富士山新大宮口(カケスバタ口)調査
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 564m
- 下り
- 553m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
富士山さくらの園の駐車場に停める。(50台程度駐車可) 富士山さくらの園駐車場にトイレあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体にルートははっきりしているが、台風などの影響で倒木、道がえぐれている。 正規のルートは荒れて歩きにくいので脇の林の中をルートに沿って歩いた距離の方が長い。 ルートも林業関係の作業道(?)も多く、私が歩いたルートが全て正規のルートではないかも知れないが登りに取ったコースが現在の1/25000の地図ルートに近い。(ルート図の右側) |
写真
感想
少し長文なので興味のある方は読んでください
富士宮市からの富士山登山道は古くは村山口、新大宮口(カケスバタ口)、上井手口、人穴口の4本があった。
富士山最古の登山道村山口は明治39年に交通の便の良い新大宮口(当時は、富士宮市でなく大宮町であった)が出来ると衰退して、廃道化した。しかし歴史的価値のある村山登山道を復活させようと富士山クラブの畠堀さんなどを中心に関係者の努力でほぼ復活し歩けるようになった。
新大宮口は大正2年に身延線が開通するのを見込んで大宮町が整備した道である。地図には表口登山道として記載されるようになった。大正2年には地元タクシー会社が夏季登山バスをカケスバタまで運行開始する。昭和に入りバスは一合目まで上がるようになった。昭和15年には戦争の影響で登山バスは運休されたが昭和24年から運行再開となる。その後、昭和28年には二合目までバスが走り、昭和35年には新三合目、昭和38年には新五合目下まで道路敷設に伴いバス路線も延長されていった。
昭和45年には富士山スカイラインが開通し新五合目(旧四合目)までバスが上がるようになった。バスが上に上がるにしたがって、従来の歩いて登った登山道は放置され、荒れ放題となり、完全に廃道となってしまった。
村山登山道と違い、歴史的にあまり価値の見いだせない新大宮口からの登山道(大宮新道)は誰も顧みることもなく忘れられ、人が歩ける状態ではない。
Messageteaさんが調査するというので同行させて貰い、一合目と二合目の間を7月3日に歩いた。昔の国土地理院の地図で二本線の道(道幅3m以上)も部分的に痕跡はあるものの、二合目にバスが上がってから僅か60年前後で踏み跡も見いだせないくらいに荒れてしまっていた。その時の記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-204106.html
7月に今年3回目の痛風の炎症が出てしまい、動くことすら出来なくなってしまった。今回は炎症止めの薬を飲んでも2週間以上痛みが続き、痛風の痛みが去った後も、足の裏に痛みが残り、満足に歩けなかった。やっと、痛みも和らいだので少し歩き始めようと、新大宮口の調査を再開することにした。
今回は最初の写真の地図の青線ルートの確認を目的とした。このルートと思われる道が現在の1/25000の地図にも大部分残っている。
そこで今は地名が残っていないがカケスバタ付近の富士山さくらの園を出発点とした。カケスバタは大正の終りまではバスの終点であり、ここから歩き始めた地点である。
この狭い地区に小さいが3ツの神社があるのでスタート前に確認するが、謂れ等の表示は無く、歴史的なことは不明である。今後、調べてみたいと考えている。
ルートは以前から狙いをつけていた入口が林道状のルートを取る。(写真10枚目の左の道)
道は台風、大雨の影響で倒木など荒れ放題であったが前回の1合目――2合目間のような踏み跡も見つからないルートに比較すれば探索は容易である。ただし、林業関係者の作業道も多く、実際どのルートが正規のルートは分かりづらい。
途中で古錆びた馬の蹄鉄が1ツ落ちているのを見つけ、ほぼ正しいルートを歩いていると確信できた。表口登山道では旧二合5勺が馬返しとなっているが実際には旧6〜7合目まで御客を乗せて馬が上がっていた文献が見られる。今回のルートは表口登山道ではないが富士山登山道の中では最短コースなので、馬もこのルートを通ったものと推定される。
当初、予定して天照教林道への出口に出ることができた。ここから、1/25000の地図では県道180号線を横切り二合目方面に道が繋がっている。180号線奥を調べると、道の痕跡を発見することができた。しかし、今日は足の裏の痛みもひどくなり始めたのでここから引き返す。
下りは他にルートがあればと別なルートを歩く。1/25000の地図ルートとは外れるが下りに採ったルートの方が荒れは少なく歩きやすかった。
最後は足の裏だけでなく、かばって歩いたためか左膝にも違和感を感じ始めたので歩きやすい県道180号線に出て、さくらの園に戻った。
*ルート図では道確認のため行ったり来たりやルート以外も歩いているので余計な線まで入っていることを了解願います。
コメント
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村山との登山客獲得競争に勝利した大宮の登山道も自らの車道には勝てなかったのでしょうね。
馬蹄にしろ、廃道に残された昔の痕跡を感じるのはちょっと嬉しいですね。
針葉樹林の植林帯は保水力が低下するので登山道もすぐに崩壊してしまい、古道を辿るのは至難の業だと推測します。
MATSUさん、コメントありがとう御座います。
今でも村山古道ではなく、富士宮の浅間大社から歩いて、新五合目まで行き、富士登山する人の姿を見受けられます。
現在の車道(富士山スカイライン)でなく、大宮新道が復活すれば距離的に大幅に短縮できますので、市の関係者にも復活を働き掛けていきたいと思っています。
調査お疲れ様です。
この道は表口登山道とはかかれていないけれど、きっと関連した道であると思います。
現地の看板だと懸巣畑なんですね。(鳥のカケスの畑)
明治時代のガイドブックですと欠巣畑でしたから鳥のカケスではないと思いましたが、きっとこちらは当て字ですね。
こちらも12日に2合目の水場を確認してきました。
綺麗なところでしたよ。
以前確認した基礎のようなものは室の基礎ではないみたいです。
周囲に建物の跡の石垣がいくつかありました。
そのへんもいずれアップしたいと思います。
messageteaさん、こんにちは。
カケスバタは本によりいろいろな字が使われていますが大宮町誌が懸巣畑になっていましたのでそれに習いました。
今回、私も2合目から3合目の間を調査したかったのですが二合目林道は一般車は車が入れませんし、スカイラインは交通規制中ですので、カケスバタ周辺を歩いてみました。
また、県道180号線の1合目標識部分から奥に入っていく道が車から見えましたのでこちらも一度、調査してみたいと思います。
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