モミソ岩 沢講習

天候 | 晴のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
朝、モミソ岩に移動するときにヒルが大量にくっついた。岩場の周りは比較的少ないが、移動時の土の部分に沢山いる。復路では気温が低くなったからか若干数は減ったが、半数程度の参加者にはヒルがくっついてた模様。 前日の降水で若干増水あり。普段飛び石で渡る岩付近ではなく、少し下流から渡渉。沢靴ならそのほうが楽そう。 |
写真
感想
山岳会で、ガイド講師を招いて沢登り講習(経験者対象)を開催した。
講師は、当会創設者でもあるkamogさん。
基本的には、kamogさんによる説明(技術のみでなく、意義や他の方法など)、見本の実践、各自でやってみるといった内容で行った。
講習については、下手に多岐に渡らず、またやって見せるだけではなく、実際に手を動かし、納得できるまでやらせて頂けたのが良かった。
また、今まで有志でやっていたレスキュートレで中々実施出来なかったレイジングシステムについて実践出来たのが良かった。
自身においても、フォロービレイ時の支点の位置や確保方法を見直す良い機会となった。
<反省点>
せっかく講師を招き、沢登りの講習を依頼したのだが、基本的なロープワークや技術の見直しとなる場面も多かった(それでも、沢での注意点など盛り込んで頂けたのがありがたかった)。
最初は、沢ならではのことは何か?等考えたりしたが、そもそも、自分はそこにあまり区別を感じていない。
本日としてはこれで良かったと思う。
欲を言えば、シーズン初めとは言え、例えばマルチのシステムや基礎的なレスキュー技術は事前に見直しておくべきだった。それに割く時間で、他に出来たこともあっただろう。
最後に、学びたいこと(知識的なこと、技術的なこと)についてまとめきれず、とりとめなく丸投げ依頼させて頂いたにも関わらず、貴重な資料を共有し、また(机上講義が出来ない分)講習中に意義や経験を踏まえてお話し頂き、教えて頂いたkamogさんに御礼申し上げます。
大先輩であり、師であり、尊敬する山屋でもあるkamogさん。
これからも、よろしくお願いいたします!
<メモ>
講習開催時&受講時の留意事項
・人数の検討
・準備(参加条件、最低限のスキル)
・目的の目線合わせ(やりたいことが明確かどうか)
・学びたいこと、実施出来ることの打ち合わせ
会主催の沢スキルの講習に参加。
今までなんとなくやっていた方法の良否、山行全体に関わる考え方、新たな技術や知見等、得るものは多かった。
特に渡渉におけるロープワークはなんとなく分かった気になっていたが実践したら全然分かっておらずためになった。
取りまとめていただいたyachimayuさん、講師のkamogさん、本当にありがとうございました!
【メモ】
・リスクへの感度が下がると事故につながる(=慣れてきた時が危ない) リスクを過大でなく過小でなく適切に評価すること
・参加者は不安なことは共有する、CLはそれを許容して総合的に判断することが大事
・肩がらみは脇から出たロープをクライマーへ。脇から出たロープはビレイループにカラビナで止めることで腰も引かれる形となり安定しやすい
・肩がらみは利き手側の肩へ回す(利き手でない脇をクライマー側とする)と操作しやすい
・ガイドモードでのセカンドビレイにてセカンドレスキューが発生しそうな場合、ビレイ位置より上側のロープにあらかじめインラインエイト等でノットを作っておくとデバイス反転させやすい
・ガルダーヒッチはアッセンダーとしても使える(ロープの通し方として2回目は体の下側のカラビナを通すこと) 通したらスパイン側に寄せないと効かない
・ムンターはテンションがかかる側のロープがスパイン側に来る方が望ましい。クリップしてから片手で作る方法ではどうしてもスパイン側には来ない。クローブヒッチを作るように両手で作れば容易だが…
・終了点でスリングが足りない時や支点が太い木等の場合、メインロープの中間箇所を3回以上巻きつけてカラビナで止める形でOK。3回以上巻きつけることで摩擦がメインで効きカラビナにテコの力は働かない
・ダブルエイトノットで支点にフィックスを張る場合、支点の直径×3.5+1m程度の位置でノットを作る。(直径の半周(直径×3.14÷2)と、ノット部分のロープ角度が60°を想定した正三角形(直径×2)から計算) なお+1mは末端にさらにダブルエイト+オーバーハンドでデバイス等をつける用
・マッシャー等で長さ調節のためスリングにノットを作る場合は結び目にカラビナが来ないよう長さのバランスを変えて結ぶ
・引き上げシステムをプーリーなしで作る場合、カラビナ2枚で厚みを出すと多少は摩擦が減る
・引き上げシステムの引き上げ側最初のアッセンダー部分はビレイデバイスとフリクションノットでも可。ただし抵抗大きいためカラビナクリップのみで良い気がする
