六甲山:比命大善神社と雲ヶ岩 法道仙人謎のヒト


- GPS
- 03:30
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 300m
- 下り
- 295m
コースタイム
天候 | 雨〜曇り〜ときどき晴れ〜小雨〜曇天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
心経岩〜六甲比命大善神社までの上りの上部が絶壁に近い急登。超急階段の手摺り便り。短いが、なかなか手強いので、要注意。その他の7割くらいは、緩い車も走れるような整備万全の道。 |
写真
感想
♠神戸では 何を差し置き 六甲山
さいたま市から、はるばるやってきました姫路と神戸。仕事ですが、山に登らない手はありません。仕事が済んだら、姫路の16日15時過ぎ、まだ登れる山がありました。ロープウェイがある書写山です。山というより山上の寺、ロープウェイで登れば、30分ほど登って山上の圓教寺の、奈良や京都の寺院と見紛うほどの巨刹、もみじ狩りの時期、シンボル的に有名な姫路城より、私にとってははるかに見どころがあった山行でした。ヤマレコにレポ済みです。
そして翌日、念願の瀬織津姫を祀る比売神社があるという六甲山行を決行しました。
問題が二つ。一つは出張で1日目は2万6000歩超え、2日の姫路城〜書写山で2万5000歩超え。なんば歩きを意識したので筋肉痛や足ズレはなかったのですが、持病のぎっくり腰が発動。身体をかがめると、強い痛み。しかし、普通に歩ける状態ではありました。これで山道、行けるか?
もう一つが天候。天気とくらすでは、曇り予報。前日は晴れと出ましたが、当日朝は曇り。しかも、雨の懸念もありました。が、折角準備計画をしたので、雨でなければ、行かない選択肢はありません。
今回の山行計画は、六甲山のパワースポット巡りです。六甲ケーブルカーの上の駅を起点にぐるっと歩ける計画を立てました。計画では、下の渦森台という登山口から登る予定でしたが、天候と腰痛懸念で、上まではケーブルを利用することにしました。
♠六甲道 分け道多く ナビ必須
ケーブルカーの上駅に着くと、何と雨…。かなり本格的な雨でした。みなさん、山行の方々は、カッパを着込んで出発していました。私も、どうしようかと迷いはしましたが、靴を脱いでカッパの上下を着込み、いざ出かけてみたら……アレレ…? 雨は止んで、陽が射してきています。ひょっとして、このまま晴れる?…青空も見え、期待をしたのも束の間、曇天となりました。
六甲の道は、山道ではなく、別荘や保養所のための道でした。たくさんの道案内がありますが、山のルート案内ではなく、都度、ヤマレコで地図で方向を探らないと、分け道を行き過ぎたりしてしまいます。分け道がものすごく多いので、危険なことはありませんが、ルート探しはこまめチェックが必要なところでした。
山道と言えるのは、ミュージアムの前後と、比売神社の上から六甲ガーデンの手前、そこからゴルフ場前後のあたりで、半分は車が通れる、整備された道でした。危険個所は、心経岩〜比売神社に登るところ。長くはないですが、比売神社直下はほぼ垂直な崖で、急勾配の階段がありました。
紅葉は、ぼちぼちでした。もう少しあとのほうがいいかも。しかし、秋の風情はあって、道はどこもが整備十分で明快。とても歩きやすいルートでした。
私の一番の目的は、六甲比売大善神社を参拝することでした。最初に出くわしたのが、心経岩でした。2〜3メートルはありそうな巨大な、しかし平に削り取ったような岩面に、細かい文字が刻まれていました。が、これは昭和5年に再興されたときのものでした。解説によると、元は、6世紀ごろ、法道仙人が岩に般若心経の経文を刻んだというのです。その仙人が刻んだ岩は、風化してしまったのでしょうか?
♠播磨の地 法道仙人 インド人?
