【氷の神殿】雲竜渓谷【アイスクライミング体験】



- GPS
- 06:35
- 距離
- 3.0km
- 登り
- 472m
- 下り
- 460m
コースタイム
※GPSロガーを付け忘れたため、ルートは手入力です。
※途中の滝を登るため、渋滞が発生し必要以上に時間がかかっています。通常ならば往路で洞門岩-雲竜爆で1時間〜1時間半ほどでしょう。
天候 | 晴れ>曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今回は救助訓練ということで、工事用ゲートを開けて洞門岩までアクセス。 通常はゲート手前から徒歩となります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
日光市遭難対策協議会(日光山岳連盟さんら)と警察の救助訓練に同行させてもらったため、この日は通常は通れない林道を通って洞門岩まで車で来れました。 洞門岩から堰堤まで、1カ所、または3カ所の渡渉あり(コースによる)。アイゼンを効かせれば、冬靴でなくとも浸水せずに渡渉可能。ただし、浮き石や薄い氷床には十分注意。雪の積雪量は多いところで40〜50センチ(根雪の上の積雪です)。途中、凍結や急坂があるのでアイゼン、最低でも軽アイゼン(6本以上)が必要です。 堰堤を過ぎればすぐに「友知らず(友不知)」。左手に大きな氷柱群が現れますが、陽が上がるにつれて氷がゆるみ、巨大な氷の壁やつららが崩落します。余り近寄りすぎないようにしてください。 雲龍瀑手前では小さな滝(5mくらい?)を2つ登ります(高巻き道があるそうです)。今回は先行隊が貼ってくれたザイルに、ユマールを通して登りました。こつは、ザイルに頼りすぎず足で登ること。傾斜はさほどきつくありません。足で登り、バランスをうまく取れば問題有りません。 雲龍瀑に向かって右手の氷壁を使いアイスクライミングを体験しました。昼が近づくにつれ、カチカチだった雲龍瀑もつややかになってきます。時折、「どんっ」と鈍い音が聞こえたりもしますので、崩落や落石類には十分気をつけてください。昼食や休憩を取るには、滝左手の丘の上が安全でしょう。 なお、氷柱群は2月下旬ごろまで楽しめますが、中旬以降はだいぶ氷がゆるみ始めて、崩落も多いので十分に気をつけてください。 下山後は「ユーロシティー」というペンションの温泉に立ち寄りました。非常に小ぶりの温泉(内湯で5人くらい、露天で2〜3人)ですが、400円とお値打ち価格です。 |
写真
感想
今回は毎年恒例の日光市遭難対策協議会・日光署の救助訓練に同行させていただき、アイスクライミング、アイゼン歩行、ピッケルさばき、滑落防止訓練に参加させてもらいました。お世話になりました皆様、本当に貴重な体験ありがとうございました。
車を停めた洞門岩から日向砂防ダムまでは稲荷川沿いを歩きます。途中の渡渉箇所では滑らないように慎重に渡りました。
砂防ダムを過ぎるとすぐ、両側に崖がそびえ立つ「友知らず(友不知)」が現れます。名前の由来は、「一緒に連れている友人を構う余裕すらない」ほど厳しい渓谷だったからということです。砂防ダムが出来るまでは、渓谷は今より40メートルほど深かったということで、両側の氷柱・氷壁の圧倒的な威圧感と、谷底の狭さによる厳しさは現在の比にならなかったそうです。
この「友知らず」の氷柱群の下を歩く写真が「山と渓谷2011年2月号」に大きく掲載され、その美しさのから今シーズンは多くの人々が渓谷を訪れています(また、予想されます)。地元山岳連の方々によると、「『山と渓谷』に掲載されているような氷柱の下を歩くまねはしないで欲しい」ということでした。実際、帰り際に通ったときには数カ所で大きな音を立てて崩れる氷柱を見ました。近くにはヘルメットも被らずに記念撮影をしている方もおり危険だと思いました。過去にはけが人が複数出ています。そういった意味で、ヘルメットすら被らずに柱の裏側を通る写真を掲載した「山と渓谷」は少々、軽率だったかもしれません。