・トラバースの際に滑落すると支点には90°の方向で荷重がかかり破壊されやすいため注意
・タイブロックは下方向への制動をかける構造のためトラバースで荷重をかけると危険。フリクションノットとすべき
・末端交換三角渡渉
①片方の末端を上流側にフィックス
②ビレイヤーはもう片方の末端を持って下流でロープ手持ちで待機(流された時には自分より下流にトップが行かないよう最速でロープを引くため肩がらみもしない) トップとの角度が90°未満とならないようなるべく下流が望ましい
③トップはロープの中間をpassにクリップして渡渉(あまり長いと滑った際に届きにくくなるため短めに)
※書籍ではムンターにする例もある
④渡り切ったらトップは支点構築(後続の渡渉ポイントを意識すること)、ビレイヤーは両端を結び輪っかにする
⑤トップは輪っかを回す用にロープたぐり寄せ末端部分を入手(ロープを手放すと終わるので支点か自分にカラビナで通してからたぐるべき)
⑥ラスト以外がカラビナクリップで渡渉
⑦トップは末端を解き上流側に支点構築、フィックス
⑧対岸メンバーがビレイヤーとなり下流へ
⑨ラストはロープの中間をカラビナクリップして渡渉(③と同)
会主催の沢講習に参加させていただいた。沢には入らず、モミソ岩周辺の支点や立木などを用いての講習。これまで自分が固定的に使っていた手法について、惰性で使っているだけじゃダメだなぁと実感したのが一番大きかったかもしれない。
細かいメモはutagが詳しく書いてくれたので省略するが(多分あとで自分で備忘録として追加すると思う)、一番目からウロコだったのは、「いざというときにロープをすぐに動かせる状態にする」という意識。これまで誤って外れてしまうことを恐れて「ガッチリ固定する」ほうに意識が向いていたが、いざというときにロープを動かせる(結び目等が固くなって動かせないことがないようにする)ということが重要とのこと。確かに、結び目がほどけなくて時間が無駄にかかったり、セルフレスキューの練習をしてても「締まりすぎてしまって身動きできない」ということもあったり。この話だけではないけど、一歩先(スムーズに事が運んだにせよ、トラブルがあったにせよ)を意識することの重要性を再認識できた。
初めて見る手法も多々あったが、渡渉のロープワークは本では読んだことがあったものの実際に試すのは初めてで、良い経験になった。講習中に指示があるものの、沢の音にかき消されたりで少し離れるとコミュニケーション不可能になり、わちゃわちゃすることになったが、これは実戦でも十分起こりうることで、よほど手順を全員で意識合わせしたあとで実施しないと無理だろう。そもそも、この手法が使えるのは良い条件が揃っている場合だけとしか思えず、積極的に使うというよりは、撤退時などに活用できる可能性を踏まえて実践できるようにしておく、というものなのではとの感触を持った。
最後となりますが、講師を引き受けてくださったkamogさん、取りまとめをしてくださったyachimayuさん、本当にありがとうございました。
【備忘録】
・ロープはやっぱり50mが基本。30mで出来ることは少ない。
沢は、崩壊の有無や水量等で難易度はかなり変わる。直近のレポ、上流地域の雨量、水位の確認などももちろんであるが、予期していないことに遭遇することもあることを十分に認識しておくべき。CLやSLは、ここでフォローが落ちた場合どうなるのか、現地の状況から想像力を十分に働かせて予知し、それに対処できる準備をしておくことが求められる。
沢登りは、何かあった時にすぐに対処/行動できることが最重要となるため、ビレイやロープのフィックスは基本的にはせず、リリースや解除がしやすい状態に常にしておくことが望ましい。沢ではセカンドビレイはムンターを使用する(同時に仮固定も必須となる)ことが確認できたことは大きかった。技術的な面だけではなく、考え方や心構えなど精神面も学べたことがなにより有意義であったと思う。
フォローは、なにか不安要素があれば、しっかり伝えるコミュ力が必要であるし、それを受け止められるCL/SLの度量も必要。普段からのお互いの信頼関係も重要と思う。渡渉の手順、エスケープルートなど、事前にメンバー間で確認しておくことも大切。
講義内容
・セカンドビレイ 木で
・セカンドビレイ 岩で
・登り返し (フォロワーの必須技術と心得る)
・肩がらみ、腰がらみ
・1/3 1/5 引き上げシステム
・渡渉
ロープワーク
・テンションレスヒッチ ・ムンターヒッチ ・ムンターミュール ・ガルダーヒッチ ・ラビットノット ・バタフライノット ・スネークヒッチ
・マッシャー ・マリナーズヒッチ など
講師のkamogさん、取りまとめのyachimayuさんには大変感謝申し上げます。密度の濃い講習会だったと思います。講習会で何をやるかがわかれば、事前に予習や机上などもした方が効率的と思います。しばらくは会として、こうした沢講習を行ってもよいのではないかと思います。ありがとうございました。
