ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 107742
全員に公開
アルパインクライミング
白馬・鹿島槍・五竜

白馬岳 主稜

2011年04月29日(金) 〜 2011年04月30日(土)
 - 拍手
yoshi629 その他2人
GPS
29:30
距離
10.6km
登り
1,699m
下り
1,699m

コースタイム

29日 猿倉9:30 - 白馬尻10:40
30日 白馬尻4:10 - 8峰5:30 - 6峰6:20 - 3峰8:45 - 山頂10:00 - 白馬山荘10:15 11:20 - 白馬尻12:00 - 猿倉14:00
天候 29日:曇り
30日:晴れのち吹雪
過去天気図(気象庁) 2011年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
夜明け前にテントを出発
2011年04月30日 04:41撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 4:41
夜明け前にテントを出発
最初から結構な斜度である
息を切らせながら登る
2011年04月30日 05:07撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4/30 5:07
最初から結構な斜度である
息を切らせながら登る
朝陽が出てきて杓子岳を照らす
2011年04月30日 05:27撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 5:27
朝陽が出てきて杓子岳を照らす
8峰(2237m)まで登ると小蓮華岳が見える
2011年04月30日 05:36撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
2
4/30 5:36
8峰(2237m)まで登ると小蓮華岳が見える
1峰(山頂)は遥か彼方だ
2011年04月30日 05:36撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4/30 5:36
1峰(山頂)は遥か彼方だ
8峰より登ってきた方を振り返る
2011年04月30日 05:41撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 5:41
8峰より登ってきた方を振り返る
7峰手前より5,6,7峰
2011年04月30日 05:52撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 5:52
7峰手前より5,6,7峰
7峰より5,6峰
ナイフリッジが続く
2011年04月30日 06:01撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 6:01
7峰より5,6峰
ナイフリッジが続く
5峰より3,4峰(1,2峰はガスの中)
2011年04月30日 06:18撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
1
4/30 6:18
5峰より3,4峰(1,2峰はガスの中)
こんなナイフリッジが連続する
2011年04月30日 06:35撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
2
4/30 6:35
こんなナイフリッジが連続する
ピークの直下はかなり斜度がきつい
ピッケルだけでなく、バイルも欲しくなる
2011年04月30日 06:41撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4/30 6:41
ピークの直下はかなり斜度がきつい
ピッケルだけでなく、バイルも欲しくなる
振り返るとこんなにギザギザ
2011年04月30日 07:03撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
3
4/30 7:03
振り返るとこんなにギザギザ
3峰手前のナイフリッジ
向こう側も似たような感じ
滑落というより転落
絶対にバランスを崩してはならない
2011年04月30日 07:08撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4/30 7:08
3峰手前のナイフリッジ
向こう側も似たような感じ
滑落というより転落
絶対にバランスを崩してはならない
2峰手前のナイフリッジ
この辺りから視界が悪くなってくる
2011年04月30日 08:04撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4/30 8:04
2峰手前のナイフリッジ
この辺りから視界が悪くなってくる
強風吹きすさぶ中、無事山頂へ
山頂直下60度の壁を越えるとほぼ山頂にダイレクトに出る。とてもうれしい瞬間
2011年04月30日 10:03撮影 by  Canon PowerShot A495, Canon
4
4/30 10:03
強風吹きすさぶ中、無事山頂へ
山頂直下60度の壁を越えるとほぼ山頂にダイレクトに出る。とてもうれしい瞬間
撮影機器:

感想

何年も前から行ってみたかった白馬の主稜に北鎌のメンバーでアタックした。

1日目は取り付き点の白馬尻まで。
昼前に着いてしまったので、明日に備えて、ロープワークの練習をする。
その後はテントで昼寝したり、まったりと過ごす。私は夜寝れなくなるので、地図
を眺めたりしていた。すると上の方から「ドン!」と地響きのような音がした。ブ
ロックが落ちたのかな、くらいに思っていたらヘリが飛んできて旋回を繰り返し、
物々しい雰囲気となる。これは雪崩に巻き込まれたなと思ったら、あの事故だっ
た。この日は気温が高いものの、雪の層の密着度は悪くなかったので驚いた。
やはりこの時期の大雪渓は何が起こるか分からない。

