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記録ID: 214517
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ハイキング
富士・御坂

富士山新大宮口(カケスバタ口)調査

2012年08月11日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
--:--
距離
11.1km
登り
564m
下り
553m

コースタイム

さくらの園8:40−−北井久保林道9:50−−10:48天照教林道(広域幹線林道富士山麓線)11:12−−北井久保林道11:48−−12:20林道富士裾野線−−12:37県道180号線−−12:52さくらの園
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2012年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
自宅から車で30分程度でカケスバタへ。
富士山さくらの園の駐車場に停める。(50台程度駐車可)
富士山さくらの園駐車場にトイレあり。
コース状況/
危険箇所等
全体にルートははっきりしているが、台風などの影響で倒木、道がえぐれている。
正規のルートは荒れて歩きにくいので脇の林の中をルートに沿って歩いた距離の方が長い。
ルートも林業関係の作業道(?)も多く、私が歩いたルートが全て正規のルートではないかも知れないが登りに取ったコースが現在の1/25000の地図ルートに近い。(ルート図の右側)
私手持ちの昭和34年発行の国土地理院の1/5万の地図。
赤線が表口登山道(大宮新道)、青線がカケスバタから直接2合目に登る登山道。
今回はこの青線の半分を調査
2012年07月03日 21:32撮影
7/3 21:32
私手持ちの昭和34年発行の国土地理院の1/5万の地図。
赤線が表口登山道(大宮新道)、青線がカケスバタから直接2合目に登る登山道。
今回はこの青線の半分を調査
大正15年の地図(表口登山道)
2012年07月26日 10:54撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
3
7/26 10:54
大正15年の地図(表口登山道)
富士登山今昔(富士宮市教育委員会編)には新大宮口登山道としてNo.1の写真の地図の青線が表示されている
2012年08月08日 14:07撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
8/8 14:07
富士登山今昔(富士宮市教育委員会編)には新大宮口登山道としてNo.1の写真の地図の青線が表示されている
懸巣畑(カケスバタ)
昔はこの地域は一大煙草産地であったが最近、さくらの園ができた
2012年08月11日 08:38撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 8:38
懸巣畑(カケスバタ)
昔はこの地域は一大煙草産地であったが最近、さくらの園ができた
さくらの園前の県道180号線沿いにある山之神神社鳥居
2012年08月11日 15:59撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 15:59
さくらの園前の県道180号線沿いにある山之神神社鳥居
鳥居に比較して小さな山之神神社の祠
2012年08月11日 16:00撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
8/11 16:00
鳥居に比較して小さな山之神神社の祠
大山祇霊社の鳥居
2012年08月11日 08:51撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 8:51
大山祇霊社の鳥居
大山祇霊社の祠
2012年08月11日 08:52撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 8:52
大山祇霊社の祠
富士五社神社
2012年08月11日 08:11撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 8:11
富士五社神社
富士五社神社上の林道。左の沢側の道を行く
2012年08月11日 12:41撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 12:41
富士五社神社上の林道。左の沢側の道を行く
林道富士裾野線とぶつかったところ
2012年08月11日 09:14撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 9:14
林道富士裾野線とぶつかったところ
この地域一帯は富士宮市内であるが全て、御殿場市玉穂財産区になっている
2012年08月11日 16:00撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 16:00
この地域一帯は富士宮市内であるが全て、御殿場市玉穂財産区になっている
荒れている道
2012年08月11日 09:18撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 9:18
荒れている道
荒れている道
道の脇の植林された杉林を歩いたほうが楽である
2012年08月11日 09:20撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 9:20
荒れている道
道の脇の植林された杉林を歩いたほうが楽である
北井久保林道とぶつかったところ
2012年08月11日 09:48撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 9:48
北井久保林道とぶつかったところ
途中のある区間、赤布が見られたがルート表示か林業関係者の目印かは不明
2012年08月11日 10:20撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 10:20
途中のある区間、赤布が見られたがルート表示か林業関係者の目印かは不明
道の脇に頻繁に見られた表示
2012年08月11日 10:23撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 10:23
道の脇に頻繁に見られた表示
途中で見つけた馬の蹄鉄。これでルートに自信を深める
2012年08月11日 10:32撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
3
8/11 10:32
途中で見つけた馬の蹄鉄。これでルートに自信を深める
天照教林道への出口。県道180号線から15mほど入ったところ
2012年08月11日 10:45撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 10:45
天照教林道への出口。県道180号線から15mほど入ったところ
天照教林道の終点(県道180号線との出合い)
2012年08月11日 10:48撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 10:48
天照教林道の終点(県道180号線との出合い)
下りは別ルートを採ったが、登りより道はしっかりしていた。(本来のルートではない)
ただし分岐も多く、選択に悩む。
ルート図の右側が登り、左が下ったルート
2012年08月11日 11:12撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 11:12
下りは別ルートを採ったが、登りより道はしっかりしていた。(本来のルートではない)
ただし分岐も多く、選択に悩む。
ルート図の右側が登り、左が下ったルート
下りはこのような草原部分のあった(本来のルートではない)
2012年08月11日 11:21撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 11:21
下りはこのような草原部分のあった(本来のルートではない)
北井久保林道の終点(県道180号線との出合い)
2012年08月11日 11:35撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 11:35
北井久保林道の終点(県道180号線との出合い)
下りの採った道(本来のルートではない)
2012年08月11日 12:11撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 12:11
下りの採った道(本来のルートではない)
林道富士裾野線終点(県道180号線出合い)
2012年08月11日 16:04撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
8/11 16:04
林道富士裾野線終点(県道180号線出合い)

