吉備路の弥生墳墓・国分寺・博物館を見るー吉備路遺跡サイクリング・
hirokok510
体力度について
- GPS
- 09:41
- 距離
- 66.5km
- 登り
- 378m
- 下り
- 367m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
自転車
|
写真
拍手
この左奥におそらく本来見たかった墳頂のある地点で、西の旧水筒付近は突出部が削られてしまったが、南西の突出部は岡山大学の近藤先生らの努力で保存されている。
感想
前夜、新宿を出発し、6時半高速夜行バスで岡山駅に到着。駅中のコンビニで朝食、行動食などを購入し、7時に駅近くにある駅リン君岡山駅東口店で自転車を借りる手続きをする。駅を出発し、駅近くの今晩の宿舎に荷物を預ける。7時半頃出発し、小一時間走ってまず備前一宮＝吉備津彦神社に向かう。吉備は古代を通じて大きな勢力を誇る豪族の連合があり、弥生後期後半、吉備地方の有力者の祭祀用に造られた独特の特殊器台で知られ、楯築遺跡などの大型の弥生墳丘墓やヤマトの大型古墳からも出土している。吉備には下道、上道、加夜氏、笠氏ら有力な豪族に分かれ、飛鳥時代まで強力な勢力を誇ち、6世紀には鉄や潮の生産が盛んだった。5世紀にはヤマトとの勢力争いで敗れて、勢力をそがれ、律令時代には浄御原令により備前、備中、備後の三国に分割され、713年には備前から美作国が別れた。かつて加古川から広島の一部までを支配した吉備勢力も衰退に向かったらしい。
吉備津彦神社は備前国の一宮、近くの吉備津神社は備中国の一宮で、この両神社は、吉備氏の始祖「吉備津彦」の墓と言われる中山茶臼山古墳のある吉備中山の麓にあり、この中山は古来信仰の対象で「ご神体」と考えられている。おそらく吉備国が分割されたときに神社も別れたものと思われる。吉備津彦神社を見学し、すぐ吉備津神社に向かう。吉備津神社は長い回廊に囲まれ、しかも吉備津彦神社より高台にある。長い回廊に囲まれ、この回廊を歩くと良縁に結ばれるのか、新婚カップルが関係者とともにここを歩いていた。吉備津神社を見学・撮影し、さらに中山茶臼山古墳方面に登っていく。古墳に行く前に9時を過ぎたので県立古代吉備文化財センターを見学する。展示室に入ると大きな須恵器の先に倉敷市の上東遺跡の波止場状祭祀遺構（弥生時代後期＝1800年前）に関連した展示があった。吉備津の「津」とは「港」のことであり、足守川などによる瀬戸内海を通じた河川交通が発達していたと思われる。また同じ足守川の津寺遺跡では古墳時代の大規模な護岸工事遺構が発見されている。これは背丈ほどのアベマキ材を加工した杭を6千本の打ち込んだもので、その中に枝や樹皮などを挟み込んで川の流水に耐える土塁が造成されている。古代特有の優れた技術とされる。そして貝塚関連の展示を見て、弥生時代の展示。弥生時代に入ると百間川や足守川などの流域の微高地に集落や倉庫群が開かれ、低湿地に用水と水田が開かれた。そうした遺跡群の展示がある。そうした弥生の遺跡群の出土品の中には特殊器台の前の通常の器台があり、そうした器台が有力者の葬儀に関する祭祀で大きな特殊器台に進化し、さらに古墳時代の埴輪に変化していく過程が展示されている。その特殊器台の実物を見たかったのだが、展示には見られない―なぜ？？
その後、埴輪窯と埴輪、須恵器窯と須恵器などの展示があり、、製鉄に関する遺跡、遺物、遺構などの展示があり、律令時代、奈良・平安時代の様々な遺跡出土品の展示が続く。古墳の様々な副葬品ー武具や馬具、豪華な装飾品などが並ぶが、こうした展示だけを見ても、吉備王国の盛衰は必ずしも良く分かるものではなかった。どういう経緯で中央政権を大和盆地が握ったのかーー土器の交流や特殊器台から埴輪への進化を見ても、吉備勢力のこの時代における影響力の大きさがわかるのだがーー。吉備氏の下道からは中央貴族社会で活躍した吉備真備も出ている。また渡来人社会として、秦氏や加夜氏（伽耶）らの社会も吉備には見られ、白村江以降、西日本を中心につくられた朝鮮式山城の一つ、鬼ノ城もある。律令以前の吉備社会は謎の多い興味深い地域だ。展時には鬼ノ城関係の特設展示スペースもある。この時代に築造された30くらいある古代山城のうち、大野城や麹池城のように日本書紀など古代の文献に記録のあるものと鬼ノ城のように文献に出ていないものがあり、近年の発掘調査で明らかになったことも増えたが、まだまだ謎の多い分野らしい。
