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Yamareco

記録ID: 1726129
全員に公開
ハイキング
奥多摩・高尾

高柄山/落合集落から周回/岩壁群の通過に四苦八苦

2019年02月07日(木) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
7.3km
登り
703m
下り
702m

コースタイム

出発8:35−支尾根取付き8:45−405m圏コブ9:20−岩壁群下9:25−岩壁群上(480m圏コブ)10:05〜10:35−500m峰10:55−505m圏コブ巻道分岐11:05−520m圏コブ11:40−新矢野根峠11:50〜12:25−矢の目12:30−高柄山頂上13:20〜14:10−695m圏分岐14:20−小高柄(640m圏コブ)14:40−595m圏分岐15:00〜15:30−525m圏鞍部(金山集落下降点)15:45−552m峰15:55−515m圏コブ16:00−500m圏第1コブ16:05−500m圏第2コブ16:10−410m圏鞍部(下降点)16:30−375m圏支尾根下降点16:40−車道16:50−ゴール17:00
天候 晴れ時々薄曇り
過去天気図(気象庁) 2019年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
神奈川県最西部の藤野町から県道76号線を南下し、途中で県道517号線に入る。山梨県の県道35号線で山梨県に入って500m程で右折、秋山トンネルを通る。トンネルを抜けた300m程先で左折すると、直ぐに落合集落に入るので、その手前の路肩に駐車。
コース状況/
危険箇所等
落合集落から新矢野根峠東尾根を登る。
林道田野入線を300m進んでから地形図の破線を辿る。踏跡はあるが道標は峠まで無い。なお、東尾根の480m圏コブに出る直前、4段に積み重なった岩壁群の通過に四苦八苦した。東尾根に乗ると、倒木が多く、この通過にも手間取った。
新矢野根峠から一般登山道を通って高柄(たかつか)山に立つ。良く踏まれ、道標も完備、急登にはロープが張られている。
高柄山から高柄山東尾根を下る。途中、552m峰手前の鞍部までは、登山道並みの良く踏まれた踏跡が続く。要所に道標が立ち、急坂にはロープが張られている。
552m峰手前の鞍部で金山集落へ下る道と分かれるが、その先の尾根上にも微かながら踏跡は続く。末端の430m圏コブ手前の鞍部から山腹を南下する踏跡を辿って金山集落から来る車道に降り立ち、落合集落に戻る。
落合集落から矢の根沢沿いの林道田野入線に入る。写真の建物は水道施設
2019年02月07日 08:36撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 8:36
落合集落から矢の根沢沿いの林道田野入線に入る。写真の建物は水道施設
林道を300m程進み、地形図の破線に従って、矢の根橋の脇から小沢沿いの踏跡に入る
2019年02月07日 08:48撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
1
2/7 8:48
林道を300m程進み、地形図の破線に従って、矢の根橋の脇から小沢沿いの踏跡に入る
明瞭な踏跡を辿ると支尾根に乗る
2019年02月07日 09:02撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:02
明瞭な踏跡を辿ると支尾根に乗る
急な支尾根を突き上げていくと、405m圏コブで落合集落東端から上がって来る別の破線の道と合流する
2019年02月07日 09:19撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:19
急な支尾根を突き上げていくと、405m圏コブで落合集落東端から上がって来る別の破線の道と合流する
そのまま北に直進すると、直ぐに倒木が通せん坊。この山域でも昨年夏の台風で多くの被害を受けたらしい
2019年02月07日 09:25撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:25
そのまま北に直進すると、直ぐに倒木が通せん坊。この山域でも昨年夏の台風で多くの被害を受けたらしい
405m圏コブから5分程で、岩壁が行く手を遮っている。右側から巻き気味に簡単に登れる
2019年02月07日 09:26撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:26
405m圏コブから5分程で、岩壁が行く手を遮っている。右側から巻き気味に簡単に登れる
40m程上に、第2の岩壁が覆い被さってきた。左側に回り込み、岩壁裏の急な土のルンゼを突き上げる
2019年02月07日 09:29撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:29
40m程上に、第2の岩壁が覆い被さってきた。左側に回り込み、岩壁裏の急な土のルンゼを突き上げる
一難去ってまた一難、第3の岩壁が30m程上に迫っている。写真の右寄りの土斜面を這い上がって岩壁の下に立つ
