兵庫県宍粟市 松の木公園〜笛石山〜板馬見渓谷 動植物&岩場&滝
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- GPS
- 06:46
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 981m
- 下り
- 962m
コースタイム
- 山行
- 5:58
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 6:47
歩行距離10.5km、歩行時間6時間、歩行数21,200歩、消費カロリー3,180Kcal
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
下りで利用した板馬見渓谷沿いの林道河久保線は、車両通行止めが解除されており、後山登山口駐車場(<写真47〜49>撮影地点)は4,5台駐車可能です。ただし、駐車場から東はしばらくは小石が転がっており、注意が必要です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回はオール登山道ですが、笛石山&1253m峰の間の笛石山分岐から標高970m巨岩群<写真42>そばの行者コース分岐を経て標高835mの石小屋周辺辺りまでは、幅30cm程の細道や小石がゴロゴロした所があり、コースアウトや転倒に注意が必要です。 また、笛石山の北東尾根の標高810〜850mのプチガレ場は上りのほうが歩きやすいです。笛石山北西尾根には何か所か岩場がありますが、直登は少なく、たいていは巻き道が見えています。コガクウツギ越しに写真を撮った標高990m岩場<写真37>のみ、木の枝をよけないと南側の巻き道の入り口が見えにくいです。 標高980m滝<写真41>辺りから何度か渡渉がありますが、水深は浅く、雨上がりでもあまり心配はいらないでしょう。 後山登山口駐車場(<写真47〜49>撮影地点)からは、コンクリートの林道河久保線を下りました。途中にある土道の下山道や遊歩道は、今年はまだ歩いていないので状況がわかりません。 笛石山&1253m峰の間の笛石山分岐からは、幅30cm程の細道が続きます。前々日から前日の昼頃まで断続的に雨が降ったようですが、明瞭な細道は歩きにくくはありませんでした。 ただし、標高1090m辺りでうっかり細踏み跡に入り込み、標高1080mまで真北に進んでしまいました。そこからなぜか西に向かい、とうとう踏み跡も怪しくなってようやく気付いて引き返しました。東に延びる踏み跡を見つけ、標高1070mで「左へ下山道」と書かれた道標に出合いました。 標高930m沢<写真44>から標高900mおごしき山分岐手前は、小石がゴロゴロしており、ピンクテープや道標があります。うっかり見落として沢に向かって下り過ぎ、ピンクテープを見つけて登り返しました。 何度も歩いているにもかかわらず、2か所もコースアウトしてしまったので、ルートファインディングに慣れていない人はピストンしたほうがよいかもしれません。上りのほうがわかりやすいような気がします。 |
その他周辺情報 | 宍粟市千種町は名水の宝庫です。今回、出発点とした「松の木公園」でも名水をゲットすることができます。行者修験西の大峯山ともいわれている後山(兵庫県では板馬見山)の麓、地下26メートルから湧出する「行者霊水」は、神様のご利益がすぐに現れる霊水と言われています。30リットル100円で給水できます。 |
写真
松の木公園に行く途上、笛石橋のたもとです。「馬鹿話」(ばかのわ)越しに本日登る笛石山<写真28>にロックオン(^_^)かすかに最上部に猫石<写真24〜26>も見えています。
ドクダミ<写真03>のそばに少しだけ生えていました。アカバナユウゲショウともいいます。夕方頃に花を開き、白地に赤い化粧をしたような美しい花を咲かせることからユウゲショウ(夕化粧)と呼ばれますが、天気が悪い日は翌日の昼間でも花が開いています。さすがに下山時にはしぼんでいました。
「大馬鹿之和」(おおばかのわ)は、「馬鹿話」(ばかのわ)<写真01>と作者が同じです。“馬鹿”つながりでおごしき山の平成之大馬鹿門(へいせいのおおばかもん)にもアプローチできますが、板馬見(いたばみ)渓谷を隔てた逆(南側)の尾根に取り付きました。