センターを後にしてまず中山茶臼山古墳に向かう。山頂に向かって登ると、宮内庁の管理する陵墓に出る。吉備津彦の陵墓と否定され、宮内庁が管理しているので、中には入れない。
吉備津神社まで戻り、楯築弥生墳丘墓に向かう。途中古代吉備氏の氏寺と考えられる惣爪廃寺の塔跡（礎石）を見学し、楯築遺跡に向かう。地形がやや複雑で、小高い丘陵の上にある遺跡までの道を探す。住民の方に道を確認し、チャリをこいで登ると遺跡はあった。旧水筒の先に解説板があり、いくつもの墳丘の位置が示されているが、今日の予定がこの先詰まっているために慌てたのか、大きな石のある王墓後の写真が取れていない。手前で引き返してしまったらしいのが残念。時間的な余裕がないので先を急ぐ。ここから巨大な造山古墳に向かい、畿内の巨大古墳につぐ、全国4位で墳長350mの大きさの古墳を見学する。仁徳陵など宮内庁管理陵墓は墳丘内立ち入り禁止のため、墳丘に入れる古墳としては全国最大であるようだ。駐車場にチャリを止め、歩いて墳丘を見学する。上からの眺めは素晴らしい。古山陽道や、おそらくは瀬戸内海の船からも見えるような巨大墳墓で、多分吉備氏の勢力の大きさを示すのみならず、古代、半島や東などの外国の使節に見せつけるための目的もあったかもしれない。仁徳陵などは明らかにそうした目を意識して建造されている。
気持ちの良い田園地帯を走り、備中国分尼寺跡に向かう。金銅、南門、築地土塀跡などを見学し、つぎのこうもり塚古墳に向かう。ここも国指定史跡で巨石を組み合わせた横穴式石室は20m近くあり、6世紀後半の吉備の大王墓と考えられている。
さらに進んで備中国分寺跡と現国分寺を見学する。巨大な五重塔が印象的だが創建時の遺構はただ看板が立っているだけで目には見えない。五重塔は江戸時代後期に20年以上かけて建立されたものらしい。市も古代のものとは別の場所のようだ。すでに1時近いが、おにぎりなどを食べて作山古墳に立ち寄り、さらに総社駅に近い宮山古墳までチャリを走らせる。百射山神社の裏にある丘の上まで登り、宮山古墳群を見学、そこから岡山までチャリで30�勸幣紊瞭擦里蠅魑泙い婆瓩襦０貉�間半くらいで何とか岡山市立埋蔵文化財センターに到着、旧石器、縄文貝塚から奈良・平安時代、さらに中世、近世までの出土品が展示されている。ここでも特殊器台が見られなかった。特殊器台の展示がないのでセンターの方にお聞きしたら、保存作業室に案内され、収蔵庫にある修復中の特殊器台と特殊壺を見せていただいた。感謝。普通の小型の器台や壺は住居跡などから出てくるが、大型の特殊器台などは弥生の有力者の墳丘墓からしか出土しないことから、有力者の葬送の祭祀に使用されたものと考えられ、やがてそれらから埴輪が生まれたという。40分ほど見学してから県立博物館に移動。残念ながらお目当ての常設展示は、備前焼の特別展のため、ごく一部しか見ることができなかった。
今日は夜行バスで寝不足の上、70�劼舛�くママチャリで走って疲れ切った体を夜の町であるコール消毒して早めに休んで明日以降の長い旅に備えた。
、
、
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
三輪山の最新記録
楯築山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する