2日は夜明け前にヘッテンを着けて出発。
主稜の末端に取り付いて登り始める。まずは下から見えている8峰まで登るが、結構
斜度がきつい。朝一から大変だ。息を切らせながら登っていくと、朝陽が差し込ん
でくる。朝陽を受ける杓子岳がきれいだ。

8峰まで登るとこれから辿るルートが一望できる。本峰(1峰)は遥か彼方だ。
7峰までは緩やかなルートだが、その先はナイフリッジが現れる。結構、恐い。しか
も8峰に出た辺りから風が強くなってきた。気を付けないとバランスを崩しかねな
い。時折吹く突風は立っていられないほどだ。稜線は雪煙が派手に上がっている。
この状態でのナイフリッジの通過は恐い。
慎重に通過し、6峰の登りにかかる。これも結構な斜度だ。ピッケルだけでなく、バ
イルを持ってダブルアックスで行きたくなるくらいのところも多い。この先はナイ
フリッジ、ピーク直下の急傾斜が交互に現れ、気が抜けないところが続く。

終始風が強く、バランスを崩さないように気を使うこと、雪質が良くなく、急傾斜
のところではグズグズの雪であるため、しっかり足場を作って立ちこまなければな
らないこと、新雪が積もって脛〜膝くらいのラッセルであることなどの悪条件が重
なって、結構きつい。快適な雪稜歩きくらいに舐めていたので、精神的にもきつい。

3峰を過ぎた辺りから急速に視界が悪くなってきて、10m程度しか視界が利かなくな
ってしまう。どこら辺を登っているのか判然としなくなる。
それでもやっと2峰に到着。このあとに核心部である、頂上直下の60度の雪壁が待っ
ている。雪壁の下でビレイ出来そうな場所を探しながら進むと、すぐに急傾斜にな
ってしまう。しかもなかなか傾斜が緩まない。振り返ると恐ろしいまでの傾斜。体
感的にはほぼ垂直。滑ったら、というか落ちたらどうなるか分からない。え!と思
ったが、どうやら既に雪壁に取り付いてしまったらしい。視界が極めて悪く、そん
なことも分からなかった。ピッケルでは少々心もとないが何とかするしかなく、シ
ャフトを打ち込みながら慎重に登っていくと、雪壁がガスの中に消えた。ついに頂
上である。慎重に乗り越すとほぼ山頂にダイレクトに出た。感動の瞬間。仲間と握
手を交わす。

下山は昨日の事故の件もあるので、杓子尾根か小蓮華尾根で下りることも考えた
が、気温が低いこととと冷たい風がかなり強く吹いていることから雪質は安定して
いると判断して大雪渓を駆け下った。



お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2584人

コメント

緊張感が。。。
yoshi629さん、こんにちは。

読んでいてじんわり汗がにじむような感じ。。。緊張感
が伝わってきます。

山頂から見下ろしたことはありますが、あの斜面を登る
のですから、なかなか想像も出来ません
山頂での達成感は、言葉にならないくらいでしょうね

秩父から帰る車の中で、雪崩のニュースを聞いて、
ちょっと心配していました。
駆け下れて、良かったです。
2011/5/1 11:08
頂上直下
ガスの中で良く分からなかったのですが、振り返ると恐
ろしいことになっていました
結果的にノーザイルだったのですが、出した方が無難で
した

雪崩の跡を見ましたが、結構大規模に崩れていまし
た。白馬尻でピットチェック(雪の断面を観察したりす
ること)した感じでは雪の層自体による雪崩は無いだろ
うと考えていましたが、それでも起きたので、びっくり
でした
恐らくブロック崩壊による雪崩だと思いますが、判断
は難しいと感じました。
まあ、あの日は気温が高かったので、それだけで大雪渓
に入ること自体を避けるのが賢明だったんでしょうね。
2011/5/1 12:23
訓練中をお見かけしました
yoshi629さん こんにちは
コメントありがとうございました

29日の下山時に、ちょうど近くを通ったようです。
アックスだったか何かを打ち込んでおられて、スタンディングアックスビレイで下の2名を確保する訓練中かなぁという場面をお見かけしました。

厳しい条件の中、主稜から登頂されたのはさすがです。
積雪期3千m峰完登の記録を楽しみにしています。

sht
2011/5/1 14:24
緊迫の登攀
yoshi629さん こんばんは。

白馬主稜は、昨年5月山頂から見ました。
youtaroさんのコメントと同様、そのルートを登るのは想像できませんでした。
緊迫の登攀の様子がどんどん伝わって来ました。

