記録ID: 8277855
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波
皇海山 栗原川林道と消えゆく不動沢ルート
2025年06月06日(金) 〜
2025年06月07日(土)

コースタイム
1日目
- 山行
- 12:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:10
13:30
210分
栗原川林道追貝ゲート
17:00
5:30
120分
皇海橋
7:30
50分
不動沢のコル
8:20
40分
皇海山山頂
9:00
100分
不動沢のコル
10:40
210分
皇海橋
14:10
ゴール地点栗原川林道追貝ゲート
富士山は夏山シーズン以外は登山道が立ち入り禁止となりゲートで閉鎖されますが、実際には多くの登山者(熟達者)がゲートをかいくぐって入山しています。
皇海山で閉鎖された不動沢ルートも(ネットの情報は少ないが)実際は使っている人が多いのではないか? という甘い予測をもとに、入念な準備をしつつ登ってみました。自分しかいませんでしたが。。
追貝ー皇海橋までの栗原川林道はまあまあ容易に通行できましたが、皇海橋ー不動沢のコルまでの不動沢ルートは登山道が消えかかっており、何度も迷って藪漕ぎをしながらの困難な登山となりました。
1日目
13:30
栗原川林道跡を使って、かつての登山口を目指します。ネットの情報では南の根利側から入ると大規模な崩落があって危険なようなので、西側の追貝側から入山しました。ゲートの手前スペースに車を止めて出発。今は工事資材などはおかれておらず、自由に7,8台止められそうです。私がついたとき(金曜午後)は自分以外はもう1台のみ駐車中でした。歩行者は(入ろうと思えば)ゲート脇の左の斜面を登って入ることができます。
林道は5年も放置されている割には雑草もなく歩きやすいです。とはいえ落石と倒木は多く、常に斜面の上を見て安全を確かめながら歩きました(もちろんヘルメット着用)。神経を使います。
どうやらオフロードバイクが林道を通行しているようで、バイクが通れる程度には落石や倒木を除去しているようです。皇海橋までバイクは通れるようで、林道上で歩きにくい場所はありませんでした。
一見平和な栗原川林道跡ですがトンネルを過ぎた後半あたりからシカの死骸が目立ちます。合計4,5体分死骸が転がっていて、テンション下がりました。次が自分にならないように気を引き締めます。
皇海橋が近づくと黄色や赤い花が咲いていてきれいなのですが、死骸を見たあとだと魔界が近づいた感がアップしてちょっと怖いです。
17:00
皇海橋に到着。残念ながら先行者はいませんでした。橋のたもとにテントを張って一人で宿泊。
寝ていると、何十分かごとに橋からドーンという爆音が。気温の変化でひずんでいるのでしょうが、不気味で怖かったです。橋から離れたところにテントを張るべきでした。
2日目
5:30
皇海橋から不動沢のコルを目指して出発。登山口のトイレや登山口の標識は撤去されており、地権者の登山道廃止の意志は強そうです。最初は林道跡を歩き、途中で山道に切り替わります(標識あり)。
最初の渡渉点までは道もわかりやすいですが、その先はとにかく道が分かりにくく困難な道のりでした。登山道の1/3くらいは笹藪に覆われ足元が見えません。その一方で沢沿いの藪のない道は、踏み跡がほぼ消えているため知らぬ間に道以外を歩く羽目になります。頼みの目印テープも少なく、あてになりません。持参の目印テープを巻きつけながら登ります。
何度もGPSを確認して、地図の登山道上にいることを確認し、それでも道が分からずあたりを見回すことを何度も繰り返しました。
渡渉は3,4回あり、ちょっと滑りそうな場所もありますが、水量も少なくそれほど危険は感じませんでした。いざとなれば靴下だけになって水につかりながら渡れそうです。しかし、大雨が降れば増水して渡渉が困難になるでしょう。
コルが近づくと小さい沢を登ります。傾斜は緩く水も少ないので普通の登山靴で問題ありません(事前の雨量次第)。
コルの手前150mくらいで沢を右にそれて急斜面を登ります。この先は、コルから沢の水を求めて下る人も歩いているようで、道が明瞭です(ここの水は濾過&煮沸しないと飲めなそうな気がするが)。土の急斜面が滑りそうですが、ロープが延々張られているため安心です。ロープは古いですがもうしばらくは使えそう。
7:30
不動沢のコルに到着。ここまで誰にも会いませんでしたが、クラッシックルートの人たちがたくさん歩いていてテンション上がります。人間万歳。
皇海山山頂までの間は岩場のロープ場が少しあります。山のグレーディングでCくらいでしょうか? それにしても道がはっきりしていて歩きやすい。快適。
8:20