もちろん、登山やハイキングなどアウトドアアクティビティはすべて自己責任ですし、安易な自治体や管理者による通行禁止や制限は好ましくありません。ですが、事故が起きたときに命がけで救助に向かうのは山岳連の皆様や警察・消防の方々です。常にそのことは心の片隅においておきたいですね。雑誌では雪山入門編として比較的簡単なハイキングスポットとして紹介されていましたが、言わずもがな、細心の注意と万全な準備をしてください。
雲龍瀑手前の2つの滝(F1、F2)は、ユマールを使って登りました。コツは体重をザイルに預けすぎず、足で登ることです。斜度も垂直まではいかないので、通常の山の鎖場のように足をうまく使えば比較的容易に登れます。
雲龍瀑に到着後、訓練を開始。私も右手の氷壁にてアイスクライミングを体験させてもらいました。初めてだったので、トップロープで挑戦しました。「言うは易し、行うは難し」とは、まさのこのことでした。説明を聞きベテランの方が登る姿を見ていると一見簡単そうですが、かなり苦戦しました。まず、バイルがうまく刺さらない。氷壁に向けてまっすぐ力強く振り下ろさないと、しっかりと効きません。特に利き手でない左のバイルは何度打っても刺さらずに、段々腕がパンプしてきてつらかったです。
また、足はつま先で氷壁をキックしてアイゼンの前爪を効かせるのですが、これも集中していないと、足が左右に開いてしまってなかなか思うようにつま先立ち出来ませんでした。悪戦苦闘しながらも、2回ほど体験させてもらいコツも少しつかむことが出来ました。
以下は備忘録です。
・バイルを1回打ち込んだら、両足で一歩ずつよじ登る。高度を一気に稼ごうとしない。
・バイルを打ち込んだら、体の中心がバイルの真下に来るように足を取る。右や左に寄るとバランスが悪くなる。
・バイルは左右ばらばらに開けて打ち込まず、なるべく直線的に上を目指して打ち込んでいく(ルートの状態による)。
・アイゼンの前爪を効かせるためには、つま先を若干上向きにして蹴り込む。下を向いていると、爪の峰で氷を蹴ることになり刺さらない。
・アイゼンの前爪をよく効かせて、脚力で体を持ち上げる。手の力に頼りすぎない。
・脚で登り、手を引き寄せたら脇は締める。
・バイルを打ち込む際は、腰を壁に近づけ上半身は反らす。打ち込むために壁とバイルの距離を取る。へっぴり腰はNG。
以上の他、ピッケルを使った滑落防止や耐風姿勢を教わりました。約3時間の訓練を終えて、昼食後に帰路に就きました。途中、日陰の氷柱をピッケルで割って持ち帰らせてもらいました。これを使ってウイスキーをロックで飲むと、そのおいしさに思わず顔がにやけます。味が柔らかくなる不思議な天然氷です。多少の砂やゴミが混じっていても問題有りません。氷を選ぶ際は色が付いておらず、濁っていないことが重要です。日向の氷は溶けたり氷ったりを繰り返して、気泡を多く含んでいるのでおいしくないようです。
コメント
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かっこいいなアイスクライミング。やってみたいけど、50代オジンは虫ケラのように地ベタをはい回るのが精一杯。あと、いい酒飲んでるね。スプリングバンクの、しかも18年とは! 僕は12年しか飲んだことがないけど、素晴らしく香り高いモルトだよね。飲んでみたい!
