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Yamareco

記録ID: 110732
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
十和田湖・八甲田

南北八甲田残雪ぎりぎりスキー縦走(バス式)

2011年05月11日(水) 〜 2011年05月12日(木)
 - 拍手
GPS
40:00
距離
22.6km
登り
1,997m
下り
1,822m

コースタイム

5/11自宅5:15 萱野茶屋6:00 火箱沢林道分岐6:30 前岳8:50-9:00 赤倉岳10:30 井戸岳10:40-50 大岳避難小屋11:10-50 小岳12:35 高田大岳13:50-14:10 谷地温泉15:15
5/12JRバス東北「みずうみ号」谷地温泉9:12→仙人橋9:16
仙人橋9:23 赤倉岳北1020コル引き返し13:00 蔦温泉15:15
JRバス東北「みずうみ号」最終便
蔦温泉16:05→萱野茶屋17:00→自宅17:30
天候 初日晴れのち高曇り時々ガス
過去天気図(気象庁) 2011年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
青森駅発十和田湖行きのJRバスみずうみ号を使おうと思ったが、朝遅くなるので、萱野茶屋までマイカーで行き、そこから縦走。谷地温泉に泊まって二日目にみずうみ号で仙人橋へ行き(390円)、そこから山を越えて葛温泉下山、最後にみずうみ号で萱野茶屋へ戻った(1320円)。二日目もバス利用のため出発が遅くなったので、一日目にバスで萱野茶屋に戻り自家用車を谷地温泉まで持って来ておけば、二日目早く出られた。後で気づいた。バスはうまく利用すれば縦走計画に便利。
コース状況/
危険箇所等
今年は比較的残雪が多い年と言われている。
萱野茶屋周辺は雪が無い。火箱沢林道分岐からは雪が繋がっている。
稜線上部、1500m帯はハイマツで、元々風が強く積雪が少ないため雪が無い。全体に風下側の東面斜面に残雪が多い。
仙人橋周辺Co600mはもう遅い。残雪を拾って行く感じ。葛温泉方面はCo500m台で雪全くなし。
素敵な温泉とバスを組み合わせて、もう少し早い時期ならさらに多くの計画が作れそう。谷地温泉の二食飲み放題風呂浴び放題5800円は破格。しかも温泉の湯は一級品です。値打ちある温泉宿。厳冬期もやっています。
酸ヶ湯温泉に行く道から別れ行軍記念銅像へ行く東西のトラバース車道を火箱沢林道といいます。このバス停は五月連休時のみのスキーバスのもので、もうやっていません。
2011年05月11日 06:34撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 6:34
酸ヶ湯温泉に行く道から別れ行軍記念銅像へ行く東西のトラバース車道を火箱沢林道といいます。このバス停は五月連休時のみのスキーバスのもので、もうやっていません。
若いブナ林。戦争中、伐採したもよう。
2011年05月11日 07:26撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 7:26
若いブナ林。戦争中、伐採したもよう。
前岳樹林限界より広大なブナ林を望む。壮観なり。
2011年05月11日 08:12撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 8:12
前岳樹林限界より広大なブナ林を望む。壮観なり。
前岳山頂よりゆくて赤倉岳。右奥丸いのが最高峰大岳
2011年05月11日 08:52撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 8:52
前岳山頂よりゆくて赤倉岳。右奥丸いのが最高峰大岳
シーズリ。スキーを紐で引っ張って登る事。残雪期、シール登行には急で、蹴り込みツボ足のほうが楽なときやる手。
2011年05月12日 20:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:58
シーズリ。スキーを紐で引っ張って登る事。残雪期、シール登行には急で、蹴り込みツボ足のほうが楽なときやる手。
豪快滑降した前岳を振り返る。
2011年05月11日 09:08撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 9:08
豪快滑降した前岳を振り返る。
シーズリ
2011年05月12日 20:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:58
シーズリ
赤倉岳山頂下。ハイマツ帯になると雪が融けちゃってます。
2011年05月11日 10:14撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 10:14
赤倉岳山頂下。ハイマツ帯になると雪が融けちゃってます。
赤倉岳看板と遠くは南八甲田。左端が最高峰の櫛ヶ岳。この白い雪面は去年絶叫で滑りました。
2011年05月11日 10:24撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:24
赤倉岳看板と遠くは南八甲田。左端が最高峰の櫛ヶ岳。この白い雪面は去年絶叫で滑りました。
左端が最高峰の櫛ヶ岳。この白い雪面は去年絶叫で滑りました。
2011年05月11日 10:25撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 10:25
左端が最高峰の櫛ヶ岳。この白い雪面は去年絶叫で滑りました。
赤倉岳山頂の祠で二礼二拝
2011年05月11日 10:36撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 10:36
赤倉岳山頂の祠で二礼二拝
赤倉岳山頂の爆裂火口跡
2011年05月11日 10:37撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:37
赤倉岳山頂の爆裂火口跡