2019年02月07日 09:33撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:33
一難去ってまた一難、第3の岩壁が30m程上に迫っている。写真の右寄りの土斜面を這い上がって岩壁の下に立つ
そのまま右寄りに突き上げられそうだが、上部に第4の岩壁が木の隙間を通して望める。さあどうしよう
2019年02月07日 09:36撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:36
そのまま右寄りに突き上げられそうだが、上部に第4の岩壁が木の隙間を通して望める。さあどうしよう
第3の岩壁の基部を左にトラバースするが、途中からハングした岩壁の下、外傾した狭いバンドを辿ることになる。通過は危険だ
2019年02月07日 09:38撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:38
第3の岩壁の基部を左にトラバースするが、途中からハングした岩壁の下、外傾した狭いバンドを辿ることになる。通過は危険だ
直登も考えたが、往き詰まった場合に下降は厳しい。仕方ない、第2岩壁の上まで降り、左に巻いてから第3岩壁左端の土斜面を突き上げる
2019年02月07日 09:49撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:49
直登も考えたが、往き詰まった場合に下降は厳しい。仕方ない、第2岩壁の上まで降り、左に巻いてから第3岩壁左端の土斜面を突き上げる
第3岩壁左端のリッジに乗った。急だけど、藪が多いので、これに掴まりながら直上できそうだ
2019年02月07日 09:53撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:53
第3岩壁左端のリッジに乗った。急だけど、藪が多いので、これに掴まりながら直上できそうだ
藪を頼りに直登する。第3岩壁に続く第4岩壁を右手に見ながら、必死に這い上がる
2019年02月07日 09:56撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 9:56
藪を頼りに直登する。第3岩壁に続く第4岩壁を右手に見ながら、必死に這い上がる
やっと岩壁群は終わったようだ。はるか下に、落合集落の東端と、田野入トンネルから出て来た車道が見える
2019年02月07日 10:02撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 10:02
やっと岩壁群は終わったようだ。はるか下に、落合集落の東端と、田野入トンネルから出て来た車道が見える
480m圏コブに着いた。これで一安心。ここは新矢野根峠から田野入集落に伸びる東尾根上で、東隣に482mコブが望める
2019年02月07日 10:04撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 10:04
480m圏コブに着いた。これで一安心。ここは新矢野根峠から田野入集落に伸びる東尾根上で、東隣に482mコブが望める
後はこの東尾根を西北西に辿れば良い。隣の490m圏コブを越え、なだらか尾根を歩む。今までの緊張から一変してのんびりムード
2019年02月07日 10:37撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 10:37
後はこの東尾根を西北西に辿れば良い。隣の490m圏コブを越え、なだらか尾根を歩む。今までの緊張から一変してのんびりムード
直ぐ下にゴルフ場が見下ろせる。その先に上野原の市街地が望める里山だ
2019年02月07日 10:49撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
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2/7 10:49
直ぐ下にゴルフ場が見下ろせる。その先に上野原の市街地が望める里山だ
地形図に表示された500m峰を越え、なだらかな尾根を進む。踏跡は明瞭だ
2019年02月07日 10:59撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 10:59
地形図に表示された500m峰を越え、なだらかな尾根を進む。踏跡は明瞭だ
505m圏コブを過ぎると倒木が増え、通過に手間取るようになった
2019年02月07日 11:27撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 11:27
505m圏コブを過ぎると倒木が増え、通過に手間取るようになった
520m圏コブの急な上りに差し掛かると、金属杭を通してロープが張られているので助かる
2019年02月07日 11:29撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 11:29
520m圏コブの急な上りに差し掛かると、金属杭を通してロープが張られているので助かる
しかしこのロープの上にも大木が倒れているので、大きく迂回せざるを得ない