感想

少し長文なので興味のある方は読んでください

 富士宮市からの富士山登山道は古くは村山口、新大宮口(カケスバタ口)、上井手口、人穴口の4本があった。
 富士山最古の登山道村山口は明治39年に交通の便の良い新大宮口(当時は、富士宮市でなく大宮町であった)が出来ると衰退して、廃道化した。しかし歴史的価値のある村山登山道を復活させようと富士山クラブの畠堀さんなどを中心に関係者の努力でほぼ復活し歩けるようになった。
 新大宮口は大正2年に身延線が開通するのを見込んで大宮町が整備した道である。地図には表口登山道として記載されるようになった。大正2年には地元タクシー会社が夏季登山バスをカケスバタまで運行開始する。昭和に入りバスは一合目まで上がるようになった。昭和15年には戦争の影響で登山バスは運休されたが昭和24年から運行再開となる。その後、昭和28年には二合目までバスが走り、昭和35年には新三合目、昭和38年には新五合目下まで道路敷設に伴いバス路線も延長されていった。
 昭和45年には富士山スカイラインが開通し新五合目(旧四合目)までバスが上がるようになった。バスが上に上がるにしたがって、従来の歩いて登った登山道は放置され、荒れ放題となり、完全に廃道となってしまった。
 村山登山道と違い、歴史的にあまり価値の見いだせない新大宮口からの登山道(大宮新道)は誰も顧みることもなく忘れられ、人が歩ける状態ではない。
 Messageteaさんが調査するというので同行させて貰い、一合目と二合目の間を7月3日に歩いた。昔の国土地理院の地図で二本線の道(道幅3m以上)も部分的に痕跡はあるものの、二合目にバスが上がってから僅か60年前後で踏み跡も見いだせないくらいに荒れてしまっていた。その時の記録
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-204106.html