赤倉岳最高点
2011年05月11日 10:39撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:39
赤倉岳最高点
井戸岳能書き
2011年05月11日 10:47撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:47
井戸岳能書き
井戸岳の爆裂火口。正面が最高点
2011年05月11日 10:47撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:47
井戸岳の爆裂火口。正面が最高点
井戸岳の祠前で二礼二拝
2011年05月11日 10:50撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 10:50
井戸岳の祠前で二礼二拝
井戸岳の北面。夏道浸食でハイマツ帯が消え、十年以上前から修復手当がされている様子。ボランティアの手によるとのこと。
2011年05月11日 11:01撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 11:01
井戸岳の北面。夏道浸食でハイマツ帯が消え、十年以上前から修復手当がされている様子。ボランティアの手によるとのこと。
大岳東側より高田大岳と雛岳
2011年05月11日 11:53撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 11:53
大岳東側より高田大岳と雛岳
小岳山頂より高田大岳。この斜面は楽しかった。上部はマックロ。よく見ると山頂ハイマツ帯の正面やや左に夏道のスジが見える。そこに当てる様に雪面を登る。
2011年05月11日 12:38撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 12:38
小岳山頂より高田大岳。この斜面は楽しかった。上部はマックロ。よく見ると山頂ハイマツ帯の正面やや左に夏道のスジが見える。そこに当てる様に雪面を登る。
高田大岳山頂祠で二礼二拝
2011年05月11日 13:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 13:59
高田大岳山頂祠で二礼二拝
高田大岳山頂祠で二礼二拝
2011年05月11日 14:07撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 14:07
高田大岳山頂祠で二礼二拝
高田大岳から見下ろす谷地と青い屋根の谷地温泉。
2011年05月11日 14:16撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 14:16
高田大岳から見下ろす谷地と青い屋根の谷地温泉。
発見したダイレクト真っ白ベルト。ありがたや。
2011年05月12日 20:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:58
発見したダイレクト真っ白ベルト。ありがたや。
南八甲田を背景にニンマリ。
2011年05月11日 14:39撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 14:39
南八甲田を背景にニンマリ。
真っ白ダイレクトを振り返るが、高田大岳の東斜面て真っ白じゃん。こっち下れば良かった。滑ったのは左の黒い中の一条の真っ白ベルト。
2011年05月11日 14:51撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 14:51
真っ白ダイレクトを振り返るが、高田大岳の東斜面て真っ白じゃん。こっち下れば良かった。滑ったのは左の黒い中の一条の真っ白ベルト。
ブナ林
2011年05月12日 20:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:58
ブナ林
谷地には水芭蕉。
2011年05月11日 15:12撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 15:12
谷地には水芭蕉。
谷地温泉
2011年05月11日 15:15撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 15:15
谷地温泉
狭いながらも素敵な湯治場。これは独り部屋。
2011年05月11日 15:31撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 15:31
狭いながらも素敵な湯治場。これは独り部屋。
木造湯船には弱い。
2011年05月11日 15:56撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/11 15:56
木造湯船には弱い。
天井も木造
2011年05月11日 15:56撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/11 15:56
天井も木造
自炊室。一泊3900円。鍋釜、調味料、冷蔵庫、熱水完備
2011年05月12日 06:54撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 6:54
自炊室。一泊3900円。鍋釜、調味料、冷蔵庫、熱水完備
谷地温泉外観
二日目の写真は今月容量オーバーでアップできず。6月にあっぷします。月初めに時間があったので、過去の山行写真(フィルム)をたくさんアップしてしまいました。
2011年05月12日 09:10撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
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5/12 9:10
谷地温泉外観
二日目の写真は今月容量オーバーでアップできず。6月にあっぷします。月初めに時間があったので、過去の山行写真(フィルム)をたくさんアップしてしまいました。
