2012尾瀬-5・鬼怒沼林道は静かな山旅 (尾瀬沼〜鬼怒沼山〜鬼怒沼湿原〜物見山〜大清水)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.3km
- 登り
- 1,621m
- 下り
- 1,631m
コースタイム
6:24大清水-7:17一ノ瀬-8:16三平峠-8:29三平下-8:52尾瀬沼ビジターセンター
※尾瀬沼に到着後、大江湿原・尾瀬沼周回コースを歩いた。(宿泊)
◎6月24日(日)
7:25尾瀬沼VC-8:15小淵沢田代―8:36中ノ岐沢分岐-8:49送電線-11:48黒岩山分岐-
14:55鬼怒沼山分岐-15:05鬼怒沼山-15:14鬼怒沼山分岐-15:43物見山分岐-15:49鬼怒沼湿原巡視小屋(宿泊)
◎6月25日(月)
7:20鬼怒沼湿原巡視小屋-7:49物見山-9:55湯沢-11:04大清水
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
※鬼怒沼湿原の展望(金沼あたりから)
「長蔵一家の人に名残りを惜しまれつつ、殊に老人は沼のはずれまで送ってくれる。会っては別れる旅の姿はここにもいたまれつつ、私たちは尾瀬と尾瀬の人達に惜別の瞳をなげた。なごやむ湖、そしてゆるやかな焼山の峠、尾瀬の日はここちよかりしままに、長く長く心をひくものがあった。鬼怒沼林道の入り口に立って、三人はもう一度尾瀬をふりかえった。.....私達は檜ノ高山北面の樹林に吸いこまれた。.....檜ノ高山東北、千七百七十メートル、小淵沢の田代に出る。.....(尾瀬と鬼怒沼<武田久吉著・平凡社>抜粋)」
(注)
本編は大正13年夏に、武田久吉と尾瀬に同行した舘脇操氏が著した「尾瀬をめぐりて」を、武田久吉が舘脇氏の許可を得て上記の書に掲載した中の「鬼怒沼林道」の一説です。(老人:尾瀬の先駆者である平野長蔵氏 焼山の峠:沼山峠)
尾瀬沼での調査活動が空けた6月24日、いつもはほとんど単独での山歩きでしたが、今回は活動仲間でもある山の師匠と「鬼怒沼林道」を歩きました。
尾瀬沼〜赤安山〜黒岩山〜鬼怒沼山〜物見山〜大清水は、以前から一度は歩いてみたかったコースでした。
尾瀬沼キャンプ場横から登り、小淵沢田代に到着。ここの湿原は相変わらずの静かさでした。この先の笹の茂みを心配していましたが、昨年長蔵小屋さんの手により綺麗に仮払いされていました。この先の黒岩山の分岐まで、全く問題ありませんでした。ほんの数個所ある残雪は、熱くなった首筋を冷やすのに幸いでした。
黒岩山への分岐〜鬼怒沼山への分岐の間は倒木が多く、跨いだり、潜ったりと体力の消耗を実感しました。最近の台風によるものと思われるオオシラビソ等の倒木も多く見られました。また、ルートにはリボンがあるのですが、所々見失いそうな場所があるので要注意です。鬼怒沼山の分岐に近づくとオサバグサが所々に見られました。帝釈山(尾瀬国立公園内)には群落がありますが、ここで見られるとは思っていませんでした。鬼怒沼山は登山道から往復30分弱の行程でした。山頂は2140mありますが、樹木に囲まれていて展望は全くありません。
鬼怒沼湿原は到着時間が16:00と遅かったためか、全く人影は無く静かな湿原でした。大きな池(金沼・銀沼等)がいくつか見られ、同じ湿原である尾瀬ヶ原などとは少し趣きが違うようでした。
避難小屋である「鬼怒沼巡視小屋」は堅固なつくりで、ゆっくりと長い夜を過ごすことができました。
翌26日は物見山への登りに始まり、後は大清水を目指してひたすら急坂を下りました。途中登山道の端にある黒檜(クロベ、ネズコともいいます)に新しい熊の樹皮剥ぎが見られました。爪痕もしっかりついていました。文献によると熊は樹皮剥ぎを行い、樹木の形成層をかじるようです。形成層は樹木の体内に水や栄養を運ぶ役割をするもので、樹木が成長して生きていくのにはかかせません。もしかしたら熊は何かの栄養分などがあるのを知っているのでしょうか。樹皮剥ぎにあうと樹木は衰退していきます。相当程度の被害に会うと枯れ死につながります。猟師でもある山の師匠からは、「樹皮剥ぎの爪跡は熊が爪を研ぐことも理由のうち」との教えをいただきました。
湯沢から大清水向かう途中に、今は廃坑になった「根羽沢金鉱山跡」があります。
鉱山の稼働当時は数千人の集落があり、小学校・映画館などもあったということです。尾瀬の入口である大清水に極めて近い場所で、金を採掘していたとは驚きですね。大清水に近い林道の端で、山の師匠がクリンソウを見つけました。私も尾瀬地区でクリンソウを見たのは初めてでした。来年も見られると良いですね。
熊の生息地、倒木の多さ、そして展望の少ないこのルートでしたが、静かでなかなか味のある山歩きでした。
コメント
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ozesaiさん、こんばんは。
尾瀬沼と奥鬼怒山を結ぶ周回コース、いいですね〜
実は、6/23(土)は、自分も奥鬼怒山登山を考えていました。
(奇遇ですが !)
