UTMB 2014
hwqfs236
- GPS
- 56:00
- 距離
- 123km
- 登り
- 4,777m
- 下り
- 4,768m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
| 天候 | 雨のち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
飛行機
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
トレイルランニングの世界最高峰レース、ウルトラトレイル・デュ・モンブランに参加してきました。このレースはヨーロッパアルプスの最高峰であるモンブランを頂くモンブラン山群の周囲を一周する全長168km、登りの高さを合計した累積標高9600mのコースを46時間以内に完走するという超長距離トレランレースです。もともと存在していたツールド・モンブランというトレッキングコースがコースの大部分を占めます。レースはモンブランの頂きに登るものではありませんが、2000m級の峠や山を8つ超えることになります。その全てが4000m峰を有するモンブランに通じているため、一山一山が日本の山のスケールを圧倒しています。気力、体力、そして運をも味方にしなければ完走できない超難関レースです。 |
写真
拍手
感想
3年前、気になりだした体重を絞るために始めたトレイルランニング。継続して続けてきたことで、幸運にもトレイルランナーならだれしもが憧れるウルトラトレイル・デュ・モンブラン（以下UTMB）に参加できることになりました。
日本でのトレラン人気の高さを表すように毎年、日本からの参加者が増えているそうです。その証拠に国籍別で日本人は5番目の多さ。大会スタッフにも日本人が何人か配属されているなど、日本人のUTMBへの関心の高さがうかがえました。
UTMBに参加するにあたり、今年の4月にチャレンジ富士五胡ウルトラマラソン108�劼暴仂譟Ｆ麁�後に棒ノ折山に登った後、右足首を負傷。更に左膝も痛めたため7月末まで走るトレーニングができず、まともに走れるようになったのは8月に入ってから。こんなトレーニング不足で果たして完走できるのか、ものすごい不安を抱えたなかでの参加でした。
唯一の救いは2013年3月にニュージーランドで100マイルレースを完走していたため、UTMBを走るにあたって何が必要になるのか、長時間のランで自分の身体をどうケアすればいいか、ある程度想像することが出来たことです。
8月29日午後5時30分、2300名にのぼるランナーに混じって雨の降りしきるシャモニーの街を出発しました。悪天候にもかかわらず沿道にはたくさんのギャラリーが大歓声で選手を見送ってくれました。この熱烈な応援は行く先々で見られ、トレイルランに対する人々の理解と選手への温かさをかみしめながらシャモニーの街を後にしました。
しかし、最初の山からいきなりの急登。山のスケールは大きく、目の前に現れる一山一山にたいして、いちいち気持ちが萎えそうになりました。ニュージーランドで経験した100マイルレースよりも難易度は遥かに高いのはすぐに思い知らされました。
コース上の困難さだけではなく、肉体的にも夜通し一晩中動き続けなければならなかったり、激坂の下りで膝を痛める、さらにひどい股ずれを負ってしまったりと、次々と困難に見舞われました。77�卉賄世砲△襯ぅ織螢△離�ールマイユールに到着したときは心身ともにボロボロ。まだ、90�劼盪弔辰討觚充造紡任舛里瓩気譟△垢辰�りレースを続ける気力をなくしてしまいました。
クールマイユールに応援に来ていた家族には、リタイヤを宣言。椅子に腰かけたまま何もする気が起きず、食べかけのパスタを目の前にしながらぼんやり時間を過ごしていました。あのままでいたら、確実にレースはリタイヤしていたと思います。しかし、エイドが閉まる20分前になって突然「このままじゃいけない！」と、OFFになっていた気持ちにスイッチが入りました。
急いで補給と給水を済ませ、外で待っている家族のもとへ。一緒にシャモニーへこのまま戻るものだと思っていた家族は、突然の変更に驚いていたようでした。「行けるところまで行ってくる！」と言い残し、家族に見送られて再び出発しました。
クールマイユールを出た後は、嘔吐感と眠気をこらえながらコース最高地点のフェレ峠2,527mを超えました。さらに、レースはついに二晩目に突入。あまりの疲労と眠気により、歩きながら意識が数秒ほど無くなることが何度もありました。ペースも上がらず、各エイドの到着時間も常に制限時間ぎりぎり。タイム的にも肉体的にもいつリタイヤしてもおかしくない極限のところでレースを続けていました。
150km地点のエイド、バロルーシでは制限時間15分前に滑り込んで辛うじてセーフ。急いで補給給水を済ませて6分後には出発しました。
バロルーシを出るとついに最後の山、モンテ峠が見えてきました。標高差900mの激坂を上ります。150km走ったあとでの険しい山でしたが、登りは順調に登れました。あまりの急登ぶりに何人ものランナーが途中で息が上がって休んでいる中、ノンストップで山頂に到着。最後の関門であるラ・フレゲアを目指します。
山の山頂についたら山小屋がすぐにあると思ったら、どんなに進んでも小屋らしいものが見当たらない。制限時間も迫っている中、焦りながら先へ進むと遥か先に小さな小屋を発見！「えっ！あそこまで本当に行くの？」と、足が痛いのも忘れて必死に山道を駆け抜けました。
何人もの登山客に道を譲ってもらいながら、制限時間12分前で滑り込みセーフ。ここを過ぎれば800mの下り8kmの道のりを1時間半でゴールしなければなりません。山小屋までほぼ全力疾走したため、この時点で既にくたくた。しかし、残り8kmでリタイヤにだけはなりたくなかったため5分ほどで出発。傷む足を引きずるように急斜面を下りました。
遥か眼下にはシャモニーの街が見えているのに、下っても下っても街が近づいてこないもどかしさに頭が爆発しそうなほどイライラが募りました。
1時間ほどシングルトラックを下ると、道幅が広がりダブルトラックへ。更に20分ほど下るとようやく街の建物が手の届くところまで大きくなってきました。ここからは一気にラストスパート！街中に戻ってくると、周囲から大歓声が起こりました。今までの困難を思い返し、思わず涙が流れてしまいました。ゴール残り500mで人の往来が多くなり、まるで自分が優勝したかのような歓声に包まれながらゴールを目指しました。そして、ゴール手前50mで応援してくれた家族と再会！母親と手をつなぎながら、ついにゴールすることが出来ました。
記録（速報）
順位：1542
タイム：45時間39分55秒
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する