二日目。温泉からバス停までの数百mは湿原の脇。高田大岳が見える。
2011年05月12日 09:15撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 9:15
二日目。温泉からバス停までの数百mは湿原の脇。高田大岳が見える。
バス停
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
バス停
バス10分ほどで仙人橋
2011年05月12日 09:36撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 9:36
バス10分ほどで仙人橋
仙人橋右岸の赤沼登山道入り口。雪はほとんど繋がっていない
2011年05月12日 09:36撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 9:36
仙人橋右岸の赤沼登山道入り口。雪はほとんど繋がっていない
ブナ林
2011年05月12日 09:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 9:58
ブナ林
ブナ林。雪が途切れがちなのでシートラしている
2011年05月12日 09:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 9:59
ブナ林。雪が途切れがちなのでシートラしている
スキーを履いてもこんな感じ
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
スキーを履いてもこんな感じ
松森山北側の小さな湿地帯から赤倉岳
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
松森山北側の小さな湿地帯から赤倉岳
松森山北側の小さな湿地帯から赤倉岳
2011年05月12日 11:15撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 11:15
松森山北側の小さな湿地帯から赤倉岳
松森山西側の広い森にせせらぎ
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
松森山西側の広い森にせせらぎ
昔の牛追いの名残
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
昔の牛追いの名残
倒木のダケカンバから焚き付けのガンピをはぎ取る
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
倒木のダケカンバから焚き付けのガンピをはぎ取る
稜線手前の雪斜面
2011年05月12日 12:58撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 12:58
稜線手前の雪斜面
稜線から赤倉岳岩稜を見上げる
2011年05月12日 13:06撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 13:06
稜線から赤倉岳岩稜を見上げる
松森山山頂
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
松森山山頂
キクザキイチゲ
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
キクザキイチゲ
ブナ林とキクザキイチゲ
2011年05月12日 20:59撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 20:59
ブナ林とキクザキイチゲ
新緑の湖畔。蔦沼
2011年05月12日 15:13撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:13
新緑の湖畔。蔦沼
新緑の湖畔。蔦沼
2011年05月12日 15:17撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:17
新緑の湖畔。蔦沼
新緑の湖畔。蔦沼
2011年05月12日 15:19撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:19
新緑の湖畔。蔦沼
蔦温泉
2011年05月12日 15:40撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:40
蔦温泉
蔦温泉
2011年05月12日 15:44撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:44
蔦温泉
蔦温泉
2011年05月12日 15:47撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 15:47
蔦温泉
蔦温泉
2011年05月12日 16:11撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 16:11
蔦温泉
高速はやぶさ号
2011年05月12日 21:00撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 21:00
高速はやぶさ号
スカユ温泉
2011年05月12日 16:14撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 16:14
スカユ温泉
萱野茶屋(まだ閉店)後ろは前岳。ここから直登した。
2011年05月12日 17:14撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 17:14
萱野茶屋(まだ閉店)後ろは前岳。ここから直登した。
萱野高原から前岳、赤倉岳、田茂萢岳
2011年05月12日 17:18撮影 by  PENTAX Optio W90, PENTAX
5/12 17:18
萱野高原から前岳、赤倉岳、田茂萢岳