2019年02月07日 11:30撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 11:30
しかしこのロープの上にも大木が倒れているので、大きく迂回せざるを得ない
休憩舎が建つ新矢野根峠に着いた。辿ってきた東尾根の出口にはロープが張られ、一般登山道からこの尾根に入らない様に遮っている
2019年02月07日 11:49撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 11:49
休憩舎が建つ新矢野根峠に着いた。辿ってきた東尾根の出口にはロープが張られ、一般登山道からこの尾根に入らない様に遮っている
本日初めて道標を見る。この先、高柄山東尾根の途中まで、要所に道標が立っていた
2019年02月07日 11:50撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
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2/7 11:50
本日初めて道標を見る。この先、高柄山東尾根の途中まで、要所に道標が立っていた
この先は一般登山道を辿る。良く踏まれた道が続く。倒木も処理され、今までの道に比べればハイウェイだ
2019年02月07日 12:31撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 12:31
この先は一般登山道を辿る。良く踏まれた道が続く。倒木も処理され、今までの道に比べればハイウェイだ
危険個所にはロープが張ってある
2019年02月07日 12:37撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 12:37
危険個所にはロープが張ってある
高柄山本峰の最後の急登には延々とロープが設置されていた
2019年02月07日 13:06撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 13:06
高柄山本峰の最後の急登には延々とロープが設置されていた
高柄山頂上に着いた。山梨百名山の山名杭と、733.3mの三角点。後ろの赤い小屋は小さな祠を覆っている鞘堂
2019年02月07日 14:08撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
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2/7 14:08
高柄山頂上に着いた。山梨百名山の山名杭と、733.3mの三角点。後ろの赤い小屋は小さな祠を覆っている鞘堂
北北東に上野原市街地が望まれる。手前に(鶴島)御前山、その右手に桂川が見える。奥に生藤山から陣馬山に続く山並み
2019年02月07日 14:08撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:08
北北東に上野原市街地が望まれる。手前に(鶴島)御前山、その右手に桂川が見える。奥に生藤山から陣馬山に続く山並み
北方向に奥多摩の御前山(左)と大岳山(右)
2019年02月07日 14:07撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:07
北方向に奥多摩の御前山(左)と大岳山(右)
ここから高柄山東尾根を降りる。695m圏コブで直角に折れるが、道標が完備しているので安心
2019年02月07日 14:18撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:18
ここから高柄山東尾根を降りる。695m圏コブで直角に折れるが、道標が完備しているので安心
640m圏コブに着いた。「小高柄(塚)」の山名板があるが、552mとは何を意味するの?552m峰はまだ先で、ここの標高なら誤りだ
2019年02月07日 14:40撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:40
640m圏コブに着いた。「小高柄(塚)」の山名板があるが、552mとは何を意味するの?552m峰はまだ先で、ここの標高なら誤りだ
ここは眺望が良いのでベンチが置かれている。南方向に丹沢の山並。左:袖平山、その奥の雲の中:蛭ヶ岳から檜洞丸、右:大室山
2019年02月07日 14:39撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:39
ここは眺望が良いのでベンチが置かれている。南方向に丹沢の山並。左:袖平山、その奥の雲の中:蛭ヶ岳から檜洞丸、右:大室山
ここの下りは急でロープが張ってある
2019年02月07日 14:46撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:46
ここの下りは急でロープが張ってある
金山集落への下降点に来た。道標が完備
2019年02月07日 14:59撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 14:59
金山集落への下降点に来た。道標が完備