天気予報が微妙だったので、結局、茨城の里山 に変更しちゃいました。
そんなわけで、気になっていた奥鬼怒山&奥鬼怒湿原ですが、ozesaiさんのレコで拝見できてよかったです。(感謝 )
たしか、山と高原地図では、奥鬼怒山の北の尾根に『ツキノワグマ出没注意』と書かれていた気が…
因みに、自分はozesaiさんと反対方向(栃木)からのルートを計画 してました。
更に因みに、明日・明後日は仕事関係の人達と尾瀬近辺の山に行く予定です。
(何処の山かは、ozesaiさんのレコにヒントありありです )
nabekaさん、こんばんわ
今回は久しぶりの山行(といっても、目的は尾瀬沼周辺の調査活動での入山でした)でした。
5月27日の尾瀬ヶ原以来、風邪で二週間体調不良のために4週間ぶりの尾瀬でした。
24日朝に開放されたので、活動仲間でもある山の師匠(銃による猟師でもあります)と一緒なので安心してこのルートを楽しんできました。可能なら24日中に帰宅しようかとも考えたのですが、ちょっと時間が足りませんでしたね。
鬼怒沼山は全く展望が無く、行かなくても良さそうな山でした もっともこのルート全体が林内を歩くようなものなので、展望を楽しみたい人には不向きと思いますよ~ 静かな山歩きを楽しみたい人向きですね。
鬼怒沼湿原は十分楽しめると思います
熊はどこに出現しても可笑しくないようですね。写真も入れましたが、登山道上に樹皮剥ぎが見られるようなので。
nabekaさん、田代・帝釈でも考えていますか?
田代山に行かれるようなら、田代山の管理人(湯の花温泉在住)に会えるかもしれません。私の本名を出してみてください。
レコ楽しみにしています。
ozesaiさん、こんばんは。
s4redsです。
この時期の尾瀬に感動です。
また、群馬、栃木の県境も山深いでね。
二十年以上前ですが、栃木の川俣温泉に宿泊しました。
秘湯の宿との記憶があります。
今回のコースは、鬼怒川の源流になるのですかねえ...
ところで、今年の盆休みには尾瀬行きを考えてます。
これから、計画ですが
小学生の頃、体育館で「尾瀬の四季」を何度か観た記憶が今でも残っています。
学年全員での八ミリフィルムの映画でした。
高層湿原、尾瀬沼、尾瀬ヶ原、食虫植物、高山植物...
今年は、尾瀬に行きます (と宣言してしまいそうです)
決めた時は連絡しますので、情報がありましたら、よろしくお願いします。
PS:初尾瀬は時間がないので忙しい山行かも知れません。
じっくり尾瀬は2回目以降かなあと思います
s4redsさん、こんばんわ
今回のルートは展望は良くなく倒木が多いのですが、静かな林内の山歩きもなかなか良いものでした。
他の方のレコに、「テント泊まりで鳩待〜尾瀬ヶ原〜尾瀬沼から一人で歩いてきた女性に会って驚いた」とありました。熊の生息地でもあり倒木も多いタフなコースだと思いますが、女性一人の山行とは私も敬服しました。
ところで鬼怒沼が鬼怒川の源流のようです。
8〜9月の尾瀬はシーズンで一番入山者の少ない月です。花は少ないのですが静かな尾瀬を楽しむことができると思います。
日程が決まったらご連絡ください、何かお伝えできることがあるかと思います。
プロフィールの写真、変更されましたね。
「URAWA」...新婚時代在住した浦和市東岸町(当時)
を思い出します
こんばんは、s4redsです。
尾瀬計画の折には、よろしくお願いします。
ozesaiさん、新婚時代に岸町にお住まいでしたか。
調神社が近かったでしょうか?
私の応援する浦和レッズの新年は調神社から始まります。
チーム全員で参拝するようです。
ところで、プロフィール写真を変えたのは、気まぐれからですが、
中部地方では、完全アウェーです。
18年近く応援してきたので、まあいいかな...?
今も、大阪での試合をTV観戦です。
(我々の内では、参戦と言っています)
これからも、よろしくお願いします。
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