 7月に今年3回目の痛風の炎症が出てしまい、動くことすら出来なくなってしまった。今回は炎症止めの薬を飲んでも2週間以上痛みが続き、痛風の痛みが去った後も、足の裏に痛みが残り、満足に歩けなかった。やっと、痛みも和らいだので少し歩き始めようと、新大宮口の調査を再開することにした。
 今回は最初の写真の地図の青線ルートの確認を目的とした。このルートと思われる道が現在の1/25000の地図にも大部分残っている。
 そこで今は地名が残っていないがカケスバタ付近の富士山さくらの園を出発点とした。カケスバタは大正の終りまではバスの終点であり、ここから歩き始めた地点である。
 この狭い地区に小さいが3ツの神社があるのでスタート前に確認するが、謂れ等の表示は無く、歴史的なことは不明である。今後、調べてみたいと考えている。
 ルートは以前から狙いをつけていた入口が林道状のルートを取る。(写真10枚目の左の道)
道は台風、大雨の影響で倒木など荒れ放題であったが前回の1合目――2合目間のような踏み跡も見つからないルートに比較すれば探索は容易である。ただし、林業関係者の作業道も多く、実際どのルートが正規のルートは分かりづらい。
 途中で古錆びた馬の蹄鉄が1ツ落ちているのを見つけ、ほぼ正しいルートを歩いていると確信できた。表口登山道では旧二合5勺が馬返しとなっているが実際には旧6〜7合目まで御客を乗せて馬が上がっていた文献が見られる。今回のルートは表口登山道ではないが富士山登山道の中では最短コースなので、馬もこのルートを通ったものと推定される。
 当初、予定して天照教林道への出口に出ることができた。ここから、1/25000の地図では県道180号線を横切り二合目方面に道が繋がっている。180号線奥を調べると、道の痕跡を発見することができた。しかし、今日は足の裏の痛みもひどくなり始めたのでここから引き返す。
 下りは他にルートがあればと別なルートを歩く。1/25000の地図ルートとは外れるが下りに採ったルートの方が荒れは少なく歩きやすかった。
 最後は足の裏だけでなく、かばって歩いたためか左膝にも違和感を感じ始めたので歩きやすい県道180号線に出て、さくらの園に戻った。

*ルート図では道確認のため行ったり来たりやルート以外も歩いているので余計な線まで入っていることを了解願います。
 

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コメント

古道調査お疲れ様です
村山との登山客獲得競争に勝利した大宮の登山道も自らの車道には勝てなかったのでしょうね。
馬蹄にしろ、廃道に残された昔の痕跡を感じるのはちょっと嬉しいですね。

針葉樹林の植林帯は保水力が低下するので登山道もすぐに崩壊してしまい、古道を辿るのは至難の業だと推測します。
2012/8/13 12:34
地元の山愛好者として
MATSUさん、コメントありがとう御座います。
今でも村山古道ではなく、富士宮の浅間大社から歩いて、新五合目まで行き、富士登山する人の姿を見受けられます。
現在の車道(富士山スカイライン)でなく、大宮新道が復活すれば距離的に大幅に短縮できますので、市の関係者にも復活を働き掛けていきたいと思っています。
2012/8/13 20:48
お疲れ様です
調査お疲れ様です。
この道は表口登山道とはかかれていないけれど、きっと関連した道であると思います。

現地の看板だと懸巣畑なんですね。(鳥のカケスの畑)
明治時代のガイドブックですと欠巣畑でしたから鳥のカケスではないと思いましたが、きっとこちらは当て字ですね。

こちらも12日に2合目の水場を確認してきました。
綺麗なところでしたよ。
以前確認した基礎のようなものは室の基礎ではないみたいです。
周囲に建物の跡の石垣がいくつかありました。
そのへんもいずれアップしたいと思います。
2012/8/14 0:24
懸巣畑
messageteaさん、こんにちは。
カケスバタは本によりいろいろな字が使われていますが大宮町誌が懸巣畑になっていましたのでそれに習いました。

今回、私も2合目から3合目の間を調査したかったのですが二合目林道は一般車は車が入れませんし、スカイラインは交通規制中ですので、カケスバタ周辺を歩いてみました。

また、県道180号線の1合目標識部分から奥に入っていく道が車から見えましたのでこちらも一度、調査してみたいと思います。
2012/8/14 10:02
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