ガクウツギに似ていますが、葉の先端はガクウツギほど急激に尖らず、光沢はより強いようです。前日までの雨で散っている花もありましたが、全体的にはまだ見頃で、舗装道路から登山道まで断続的に見られました。
おごしき山
2か月ほど前に訪問した平成之大馬鹿門(へいせいのおおばかもん)がある山です。植林帯なので、木の間よりこのくらいしか見えませんでした。ちなみに、3週間前には空山の平成之大馬鹿門を見に行きました。
北側の防獣ネットの外に見えたのでズームしてみました。長楕円形の花びらは5枚で長さは6〜7mm、1枚1枚が分離して(基部部分から離れて)います。アサガラよりも花房が長く垂れ下がり、さながら森のシャンデリアです。ここから下山するまでたびたび見られました。
南側斜面を見下ろしてズームしてみました。枝先いっぱいにつく鈴のような花には独特の美しさがあり、これまたシャンデリアのようです。花は散り始めており、これ以降、地面に落ちた花が何度も見られました。
てっぺんに連れが座っています。南の西山(正面中央)、南南東の上谷山(中央奧)など千種町の山々が一望できる展望岩を貸し切り状態!(^^)!てっぺんに這い登ってきているイワガラミ<写真06>を踏まないよう気を付けながら、動画も撮りました。ヤマツツジ<写真27>やウツギ<写真50>も咲いていました。
体長2.5cm程で、腹部の先端より少し胸部寄りに黄色っぽい帯模様があります。ムシヒキアブ科の昆虫は、このように虫の体液を吸います。オオイシアブは人間を襲いませんが、こちらを睨んでいるように見えました。邪魔してごめんなさい。
サワフタギ?
葉の鋸歯があまり内側に曲がっていないようなので、タンナサワフタギではなく、サワフタギのほうかもしれません。テングチョウの顔の先端で鼻のように見えるのは、下唇ひげ(パルピ)という部分です。成虫で越冬するので、暖地では早春から見られます。
標高990m岩場
岩の左に伸びた木の枝をよけると巻き道がありました。道の入り口が見えにくいのはここだけです。これも振り返ってコガクウツギ<写真08>越しに撮りました。岩場にはベニドウダン<写真39>が咲いていました。
エゴノキ<写真22>の仲間です。花はこのような半開きで花柄が垂れ下がらず密集してつきます。また、葉の中央よりも少し先端寄りが一番広く、先端の鋸歯が大きく粗いです。地面に散った花を何度か見かけました。
近畿地方以西に生育しています。花は下向きで中が雨などで濡れるのを防いでいますが、種を遠くへ飛ばすため実は上を向きます。この山域では、真っ赤ではなく少し薄い色の花が10本ちかく見られました。地面にもたくさん散っており、満開は過ぎつつあるようです。
ここは簡単に岩の間を通り抜けることができます。通り抜けて振り返ってみました。ランドマークになっており、宍粟(しそう)市観光協会内「しそう森林王国」の登山地図にも載っています。周辺にはヤマツツジ<写真27>が咲いていました。
渡渉後に振り返ってみました。小滝が5段連なっていました。この辺りから小石がゴロゴロした所を適当に歩き、沢に向かって下り過ぎたようです。歩きにくいのですが、足元だけではなくピンクテープも見るべきでした。
標高890m辺りでおごしき山分岐を過ぎ、標高850mの滝は道から逸れて見に行き動画だけ撮りました。滝から標高835mの石小屋を過ぎるまではまた小石がゴロゴロしていました。木製の立派な階段を下りると不動の滝です。自然の祠の奥に不動明王が祀られています。動画も撮りました。
花穂が1本や3本のときもあります。松の木公園から笛石山<写真28>に向かう道沿いにもたくさん生えていましたが、花は終わっているものが多く、この日一番かたまって咲いていたのがここでした。もう1週間早ければ間違いなく山行の主役だったでしょう。
別個体です。少し飛んでは止まるので撮りづらく、駐車場からなかなか出られませんでした。やっとご対面〜だめだどうしても笑って(微笑んで)しまう(^_^)ここからコンクリートの林道です。
翅の表側に3本の白い筋模様が入るミスジチョウの仲間は、みんなよく似ています。ミスジチョウは翅の模様の白線の1本目と2本目がほとんどつながります。自分の靴を気に入ってくれたようです。長い口吻を伸ばして汗に含まれるミネラルなどを吸い取ろうとしている様子を動画にも撮りました。
濃いブルーの背中、白いおなかというはっきりしたコントラストをもつオオルリのオスは、よく目立ちます。こちらに完全に気づいており、たまに目が合いました。正面顔がコワカワです(>_<)
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
手袋(防水加工)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
今回の山行で唯一、山の固有名詞がつけられているのは笛石山です。笛石橋の袂に設置されている「馬鹿話(ばかのわ)」<写真01>より千種富士と呼ばれる笛石山を望みました。
※馬鹿話(平成之大馬鹿門)に関するエピソードは令和元年5月19日の記録で紹介。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1856815.html
麓からの山容は他の周囲の山に比べても存在感がありました。
出発点は松の木公園です。行者霊水(名水)の湧き水でも知られています。行者修験西の大峯山ともいわれている後山(兵庫県では板馬見山)の麓、地下26メートルから湧出する行者霊水は、神様のご利益がすぐに現れる霊水と言われています。
松の木公園から板馬見(いたばみ)渓谷沿いに数分程歩くと、鉈取(なたとり)淵<写真11&動画>が出てきます。
この淵の周辺で鉈(なた)を手離すと、鉈は生物のように淵に滑り込み、やがて「鉈をかえせ、鉈をかえしてくれ」と訴え、次に「違う、違う、これではない」と泣き叫ぶ声が聞こえると伝えられ、今でもここで鉈を手離すことを禁じているそうです。この淵の前に架かる橋の入口が笛石山の登山口です。
笛石山登山口から笛石山までは高度差500m少々の緩やかな長い登りが続きます。コガクウツギの大群生地や、あまりこの地域では見られないイナモリソウなど、6月の旬の花をたくさん観賞できました。
また、ミドリババヤスデとオオアカバハネカクシのバトルシーンなど珍しい虫同士のめったに見られない絡みも印象的でした。
標高850mまで上がってくると、猫石に向かう道がありました。<写真01>の笛石山の最上部真ん中に見えている岩です。ここから宍粟(しそう)市千種町とその周辺の山々が一望できます。また、猫石の由来を確かめるべく、周囲を回り、猫らしい姿を写真にアップしてみました。
猫石から笛石山までの南東尾根は少し不明瞭な道でした。猫石との分岐まで戻り、東尾根を登ると、もっと楽に登れそうです。笛石山の頂上からは三室山や植松山などの宍粟50名山が展望できます。
笛石山から笛石山&1253m峰の間の笛石山分岐までの尾根は、標高1,000m前後のアップダウンの多い尾根道が続きます。所々に楽しい岩場が出てきますが、ほとんど巻き道があります。
動植物も豊富で、ミソサザイなどの野鳥やヒメハルゼミなどが鳴き、ベニドウダンなどの花もたくさん見られました。
この尾根を進むと、後山の南尾根に合流するのですが、途中で出会った動植物や自然に気を取られ、想定以上の時間が経過したので、笛石山&1253m峰の間の笛石山分岐から<松の木公園コース>を下っていきました。
コースアウトしなければ、前日の雨に濡れた苔むした小石がゴロゴロしている以外には、雨上がりでも危険な個所やヤブ道はなく、ほとんどジグザグ道なので、足腰の負担も最小限で済みました。
ただし、何度もこのコースを歩いているにもかかわらず、標高1090〜1080mの真北に延びる細踏み跡と、標高930m沢〜標高900mおごしき山分岐手前の小石ゴロゴロの2か所でコースアウトしてしまったので、ルートファインディングに慣れていない人はピストンしたほうがよいかもしれません。
板馬見渓谷沿いの下りは期待通りでした。今回も時間短縮のためコンクリートの林道沿いをずっと歩きましたが、滝、動物、花・・・と絶えることなく、目や耳を楽しませてくれました。写真や動画でその様子を紹介しています。この山域はほんの2か月ほど前に訪問したばかりですが、いつ行っても楽しいです。
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