ここで降りずに東尾根をさらに辿る。前方に見えるのが552m峰。「小高柄(塚)」の山名板の数字552mは何だったのか
2019年02月07日 15:28撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:28
ここで降りずに東尾根をさらに辿る。前方に見えるのが552m峰。「小高柄(塚)」の山名板の数字552mは何だったのか
そのまま尾根筋を下るが、急斜面に落ち葉が乗っているので滑りやすくて緊張する
2019年02月07日 15:30撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:30
そのまま尾根筋を下るが、急斜面に落ち葉が乗っているので滑りやすくて緊張する
右手(南側)から明瞭な踏跡が合流した。先程の下降点はこの急斜面の巻道だったらしい
2019年02月07日 15:33撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:33
右手(南側)から明瞭な踏跡が合流した。先程の下降点はこの急斜面の巻道だったらしい
まだまだ急下降が続くが、ロープが下がっている
2019年02月07日 15:34撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:34
まだまだ急下降が続くが、ロープが下がっている
一般登山道並みの良く踏まれた道が続く
2019年02月07日 15:37撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:37
一般登山道並みの良く踏まれた道が続く
552m峰手前の鞍部が金山集落への下降点だった。標高525m。幅広い明瞭な道が下って行く
2019年02月07日 15:43撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:43
552m峰手前の鞍部が金山集落への下降点だった。標高525m。幅広い明瞭な道が下って行く
そのまま尾根筋を進む。不明瞭ながら踏跡が続く。展望が利かない552m峰を越える
2019年02月07日 15:52撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 15:52
そのまま尾根筋を進む。不明瞭ながら踏跡が続く。展望が利かない552m峰を越える
この先コブ毎に方向が変わるので要注意。特に2つ目の500m圏コブで直角に左折する。木にテープが巻いてあった
2019年02月07日 16:14撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:14
この先コブ毎に方向が変わるので要注意。特に2つ目の500m圏コブで直角に左折する。木にテープが巻いてあった
ここの下りも急なので慎重に。さすがにロープは無い。写真の左上にゴールの落合集落が見えて来た
2019年02月07日 16:18撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:18
ここの下りも急なので慎重に。さすがにロープは無い。写真の左上にゴールの落合集落が見えて来た
矢の根沢越しに、朝方通過に苦労した岩壁群が望めた。こんなに横長だとは。第1、第2岩壁は樹々の陰に隠れている
2019年02月07日 16:17撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:17
矢の根沢越しに、朝方通過に苦労した岩壁群が望めた。こんなに横長だとは。第1、第2岩壁は樹々の陰に隠れている
この東尾根末端の430m圏コブの手前鞍部(410m圏)から、微かな踏跡が山腹を南に巻いているのでこれを辿る
2019年02月07日 16:31撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:31
この東尾根末端の430m圏コブの手前鞍部(410m圏)から、微かな踏跡が山腹を南に巻いているのでこれを辿る
430m圏コブを巻いて、その南側支尾根に乗る
2019年02月07日 16:38撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:38
430m圏コブを巻いて、その南側支尾根に乗る
支尾根末端の手前から、右側(西側)の山腹を降りる踏跡に入る
2019年02月07日 16:41撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:41
支尾根末端の手前から、右側(西側)の山腹を降りる踏跡に入る
車道の上に出た。車道に直接は降りられないが、右に回り込んで小沢に下る踏跡を辿る
2019年02月07日 16:44撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:44
車道の上に出た。車道に直接は降りられないが、右に回り込んで小沢に下る踏跡を辿る
金山集落から来る車道に降り立った。後は800m程歩けばゴール
2019年02月07日 16:52撮影 by  Canon PowerShot D30, Canon
2/7 16:52
金山集落から来る車道に降り立った。後は800m程歩けばゴール
撮影機器:

