No.694 R07.05.18 国見岳

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感想
山行記録694 令和7年5月18日 (日)
毎年恒例・・・ 〜国見岳
単独 地図:御在所山
今年は花の時期が早かったり遅かったりで、どうもおかしい。先週、ヤシオ尾根から国見岳へ登ってみたが、タニウツギやヤマツツジなどを見かけた一方で、シャクナゲやシロヤシオがまだ始まっていない。どちらかと言えば、花の時期が早くなる傾向だから、まだ咲いていないとなれば、1週間も待てば咲くのではないか。そんなことを考えながら歩いていた。
シャクナゲとシロヤシオ。だいたい5月の連休を過ぎた頃に、まずシャクナゲが咲いて、続けてシロヤシオが咲き始める。そのタイムラグのはざまで、盛りの時期が何日か重なることがある。毎年それを狙って登ってはみるものの、紅白の饗宴を目にしたのはいままでにたった1回。それもねらって登る以前のことで、たまたま出くわしただけの話である。
というわけで、例によってダメモトで、2週続けて同じ山へ登ることに決めた。
ところが、土曜日は雨。しかも九州南部が梅雨に入ってしまった。日曜日も雨マークが出ていたが、直前になって、雲は多いが晴れ間も出て暑くなる、と言うようになった。
例によって高層の予想天気図を見に行く。700hPa図では、乾燥した空気の流れ込みがあるように見えるが、風が北に振れるか南に振れるかで天気は変わるかも知れない。気温は850hPaで15℃。先週が6℃だったから、照って暑いか蒸し暑いか。風は西よりで10〜15m/sぐらいの矢羽根が並んでいる。まあ行ってみないとわからない。そんな感じである。
今日は朝寝坊することなく湯の山に向かう。山にはガスが懸かっているようで、ロープウェイ山頂駅の灯りは見えない。中菰野のあたりからガスが立ち込め始めた。道理で蒸す感じがするワケである。スカイラインに入っていくと、菰野富士の裾のあたりで視界が開けたが、蒼滝大橋に到着してみると、薄明かりの中、蒼滝不動のピークがぼんやりと見えるのみ。湯の山もガスの中である。
4:48蒼滝大橋を出発。薄ボンヤリしたガスの中を歩き始める。日向小屋の堰堤を抜けるころにはガスから出たようで、見通しが効くようになってきた。こんな日は・・・。そろそろヒルが大喜びの時期に入ってきた。とは言え、夏には天気が悪い日でも雷が鳴ったり荒れたりしない限り、毎週のように御在所に通っているのに、不思議とヒルに吸い付かれたことがない。だから、普通に登っていれば大丈夫。そんな気休めを思いながら、5:24藤内小屋に到着。
ベンチに腰を下ろすと、小屋の前の樹が白い花で満開。あの土石流の直後、「あんな高い枝が折れとる」と、襲いかかった水位の高さに驚いた樹だと思う。それが何事もなかったかのように花を咲かせている。
近寄って見る。ガマズミかな。カマツカかもしれへんし、もう一つなんかあったな〜、みたいな。この手の白い花は混同してしまってよくわからない。帰って調べてみると、たぶんアズキナシ…かな。
5:34藤内小屋を出発。藤内壁を見あげると、県境尾根近くはガスが懸かっているが、そこまでの空間が意外に広く感じる。
今日は、先週突然切り替わっていてビックリした新ルートを登る感触を確かめたいので、そのまま裏道を登る。
土石流からいつの間にか17年。ウサギの耳までの川原は緑がかなり濃くなってきた。ただし、まだまだ陽当たりがいいので、これからの季節、こんな所は陽が高くなってから登るものではない。ウサギの耳の徒渉点を過ぎて、岩を渡った上の水場で小休止。
藤内壁出合を過ぎて、付替ルートにさしかかる。岩壁の下の斜面に切られたジグザグを登り切ったところに、大岩に沿うように「橋」が架けられた。かなり太めの丸太で組んであるから、おいそれとは朽ちないだろう。しかし大雨などあれば、一瞬で持って行かれることもある。平成20年を思い出させる。そうなったらどこを登る?。すぐ脇の岩の上に目をやってみる。岩の上を巻くしかないだろう。すぐに足下が掘れて荒れたルートになるんだろうな。
