大福山〜梅ヶ瀬渓谷〜養老渓谷


- GPS
- 06:35
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 717m
- 下り
- 709m
コースタイム
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 6:35
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 滝見苑けんこう村 ごりやくの湯:1200円。内湯と露天風呂,サウナがある。未だ新しいのか,きれいな風呂だった。 https://www.goriyakunoyu.jp/ 市原湖畔美術館:銅版画の深沢幸雄の常設展示。企画展では紙を使った作品が展示されていて面白かった。 https://lsm-ichihara.jp/ |
写真
感想
雑誌で見かけた梅ヶ瀬渓谷の写真が気になって,紅葉の時期を待って出かけることにした。序に大福山と,大昔に家族で行った養老渓谷を訪れる計画で,養老渓谷駅に車を置き,小湊鉄道で上総大久保駅まで行ってから大福山に登る予定。7時39分発の電車に合わせて自宅を4時に出た。しかし,予定よりも早く6時40分には駅に到着したので,電車は止めて歩くこととした。
駅前から立派な車道を少しで細い脇道に入って,線路を越えた辺りからは落ち葉が積もった古い舗装道になった。養老川に架かる橋を渡り,民家の並ぶ短い道を過ぎると「房総ふれあいの道」の標識が立っていた。後で調べると,ここからは「森と梢の道」と名付けられた道の一部のようだ。舗装道路だが車は通らないし,幾分の靄に包まれたこともあって,中々気持ちの良い歩きができた。
再び,集落に出た後,折津神社の少し手前から大福山への道に入る。「通行止」の看板と簡易なバリケードがあったが,徒歩なら問題ないだろうと先に進む。少し進むと,いかにも古そうなトンネルで,上から雫が垂れてくるのを避けながら通る。大福山への標識があり,林道牛堀線になるが,ここにも「通行止」の看板が立っていた。
道は舗装されてはいるが,かなり古いもののようだ。倒木があり,小さな橋の一部も崩壊したりしているので,車の通過は確かに無理だろう。しかし,歩く分には特に問題もない。樹林の間から射しこむ陽の光を楽しみながら歩を進める。傾斜もゆるくて正にハイキング気分だ。自然も十分に残っているようで,ウサギが走ったり,こちらを見つけて2頭のシカが逃げ去ったりした。何やらトンビのような声も聞こえる。少し汗もかいてきたので,小さなピークを越えて平坦になった辺りで一息入れる。ここから20分で林道 女ヶ倉線に出る。この林道は現役で使われており,車も通ってはいたが,まばらなのでのんびりと歩けた。路の両脇には紅葉した樹も立っていて楽しみながら歩ける。空も真っ青の快晴でコントラストが綺麗だ。
梅ヶ瀬渓谷の駐車場は60台ほどが停められるようで,トイレや休憩ベンチなどもあった。ここからも遊歩道が巡っているようだが,現在は荒れているために立ち入り禁止となっていて残念だった。更に車道を進むと白鳥神社の小さな案内板が立っていて,細い登り路が右側に延びていた。直ぐに石の階段となり,登りきると苔の生えた広場の向こうに小さな社が建っていた。脇には紅葉した樹が色どりを添えている。静かな雰囲気の中,ベンチに腰掛けて休憩を取った。
来た道を少し戻って,日高誠顕彰碑の脇にある梅ヶ瀬渓谷に下っている山路に入る。ここで初めて山路らしきところを歩くことになる。周囲の紅や黄に色付いた樹木が目に入り,この先の景色への期待を高める。30分ほどの下りで渓谷に降り立ち,日高邸跡への分岐点に出る。沢沿いに路が続くが,所々でぬかるんでいる。靴の足跡に混じって,鹿らしき足跡も見られた。分岐から10分足らずで広場が見え,紅・黄葉した樹が目に飛び込んできた。既に4,5人が思い思いにそぞろ歩いて写真を撮ったりしていた。地面にも落ち葉が敷き詰められて絨毯のよう。今年最高の秋色の景色だ。日高誠実という人が明治の初期に植樹して創り上げたようだが,よくもまあと感心するばかり。