沢登り講習に参加させていただいた。
あまり沢には行かないけれど、マルチやバリルートでも参考になることは多いと思い参加。
やっぱり知識の復習、再確認は必要。新しい知識も得られて良かった。
フリクションのスネークヒッチはお初。面白い。
一番参考になったのはガルダーヒッチ。これは実際に使えそう。安心して使えるように練習したい。
ラビットノットも本ではよくわからんかったけど、実地で教えてもらいながらやることでよくわかりました。
三角渡渉は本で読んでもイマイチピンと来なかったけど、実地でやりながら教えてもらうことでなるほどと理解できました。
他にも色々、人により解釈に違いがあったり、やり方に工夫があったり、気づきの多い講習でした。ありがとうございました。
今回の講習までに、やって欲しい事などアンケートがあったのに思う事を文書化できず回答しないままの受講になったが
考えてる事は皆一緒なのかなと思う。
ロープ末端での支点の取り方は初のやり方だった。
仮固定でムンターミュールはよくある場面、意味と動作を再確認できた。
初めてみるフリクションでの登り返しも後日試す事にする
時間が足りず渡渉の練習はもっとやりたいところだったかもしれない
自分も含め各自の勉強が足りない部分かなと思う。
以前から望んでいた沢に特化した講習が会山行として実現。参加させてもらった。
講師のKamojさん、取りまとめのyachimayuさん、ありがとうございました。
学んだことは色々ありますが、技術的なこと以外にも沢のPTメンバー構成の考え方や、リスクに対する自分の許容レベルをどこに設定するのか、リーダーとしてメンバーをどうフォローするかなど、自分が気になっていたことも話して頂いたのでとても勉強になった。
技術的な面で個人的に一番気付きを得られたのは、持っていくロープの長さについて。今まで遡行する沢の最大の滝のスケールだけを基準に(登攀距離はもちろん懸垂できるかなど)持っていくロープの長さを考えていたが、CLやSLとしてはそれに加えて、中間フォローが登れずに下さなければならなくなった場合、終了点を作る時にメインロープを使わざるを得ない場合など、その分の余長を考える必要がある。
それを考慮すると、初めて行く不確定要素がある沢、フォローに経験が浅いメンバーがいる場合などは30mでなく50mを持って行った方が良い。もちろん重量とトレードオフではあるが、やはり長さがある方が色々な状況に対応しやすく安心だ。この考え方は今後のロープ選びに生かしたい。
あと、ガンダーヒッチをアッゼンダーとして使う。メインロープ+カラビナで立木に支点を作る。などもとても参考になった。
今回は会として初めて(過去にはあったかも知れないが自分の在籍期間中は初めて)沢講習を企画して頂いた。yachimayuさんも書いてるが、今回は初めてとして学びも多く成功したと言えると思うが、少し気になったのは初級の内容もかなり含まれていて、脱初級や中級の内容にもっと時間を割けたらなお良かったと思った。
そのためには初級の内容は自分も含めてもっと参加者で復習や下準備が必要だったと思う。
特に渡渉に関しては今回はメニュー入っていないと思っていたので、まるで復習してなかったのが悔やまれる。渡渉に関してはメンバーの全員がシステムを完全に理解しているのが前提で、その上で綿密な手順などの確認が必要だと思った。また末端交換三角法などのシステムについては本やネットなどでみて分かったつもりになっていたが、実際やってみると全然理解できていないことに気づかされた。逆にやはり外で実際にやってみると、とても理解しやすかった。
また14人という人数だったので、水の音がうるさくて講師の声が聞き取りづらい人もいたと思う。沢の中での講習なので仕方がないことではあるが。
次回があるなら、下準備やこれらのことも検討したいところだ。
沢講習
色々とこちらの希望を汲んで頂いて教えて頂いたが、今までの自分の意識と違っていたのは、メインロープで色々と構築していけるよ、という事だったように思う。
確かに、特に沢では使える木や岩を使って何とか支点などを構築していくが、スピードなどを考えてもメインロープで出来ることはやっておこうとするべきかと思えた。
大人数で安全を確保しながらなので、引き上げにしても渡渉にしても体感的な部分では実地に向けてのおさらいが必要だとは思うが、カラビナの上手な使い方など細かく教えて頂けたのは有り難かった。
そして、kamogさんは61歳の私より上なのに沢靴の底が1年半で剥がれるくらい沢に行ってる熱意と体力に尊敬の念を禁じえません。
有難うございました。
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