鎌倉散歩(大仏山ハイキングコース)


- GPS
- 02:02
- 距離
- 4.3km
- 登り
- 74m
- 下り
- 93m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
江ノ電・長谷駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
内外の老若男女が行き交う散策路で、基本的に危険箇所はありません。 この数年間に補修や道標設置が進み、さらに歩きやすくなっています。 |
写真
感想
アジアカップ優勝の余韻に浸った日曜日。ゆっくり起きて1週間前のヤマレコを書き、正午すぎから鎌倉散策に出かけた。
折に触れて歩いている大仏ハイキングコース。「山歩き」の範疇には属さないが、今回は季節の断片記録として残しておこう。
朝は富士山の中腹にぽっかり浮かぶ雲以外は青空を遮るものがない好天だった。しかし、横須賀線の車窓は曇り空になった。
北鎌倉に着くともう午後1時を過ぎていて、かなり遅いスタート。それでも多くの人が駅から出てくる。ここが「山」ではない所以。
浄智寺へ向かって県道を右に折れたところで、ピーッ、ヒョロローッ。その方向を見上げると、どんよりとした空をトビが舞っている。
山と海との間で交錯する気流に乗って滑空する様はグライダー。時折、細かい雪が交じるが地上は風が弱く、散策は心地よい。
少し先に、白い髪のご夫婦。ゆっくりと堅実な歩調だ。こちらも、ネット注文で届いたミニ図鑑を手に、立ち止まりながらのペース。
妻が路傍のシダを確かめる。12月に獅子舞で見たシダには気持ち悪いほど多くの胞子が付いていたが、ここのシダにはない。
「同じ鎌倉なのに、もう季節が変わったっていうこと?」と問われ、「そうかもしれないね」。本当はどうなのだろう。種類の違いか。
浄智寺の裏山というか背後の丘を登る。傾斜は緩く、あっという間にピークに至る。標高97m。石碑に「天柱峰」と刻まれている。
命名者は竺仙梵僊と伝えられる。元から渡来した僧で浄智寺の住職を務め、この丘を愛したという。鎌倉の古を想起させる話だ。
地形図を確認することもない、よく歩いている道だが、道標や手すりが整備されるなど、少しずつ姿が変わってきていると感じた。
葛原岡神社の前に「魔去ル石」が設えられ、傍らに素焼きの小さな皿が並べられていた。皿を石にぶつけて厄祓いをしよう、と。
百円ずつ納め、まず妻。石には命中したが、皿が割れない。こういう場合は再挑戦できる。そして、めでたく命中して、次は私。
思いっきり投げた皿は石を飛び越し、背後のブロック塀を直撃して砕け散った。嗚呼、ノーコン。でも厄は祓われたことにしよう。
周囲には椿が多い。ピンク色の鮮やかな花が季節の趣を伝える。付近で見られる野鳥を紹介した案内板を撮影して、資料にした。
海を見渡せる丘の下方に広がる繁みでガサガサという音が聞こえる。鳥がえさを啄んでいるような。果たして1羽が飛び立った。
やがて散策路は、広葉樹の林に入っていく。佐助稲荷神社の北側を走る尾根の上なのだろう。常に2、3種類の鳴き声が響く。
パープル、グリーン、イエロー、ピンク……。そんな色合いの服を着た何組もの若い人々とすれ違った。山ガールではない。
そういえば、彼ら彼女らは昔から普段着もパステルカラーで、私たち日本人とは色彩感覚が違うのかと思ったことがあったなあ。
なだらかな歩きやすいコースだ。古都を訪れた外国人も足を伸ばすのだろう。道を譲り、"Danke schön!"に "Bitte schön!"と返す。
青空が隠れて遠景の興がそがれ、視線は近くの植物に。山座同定ではなく、冬芽をのぞくためにルーペ付きコンパスを取り出す。
アオキの実には驚いた。なんで瓢箪型なのかと思ったら、「アオキタマバエが寄生すると……」と妻が図鑑の写真を指さした。
男坂を下った先の道端で、キジバトがしきりに地面をつついていた。虫でもいるのか。近づいても逃げないところがハトらしい。
立ち止まり、かがみ込みながらの2時間。鎌倉の住宅街から目と鼻の先にある散策路で、気分転換をはかれた日曜日の午後だった。
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