大雪渓での雪崩事故で亡くなられた、お二人のご冥福をお祈りいたします。
2011/5/1 18:33
Re:訓練中をお見かけしました
まさしくロープワークの練習中でした。
山頂直下の雪壁でのビレイの練習をしていたのです。

今回は天候・雪の状態ともにあまり良くなかったので大
変でした。特にナイフリッジ通過時の突風には手こずり
ました
2011/5/2 21:25
Re:緊迫の登攀
kusmmkさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

主稜は思ったよりも大変でした。
職場の先輩や会の仲間から事前に聞いた話だと快適な雪
稜歩きかなと考えていました。
やっぱり雪山は状態次第で難易度がグッと上がりますね
2011/5/2 21:28
お疲れさまでした。
yoshi629さん、こんにちは。
いつも、こっそりと山行記録を拝見させていただいており
ます。今回も凄い山行ですね。

私は、冬山を経験したことがなく、これから来年にむけて
ひとつずつ必要なことを学んでいきたいと思っております。
これからもyoshi629さんの記録を参考にさせていただきた
いと思います。宜しくお願いします。
2011/5/3 18:02
Re:お疲れ様でした
tayukayuさん、こんばんは。

記録を見ていただいているとのこと、ありがとうござい
ます。
今回の主稜は久しぶりに緊張する山行となりました

tayukayuさんはクライマーさんですよね。いろいろと登
っておられて、北鎌の詳細な記録など覚えています。
それと茨城の人なので記憶に残っています(私は水戸出
身なので)

雪山は厳しくも美しいので、是非行ってみてください
クライミングのようにハマってしまうかもしれませんよ
2011/5/3 20:34
懐かしい
結婚して間もないころ、ゴールデンウィークに行きました。写真を見ると私もとても若いです。テントを張りましたが日帰りで帰ったのを覚えています。
クライミングばかりで記録を書くのも面倒ですね^^
2011/5/7 13:15
Re:懐かしい
riekoさん、こんにちは。

白馬尻で一泊しましたが、かなり時間を持て余しました。
速攻日帰りの方がすっきりして良いですね
今回は眺めが良くなかったので、またその内に行こうと
思っています。
2011/5/7 14:20
はじめまして〜
何度か記録読ませていただいてました。
白馬主稜あこがれのルートです^
もうちょい経験つんだ後、チャレンジしたいと思っているルートです。
それにしてもザイルなしで登りきってしまうあたり、さすがですね。
これからも見に来ますのでよろしく〜
2011/5/9 1:18
Re:はじめまして〜
stkさん、はじめまして。
私もstkさんの記録を幾つか拝見させて頂いています。

主稜は憧れのルートでした。なかなかダイナミックなル
ートです。風が強くなければ、難易度も高くないと思い
ます。
山頂直下60度の雪壁は恐かったですね。
2峰を過ぎたところでロープを出すつもりでしたが、視
界が悪く、良く分からない内に取り付いてしまっていた
というところです。
雪が無い状態だとテラスらしきスペースがあるのです
が、雪が付いているととそのまま雪壁になってしまうよ
うです
2011/5/9 14:46
こんにちは
yoshi629 さん、はじめまして。

白馬岳主稜おつかれさまでした。
行きたかったルートだったので、興味深く拝見させていただきました。

昨年のGWに双子尾根を登り、今年はステップアップして主稜を、と思っていたのですが、前半モチベーションが上がらず行かず仕舞いでした。
レポートを拝見すると、主稜は思ったより厳しそうです。
でも、登り甲斐のありそうな尾根ですね。
来シーズン是非チャレンジ出来ればと思います。
2011/5/11 6:31
Re:こんにちは
taka4さん、こんにちは。
私も記録を拝見させていただいています。

今回はコンディションが良くなかったと思います。
話を聞くと、GWくらいなら快適な雪稜歩きとなるはずな
のですが、今年は4月なっても降雪が多かったようなの
で、ラッセルとなりましたし、足元も軟らかくて安定し
ていませんでした

素晴らしいルートなので、またその内に行きたいと考え
ています
2011/5/12 14:32
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら