三ツドッケ-蕎麦粒山/快晴山行!
- GPS
- 07:21
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,514m
- 下り
- 1,793m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
登山口に駐車場らしいものはない |
コース状況/ 危険箇所等 |
ヨコスズ尾根はバス停の50m手前で分岐する坂を100mほど登り、最初の右分岐が登山口。分岐する車道ではなく、その擁壁の上を辿る。 一杯水の裏から三ツドッケへ直登する道は険しい。頂上から小屋へ向かう時は、一度下りて岩場を登った次のピークから下り始めて20m、黄色テープの所で右の踏み跡へ入る。西の登山道へ迂回しても時間的には大差ないと思う。 2008年版山と高原地図では仙元峠を通らないと蕎麦粒山頂へ行けないように見えるが、そうではない。蕎麦粒巻道の記載がないなど現状とかなり異なる(古い地図を使う方が悪いのか…) 舟井戸を下ってから植林の山腹をトラバースして大ダワに向かう道は9月13日の台風被害で崩れたまま通行止めが続いている。その先、大根ノ山ノ神は新しい林道整備で以前と様相がガラリと変わっていた。 |
写真
感想
朝8時半。立客一杯、その9割以上がハイカーという4両の電車から吐き出された乗客が奥多摩駅前のバスに群がる。トイレに寄って戻ると、目当ての東日原行きは満員で出発するところ。焦ったが、すぐに続行バスがやってきた。奥多摩湖行も次々に発車し、紅葉時の奥多摩人気のほどを実感した。
さて、バスは川乗橋でほとんどの乗客を降ろし、残りわずか7人を乗せて出発した。登山口には先行バスの乗客も群れていて、大変な賑わいだ。思うに百尋ノ滝周辺の紅葉と川苔山を楽しもうというハイカーたちなのだろう。
きょうの山行は当初、川苔山から蕎麦粒山、三ツドッケ(天目山)という縦走を考えたのだが、歩き出しが9時近くなるので日暮れまでに下りてこられない恐れがあった。といって川苔山だけでは芸がない。で、逆コースの縦走なら下り基調だし、万一暮れかけても、最後は歩き慣れた鳩ノ巣駅への道だから大丈夫だろうと計画した。初めのプランだったら大混雑に巻き込まれて予定が狂うところだった。
ガラガラの車中でスパッツ等の装備を整え、終点でバスを降りるとすぐ歩き出す。他の人は雲取山へ向かったのか、誰もついて来ない。擁壁の上の登山道を辿ると、上になお2軒民家があり、最後の民家のおばあちゃんと挨拶を交わした。裏に車を付ける道などなさそうな家だが、独りで暮らしているのだろうか。
バス停を下に見てからヒノキの植林帯に入り、ジグザグの急勾配で高度を稼いでいく。標高900m付近で左に下る分岐があった。指導標に表示はないが中日原への道だろうか? ジグザグが終わるといったんミズナラなどの広葉樹林になり、ちらちら名残の紅葉の木々が混じる。1000m付近は、登山道が右の植林帯と左の稜線に伸びる広葉樹林との境目になっていた。仰ぎ見る冬枯れの木々と青空のコントラストが目にしみる。
道が北寄りに向きを変えると東南側が枯れた広葉樹林になって、枝の間から東隣の鳥屋戸尾根の山々などが見えるようになった。気温は5度くらいだろうか。日が差して風もないので、登るには登山シャツ1枚でちょうどいい。滝入ノ峰を東南側斜面で巻き、稜線に出たら少し風が吹いたが、寒いほどではない。緩やかな尾根を快調に飛ばすと、地図のコースタイムより50分早く一杯水避難小屋に着くことができた。
小屋の前で富士山を撮っている人がいる。小屋の中に3人いて、途中カップル1組、小学生と祖父母の5人を追い抜いたが、それでも計9人。朝の奥多摩駅の賑わいが嘘のようだ。もちろん、山は静かな方がありがたい。
小屋に荷を降ろし、水筒とカメラを携えて三ツドッケ頂上を目指す。小屋にいた登山者に念のためルートを確かめ、トイレの横から直登ルートの踏み跡を辿った。迷うことはない程度に踏まれているが、かなりの急登だ。やがて尾根に出ると間もなく稜線の道と合流する。9月に雲取山から縦走してきた時、この分岐が見つからなかった。黄色テープがあるが、見落としやすい。登山道わきにポツンと1本生えているダケカンバの10mほど上が分岐と覚えておくといいかもしれない。
さて、稜線の道はすぐピークに達するが、これば頂上とは別の「ドッケ」。ちょっとした岩場を下り、再び急坂を登り返すと「天目山」と手書き表示がある山頂に着いた。時間が心配で飛ばし気味に来たので少々疲れたが、そんな疲れなど吹き飛ばす絶景だった。まずは南に向いてお定まりの富士山。鷹巣山を手前に従えて青空に映える。鷹巣山の右肩の向こうに一定標高で伸びるのは遠く大菩薩連嶺だろうか。右を見れば七ツ石山から雲取山、芋ノ木ドッケ、長沢背稜の山々。左は三頭山から大岳山、御岳山、遠く向こうには丹沢の峰々も並ぶ。仰ぎ見れば秋の白雲が絵のようだ。