感想

上野原市の直ぐ南にある高柄山に登ることにし、コース状況に述べた周回ルートを選んだ。

上りに使った新矢野根峠東尾根には、地形図に破線で描かれているルートがあり、今回はこれを忠実に辿った。しかし、405m圏コブを過ぎて5分程登ると最初の岩壁が行く手を遮った。ここは簡単にパスできたが直ぐに第2の岩壁。この通過から厳しくなり、さらに第3の岩壁が木の間通しに望まれる。次々と出現する岩壁群に、この先、いったいどうなっているのか、次第に不安になってきた。

3年前の奥秩父の長峰での敗退を思い出した。僅か10m程の岩稜が越えられなかった。登れても下りがかなり厳しそうだ。往復ルートを予定していたので、この段階で登頂を断念した。
今回も同じ羽目になるかな?でも、あの時は痩尾根と石楠花の濃い藪のため、どちらの側面にも逃げようがなかった。今回は幅広い山腹に積み重なった岩壁群なので、いざとなれば一旦降りて、大きく巻けば良さそうだ。
このため、目の前のルートを登れても、その先で行き詰って降りる羽目になった場合を考え、確実に下れるかどうか、常に判断しながら登って行った。

この岩壁群の中でルートを求めて右往佐生。第3岩壁は直登を諦めて一旦下降し、左に巻くルートに登り直し、第3、第4の岩壁の左側ギリギリを突き上げた。
四苦八苦しながらも、この岩壁群を何とか無事に切り抜けられたから良い物の、もし滑落して怪我すれば、「後期高齢者の無謀登山!」と非難されることは目に見えている。ヤレヤレである。

地形図にこの岩壁は一切描かれていない。しかも地形図の破線は岩壁群の中央部を直上している。現場ではそこにルートは考えられない。一体どうなっているのだろうか。
地形図の破線は当てにならないことは、今までも何回か経験しているが、今回はその最も酷い例である。当てにならない地形図以外に情報は無く、現場でルートを探すしかない。しかし樹々に覆われて視界が利かず、岩壁の数や規模等が読めず、先行きに対する予想も立てられない中でのルート探索は非常に厳しかった。

これに比べれば、高柄山東尾根の下降は楽だった。
十数年前に、金山集落からこの東尾根を逆に辿って高柄山に登ったことがある。その時に比べて道が整備された印象だ。急な部分にはあちこちでロープが張られていた。さらに、要所には道標が立っていて、今回は下りなのに、ルート探索に腐心することはほとんど無かった。
ただし、「小高柄(塚)」のコブに立っていた山名板は頂けない。ここは標高640m圏のハズ。それなのに、山名板には552mの数値が書かれている。552m峰はまだまだ先である。今回この数値を見て、この小高柄が552m峰であるような錯覚を覚えてしまった。ぜひ、この数値は消して欲しいものだ。

当初の予定では、高柄山東尾根の末端まで下り、430m圏コブから北に伸びる支尾根を降りて林道田野入線に出る積りであった。
しかし、朝方この林道を通った時に観察し、予定の下山ルートでは、矢の根沢の横断と、林道へ攀じ登る崖の通過が厳しく思われた。
このため、430m圏コブ手前の鞍部から南に降りる踏跡が見つかったので、これを辿って金山集落から来る車道に直接降り立った。当初のルートより遠回りになるが、安全、かつ確実であった。

高柄山は小さな山である。しかも、直ぐ下にはゴルフ場を抱えていて、里山的性格もある。従って、のんびり歩いても夕方には楽々降りられる、と踏んでいた。
ところが、新矢野根峠東尾根の480m圏コブに出る前に、岩壁群と言う思わぬ伏兵が待ち構えていた。この通過に40分も掛かってしまった。さらに、尾根上には倒木が多く、これらの通過にも手間取った。
このため、一時、日暮れまでに降りられるかしら、と不安になったこともあった。しかし、高柄山東尾根が一般登山道並みの山道。お陰で順調に降りられたので、不安は杞憂に終わった。

高柄山は小粒な山ではあるが、ルートの採り方次第で、ピリリとした厳しさも含んだ山椒みたいな山である。
岩壁群の通過に緊張したり、なだらかな尾根道にのんびりしたり、と変化に富んだ充実した山行を楽しめました。

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