飯豊と朝日を結ぶ分水嶺 1037m峰〜祝瓶山〜赤鼻(祝瓶山南稜)
- GPS
- 16:04
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,397m
- 下り
- 1,356m
コースタイム
- 山行
- 14:41
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 16:04
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
前夜に祝瓶山荘に行き自転車をデポ.砂川に向かう林道起点に戻り車中泊. 分水嶺を歩きデポした自転車で車まで戻った. |
コース状況/ 危険箇所等 |
砂沢沿いの林道起点から沢を標高550m地点まで遡行し尾根を目指したが,勘違いして南側の尾根に向かって登ってしまった.途中でこの尾根は分水嶺に上がる最後の部分が急斜面で登れないかもしれないと思ったので,また沢に戻り北側の尾根を登った.1037m峰に向かう尾根は潅木のやぶが続いている. 1037m峰から続く分水嶺も潅木のやぶがひどく,つる性植物や笹も加わりさらに大変になる.傾斜はないのだが東側は崖でしかも稜線直上のやぶは猛烈なので少し西側の斜面をトラバースしながら進む.潅木のやぶは所々肋骨のように横に枝を張りつる性のやぶも絡まり大変で時間がかかる.岩峰への登りはやぶが少し楽になるがしだいに急になり木につかまりながらよじのぼる.とても急だが背丈を越えるやぶなので高度感はない.1260m地点からも潅木とつる性のやぶが続きしばらくやぶを漕ぐと岩の草付きになるが,潅木が所々にあるのでそれほど困難なく登れる.草付きを抜けるとまた灌木と笹のやぶになり少し頑張ると山頂に出る. 祝瓶山山頂で夕日を迎えた.ここから祝瓶山荘に直接下る登山道に入ったが疲れもあり急斜面で暗い中を下るのは危険だと思い引き返し赤鼻経由で下山した.しかしこのルートは思ったより長く真っ暗な沢のところで登山道を2回ほど見失いGPSを頼りに登山道に復帰したので時間がかかった. |
写真
感想
東日本の中央分水嶺歩きは終わりが近づいてきた.吾妻から飯豊連峰の日帰り分水嶺歩きも終了した.そこで今度は飯豊から朝日連峰,月山に続く分水嶺を日帰りで歩くことにした.ただこの分水嶺は2ヶ所だけ気になる部分がある.この部分を歩くことができなければ分水嶺が繋がらなくなってしまう.一つ目は飯豊の鍋越山北東の923.2m三角点東側の両側が切れた岩尾根だ.二つ目は今回歩いた祝瓶山南稜である.ここは残雪期に歩けばやぶがなく快適だがアプローチが長くなり日帰りでは無理だと思う.また祝瓶山南稜の急斜面は雪崩と滑落の危険もある.そこで今回は大変だが危険が少ないやぶ漕ぎ覚悟の山行を試みた.週間予報で今日の天気は良かったので休日勤務の代休をとった.
林道終点から沢を経由しないで直接尾根を登るのはやぶ漕ぎが大変と思ったので少し沢を遡行してから尾根に向かって登った.そこで登山靴にかぶせる薄いシューズカバーをネット通販で購入し使用したが結構使えた.軽く折りたためてチャックで締めるだけだが,膝下程度の徒渉なら靴下を濡らさずに済んだ.
1037m峰に向かう尾根や祝瓶山までの分水嶺は潅木を主体としたやぶが続く.特に1037m峰から岩峰の登り口付近までは潅木のやぶがひどくつる性植物や笹も加わりさらに大変だった.傾斜は緩いのだが稜線東側は崖で稜線直上のやぶは猛烈なので西側の斜面をトラバースしながら歩いたが時間がかかる.潅木のやぶは横に肋骨のように枝を張りジャングルジムの中を通るようだ.岩峰への急登は木や枝につかまりながらよじ登るので思ったより緊張感や高度感はない.岩峰の上の1260m地点からも潅木とつる性のやぶが続くが,しばらくすると岩の草付きに出て少しの間だけ快適に登れる.潅木が所々にあるので登るのにそれほど困難はないが,下りの場合は緊張するかもしれない.草付きを抜けるとまた灌木と笹のやぶが少し続き祝瓶山に着く.
このコースはヤマレコ初トレースだが分水嶺上には部分的に歩いた痕跡があった.おそらく残雪期のものやけもの道だと思う.ただし踏み跡として利用できる部分はごくわずかでやぶ漕ぎに終始した.赤テープなどのマーキングはなかった.
赤鼻経由の下山ルートは真っ暗な沢のところで2回ほど登山道を見失った.GPSを頼りに登山道に復帰したが地形図の登山道の位置が実際とずれていたため時間を無駄にした.
今回は16時間という長いコースタイムになってしまった.その理由は最初の沢で誤った尾根に登り1時間30分ロスしたこと.また祝瓶山までのやぶ漕ぎがひどく思ったより時間がかかったこと,直接祝瓶山荘に下る急なルートは暗い中危険と思い控えたこと,赤鼻経由で下山したルートが思ったより長く暗いヘッドランプしか持って行かなかったため沢の部分で登山道を2回ほど外れたこと,主食のご飯類を車に忘れて塩分のある食料が不足し後半が体力不足と食欲不振になりゆっくり歩いたことである.順調だったならば夕暮れ頃に下山できたと思う.
今回歩いたことで吾妻連峰から飯豊,朝日,月山に続く分水嶺歩きが達成できそうな気がしてきた.ここは中央分水嶺よりも魅力的で期待感がある.幸い地元なので登山口まで車で2時間以内に行ける場所がほとんどで計画は立てやすい.
ここから南に続く分水嶺山行:
飯豊と朝日を結ぶ分水嶺 柴倉山北1120m峰〜1057m峰〜1037m峰
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2099201.html
ここから北に続く分水嶺山行:
朝日の分水嶺 赤鼻〜大玉山〜北大玉山〜平岩山〜御影森山〜中沢峰
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2070865.html
コメント
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つるが絡む激藪こぎ歩き、お疲れ様でした。気力・体力強いですね。
滅多に見られない写真、記録を興味深く拝見しました。
オラの朝日分水嶺歩きは、合地峰〜柴倉山〜祝瓶山区間は、無理で諦めました。柴倉山の山頂は金目川から激藪こぎで、三角点を見て来ました。
飯豊・鍋越山北東の923.2m東側の両側が切れた岩尾根ですが、2019/4/16 山毛欅潰山からトンガリの山が見えました。
安全に楽しく分水嶺探訪をお楽しみ下さい。
祝瓶山の南稜は潅木のやぶがひどく思ったよりも時間がかかってしまいました.やぶ漕ぎには慣れていますが,今回はかなり嫌になりました.でも奥利根や津軽半島の猛烈な根曲がり竹の密やぶよりは楽でした.今までで一番ひどかったやぶ漕ぎはピパイロ岳以北の日高山脈の2mを越える背の高いハイマツだったと思います.押し分けることは無理なので枝から枝を渡り歩くのですが落ちると大変でした.当時は若かったのでなんとか歩きましたが,もう行く気力,体力はありません.今回のコースはやぶ漕ぎに慣れていて,ある程度体力がありルートファインディングが確実にできれば危険な場所は少ないので歩けると思います.ただ時間との戦いになりますので途中で夕暮れを迎えても落ち着いて行動できる経験は必要だと思います.
今後,飯豊から朝日連峰の分水嶺歩きをする予定ですが, okusan093さんのホームページの山行記録も参考にさせていただき,安全な登山に心がけますのでよろしくお願いします.
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