北を向く。やや低く三角形の武甲山から右手前に大持山への尾根が伸びる。武甲山の向こう、はるか平野の向こうは
(×→赤城山か。となると、視界を遮るもう一つの「ドッケ」右上にかすかに白く覗くのは榛名山、左端の杉の木の横にある拳骨状が両神山で、その右の白い山は浅間山ということになる。だが、ドッケの左上の白い山はどこだろう? どうも自信はない=以上削除)
○→日光の女峰山、男体山、太郎山。視界を遮るもう一つの「ドッケ」右上には皇海山越しに白く日光白根山が輝き、左上には白い燧ケ岳と手前の赤城山が見える。左端杉の木の横にゴツゴツと見えるのが武尊山で、その右の白い山は至仏山だ=12月1日訂正。
ゆっくり検討したかったが、とにかく最大の期待であった展望は堪能したので、先を急ぐことにした。地図の実線ルートと小屋までの時間を比較しようと、帰りはいったん西へ戻って巻道経由で一杯水に向かった。結果は、下りについてはやはり直登ルートの方が早いようだが、登りは巻道経由の方が早いかもしれない。少なくとも荷物がある時は巻道経由だろう。
無人の小屋でお握りとカップ麺の昼にする。近隣の酉谷小屋などに比べると古く、特にトイレは最近の“初心者山ガール”あたりだと、初めて目にするタイプで目を白黒するのではなかろうか。
ラジオで正午の時報を聞き、小屋をたつ。一杯水はすっかり枯れていた。当分は比較的平らな稜線歩きなので時間を稼ごうと急ぐが、登りで飛ばしたので脚に疲れを感じる。筋肉痛が避けられそうにないなあ、などと考えながら行くうち、棒杭尾根分岐を通過した。踏み跡は頼りなさそうだ。
仙元峠分岐には思ったより早く着いた。指導標によると蕎麦粒山はここから巻道を辿ることになっているが、手持ちの山と高原地図に従えば尾根通しが正解となる。迷った末、尾根通しで行くことにした。峠という名の頂上では犬を連れた男性が休憩しており、少し言葉を交わしてからピークを下ると、何のことはない、鞍部で巻道と合流してしまった。
今度こそ蕎麦粒山巻道を分けて頂上への尾根を登る。思ったより疲れたが、分岐から10分足らずで山頂に着いた。東は防火帯になっていて、行く手の日向沢ノ峰から曲ヶ谷北峰、川苔山への稜線が見渡せる。まだ先は長い。
いったん下って桂谷ノ峰への急勾配をやっとの思いで登り返すと、平らな防火帯尾根の稜線漫歩が待っていた。ほどなく勝手知ったる日向沢ノ峰。大丹波林道から上がってきたという夫婦が遅めの昼食休憩中で、尋ねられるまま偉そうに山名を解説したが、どうも雲取山と芋ノ木ドッケを取り違えさせてしまったようで申し訳ない事をした。もう雲に隠れたと思っていた富士山が、目を凝らすと三頭山の向こうに頭を浮かべている。
踊り平へ一気に下り、曲ヶ谷北峰へ登り返す。雲取山の方角は雲一つなく、さぞや夕焼けが見事なことだろうと思う。事実上最後の上り坂を登り切って2時半に曲ヶ谷北峰。何とか日没までには余裕をもって下山できそうだ。川苔山帰りとみえる登山者とすれ違った。どこかの林道へ車を止めているのだろう。
川苔山頂は残念ながらパスして鞍部から舟井戸へ向かう。下りに入ると、山歩きでは久々に腿の筋肉に鈍痛を感じた。やはり登りで少々無理をしすぎたようだ。スピードをやや落として杉の植林を辿り、舟井戸下の大ダワ方面分岐へ。分岐路は台風で桟道が落ちたまま復旧していないらしい。この手前で夫婦連れを抜き、山ガール3人組の後を追いかけた。他の登山者の姿を見て「間に合った」といささかホッとした。
標高750m付近では、東隣の稜線が夕日を浴び、植林帯の緑に縁どられた広葉樹が赤く輝くのが美しかった。道端にもところどころ見事に色づいたモミジが生えている。朝日の当たる時間帯はさぞかし見事だろう。
大根ノ山ノ神は、林道が延長されて階段や擁壁、コンクリート吹付などの人工の設備が増え、ガラリと様相が変わっていた。キョロキョロしながら祠の前で一休み。電車の時間を調べると、乗れるのは約50分後の青梅行になりそうだ。急いでも仕方ないので、痛む脚をかばってゆっくりと最後の林間コースを下った。すでに日は山の端に沈み、林の中は薄暗くなっている。
先行するパーティーが神社経由鳩ノ巣駅のコースへ直進したのに対し、当方は左へ正法院経由の道を辿る。30分前の電車が出る音が聞こえてきた。これなら無事余裕をもって駅に着くことができる。ただし、脚の筋肉痛の方はあまり無事でも余裕でもない様子。例によって河辺駅前の温泉に急ぐことにしよう。
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