山頂に到着。見るからに健脚・エキスパートな方たちが集っている中で、体力のない私が居るのもちょっと後ろめたく、早々に下山開始。
9:00
不動沢のコルに帰着。再び不動沢ルートへ。安全に下山できるようロープを持参していましたが、結局それは使わず既存のロープだけ使って急斜面を下ります。
帰りは沢の分岐とかないので迷うことはないだろうと油断していたら、やっぱり何度も迷いました。自分でつけた目印のうち、2/3くらいしか見つけられなかった。。
ほんとはもっと不動沢ルートの写真を撮っておきべきでしたが、ずっとてんぱったまま歩いていたのでその余裕がありませんでした。また、スマホは予備を含めて2台持ち、予備バッテリーも持参していましたが電池節約のためログも取っていません。ちなみに、不動沢ルート上半分はDocomoの電波が来ましたが、下半分と林道全域で圏外です。
10:40
皇海橋に帰着。異音のする魔界なので早々にテントを撤収してシカのご遺体が眠る帰路へ急ぎます。
途中、不動滝の上あたりで電動バイクが2台止めてあるのを発見。何かの作業でしょうか? 乗っている人には会えませんでした。仮に、入山時に作業の方々に出会い、お叱りを受けた場合、あきらめて撤退するしかないでしょう。
14:10
栗原川林道追貝ゲートに帰着。内心ガッツポーズ。天気の良い初夏の土曜日であったにもかかわらず林道歩きも不動沢ルートも人に会うことはありませんでした。自分の予測は間違いで、不動沢ルートは本当に消えつつあります。
不動沢ルート(閉鎖前)は山のグレーディングでCとなっています。私が歩いた印象でもC程度のように感じました。危険はありますが足を踏み外したら確実に死ぬような場所は少ないです。
しかし、廃道となり登山者のいない現在では危険度はかなり上がっています。まず、道が不明瞭で足元が見にくいので浮石や踏み抜きでケガする可能性が高いです。道に迷っている最中ならなおさらでしょう。そして、単独行でケガをして動けなくなっても誰も助けてくれません。他に登山者はいないし、携帯の電波も通じないので、動けないまま飢え死にするしかありません。仮に助けを呼べたとしても立ち入り禁止区域なので、ひんしゅく度は半端ないです。
また、沢が増水し林道の落石が増える雨天時は通行すべきではないでしょう。
クラッシックルートを歩いたことはないので比較はできませんが、万一同じルートを歩いてみたいという方は上記のリスクや問題点を忘れずに、慎重に行動していただきたいと思います。
後日談。
帰宅の翌日、2か所もダニに食いつかれているのを発見しました。すみません。やっぱり現在のこのルートはお勧めしません。
皇海山で閉鎖された不動沢ルートも(ネットの情報は少ないが)実際は使っている人が多いのではないか? という甘い予測をもとに、入念な準備をしつつ登ってみました。自分しかいませんでしたが。。
追貝ー皇海橋までの栗原川林道はまあまあ容易に通行できましたが、皇海橋ー不動沢のコルまでの不動沢ルートは登山道が消えかかっており、何度も迷って藪漕ぎをしながらの困難な登山となりました。
1日目
13:30
栗原川林道跡を使って、かつての登山口を目指します。ネットの情報では南の根利側から入ると大規模な崩落があって危険なようなので、西側の追貝側から入山しました。ゲートの手前スペースに車を止めて出発。今は工事資材などはおかれておらず、自由に7,8台止められそうです。私がついたとき(金曜午後)は自分以外はもう1台のみ駐車中でした。歩行者は(入ろうと思えば)ゲート脇の左の斜面を登って入ることができます。
林道は5年も放置されている割には雑草もなく歩きやすいです。とはいえ落石と倒木は多く、常に斜面の上を見て安全を確かめながら歩きました(もちろんヘルメット着用)。神経を使います。
どうやらオフロードバイクが林道を通行しているようで、バイクが通れる程度には落石や倒木を除去しているようです。皇海橋までバイクは通れるようで、林道上で歩きにくい場所はありませんでした。
一見平和な栗原川林道跡ですがトンネルを過ぎた後半あたりからシカの死骸が目立ちます。合計4,5体分死骸が転がっていて、テンション下がりました。次が自分にならないように気を引き締めます。
皇海橋が近づくと黄色や赤い花が咲いていてきれいなのですが、死骸を見たあとだと魔界が近づいた感がアップしてちょっと怖いです。
17:00
皇海橋に到着。残念ながら先行者はいませんでした。橋のたもとにテントを張って一人で宿泊。
寝ていると、何十分かごとに橋からドーンという爆音が。気温の変化でひずんでいるのでしょうが、不気味で怖かったです。橋から離れたところにテントを張るべきでした。
2日目
5:30
皇海橋から不動沢のコルを目指して出発。登山口のトイレや登山口の標識は撤去されており、地権者の登山道廃止の意志は強そうです。最初は林道跡を歩き、途中で山道に切り替わります(標識あり)。