感想

3月4月と地震で忙しく、ようやく休暇。でも雪がメルトダウンしている。青森でいちばん雪の多い、八甲田高山帯の未踏峰をつなぐ計画を立てた。標高の低い500m、600mあたりで雪が無いと、薮コギで大変なのでそこで知恵を絞る。
前岳の北斜面には、ブナ純林の盛大な斜面がある。ここをひた登るのが今回の山場の一つ。八甲田にロープウエイで登っては男がすたる。萱野茶屋からスキーで出発と計画したが雪がもはや無かった。火箱沢林道分岐までスキーを背負って(シートラ)行き、登りだす。雪は硬く、スタスタ前進。風で落ちたか枝が散乱し、結構直進できない。特に植林のカラマツは落枝が多く、始末に困る。傾斜が急になるとシールでずり落ちる事多くなり、シールはずして、トップに紐を付け、引っ張って登る(シーズリ)。このほうが楽。前岳山頂下では雪が無くなり、アオモリトドマツの薮になる。右側に回り込み残雪をつないで山頂に至る。初登。気分よし。
赤倉へのコルへ滑降。今回初めの痛快斜面だが1分でおしまい。再びシーズリで赤倉目指す。上部ハイマツ帯は雪が無いのが見えていたので、夏道に当てるよう意識して登る。遠くではよく見えるが近づくと道は見えない。雪の切れ目、ハイマツの始まりで運良く道に当てる。ここから地面でシートラ。
赤倉岳、井戸岳のあたりは初登だ。どちらも爆裂火口でガケを持つ。井戸岳の最高点は火口の向こう側で、道からは離れている。ハイマツの薮を行く気がせず、パス。次回氷の季節にでも行きたいもの。
避難小屋周辺では何人か人がいた。小屋の中でおにぎりを食べる。秋田出身青森在の御婦人と居合わせ世間話。
大岳は何回も登っているし、雪が無くて黒いのでパス。今回は大岳東面の大雪斜面を斜めに棒立ちで滑る。ものの数分で小岳コルに。この斜面では7、8人のスキー、ボードの、滑り専門パーティーが二組いた。
小岳もシーズリで登る。高田大岳は晴れているが、大岳、井戸赤倉はガスに巻かれている。
小岳から高田大岳への斜面は痛快だった。ものの数分だが、この快感はスキー場ではだめだよ。僕の時代遅れスキーでも十分楽しい。
高田大岳も山頂手前50mほどのハイマツ帯は雪無く真っ黒。ここに見える夏道へ、はずさず到達するのが結構な課題だ。勘を駆使してなんとか当てる。山頂付近はまったく雪無し。最高点の先にケルンと祠あり。厳冬期は100m手前の「だいたいピーク」までで、ここまで来なかったから、一応初登。真っ白な南八甲田と谷地温泉が見える。谷地温泉はすぐ横に直径500mの湿地(萢、谷地)があるので分かり易い。その手前の△974も分かり易くて助かる。ただ、高田大岳は傾斜が急で山頂からだと中腹が見えない。はたして快い斜面があるのか。薮こぎだったら悲惨だ。ひとまず雪が出るまではと、夏道を下るが、この道もハイマツが覆いかぶさり廃道間近なクラスだ。雪のあるところまで降りて、道が不明になったが、小藪が多く、あまり気持ちよく滑れない。しばらくシートラで下ると、ジャンプスキーコースの様に、麓まで薮が無い、真っ白な一直線ラインを発見。幅20mほどだが、ターンには影響無い。伐開線か、土石流跡か謎。この滑降コースを使って一気に△974辺りまで滑り下る。△974はほぼ道通りに左に巻いて、水芭蕉の咲く谷地へ。温泉の匂いがぷ〜ん。谷地温泉へ直滑降。
白濁、クラクラの強烈な硫黄泉で、木材の湯船に浸かり、晩ご飯お替わり自由、酒飲み放題で、狭いながらも畳に布団で一泊5800円(年中定額)。素泊まりなら3900円で自炊室ありの通年営業。

