】

2010年07月28日(水) 〜 2010年07月29日(木)
 - 拍手
mizutamari その他1人
GPS
19:47
距離
9.6km
登り
1,400m
下り
1,397m

コースタイム

【1日目】 11:38五合目(待機&準備)12:35-13:30新六合目長田館13:05-14:00本六合目瀬戸館14:05-14:54七合目大陽館14:59-15:40本七合目見晴館15:45-16:08八合目江戸屋-16:36本八合目胸突江戸屋
荒天の為、山頂はあきらめて撤退
【2日目】 5:59本八合目胸突江戸屋-7:37五合目
天候 7/28 晴れ時々雨
7/29 強風雨
過去天気図(気象庁) 2010年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
感想に詳細あり。
コース状況/
危険箇所等
感想を参照。

感想

昨夕から山梨入りしてコテージに宿泊。
本日午後から富士山に挑戦した。

コテージを出て1時間弱で須走駐車場に到着。

ふじあざみラインという登山口までの道路が予想以上に長く、
ゆるやかながらも長〜〜い上り坂が続いたので
レンタカー(デミオ)が悲鳴をあげそうだった。

車で上ってくるまでに何台もの路駐の車を見かける。
駐車場が満車で入れなかった車たちだ。
路駐して登山口まで歩くなんて、、、できれば避けたい。
スタートからそれは勘弁してほしい。
どこで私たちも路駐しなくてはいけない運命になるだろうと
ヒヤヒヤしながら車を走らせていたが、
時間が狙い通りだったのか、運よく駐車場に止めることができた。
この時間帯なら昨日の駐車場に止めた登山者たちはほぼ下山が済んで
今日の登山者とちょうど入替わりできるのだ。
ザックを持って駐車場を後にして、登山口手前の山小屋で休憩。
高山病対策でまず標高2,000mに体を慣らすために
ここでお昼ご飯を食べたりして1時間ほど過ごす。
駐車場に着いてから約1時間経ったので
トイレ(\100)と念入りに準備体操を済ませて登り始める。

登山者はそれほど多くない。
平日だし、しかもここはツアー団体客が少ないルートだから。
ゆっくりいつものペースで歩く。
ゆっくり歩いていても、先に歩いていた若者たちの歩みが遅くなるので
それをどんどん追い抜いてゆくことになる。
日頃の山行のおかげか足取りはよい。

標高2,000mを超えてはいても
暑いことに変わりはない。
汗だくで登る。

今回、この須走ルートを選んだのは三つの理由がある。
一つ目は、私は昔富士吉田ルートで登ったことがあるので別のルートで登りたかったから。
二つ目は、須走ルートは樹林帯コースや砂走り(下山時)など変化に富んでいて面白そうだから。
三つ目は、須走ルートはツアー団体客がほとんどおらず、登山渋滞がマシだと思われたから。

とにかく渋滞はなるべく避けたい。
8合目以上はしょうがないとして、それまでは自分のペースで登りたい。
なので日程もなるべく登山者の少なそうな平日を選んでみた。

そして自分たちの目線も雲と同じ。
砂走りルートで下山している登山者たちが見える。
明日は我が身。楽しみ。

ゴツゴツした溶岩の道になる。
少々歩きにくい。

出発して1時間弱で新六合目に到着。

標高2,450m地点。
この辺りから高山病に気をつけなくてはいけない。
持参した酸素ペレットをボリボリ食べる。
水分も15分置きに少しずつ補給し、
脳や肺に酸素を送るようにしっかりと鼻呼吸しながら歩く。

樹林帯を歩いていたときからであるが小雨が降ったり止んだり。
雷の音も少し聞こえる。

新六合目長田山荘から約30分で本六合目の瀬戸館に到着。
標高2,700m。
空気が少し薄いのがわかる。
ここも5分だけ休憩。
このあたりになると、下の登山者の姿がよく見える。

空気が薄いのか、足取りが重くなる。
歩幅が小さくなり、一歩ずつの歩みも遅くなっているのがわかる。
七合目。山小屋大陽館。標高2,920m。
小雨だけれど気になり始めたので
ここでレインウェア上下を着こむ。
標高も高くなってきたので防寒にもなる。

15:40見晴館。
標高3,200m地点。
本七合目。
ここでも5分ほど休憩する。
酸素ペレットをかじり、酸素缶で酸素の補給もしておく。

私は昔、高校生で富士登山したときに軽い高山病になってしまい、
山頂では気持ち悪い思いをしたので
今回は絶対に高山病にはならないぞっ!
という気持ちで登っていました。
なので今回は鼻呼吸を意識して酸素を体内に取り込み、
水分もこまめに15分おきにとりながらゆっくりと登っているのです。
今のところは大丈夫。
この先も気をつけて登って行こう。

先ほどのイタリア人の女性はこの見晴館のベンチに倒れ込んで休憩。
キツそうです。

ここでも5分の休憩。
あまり長く休憩をとると逆に体が動かなくなるので。。。

旗で飾られた八合目が見えてきた。
傾斜もキツイし、砂礫で思うように前に進めない。
足も重いので歩みも遅くなる。
これが空気が薄いって感覚かーっ。

八合目。標高3,350m。
ここで虹を目にする。
これだけで癒される。
ここ下江戸屋は、皇太子さまが宿泊した山小屋。
私たちはもう一つ上の上江戸屋に予約している。
あともう少し。
天気はそれほど悪くない。雨も上がった。

鳥居をくぐる。
登り始めてちょうど4時間で今夜泊まる山小屋、
通称胸突江戸屋に到着。
ここは本八合目。標高3,400m地点。

ここから山頂までは普通なら1時間。
人気の吉田口ルートとの合流地点で
トモエ館という山小屋も隣接している。

今夜はここでゆっくり(?)休んで
明日の登頂に備える。

まず受付で名前を告げると
小屋の人に「お早かったですねーっ。13時に出たんですよね?」と言われる。
「あ〜、ちょっと早く12時半ぐらいに出ました。」と私。
一応予約時に大体の登り始める時刻も知らせることになっている。
「全然平気そうですね。」とも言われてちょっと嬉しい。

何回もあのバカ尾根登って鍛えた甲斐があったぁぁ(ノДT)

ここまでは全然平気の域。
まぁ、本当にキツイのはこれから先からなんだろうけどww

宿帳を書いて、宿代を前払いする。
2食付きで2人で15000円。

引き出物時に持って帰るような形の布袋に靴を入れるように言われて
それを持って寝床に案内される。

私たちは廊下つきあたりの2段目の端っこ。
端っこはとってもありがたい。
しかも上は3段目があるのだけど
私たちのところだけ吹き抜けになっていて
上には梁があるだけ。
圧迫感が無くてよい。

それにしても。。。富士山の山小屋初めてじゃないけど
やっぱり今も鰻の寝床なんだわww

壁に付いてるフックが1人分の幅なんです。
わかりやすく言えば
普通のシングル布団の半分が1人分の寝床として与えられて
枕は1人一個ですが、布団は2人で共有です。
私たちは夫婦だから一つの布団でもいいけど
奇数人数で来た場合、、、知らない人と共有。。。うぐ。。。

しかも男女別で寝床を分けたりもしません。
女性にはちょっとありがたくない寝床ですね。
私は高校生の時に家族4人で山小屋に泊まって
両親に囲まれて寝たので良かったですけどね。
でも相変わらずの狭さと床の硬さは、、、眠れそうにないようなw

荷物を枕元に置いて整理していると
すぐに17時の夕食に呼ばれる。
早めに食べないと、後から到着する登山客でごった返すからだ。
夕食はカレーライス。

カレー美味しかったです。
でも量がね、私でも少ないと感じる。
もちろんおかわりなんてありません。
足らない人は別料金でおでんとか食べている人もいました。
夜中にお腹空きそうだわ。。。
まー、とりあえずおにぎりは一つずつ持ってるけど。

トイレは昔と違って
富士山のすべての山小屋のトイレは水洗になりました。
水洗の種類もいろいろありますけど
ここは循環式水洗トイレだそうです。
もちろん宿泊客でも有料。1回100円。
外来客は200円。
トイレに入ってまず驚いたのは流すお水が茶色いこと。
はじめ、「なんだ前の人が流してないっ!」と思ったのですが
実はもともとそういう色だったという。。。
茶色というか、こげ茶色の水が出てきます。
それでもこんなに標高が高いところなのに水洗ってありがたいですよね。

カレーを5分ぐらいで平らげて
まだ明るいので山小屋の外に出てみると
ちょうど影富士が見えたっ!!

この山小屋のある須走ルートは富士山の東側にあるため夕日は見えないが
ご来光はどこからでも見ることができる。
明日はご来光をこの本八合目で見てから、ゆっくりと登頂する予定。
(山頂で見てもいいけどすごい人で大変らしい。。。)
私たちの今回のミッションは 山頂でのご来光ではなくて登頂することだからっ!

