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Yamareco

記録ID: 186184
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

日留賀岳北稜を越え「1846峰」へ(蜜薮敗退)

2012年04月29日(日) [日帰り]
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GPS
12:23
距離
16.8km
登り
1,510m
下り
1,505m

コースタイム

★中塩原(P) 4:55 → 5:46 シラン川沢林道終点(登山口)→ 9:27 日留賀岳 → 11:23 鹿の又坂・・(登り 6時間28分)
★鹿の又坂 11:30 → 12:56 日留賀岳 → 16:20 登山口 → 17:18 中塩原(P)・・(下り5時間48分)
天候 快晴(無風)
過去天気図(気象庁) 2012年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
東北道「西那須野塩原IC」→塩原温泉(中塩原)→シラン川沢林道→日留賀岳→鹿の又坂(県道266号塩那道路)
コース状況/
危険箇所等
1 中旬以降の暖気による急速な融雪で標高1750M(白い小鳥居)まで殆ど残雪なし(途中1400M〜1510M間のシラビソ帯も残雪僅か)
2 日留賀岳南壁の残雪は豊富
3 日留賀岳北稜線は昨年同期比融雪がかなり進展
4 目指した塩那道沿線最高峰「1846峰」は南面完全消雪により蜜薮露出(登頂断念)
残雪確認
登山前日に麓から眺めた「日留賀岳」南面。予想外に雪が少なく、この状況では翌日予定の横川牧場からの「鹿又岳」(しかまただけ、1817.1M)登頂は薮の露出から無理と判断した。
残雪確認
登山前日に麓から眺めた「日留賀岳」南面。予想外に雪が少なく、この状況では翌日予定の横川牧場からの「鹿又岳」(しかまただけ、1817.1M)登頂は薮の露出から無理と判断した。
登山口
当日は予定していた横川ルートを変更し、南側から「大佐飛山」(おおさびやま、1908.4M)に次ぐ男鹿連峰第2の高峰※「1846峰」(※除無名峰、以下「新鹿又岳」と仮称)へアタック出来ないか、取り敢えず日留賀岳迄登って見る事にした。シラン(川)沢林道の終点(地理院2.5万図1035M付近)が登山口となる。
登山口
当日は予定していた横川ルートを変更し、南側から「大佐飛山」(おおさびやま、1908.4M)に次ぐ男鹿連峰第2の高峰※「1846峰」(※除無名峰、以下「新鹿又岳」と仮称)へアタック出来ないか、取り敢えず日留賀岳迄登って見る事にした。シラン(川)沢林道の終点(地理院2.5万図1035M付近)が登山口となる。
ミズナラ樹林
「比津羅山」(1187.3M)東面をトラバースする登山道に入ると、新緑前の林床に朝日が当たり爽快な気分が広がる。
ミズナラ樹林
「比津羅山」(1187.3M)東面をトラバースする登山道に入ると、新緑前の林床に朝日が当たり爽快な気分が広がる。
急登(1)
登山路は1020M付近で破線(地理院2.5万図)を左に大きく外れ(※)、1240M付近で復帰すると最初の急登が始まる。(※5/2地理院破線が昨年から修正されていましたね。)
急登(1)
登山路は1020M付近で破線(地理院2.5万図)を左に大きく外れ(※)、1240M付近で復帰すると最初の急登が始まる。(※5/2地理院破線が昨年から修正されていましたね。)
シラビソ帯
急登が終わると1400M付近からシラビソ樹林帯に入るが、樹林内にも拘らず今年は残雪が少ない。持参したワカンの出番はなし。
シラビソ帯
急登が終わると1400M付近からシラビソ樹林帯に入るが、樹林内にも拘らず今年は残雪が少ない。持参したワカンの出番はなし。
コシジオウレン
この日最初に出迎えてくれたのは針葉帯に咲く可憐な「コシジオウレン」。いつもながら疲れが癒される。
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コシジオウレン
この日最初に出迎えてくれたのは針葉帯に咲く可憐な「コシジオウレン」。いつもながら疲れが癒される。
二重鳥居
休憩ポイントとして選ばれる標高1514Mピーク手前の鳥居。ここも昨年より雪は少ない。(昨年はここでアイゼンを履いた。)
二重鳥居
休憩ポイントとして選ばれる標高1514Mピーク手前の鳥居。ここも昨年より雪は少ない。(昨年はここでアイゼンを履いた。)
尾根筋の雪
登山路は鳥居付近で北西方向から北東方向に変わり、尾根筋にようやく本格的な残雪が現れた。
尾根筋の雪
登山路は鳥居付近で北西方向から北東方向に変わり、尾根筋にようやく本格的な残雪が現れた。
急登(2)
標高1650M付近からは日留賀岳登山の辛さを強調させる2度目の急登が始まる。ただし稜線西側を通る登山路には雪はない。
急登(2)
標高1650M付近からは日留賀岳登山の辛さを強調させる2度目の急登が始まる。ただし稜線西側を通る登山路には雪はない。
ショウジョウバカマ
標高1700M付近で一輪の残雪期の花「ショウジョウバカマ」に出会う。いつ眺めても美しい。
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ショウジョウバカマ
標高1700M付近で一輪の残雪期の花「ショウジョウバカマ」に出会う。いつ眺めても美しい。
白い鳥居
標高1714M付近の急登に現れる白い小さな鳥居。
白い鳥居
標高1714M付近の急登に現れる白い小さな鳥居。
残雪尾根
白い小さな鳥居から間もなく登山路は雪に消えた。ここでアイゼン装着とピッケルに変える。
残雪尾根
白い小さな鳥居から間もなく登山路は雪に消えた。ここでアイゼン装着とピッケルに変える。
南壁雪渓
日留賀岳南壁の大雪渓。本格的な残雪登山の始まりだ。
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南壁雪渓
日留賀岳南壁の大雪渓。本格的な残雪登山の始まりだ。
会越連峰
西方には尾瀬燧から会津駒ヶ岳に至る会越県境尾根が広がる。
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会越連峰
西方には尾瀬燧から会津駒ヶ岳に至る会越県境尾根が広がる。
高原連峰
大雪渓から振り返れば南方に釈迦ケ岳や鶏頂山などの高原連峰が浮かぶ。
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高原連峰
大雪渓から振り返れば南方に釈迦ケ岳や鶏頂山などの高原連峰が浮かぶ。
男鹿連峰
気掛かりであった日留賀岳北方の男鹿連峰。やはり新鹿又岳の雪は予想以上に少なく南面は完全に露出か。
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男鹿連峰
気掛かりであった日留賀岳北方の男鹿連峰。やはり新鹿又岳の雪は予想以上に少なく南面は完全に露出か。
山頂手前
日留賀岳山頂手前の雪渓。右下は小蛇尾川源頭部の深い渓谷に切れ落ちている。
山頂手前
日留賀岳山頂手前の雪渓。右下は小蛇尾川源頭部の深い渓谷に切れ落ちている。
山頂
午前9時27分標高1848.8Mの日留賀岳山頂に到着。出発から所要約4時間30分。無人の山頂からは日光や尾瀬、会越尾根、七ケ岳等360°のパノラマが広がり圧巻。
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山頂
午前9時27分標高1848.8Mの日留賀岳山頂に到着。出発から所要約4時間30分。無人の山頂からは日光や尾瀬、会越尾根、七ケ岳等360°のパノラマが広がり圧巻。
日留賀北稜(1)
さて、新鹿又はどうするか。山頂北稜もかなり雪が減っている。薮漕ぎ必須だが時間と体力には余力があり、やはり新鹿又を目指すこととする。
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日留賀北稜(1)
さて、新鹿又はどうするか。山頂北稜もかなり雪が減っている。薮漕ぎ必須だが時間と体力には余力があり、やはり新鹿又を目指すこととする。
横川牧場遠望
北稜の北西眼下には当初入山予定であった横川牧場が見える。
横川牧場遠望
北稜の北西眼下には当初入山予定であった横川牧場が見える。
塩那道路
標高1750M付近から目指す塩那道路を見下ろす。
塩那道路
標高1750M付近から目指す塩那道路を見下ろす。
細尾根通過
雪渓上を避けながら細尾根が左右に切れ落ちるコース最大の難所を無事通過。鞍部からの登り返しは比較的楽。
細尾根通過
雪渓上を避けながら細尾根が左右に切れ落ちるコース最大の難所を無事通過。鞍部からの登り返しは比較的楽。
日留賀峠
日留賀峠と呼ばれる塩那道路1715M地点のヘアピンカーブから辿って来た日留賀北稜を振り返る。
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日留賀峠
日留賀峠と呼ばれる塩那道路1715M地点のヘアピンカーブから辿って来た日留賀北稜を振り返る。
つらら岩
最初に現れた「つらら岩」の看板。西側斜面を切り開いて造られた道路は所々稜線からの急角度な雪渓に呑み込まれ滑落の危険もある。
つらら岩
最初に現れた「つらら岩」の看板。西側斜面を切り開いて造られた道路は所々稜線からの急角度な雪渓に呑み込まれ滑落の危険もある。
鹿の又坂
塩原側始点から26.9Kmの「鹿の又坂」。目指す新鹿又岳は写真右のピークだ。
鹿の又坂
塩原側始点から26.9Kmの「鹿の又坂」。目指す新鹿又岳は写真右のピークだ。
鹿又岳北西尾根遠望
4日前横川から瓢箪峠を経由して「鹿又岳」(1817.1M)に登られた烏ケ森の住人さんが尾ケ倉橋へ下った北西尾根を遠望。今回当初は同一ルートを参考にさせて戴こうと考えていたが未熟者には荷が重過ぎた。
鹿又岳北西尾根遠望
4日前横川から瓢箪峠を経由して「鹿又岳」(1817.1M)に登られた烏ケ森の住人さんが尾ケ倉橋へ下った北西尾根を遠望。今回当初は同一ルートを参考にさせて戴こうと考えていたが未熟者には荷が重過ぎた。
取り付き地点
1846Mピークの南側に残る雪渓から取り付きは可能だが、笹原内のハイマツやシャクナゲ、灌木の密薮漕ぎにはとても耐えられそうにない。ピーク北東に廻れば雪渓が残っている可能性もあるが時間的余裕もない。結局消雪期の登頂は無理と諦め断念して引き返すことを決めた。


取り付き地点
1846Mピークの南側に残る雪渓から取り付きは可能だが、笹原内のハイマツやシャクナゲ、灌木の密薮漕ぎにはとても耐えられそうにない。ピーク北東に廻れば雪渓が残っている可能性もあるが時間的余裕もない。結局消雪期の登頂は無理と諦め断念して引き返すことを決めた。


フキノトウ
塩那道路の路傍に咲くフキノトウ。消沈気分を癒してくれる。
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フキノトウ
塩那道路の路傍に咲くフキノトウ。消沈気分を癒してくれる。
日留賀北稜(2)
日留賀峠から帰路の北稜を望む。日留賀岳は遠い。
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日留賀北稜(2)
日留賀峠から帰路の北稜を望む。日留賀岳は遠い。
細尾根急登
日留賀への登り1750M付近の急登。左手は小蛇尾川源頭部へ一気に200M以上切れ落ちている。特に雪屁発達時には危険だ。
細尾根急登
日留賀への登り1750M付近の急登。左手は小蛇尾川源頭部へ一気に200M以上切れ落ちている。特に雪屁発達時には危険だ。
日留賀南西尾根
北稜1830M付近から見下ろす南西尾根。今月中旬に「山野・史跡探訪」さんが善知鳥(ウトウ)沢から白倉山に上がり日留賀岳へ登られた未開尾根だ。スーパーマンはおられるものだ。
日留賀南西尾根
北稜1830M付近から見下ろす南西尾根。今月中旬に「山野・史跡探訪」さんが善知鳥(ウトウ)沢から白倉山に上がり日留賀岳へ登られた未開尾根だ。スーパーマンはおられるものだ。
日留賀南面雪渓(2)
帰路の南面は陽気で表面軟雪となりザクザクと大股で降下出来る。
日留賀南面雪渓(2)
帰路の南面は陽気で表面軟雪となりザクザクと大股で降下出来る。
カタクリ
登山口近くの唐松樹林帯で朝には閉じていたカタクリが咲く。生まれ故郷では子供の頃葉をオシタシにして食べたものだ。
カタクリ
登山口近くの唐松樹林帯で朝には閉じていたカタクリが咲く。生まれ故郷では子供の頃葉をオシタシにして食べたものだ。
警告版
小山邸裏の名物的?なクマ出没の看板。疲れたが今日も無事怪我無く下山出来て山の神に感謝だ。
警告版
小山邸裏の名物的?なクマ出没の看板。疲れたが今日も無事怪我無く下山出来て山の神に感謝だ。

感想

1 今シーズンの残雪第2弾は栃木県男鹿山塊の「旧鹿又岳※」。(後記6参照)
2 昨年も同日日光市横川から登行を計画したものの、雪融けが早く薮の露出が進んで断念した山である。
3 並年に比べ積雪量が多い今年こそはと、男鹿山塊を踏破知り尽くしている「烏ケ森の住人」さんの直前情報を参考に出掛けたところ、中旬以降の急激な暖気により又今年も薮化少雪で難しい状況となってしまった。
4 そのため急遽南側の「日留賀岳」から少々危険な北稜線を越えて山塊第2の高峰「旧鹿又岳」の1846M峰へ挑戦することにした。(山塊最高峰の盟主は「大佐飛山」、1908.4M。いずれも無名ピークを除く)
5 急峻な細尾根の日留賀岳北稜線を越えるネット記録は積雪期のものは殆ど見かけられず、僅かに H16.9の「栃木の山283」(山部さん)の記録に触れる程度である。
6 また旧鹿又岳も地理院により一時期「鹿又岳」とされていたが、翌年(H20)北方の現在の「鹿又岳」に戻されたようである。(リンク友人「栃木の山紀行」さん談)
7 前置きが長くなってしまったが、北稜線は何とか突破したものの、いざ旧鹿又への取り付きの段になって今度は融雪が仇となり猛烈な薮漕ぎから登頂を断念するお粗末な結果に終わってしまった。
9 雪屁が発達すると通過が危険だったり、融雪が進み過ぎると過酷な薮漕ぎに断念を強いられなど、天候や雪質ばかりではなく、中々思い通りに行かない残雪登山の難しさを改めて痛感させられた山行でした。

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