二日目。
水芭蕉咲く谷地のバス停でバスに乗る。このバスが9時過ぎなのできょうの行動が短くなった。でもまあ宿で朝ご飯おかわりして、朝風呂入って、連ドラひまわりまで見られた。見上げる高田大岳は右半分がばっちりな雪面だ。初めから知っていればこっちを滑ったなあ。
5分で仙人橋。でも歩くと1時間。仙人橋周辺で雪はもう余り無い。でも残雪をつないで歩いては行ける。道は残雪のせいですぐ分からなくなる。ここらのブナ林は、夏でもたいした薮が無く気持ちのいい山域だ。それも見込んで、雪が無くてもなんとかなるだろうと赤沼を目指す。
赤沼を右に見下ろす尾根の上を経由して、赤倉岳北のコルを目指して西へ西へと進むが、スキーを履き続けられるほど雪が繋がっておらず、結局シートラのままでコルまで行く。この辺りで時間切れ。もっと雪が十分なら、行きも帰りも短時間で行けたろう。赤倉岳はまた雪が十分な季節にこよう。このコル経由のルートは記録ないが、稜線に比べ雪も多く、ササも少なく、積雪期には良いと思う。巨木多数のブナ純林を延々歩き、小川のせせらぎもあちこちにある。赤倉岳東側は爆裂火口起源の広く大きな浸食谷で、風当たりが少ないため、巨木が多い。蔦温泉周辺の湖沼群は、その地滑り地形の影響と思われる。
帰りは・804の松森山を経由する。一面ブナ林のこの広い谷ん中でこの山頂にだけコメツガの森があってとても目立つ。誰かが植えたのか、不思議だ。この山は赤岳爆裂火口の谷の中の溶岩体のかけらのようなもの。少しだけ高まりになっている。きっと昔の人は何か特別なところに感じたのではないかなあ。今の人の僕でも少し霊的な中心を感じるぞ。何か眼には見えないが感じる場所というのがある。
と下山して本を読むと、大町桂月も何かここに惹かれて何度も来たという。大正時代からすでにコメツガの森だったようだ。
松森山から蔦温泉には古い地図には夏道があったが今は廃道寸前。しかもまだら残雪でほとんど不明だが、幸い、薮が易しいので地図と磁石で雪山のように直進でき、蔦温泉周辺沼巡り遊歩道にたどり着く。とはいえバスの時間もあるし、地図に無い小地形が多くて迷う事幾多。久しぶりに真剣な地図読みをした。ほぼ狙い通りに当てる事ができて満足。GPSなんかじゃ味わえない充実の時間だ。この不安と孤独感がぬるま湯の日常には無いもの。月沼の前に出て、鏡沼、蔦沼とぷらぷら歩いていたら、七目木さんに会った。おひさしぶりの挨拶をかわしたが、今月いっぱいで転勤との事。またどこかであえるでしょう。
蔦温泉でやっぱり木造の湯船に浸かり、土産屋のばあちゃんにラムネ頼んで長い靴べらを買う。この土産物屋はそこらの土産物屋と全然違う。置いているものが、どこにでもあるみやげじゃ無いのだ。竹の杖なんか、用も無いのに欲しくなる。聞けばおじさんはこの辺では指折りの古老。山の事なんでも知っているそうだ。バスがきちゃったのでみずうみ号に乗り、アイスなめながら萱野茶屋まで。みずうみ号は新幹線はやぶさとおんなじ塗装の新車で、ナンバーは8823なんだよね。
残雪ぎりぎり山行。この季節は麓からスキーで登る主義じゃ駄目で、標高1000mの笠松峠発着の計画ってもんだね、常識的には。でも楽しかった。