さすがに冷えてきたので寝床に戻る私たち。
もうあとは休むことしかすることがないのです。

私たちは登山客の中でも早くこの山小屋に着いた方らしい。
後から後からどんどん疲れ切った登山客たちがやってくる。
そして寝床がどんどん埋まっていく。
う〜、私たちの隣に誰も来るなぁ。。。
と祈るけれど、そういうわけにもいかないか。。。

途中で会ったイタリア人御一行様(4人)も同じ山小屋で、
私たちの上の3段目の寝床らしい。
そして寝転がって見上げると、イタリア人たちが
私たちの真上の梁に汗で濡れたTシャツを干しまくってる。。。
うぅ。。。なんかイヤ。。。
洗濯ものの下で眠るようなものだ。
ま、、、しょうがないか。。。日本語伝わらないしww

とりあえず横になる。
まだ眠くないけど、体を休めよう。
明日はご来光を山頂で見る登山客のために午前1時に皆起こされる。
そしてその後、ご来光を山小屋で見る登山客のためには午前4時にも一斉に声がかかるらしい。
今のうちに休んでおかなくては。。。

って。。。。。


うるさいよっ!!! そこのガキんちょっ!!!


家族4人連れで来ている小学生ぐらいの子どもたちが2人で
マヨネーズだか、カレーライスの歌をずーっと歌っている。


誰か、、、注意しろよ。。。


もう休んでる人もいるんだぞ。。。(怒)
親も親で一緒になって楽しそうにしてるし。。。
しかもそこの親父、明日の九州や東北の天気の話を始めて
「天気が崩れるかもしれないから予定より30分早く出よう。」
と家族に話している。
その話を延々と、、、他の登山客にも何回も。。。。
うざ。。。。


もぅ。。。。勘弁してください。。。あの家族。。。うるさすぎる。。


その間にも続々と登山客たちが山小屋に到着し、
うなぎの寝床は次々と埋まっていく。
私たちの隣はまだ大丈夫。空いてる。
4人スペースほど向こうに男女2人連れが入る。
そしてその男性の方は寝る準備をしていたのだけど
「靴下履いて寝た方がいいかなぁ?どうしようかなぁ?履かなくてもいいかなぁ?」
と連れの女性にうるさいぐらいずーーーっと訊いている。
(いや、実際うるさかった。)





そんなことぐらい 自分で決めろやーーーーっ!!ヾ(。`Д´。)ノ


なんか山小屋に来てすっごく疲れるんですけど。。。
それでも我慢して寝ようと努力する私たち。
寝床はもう隙間なく埋まっていく。
でも私たちの隣は空いたまま。

ん? なんか待遇よくない??
なんでだろう?
予約が早かったからかな?

21時頃。
「見て見てー、お月さまがすごい綺麗よっ、ほらっ!」
と大きな声を出して廊下の窓を開け放つおばさんたち。
「ほんと、綺麗ねーーっ。赤い月だわっ。」
と写真を撮ったりしている。



うるさい。。。



しかも寒い。窓開けないで欲しい。
てゆーか、ほとんどの人もう休んでいるというのに
修学旅行気分で舞い上がってるおばちゃんたち。。。
さらにその声に誘発されて赤い月を見ようと窓辺に集まる人たち。。。
「綺麗ねー。」
「すごいわねー。」


うるさい。ヾ(。`Д´。)ノ


見たいなら外に出てから見てくれーっ。
旦那さまもプチ切れそうでした。怒。
喉から「うるさいっ!」て言葉があともう少しで出てきそうになった時、



しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜。




という誰かの声でやっと騒がしくしていた人たちは気づいたようです。
蜘蛛の子を散らすように寝床に戻って行きました。
でも私もこっそり上の小窓から赤いお月さま見ましたw
静まりかえっていて、まるで嵐の前のような風景でした。

22時を過ぎるとさすがにみんなおとなしく休んでいるようです。
私たちはずっと眠ろうと努力していましたがなかなか寝つけません。
せんべい布団じゃ背中が痛いし。。。狭いし。。。
寝がえりうつのも大変。。。旦那さま蹴っちゃうし。。。

トイレにも何度も行きました。
そのたびに100円ですけど仕方ない。
あと高山病にならないようにまめに水分補給をしたり
酸素缶から酸素を吸ったりします。
あちらこちらでシューシューと酸素缶の音が聞こえます。

旦那さまは少し頭が痛いらしい。
長時間横になってるからかな? それとも高山病?
トイレに行った旦那さま曰く
「トイレで吐いてる人がいた」と。
高山病だね、その人は。

気づくと風の吹き荒れる音がする。
強い風が山小屋に体当たりしている。
「えっ。」
そっと立ちあがって小窓から外を見ると
外は嵐だった。

ほんとに嵐になっちゃってるよっ!

吹き荒れる風。
視界も悪い。
まるでよくテレビで見る大荒れの台風中継のようだ。
それでもまだ登っている登山客がいて
そのヘッドランプが青白く弱々しく揺れてまるで人魂のように見える。
大丈夫か?あの人たち。。。
大丈夫か?明日の私たち。。。

午前0時過ぎ。
風台風はますます強くなり、雨も降っている音が聞こえる。
小屋全体に雨がぶつかっている。
その音で眠れない。
山小屋に避難してきている登山客もいるようで
入り口が少しざわめいている。

午前1時。
山小屋の人がやってくる。
「ご来光を山頂で見るお客様。外はかなりの強風です。
山頂はここ以上の強風で危険な状態です。
それでも登られる方、体力のある方は準備なさってください。」
そして起き出して準備する人たち。。。

おぃぉぃ、、こんな嵐の中、山頂に行くのかぃ??????????

山小屋に泊まっていた半分ぐらいの人たちが
一斉に各々のヘッドランプの明かりを頼りに
寝床でガサゴソと荷物をまとめる音がする。
(寝床は基本消灯時間過ぎたら真っ暗です。)
あの靴下を履いて寝るかどうか悩んでいた優柔不断君も出るようだ。
ガサゴソとスーパーの袋の音がうるさいし、

ヘッドランプの灯り、こっちに向けないでよぉーーーっ!!


早く出立する場合は寝る前にすぐ出られる準備はしておきたいもの。
山小屋ではスーパーの袋の音はご法度だということも知らないのか。。。
20分ぐらいでご来光山頂チームはほぼ出払う。
上のイタリア人も何人か出ていったようだ。
寝床はすっかりガラガラになり、自分たちの領域を超えてゆったりできるようになる。

「こんな天気じゃ、ご来光も無理だろう。
4時になっても回復しなかったら登頂もあきらめないとだめかも。」
と旦那さま。…。
そうだよね。。。
こんな嵐じゃ、、、危険すぎる。。。(ノω・`o)
それから静かになった寝床で少しだけ眠りに就く。

ぼんやりとした意識の中、雨の音がいつのまにか止んだのに気づく。
このまま回復してくれたらいいのに。。。

3段目にいたイタリア人の何人かが山頂から帰ってきたようだ。
(山頂まで辿り着いたかどうかは不明)
着ていたウェアを脱いで、また私たちの真上の梁に干している。
その一つが私たちの布団の上に落ちてきた。
掴んで立ち上がって・・・。「Excuse me」と声をかけて落ちてきたウェアを渡す。
「Oh,thank you」と言ってたような言ってなかったような。。。
そして寝ようと横になると、今度は何かが顔にあたる。

冷たい。。。雫だ。。。

ポタポタと上に干してあるレインウェアから雫が垂れて私たちの上に落ちてきている。
「ぐぁ。。。」
どうしよう。。。汗
なんて言えばいいんだ??
小屋人の人に頼もうか。どうしよう。
旦那さまは眠そうで訊いても応答なし。
どうしよう〜。このままだと布団が濡れてしまうし。。。

また立ち上がって「Excuse me」と声をかける。
そしてウェアを指差して、つい出た言葉が

「ぽたぽた。。。。。」

‘ぽたぽた’で通じるのか???wwww
と自分でも一瞬思ったけど、ちゃんと通じましたwwww
慌てて干していたウェアを別の場所に移すイタリア人。
「Excuse me.sorry.」と謝ってくれてました。

残念ながらご来光を見るための、午前4時の小屋人からの声かけはありませんでした。
そう。天候は回復しなかったので、ご来光も見えないからです。
それでもその時間には目が覚めていて、小窓から外を見る私。
相変わらずの強風。
そして視界もほとんどない。


私たちは登頂をあきらめました。

山頂まであと標高376m。
時間にしてあと約1時間のところでした。
強風の中、登頂しても何も見えないだろう。
お鉢巡りもできないだろうし、第一危険を冒してまで登頂するべきではない。
それに旦那さまは頭痛がひどくて高山病のようだ。
高山病の場合、鎮痛剤くすりなどは飲まない方がいい。
飲むと逆に危険らしい。
治すには下山して高度を下げるしかない。