もう暫く眺めていたい気もしたが,次第に人も増えてきそうな気配もあったので,移動することに。先ほどの日高邸跡への分岐点まで来ると,少し先の盛り上がったところにテ―ブルとベンチが目に入ったので,そこで小休止する。随分と古いもので,テーブルの上にはコケや草が生えていたが,近くに紅葉も見られ,良い場所であった。
ここから先は沢沿いにつけられた小路を辿るが,水量も少ないため問題なく進める。少し進むと,頭に紅葉の樹が立っている大きな白い崖があり,背景の青空とのコントラストが素晴らしかった。空にはトンビが大きな円を描きながら気持ち良さげに飛翔している。この後も何羽かを見かけたので,きっと居心地の良い地域なのだろう。他にも,小さなナメ滝や,雫がポタポタと落ちる壁,沢のトンネルがあったりと移り変わる景色が面白かった。のんびりと歩いた積りだが,あっという間に渓谷駐車場に到着する。ここには車が3台しか停まっていなかったが,渓谷を歩いている間には30人以上とすれ違ったので,他の所に停めている人が多いのだろうか?
暖かい日差しの中,車道を下って行くが,車が少ないので,周囲の景色を楽しみながら気持ち良く歩ける。30分足らずで養老渓谷にかかる観音橋と,宝衛橋の分岐点に着く。ここに,観音橋に行く途中にある白鳥橋が「通行止」の看板が出ていた。しかし,どうせ車だけだろうと思い,先に進む。ところが,白鳥橋に着くと,しっかりと歩行者も通れないように固めてある。横側から橋を眺めると,確かに橋の両サイドの手すり部分が大きく破損しているのが分かった。それ程の高さは無いので,川岸まで降りることはできそうだったが,養老川の水深が膝上ぐらいまではありそうだったので諦めて引返すことにした。先の分岐点まで,往復30分余りの歩きだった。
そこから養老駅近くまで戻った後,清澄養老ライン(県道81)を通って観音橋まで歩く。この県道は車の通行量が多く,便利な脇道も無さそうだった。太鼓橋状の赤い観音橋辺りは,多くの観光客で賑わっていた。遊歩道を歩くのを楽しみにしていたのだが,水辺に降りて僅かの所で通行止めになっていた。折角,来たのにとは思うが,事前確認が甘かったと諦める。結局,今来た道をトボトボと駅まで戻ることに。今回はアップダウンが少なかったとはいえ,20km程歩いてきたので流石に足の付け根辺りが痛み出してきた。我慢の30分で養老渓谷駅に到着する。
時刻は14時前と未だ早い。早々,楽しみの一つである温泉へと向かう。今回は,車で10分程度の「滝見苑けんこう村 ごりやくの湯」にする。1200円と観光地価格だが,内湯,露天風呂,サウナがあり,洗い場もそれなりに広い。快晴の下,露天風呂に浸かるのは最高の癒し。疲れが飛んで行く。
更に時間があったので,帰り道に立ち寄れるところを探した。事前にはチバニアンを訪れたいと思っていたが,時間的な余裕が少なそうだったので,市原湖畔美術館を選んで出発。温泉から30分余りで到着する。高滝湖畔に10年ほど前に創られた美術館のようで,種々の分野の展示をしているようだ。丁度開催していたのが,「かみがつくる宇宙」ということで紙を素材にした3人の作家の展覧会だったが,結構面白かった。常設展示の深沢幸雄の作品も幾つか気に入った。館外にあった藤原式揚水機も迫力があったし,湖の向こうに沈む夕日も中々だった。機会があれば再訪したい。
今回の梅ヶ瀬渓谷は,この秋一番の紅葉を楽しめたハイキングで,来年も訪れたいと思う良い場所だった。養老渓谷は30年以上前に来た頃とイメージが全く変わっていて,完全な観光地となっていて少し残念だった。
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