アイスクライミングは危険です。
なんと言っても、その中毒性が。
しかし、スノーマンさん、アイスクライミングも岩登りも個人的には年齢関係なくできると思います。力よりも身のこなし、が重要なようです
今年は茨城の袋田の滝も凍結しているようなので、是非行きたいのですが、一緒に行って指導してくれる方が残念ながら身近にいませんのです
スプリングバンクは、雲竜の氷をせっかく使うので、大事に大事に保管していたボトルを開けました。ボウモアのカスクストレングスも試しましたが、昨日の気分はスプリングバンクの絶妙な香りと甘さのバランスに軍配です
スノーマン殿に続いて、うらやましいとしか言いようがない。私がそっちにいた時に、参加しとけばよかった。といっても、体重で無理か。氷残ってない? それも無理か。まっちゃんによろしく。いずれ会に入るのかな。
氷はまだ残っています
近くこちらに来られることはありますか?もし有るならば取っておきます
2月11日、12日は泊まりと相成りまして、雲取には参戦できません。
13日に雲竜へ行きたいという友人がいるので、再びハイキングに出かけるかもしれません。
氷登り、バイルの打ち込みとアイゼンの蹴り込み方のコツをつかめば大丈夫ですよっ
shus725さん、こんばんは。
早速レコ、拝見しました。 いいですね〜 カッコイイの一言です。
私達がF1に着いた時は、ちょうど列の最後の方々が取りついていました。
見てるだけでも、とても勉強になりました。
ヘルメットの件は、私も思いました。
氷柱の所はもちろん、岩壁沿いに歩くところもあるので これから訪れる方は持参した方がいいですよね。
ちなみに私は、用意しながら忘れました… 反省
そして 氷、私もお土産にすればよかったです。
相棒が、酒好きなんでレコ見たら悔しがるんじゃないかと…
PS 袋田は9割程度の凍結らしいですよ。 完全凍結していた頃が懐かしいです。
早速のコメントありがとうございます!
氷、持って帰られなかったのですね……
ぜひ、次回来られる時は持ち帰ってみて下さい
ところで、コメント欄で失礼なのですが、F1,F2の巻き道はどのような感じでしたでしょうか?山岳連の方々によると、「巻き道の方が危険だ」という方がいたので気になっていました。僕も、単独で(または友人と)行く場合は滝を登ることは出来ません。参考によろしければ、ご教示いただけますか?
袋田の滝は9割凍結なのですね。雲竜も含め、やはり最近は暖かくなってきたせいで、なかなか氷らないのですね。
shus725さん、度々こんばんはです。
巻道ですが、当日はとてもしっかりとしたトレースでした。
これは、ラッキーな事なのだそうです。
例年、F1であきらめて帰る方が多いそうです。
降雪後など このトレースが消えると斜面が少し急な為、山岳連の方々がおっしゃるように巻道の方が 危険なのかもしれませんね。
F1の右側から もどるように登って切返し 右からの斜面を巻くように登り 少し下って 訓練されていた所へ到着。
時間にして、20分ぐらいですかね。
個人的には、切返してからが危険箇所となるのかと思います。
(文章表現が下手ですいません。)
nabeyamaさん、巻き道情報ありがとうございます。
説明で十分、イメージ出来ました。
もし再度行く際は参考にさせていただきます。僕も事故は起こしたくないので、トレースがなければ無理はしないつもりです(トレースのない雪の庚申山で一度、道迷い経験あり 汗)。
いずれ、どこかの山でお会いしたときにはどうぞ、よろしくおねがいします
shus725さん 始めまして?
もしかしたら、滝の下から覗いていたかも!!
自分もアイスクライミングをやりたいのですが
とても、そこまでの技量が無いので出来ません(笑い)
でも、同じ時間帯にヤマレコのユーザーが何名か
入山していたのも何かの縁でしょうかね!
umetyanさん、初めまして。
当初、天気が悪い
しかし、本当に偶然ですね
ヤマレコユーザーがまさか、こんなに同じタイミングでいたとは
私はヤマレコバッヂをまだ持っていませんが、どこかの山でお会いしたときにはよろしくおねがいします
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