付替えルートを過ぎ、一番キツい所を片付けて、根曲の松の下で下界を振り返る。下界を覆う雲は思ったよりモコモコしていて、期待した雲海とはいかないらしい。
根曲の松を越えようとすると、足を置く太い根の上に「ようこそお越し下さいました」とヒルが笑顔でお辞儀している。「これはこれはごていねいに」。ワシもあいさつ。そしてサッサとヒルをまたいで通過する。
「やっぱりおるんやな〜」。シカやイノシシが居る限り、ヒルも居ないわけはない。
七合目の手前まで登ってきた。何気なく頭上の枝に目をやると、「シロヤシオや」。まだ咲き始めでツボミも多い。水場を通り過ぎてさらに登っていくと、「おっ、シャクナゲ」。こっちは盛りと言ってもいい。それにしても、ササが衰えてしまって斜面の見通しがやたらにいい。あっちこっちに一点豪華主義的な彩りを添えている。
国見峠が近づいた。シロヤシオはたくさんあるが、ほとんどがツボミ。3日ぐらい早かったかな。シャクナゲとシロヤシオが重なった時期を「かすった」感じかな。どうやら紅白が並んで咲く様子を目にすることはできなさそうである。
それでも所々に満開のシロヤシオもある。そんな樹が2本ある国見峠を通過して国見岳に向かう。ヒルが気になってついつい足早になってしまったせいか、少し足取りが重くなってきた。あと少し、ゆっくり登ればいい。
登るうちに、空の雲が取れてきた。青空が広がり始めた頃、国見岳南峰に到着。せっかくなので北峰に向かう。山の上のシロヤシオはまだツボミが少し硬い。
北峰に到着。岩の上に立って見ると、西寄りの風にあおられそう。それでも周囲を見渡すと、青岳の手前に赤と白がひと固まりずつあるが、たぶんそこだけ。風が「あまり長居するな」と言うので、いつも場所へ戻ることにする。
7:41いつもの場所に陣取る。風が少々強めなので汗が冷えて寒いが、1枚羽織って汗を乾かせば大して冷たい風ではない。
ハラごしらえして、岩の上でくつろぐ。青空が広がって陽射しも明るい。このまま午後までヒルネを決め込もうか。しかし、土手の草刈りが待っている。とりあえずゆっくりしよう。
岩の脇の折れた樹は、全ての枝先にシッカリ芽が出ている。今はいいかも知れないが、夏の強烈な陽射しが容赦なく降り注ぐ場所。秋までもつかな?。
8:20、少し早いが下山を開始。まるで初日の出山行のような時間である。国見峠から裏道に入ると、ボチボチ登ってくる人とすれ違う。天気予報が先週より悪いので、若干少ないような気はする。このところ調子がイマイチのヒザを気にしながらゆっくりと下る分には、すれ違い待ちも休憩になるような…。
9:27藤内小屋に到着。いつものように大将と常連さんが小屋の前でしゃべっている。どうやらヒルの話。たぶんくっつけてきた人が居るんだろう。「文さん、ヒルどうしたらええ?」「ヒルは塩!」。とっさにええ加減なことを言いつつ、「確かヤマビルファイターの代理店やったね〜」。すると、小屋の前に並べてあるのを指さすから、「1本ちょうだい」。
ひと休みしたので出発。思ったほど暑くはないが、それなりの気温なのでヒルは居る。「人も通るし、誰かに引っ付いてったかな」。今さらながらヒザの調子も戻ってきたのでトコトコ下る。「あんまり調子に乗ると言わしてしまうぞ!」。一応そうやって言い聞かせながら…。
10:08蒼滝大橋に帰還。一旦広がった青空も、ここへきて薄雲がかかりつつある。山の上に居たときが一番天気がよかったらしい。
天気は上手く引き当てたが、シャクナゲとシロヤシオの饗宴にはたぶん二、三日早かった。やはり、意図的にこのタイミングを引き当てるのは難しい。
今年はツツジの当り年のような咲き方にも見えるので来年は裏年かな。それなら再来年になるかも知れないが、毎年恒例行事のような感じでねらってみようかな。
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