最初の渡渉点までは道もわかりやすいですが、その先はとにかく道が分かりにくく困難な道のりでした。登山道の1/3くらいは笹藪に覆われ足元が見えません。その一方で沢沿いの藪のない道は、踏み跡がほぼ消えているため知らぬ間に道以外を歩く羽目になります。頼みの目印テープも少なく、あてになりません。持参の目印テープを巻きつけながら登ります。
何度もGPSを確認して、地図の登山道上にいることを確認し、それでも道が分からずあたりを見回すことを何度も繰り返しました。
渡渉は3,4回あり、ちょっと滑りそうな場所もありますが、水量も少なくそれほど危険は感じませんでした。いざとなれば靴下だけになって水につかりながら渡れそうです。しかし、大雨が降れば増水して渡渉が困難になるでしょう。
コルが近づくと小さい沢を登ります。傾斜は緩く水も少ないので普通の登山靴で問題ありません(事前の雨量次第)。
コルの手前150mくらいで沢を右にそれて急斜面を登ります。この先は、コルから沢の水を求めて下る人も歩いているようで、道が明瞭です(ここの水は濾過&煮沸しないと飲めなそうな気がするが)。土の急斜面が滑りそうですが、ロープが延々張られているため安心です。ロープは古いですがもうしばらくは使えそう。
7:30
不動沢のコルに到着。ここまで誰にも会いませんでしたが、クラッシックルートの人たちがたくさん歩いていてテンション上がります。人間万歳。
皇海山山頂までの間は岩場のロープ場が少しあります。山のグレーディングでCくらいでしょうか? それにしても道がはっきりしていて歩きやすい。快適。
8:20
山頂に到着。見るからに健脚・エキスパートな方たちが集っている中で、体力のない私が居るのもちょっと後ろめたく、早々に下山開始。
9:00
不動沢のコルに帰着。再び不動沢ルートへ。安全に下山できるようロープを持参していましたが、結局それは使わず既存のロープだけ使って急斜面を下ります。
帰りは沢の分岐とかないので迷うことはないだろうと油断していたら、やっぱり何度も迷いました。自分でつけた目印のうち、2/3くらいしか見つけられなかった。。
ほんとはもっと不動沢ルートの写真を撮っておきべきでしたが、ずっとてんぱったまま歩いていたのでその余裕がありませんでした。また、スマホは予備を含めて2台持ち、予備バッテリーも持参していましたが電池節約のためログも取っていません。ちなみに、不動沢ルート上半分はDocomoの電波が来ましたが、下半分と林道全域で圏外です。
10:40
皇海橋に帰着。異音のする魔界なので早々にテントを撤収してシカのご遺体が眠る帰路へ急ぎます。
途中、不動滝の上あたりで電動バイクが2台止めてあるのを発見。何かの作業でしょうか? 乗っている人には会えませんでした。仮に、入山時に作業の方々に出会い、お叱りを受けた場合、あきらめて撤退するしかないでしょう。
14:10
栗原川林道追貝ゲートに帰着。内心ガッツポーズ。天気の良い初夏の土曜日であったにもかかわらず林道歩きも不動沢ルートも人に会うことはありませんでした。自分の予測は間違いで、不動沢ルートは本当に消えつつあります。
不動沢ルート(閉鎖前)は山のグレーディングでCとなっています。私が歩いた印象でもC程度のように感じました。危険はありますが足を踏み外したら確実に死ぬような場所は少ないです。
しかし、廃道となり登山者のいない現在では危険度はかなり上がっています。まず、道が不明瞭で足元が見にくいので浮石や踏み抜きでケガする可能性が高いです。道に迷っている最中ならなおさらでしょう。そして、単独行でケガをして動けなくなっても誰も助けてくれません。他に登山者はいないし、携帯の電波も通じないので、動けないまま飢え死にするしかありません。仮に助けを呼べたとしても立ち入り禁止区域なので、ひんしゅく度は半端ないです。
また、沢が増水し林道の落石が増える雨天時は通行すべきではないでしょう。
クラッシックルートを歩いたことはないので比較はできませんが、万一同じルートを歩いてみたいという方は上記のリスクや問題点を忘れずに、慎重に行動していただきたいと思います。
後日談。
帰宅の翌日、2か所もダニに食いつかれているのを発見しました。すみません。やっぱり現在のこのルートはお勧めしません。
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
立ち入り禁止区域。緩めの立ち入り禁止ルートかと期待したが、そんなことはない。登山者ゼロで、道が消えつつある。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
目印テープ
スコップ
ロープ
予備電源
予備スマホ
ココヘリ
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