初めて、筑波実験植物園きのこ展の見学

天候 | 快晴。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 入園料あります。 |
写真
調味料、味成分のイボテン酸のそれ。
イボテン酸は、ごく微量ではうま味の元だが、イボテン酸そのものははハエ取りなどの殺虫剤に世界中で使われ、このきのこ1本未満を食べても、精神錯乱、昏睡など強い中毒症状に見舞われる。イボテン酸は、ベニテングタケなどテングタケ科のきのこ毒の主要な毒成分になっている。
感想
展示や林内のきのこガイドを担当する研究者の、参加者への冒頭のアドバイスにまず同感し、また学ばされた。
「きのこは、見るだけなく、触って、匂いや感触もつかんで、観察してください。食べられるものも、そうでないものも、それぞれのきのこに興味をもち、おもしろい特徴を楽しんでください。」
「何千種ものきのこのうち、名前が付けられたものは、ごく一部なんです。だから、森には、名前がつけられていないきのこ、○○の仲間としか判別できないきのこがたくさんあります。
そういうことだから、毒きのこかどうかもわからないきのこが、たくさんあります。
そういうきのこに出会ったら、知っているきのことの違いなどもよく観察して、異同を調べましょう。
似ていても別のきのこってことがよくあります。食べるのは、自分で名前が分かった食用きのこだけにすること。
これが原則です。」
私はいままで、
**似ているけれど別のきのこで、名前が浮かばないとき、
**また知らないきのこだったとき、
まだまだ、その程度の水準に気落ちすることがありました。
ヤマレコにアップしたきのこの写真にも、「○○の仲間」「○○系」などと呼んだものが、いっぱいあった。
でも、確定できなくとも、似た仲間の共通項と差異を見ることができただけでも、一歩前進なんですね。差異をしっかり見て、名前に進まない事実を大事にする。これも、大事な一歩だと、改めて教わりました。
そうやって同定にこだわることは、誤った判断で毒きのこにやられないための、基本原則なんだと再認識しました。
とにかく、菌界は広く、深いのだから。
食べられるきのこを追うのではなく、この世界全体を観察し、足を踏み込んでゆく。そのなかで、きのこを見る目を伸ばしてゆくということでしょうか。
「触って、確かめてね!」と声がっかる野生きのこの展示場で、その1種だけは、厳重に透明ガラスケースに入れられて、触らないで! と表示されたきのこがありました。カエンタケ、でした。
「このきのこは、食べて死ぬだけでなく、触っただけでも皮膚に炎症を起こすから」と、研究者の方が解説します。
展示会場では、よくもここまでと思うくらいの多種類の野生きのこが、展示されていました。温室を逆に冷房して、きのこがへたらないように、保っています。補充のきのこも、冷蔵スペースで保管。スタッフの方々のご苦労を思いました。
その後、きのこみたいで、きのことは別の生物世界に生きている変形菌の先生に、また教わりました。
きのこにも、やはり、真理に近づく道があり、多彩な実践者がおられますね。
ありがとうございました。
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