私たちを含む山頂ご来光チーム以外の人たちは
ほぼ全員登頂を諦めたようだ。
ゴソゴソと起き出して下山の準備をしている人、
まだゆっくり寝ている人それぞれである。
例のあの煩かったカレーライス&マヨネーズ家族も登頂を諦めて
寝床で静かにゴロゴロしている。

広間は小屋で出された弁当を食べる宿泊客たちで溢れかえっていた。
まるでお通夜のような暗い雰囲気。。。
もうあとは下山するだけなので荷物にならないように、
また、シャリバテしないようにここで弁当を食べて下山する人たちだ。
もう足の踏み場もないほど人で溢れかえっているので
私たちはここで食べずに持って下りることにする。
代わりに持参したおにぎり梅干しおにぎりを食べる。

そして下山準備。
寝床でレインウェア上下を着て、スパッツも半分装着。
荷物を持って登山靴を土間で履く。
相変わらず多くの人でごった返していて靴を履くのも一苦労だ。
私がスパッツを靴に固定していると、そばに立っていたおじさんが
「これ(スパッツ)付けるの初めてなんだけど、これで合ってるかね?」
と私に尋ねてきたので、見てあげて「大丈夫です」と応える。
すると今度は私の横で靴を履いていたおばさんが
「これ(スパッツ)は靴を履く前に着けた方がいいの?」と訊いてきたので
「いや、これは靴を履いたあとでいいですよ。」と応えた。
私が先にスパッツを装着していたからこう訊いてきたのだろう。
普段なら私も先にスパッツを着けることはしないけれど
土間がこんなに混雑しているので、やむを得ず出来る限りのことは寝床で準備したのだ。
それにしてもスパッツの着け方もわからないのに
砂走りで下山するつもりだったんだね。。。この人たちは。。。汗
いかにも‘富士登山をするこの日のために先週山道具揃えましたっ!’
って新しい道具を揃えてきている人が圧倒的に多い。。。

そして午前6時。
悪天候の中、下山開始。

風は昨夜よりは弱くなっているものの油断できず、
煽られてフラついてしまう。
雨も横殴りで、顔にビシビシ当たるのが痛い。
まるで台風の時のようだ。
こんな天候で登山するのは初めて。
これもいい経験になったと思わなくてはいけない。
これより先は濡れるし、危険なのでカメラ撮影もなし。

砂走りは初めてだったけれど
うまくザクザクと滑りながら下ることができた。
途中何度も滑って転んだけれど。。。
下山時もどんどん人を追い抜いてゆく。
特に無理はしてない。これが私たちのいつものペース。

それでも風雨台風はしばらくは続き、風に飛ばされないように歩くので疲れも出てくる。
ずっと視界は悪く、同じような景色がしばらく続く。
ただひたすら足元を見て下り続ける。

途中、ブルドーザーが下りて行くのを見かける。
それを見て、まるで「乗せてくれ」と言っているかのように手を挙げている外人さんもいた。
そんな姿、向こうは見ているはずもなく。。。
かなり体力消耗している感じで荷物も持たずフラフラと歩いている外人さんだった。

しばらくすると樹林帯に入る。
五合目までもうすぐだ。
ずっと下りばかりだけど、バカ尾根に比べたら全然なんてことない。
疲れ果ててフラフラと歩いている人たちを追い抜いて独走体勢になる。

7時37分無事下山。
本八合目から実に1時間38分というスピードで下山できた。
悪天候で視界も悪いので
脇目もふらずにただひたすら下りたからだろう。

登る前に昼食を食べた山小屋の前で
外人さんに「Can you understand English?」と訊かれたので
即座に旦那さまを呼んで「Yes」と応えた。
私よりも断然旦那さまの方が英語喋れるからだw
「はぐれた友人を見なかったか?1人は緑色のウェアを着ている」みたいなことを
英語で言っているのが私でもわかったので
思わず「いたよっ!いたいたっ!」と興奮してしまった私ww
旦那さまに英語で応えてもらう。
あのブルドーザーに乗せてくれーっと手を挙げていた外人さんのことだ。
緑色のウェアを着てフラフラと歩いてた。
そして「どれぐらい前に見かけたか?」と訊かれたようなので
旦那さまは「20分ぐらい前」と応えていた。

私たちの足で20分だから、、、緑の彼ならそれ以上かかるだろうなぁ。。。
と思いながら、駐車場の車まで戻る。
それにしても今回は外人ネタが多いなww

午前9時前に宿泊先のコテージに戻る。
この日はゆっくり宿泊して明日横浜に帰る。

今回登頂はできなかったものの、自分たちの力量が試せたし、
山小屋での体験も嫌なことも含めて楽しい夏の思い出になりました。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。












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