ヤマレコ初日記です。みなさんよろしくお願いします。
先日、秋田駒ヶ岳に登りにいったのですが、前日に泊まった麓の「田沢湖高原温泉郷」というところの宿がとても素晴らしかったので、長文になりますが紹介させてください。
この宿はじゃ○んで見つけ、登山口に近くて便利、温泉もあるということで選んだのですが、何より決め手になったのはそのお値段。
最初に目にしたとき吃驚したのですが、なんと1泊3,000円ポッキリなのです!
30,000円じゃありませんよ。三千円ですよさんぜんえん!
もちろん食事は付いておらず、あらかじめ済ませてくるか、どこかで買って持ち込むかということになる(厨房は自由に使えるので自炊も可、頼めば仕出しもしてくれるようです)のと、布団の上げ下ろしや使用済みシーツ・タオルなどの回収はセルフサービスということらしいですが、個人的には大した問題ではありません。
むしろその分安くしているということなら大歓迎。
それでも、さすがにこの値段なので全然期待はしておらず、布団部屋みたいなところかなあ、まあ寝るだけならいいよな、くらいのつもりで乗り込みました。
しかし!
到着してまたも吃驚したのですが、中に入るとそこは広くてピカピカのロビー、部屋に通されてみれば布団部屋どころか、8畳の小綺麗な和室だったのです!
冷蔵庫に地デジ対応テレビ、洗面台やトイレも完備!
そしてもちろん、温泉!
加温しているらしいですが、ちょっと熱めの湯加減が絶妙で、2回も入ってしまいました。
これで本当に3,000円でいいの?
風呂上がり、来る途中で買っておいた夕食の弁当を温めようと食堂に行くと、ちょうど支配人の方が居合わせたので、少し話を聞きました。
この宿は、もともとある会社の保養所だったそうなのですが、年がら年中社員が利用するわけでもないので、一般のお客さんにも泊まってもらえるようにしたい、と社長さんにかけあってOKを取りつけた支配人さんが、相当お金をかけて施設をリニューアルして、しかしそれでも料金は安く抑え、今年の春から営業を始めたばかりだということです。
何しろこの料金なので、私のように登山で来るお客さんには喜んでもらっているそう(まだそれほど儲けは出ていないらしいですが…)。
「お財布に優しい宿を目指してます」という支配人さんに、いやあ本当に有難いです、と相槌を打つ私。
翌朝、たまたま厨房で顔を合わせた同宿のお客さん二人組と話が弾み、お二人が作っていた朝食のお裾分けを御馳走になりました。
これまでに登ってきた山のことや、秋田駒に登った後は岩手で震災ボランティアに参加することなどを話していると、そこへ「おはようございます」と支配人さんが登場。
さらに野沢菜やらコーヒーやらをサービスで出してくれ、テーブルがまた一段と賑やかに。
そしていよいよ登山口へ出発する際、見送りに出てきてくれた支配人さんが「下山したらまた温泉に入りに来てください、遠慮しないで」と言います。
本当はここからもう少し下ったところにある別の温泉の日帰り入浴を利用するつもりだったのですが、わざわざこう言ってくれているのだし、入山してみたら天気は散々で、戻ったら早く一息つきたかったのと、下山した時はまだ時間が余っていたこともあって、結局お言葉に甘えさせてもらうことにしました。
通算3回目のお風呂で文字通り生き返って、フロントにいた支配人さんにお礼を言うと、今度は「これ持っていってください」と、出入りの酒屋さんが運んできたばかりの缶コーヒーの箱の中から3本ばかり手渡してきます。
代金を払いますと言っても「そんなの、いいからいいから」と受け取ろうとしません。
朝食の席で「登山の後は岩手へ戻ってボランティアに参加する」という話をしたのを支配人さんも聞いていたらしく、「ボランティアに持っていってください」というのです。
聞けば、震災があった直後、支配人さんは「ウチで何かできることはないか」と考え、一時期この宿で被災者の方々を受け入れていたとのこと。
しかし、行政から指導があり「食事を出さない宿は被災者の受け入れを認めない」ということになってしまい、終了せざるを得なかったそうです。
「仕出し業者と契約しているから食事は提供できるんだけど、自分のところで作った食事でないとダメなんだそうですよ」と、残念そうに話していました。
それで、ボランティアに行くという私の世話をいろいろと焼いてくれたのでしょうか。
「また来てください。いや、秋田でなくてもいいです。東北にまた来て、東北を元気にしてください」。
支配人さんのこの言葉に感激して、また必ず来ると告げ、何度も何度もお礼を言いながら辞去したのでした。
こんな素晴らしい支配人さんのいる素晴らしい宿に、また来ずにいることなどどうしてできるでしょうか。
おまえはこの宿の回し者かと言われてもいい。
皆様、田沢湖方面にご旅行の際はぜひこちらに宿泊を御検討ください!
田沢湖高原 たつこ荘
〒014-1201
秋田県仙北市田沢湖生保内字駒ケ岳2-111
0187-46-2388
http://www.tatsuko-sou.jp/
迂闊にも宿の外観の写真を撮ってくるのを忘れてきてしまった。なんたる失態!
Yasuharuさん、回し者だろうと思われても構いませんよ、中にはこう云う良心的な宿もあるんですね、
表面的にはマニュアル通りのところもあって、心が通じてないのがこちらに伝わる宿もありますから良かったですね、
私の選ぶ宿はその時によって違います、美味いものが食べたい時は料理、ただ寝泊まりだけの時は部屋など気にせずに値段、
お風呂の時は源泉風呂で選びます、景色の時は車の中で単純です
こんばんはyasuharuさん
たつこ荘のホームページも見ました
すばらしいところですね
企業や各種団体等の保養施設もこんな形で安く一般に開放してくれれば良いなと思います。
私はテント泊をしなので、宿代が問題です。
日帰りが多くなります。
貴重な情報ありがとうございます。
田沢湖の宿をいくつか地名登録してましたが、ここは漏れてしまってました
早速、登録させていだたきました
一緒にこの日記もリンクさせて頂きました
http://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=10709
ほんとうに貴重な情報です
ありがとうございます
みなさんはじめまして。コメントありがとうございます。
>naiden46さん
計画を立てるときは国見温泉に泊まることも検討していたんですが、結局ここにして大正解でした。
縁があったのかもしれません。
田沢湖から乳頭温泉へ向かう途中にありますので、登山ではなく観光目的での利用にもお勧めです!
>divyasu21さん
この支配人の方の心意気のおかげで安く泊まれるわけですから、本当にありがたいですよね。
同宿だったお二人もやはり登山で利用されていて、何と4連泊されていたそうです。
安いし、自炊できるから助かるとおっしゃってました。
>komadoriさん
なるほど、そういえば地名Wikiに登録することもできるんですね。
リンクまでしていただいて恐縮の限りですが、この日記が少しでもみなさんのお役に立てば何よりです。
地名Wikiは私もたまに編集させてもらっていますので、今後ともよろしくお願いします。
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