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コメント

バス式
yoneyamaさん、仕事の合間のいい山(と温泉)でしたね。仕事しているとちょっとのところでベストの時を逃すことがありますね。では来年のお楽しみに、というのもまたいいものかもしれません。「男がすたる」のくだりは、yoneyamaさんしか言えない言葉ですね、微笑んでしまいます。シーズリとは山屋さんの言葉? バス式ってねじ式思い出しました。
谷地温泉とあわせて是非一度のんびり歩いてみたい山域です。
2011/5/13 22:12
シーズリ・・・
スキーを背負うのはドイツ語のシー+トラーゲンの略で、山岳部で昔からいうのですが、シーズリのズリは日本語でしょう多分。最近の現役が言っていたのでまねして使っています。なんちゃってドイツ語ですね。うちの山岳部でしか通じないことばです。が、残雪期は結構あると便利なことばです。
谷地温泉はねじ式のつげ義春マンガに出てきそうな雰囲気ある湯船でした。
2011/5/13 22:22
なつかしの八甲田山です
yoneyamaさん、こんにちは。

八甲田、蔦温泉、谷地温泉等、懐かしい名前につられて着ました。良いところですよね。
20年程前ですが、年越しはおいらせYHで毎年過ごしていた事が有りました。バックカントリー用のスキーを持参して、周辺を散策するのです。

また酸ヶ湯でキャンプして、今回のyoneyamaさんの様に八甲田から谷地温泉等に滑って降りるのを楽しみました。今回のyoneyamaさんの様に、周回バスが運行している頃です。適当な温泉が有る場所に滑り下りて、バスで戻って来るのです。でも登りはyoneyamaさんの様に足で登らず、ロープウェイを使いましたが(ちょっと軟弱ですね)。

バックカントリー用のスキーでもエッジの有るタイプなので、滑ったりシール無しで登ったりできるのです。yoneyamaさんのは山スキーですか?
写真を見ると、僕がいつも行っていた時期よりは遅いですね。これだと滑り難かったのでは無いですか。地面や藪が所々で見えていますね。レコを読んでもスキーを外したり履いたりで大変そうですね。やっぱり完全に雪に覆われている時期の方が楽ですね。

ところでパイネに行ってましたね。 あそこは良い場所ですね。僕も好きです。 プンタアレーナスとかサンチャゴとかの地名に、思わずにんまりとしました
2011/8/2 11:54
雪解け八甲田
フタロさんこんにちは
ことしの僕の時期はもう周回バスが終わっちゃって、乗ったバスは通年の路線バスです。
あのへんの温泉はたたずまいも泉質も文句無しですね。またいずれおいで下さい。パイネは秋にNHKBSのグレイトサミッツでやりますよ。

シール無しで登れるスキー?鱗付きなんですか?ぼくのは山スキー+バンド締めシールです。
2011/8/2 23:00
20年は行ってないですね。
このレコを見て、また行きたくなりました。子供たち次第ですが、上の子の部活が有るので難しいですね。
今年の年末は難しいので、行くとすると来年でしょうか。

はい、鱗付きです。僕の板はロシニョールなのですが、昔の板なので210センチとロングです。鱗の面が多くて登り最強と言われていますが、逆に下りは最弱でテレマークはし辛いです。

昔、志賀-草津ルートをグループで行く事になった際、熊の湯で土曜日にゲレンデで滑った後、日曜日の草津への帰りの偵察に行き、そのまま草津白根山に登って、お鉢巡りをして、万座スキー場に降りて数本ゲレンデを滑ってから、志賀高原まで登り返せた位、登りは強いです。

パイネのグレイトサミッツ、楽しみにしています
2011/8/2 23:26
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