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Yamareco

記録ID: 96980
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

熊倉山(七ツ滝沢コース撤退、沢でビバーク)

2002年10月19日(土) 〜 2002年10月20日(日)
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GPS
32:00
距離
6.8km
登り
777m
下り
771m

コースタイム

10/19 13:00秩父鉄道白久駅付近――七ッ滝沢――右岸尾根1050m付近で撤退―― 18:10七ッ滝沢(暗くなり、近くの小屋掛けでビバーク)
10/20 小屋掛け6:05――7:00白久
天候 19日は曇り、夕方から翌日にかけて雨
過去天気図(気象庁) 2002年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
もうかなり前、熊倉山に登ろうとして時間切れとなり、沢で暗くなって、冷たい雨の中ビバークを余儀なくされた時の記録です。

失敗の原因ははっきりしています。第一は、昔のガイドブックや古い五万分の一地図に頼って、もうとっくに消えている道を「たとえ廃道になっていても突破できる」と考えて突き進んだこと。実際には登って行った小尾根が急な崖につきあたり、道なき道を引き返す羽目になりました。五万図上、ルートは今一つはっきりしなかったのですが、かつての道は私が登ろうとした小尾根とは違うルートを登っていたようです。このルートファインディングの失敗も撤退の原因となりました。

第二は、人里に近い山ということもあって、簡単に登れるだろうとたかをくくり、出発が遅くなったこと。そのおかげで、沢まで下りてきたときには暗くなっていて、雨の降りだす中ビバークを選択せざるを得ませんでした。この頃は埼玉の実家をベースにして奥武蔵から秩父にかけての山を比較的よく歩いており、昼過ぎから出かけて暗くなった中降りてくるようなことは時折あったのですが、熊倉山は奥武蔵の里山とは勝手が違いました。装備一式を置いてある自宅ではなく、実家をベースに歩いていたこともあり、装備もいい加減で、この日はヘッドランプも持っていませんでした。

ルートとしては、白久から熊倉山に直接突き上げる七ツ滝沢を奥へ入り、まず右岸から高い滝をかけて流入する沢を分け、その先の二俣は左へ入り、その先で右岸の小尾根に取り付いて登リ、下りは尾根コース(いわゆる日野コース)を降りて途中から白久側に降りる、という予定でした。

谷津川沿いの登山道に入って奥に進むと、まず左岸の斜面を尾根に向けて登っていく「林道コース」が分岐します。その先の沢沿いには最初古い道があったのですが、それは間もなく消え、小さな滝を絡んだり、倒木を乗り越えたりする道が続きました。

やがて右岸に細い滝をかけた沢を分け、二俣を過ぎた先で左手の斜面を登って尾根に取り付きました。道は全くありませんでしたが、小尾根に取り付いて登っていくのはそれほど困難ではありませんでした。しかし小尾根の上部は崖になっていて、樹木に頼っても突破するのに危険が伴い、また時間も遅くなっていたので下山を選択。小尾根からの下降点を一度見過ごし、下りすぎて尾根末端の崖上に出てしまいましたが、少々戻って無事沢に下降。

しかしこの時点ですでに暗くなっており、道のない沢を下るのには不安がありました。おまけに冷たい雨も降りだして、ツェルトもないのに困りましたが、幸い沢を渡ってすぐのところに植林用と思われる小さな小屋掛け(といっても四本の柱と屋根があるだけで、大人が二人横になるのがやっと位のもの)を見つけ、屋根の下で雨露をしのぎ、雨具や衣類を着込んで一晩を過ごし、翌朝明るくなってから沢伝いに下山しました。大雨ではありませんでしたが、雨は一晩中降っていたので、もし小屋掛けを見つけていなかったら、持っていた防水の悪いレインウェアではかなり濡れていたに違いありません。現在では小さな山でもツェルトを持って歩くようにしています。

熊倉山は人里には近いものの、なかなか険しい山で侮れません。遭難事件も過去に複数発生しています。私はその後雪のある時期に尾根コースから熊倉山に登りましたが、その時も険しい山だという印象を受けました。熊倉山に入る方は十分な準備と調査のうえ入られることをお勧めしたいと思います。

感想

失敗すべくして失敗した山行でしたが、何事もなく帰ってきたときよりも学ぶことの多い山行だったように思います。テントなしで、冷たい雨の沢でほとんど寝ずに過ごした一夜は良い経験になりました。

雲がかかっていると、街の明かりが反射するのか、雨の真夜中でも完全には暗くならないこと。野草の中には、夜光性のものがあるらしく、暗い中でも薄ぼんやりした光を発するものもあったこと。

唯一正しかったのは、小尾根の途中で撤退したことと、沢でビバークする決断をしたことでした。私のたどった個所には、それほど危険な個所はありませんでしたが、真っ暗な中降りていたら、怪我をする確率はかなりあったと思います。

しかしなんといっても大切なのは事前の計画。安全な山行を心がけたいものです。

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