ところで「法道仙人」とは何者? 恥ずかしながら、知りませんでした。戻って調べました。ウィキペディアなどのウェブから、引用してまとめてみます。
法道(ほうどう)は、インドの仙人。鉄の宝鉢を持っていたことから、空鉢仙人(からはちせんにん)とも呼ばれるそうです。法道仙人は、播磨各地に伝説として伝えられているようで、6世紀半ばに、天竺(インド)の霊鷲山から渡来したというのです。伝説では、方術を駆使し、特に「飛鉢の法」を行ったと言われ、播磨一帯の山岳寺院を開創した人物にみなされているようです。十一面観音信仰を広めたり、陰陽道の術もわきまえていたとされます。この当時の仙人というと、役行者が有名です。法道仙人も、インドから歩いたり船に乗って渡来したのではないということです。UFOにでも乗って、当時の播磨国にやってきたのでしょう。役行者のように、超人だったようです。
仙人といわれるくらいですから、普通の肉体をもった存在ではないわけです。超人というのは、人を超えた存在なので、意識体の乗り物としての肉体を、出したり消したり移動させるようなことをして、いわゆる人間を驚かせます。役行者もそんな伝説を残しています。空海も、そんな奇跡をたくさん行ったとされます。インドやミャンマー、ヒマラヤには、そんな超人がウジャウジャいるとされます。ババジも、サイババも、マイトレーヤやモリヤ覚者、ヨガナンダ……などなどが知られています。それぞれ、進化の段階が違いますが、われわれ人間からすると、超人というしかありません。
法道仙人の伝承(6世紀)が、比売神社を中心に、刻まれています。心経岩〜比売神社磐座〜雲ヶ岩(法道仙人が紫の雲に乗って毘沙門天が降臨した場)〜仰臥岩(ここには、仏眼上人、熊野権現、花山法皇と八大龍王神が祀られています)は、六甲山の尾根の突き出た突端の岩場にあります。
♠六甲の 磐座伝承 縄文から
この六甲山の絶壁にある磐座の伝承は、法道仙人の時代より一層古い、縄文時代からの、人間の手によって積み上げられた形跡があるという報告がありました。引用します。
「六甲比命神社の磐座は天然に出来たものではなく縄文時代のころ、縄文人たちの手によって巨石を積み上げて出来た人工の磐座である。一説によれば縄文中期(BC5,000年頃)に出来たのではないかと言われている」
(https://www.megalithmury.com/2019/08/rokkouhime.html#toc_headline)
今、六甲比売大善神社には、本体の磐座の前に、拝殿としての小さな社が建てられています。これは明治期以降に建てられたものでしょう。古くは、本体の磐座が見えたはずです。いまは、社と東?に迫る崖の細い通路を潜り、社の裏側にまわります。本殿としての磐座は、縦に抉られた深い窪みになっていました。暗闇には、小さな社と蝋燭や線香があり、参拝者が自由に手向けることができるよう準備されていて、ライターまでがありました。
ここで唱えるのは、祓詞です。祓戸大神、瀬織津姫を意識します。
祝詞を唱えていたら、何事か、とてもいい香りが漂ってきました。ここに比売神の閃きが潜んでいます。この窪みの磐座を、社で隠すのは必要なことと理解できました。なぜなら、このような岩が縦に割れて窪みには、ヒメ神の象徴となるからです。このような場所に、大日如来が祀られている場合もあります。縦の割れ目は、自然でも秘所です。奥ゆかしく、隠すのは、神の世界でも同じです。
♠雲ヶ岩 巨岩タマゴが 真っ二つ
比売神社から、さらに上の向かう道が続いていました。少し上ると右側に「雲ヶ岩」がありました。一目瞭然です。幅2m超えのタマゴのような楕円のきれいな岩が、真ん中で真っ二つに割れていました。ここは法道仙人が修行をしていて、毘沙門天が降臨したという岩でした。私は、自然ではありえないような楕円の岩や、真っ二つの割れ方を奇異に感じながら、ひょっとしたらこれは、比売と関係しているのではないかと想像しました。というのは、このタマゴの形が二つに分かれている様は、タマが二つの袋に見えたのです。これは男性原理の象徴ではないかと、妄想を膨らませました(そんな説は聞いていませんが)。
♠仰臥岩 熊野権現 そそり立つ
雲ヶ岩からさらに少し登ると、長さ数メートルはありそうな、自然ではない巨岩がありました。仰臥岩と言われているものです。表からは見えませんが、岩に近寄っていくと、もう一つ巨岩が横たわっており、その裏側は崖で落ち込んでいます。ここは、比売神社の真上あたりになり、尾根の先端が盛り上がった、頂上のような位置になります。裏側の巨岩には、熊野権現が刻まれた岩の碑や八大龍王の祠が祀られていました。縄文人がはるか昔、ここに巨岩を積み上げて、直下の比売の窪みの磐座を護るかのような構造に見えました。これらの巨岩の造形は、明らかに、六甲山尾根の突端に突き出たシンボルとしての陽物です。
♠最深部 陽物と玉 比売隠れ(妄想)
つまりこの六甲山の最深部の聖域は、突端尾根巨岩、仰臥岩という陽物と雲ヶ岩の二つに割れたタマ袋、そして陰部としての比売神宿す窪みの磐座が祀られた、生命の根源を祀り、人間の繁栄を願ったものではないかという妄想が湧き出ました。
先のホームページに、こんな記述があります。引用します。
「法道仙人が六甲山吉祥院多聞寺を創建した際、六甲比命神社境内の雲ヶ岩に毘沙門天(多聞天)が降臨したことから、多聞寺の奥の院となった。毘沙門天と吉祥天は仏教本尊の中では珍しく、夫婦の関係である」
私の妄想も、あながち外れているわけではないのですよ。
♠霞立つ 神戸の街と 瀬戸内海
仰臥岩を後にして、六甲ガーデンの方向に尾根道を歩きます。広い分岐のある道路に出ました。ロープウェイの方向に少し歩けば、六甲山の頂上をゲットできますが、腰痛を抱えた私は、今回はパスをして、ケーブルの上駅に戻るルートを辿りました。途中、紅葉が最高に燃え立ったところをくぐりました。
こうして無事、ケーブルの上の駅に戻り、展望台で神戸の街並みと瀬戸内海の光芒を楽しみました。霞んでいましたが、一興です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する