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Yamareco

記録ID: 2306295
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲信越

【過去レコ】大噴火4年前の御嶽山/カリカリのアイスバーンを踏みしめて

2010年02月12日(金) 〜 2010年02月14日(日)
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gakukyourou その他2人
GPS
56:00
距離
6.1km
登り
926m
下り
926m

コースタイム

2月12日
ロープウェイ鹿瀬駅9:15−飯森駅9:25〜9:40−幕場11:00
2月13日
出発6:30−仏像7:40〜8:10−覚明堂上8:50〜9:10−剣が峰頂上9:55〜10:15−仏像10:50〜11:10−幕場11:40
2月14日
幕場8:05−飯森駅8:30〜8:50−鹿瀬駅9:00
天候 1日目:曇り、2日目:晴れ、3日目:晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
木曽福島から御嶽山の黒沢口にある「御岳ロープウェイスキー場」をめざす(王滝口に「おんたけスキー場」があるので注意)。1570m圏の鹿瀬駅からゴンドラに乗れば、2130m圏の飯森駅まで僅か12分で着く。
コース状況/
危険箇所等
写真説明と感想欄に記載
前日はスキーセンターの駐車場で車中泊する。2月12日の朝、ゆっくりとゴンドラの乗り場に向かう。2泊分の荷が重い
2010年02月12日 09:14撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/12 9:14
前日はスキーセンターの駐車場で車中泊する。2月12日の朝、ゆっくりとゴンドラの乗り場に向かう。2泊分の荷が重い
ゴンドラ終点の飯森駅から歩き出すが、樹林の中は雪が柔らかいのでワカンを履く。二人とも数十年来愛用の木製のワカンだ
2010年02月12日 09:46撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/12 9:46
ゴンドラ終点の飯森駅から歩き出すが、樹林の中は雪が柔らかいのでワカンを履く。二人とも数十年来愛用の木製のワカンだ
森林限界の少し手前、2330m圏で樅ノ木の間にテントを張る。まずは雪をならす整地作業
2010年02月12日 11:14撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/12 11:14
森林限界の少し手前、2330m圏で樅ノ木の間にテントを張る。まずは雪をならす整地作業
快適な幕場が完成。ここに2晩泊る予定。稜線上ではないので、風対策のブロックは積まなかった
2010年02月12日 12:26撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/12 12:26
快適な幕場が完成。ここに2晩泊る予定。稜線上ではないので、風対策のブロックは積まなかった
夕方になるとすっかり晴れてきた。明日の好天が期待できそうだ
2010年02月12日 17:41撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/12 17:41
夕方になるとすっかり晴れてきた。明日の好天が期待できそうだ
2月13日。幕場から幅広い尾根をほぼ直線的に登る。ガスられたら下りでルート探索が大変そうだ。珍しく竹竿を見かけた
2010年02月13日 06:58撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 6:58
2月13日。幕場から幅広い尾根をほぼ直線的に登る。ガスられたら下りでルート探索が大変そうだ。珍しく竹竿を見かけた
女人堂(金剛堂)の高さを越えた。夏道は飯森駅からこの女人堂廻りだが、それをショートカットしたことになる
2010年02月13日 07:16撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 7:16
女人堂(金剛堂)の高さを越えた。夏道は飯森駅からこの女人堂廻りだが、それをショートカットしたことになる
写真中央の峰から左下に伸びる尾根を登る予定。山小屋が2つ確認できる。この尾根の奥に見えるのは王滝頂上
2010年02月13日 07:17撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 7:17
写真中央の峰から左下に伸びる尾根を登る予定。山小屋が2つ確認できる。この尾根の奥に見えるのは王滝頂上
頂上稜線は先程の峰の右側(北側)に岩峰を連ねていて、なかなか迫力がある
2010年02月13日 07:27撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 7:27
頂上稜線は先程の峰の右側(北側)に岩峰を連ねていて、なかなか迫力がある
写真の左奥は継子岳。彼方に乗鞍岳が望める
2010年02月13日 07:32撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
1
2/13 7:32
写真の左奥は継子岳。彼方に乗鞍岳が望める
女人堂から上がって来た夏道と合流した。ポツンと仏像が建っている
2010年02月13日 07:42撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 7:42
女人堂から上がって来た夏道と合流した。ポツンと仏像が建っている
ここから夏道の上部に2軒の山小屋が見える。下が石室山荘、上が覚明堂。S君はアイゼンが不調なので、ここで待つと言う
2010年02月13日 07:49撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 7:49
ここから夏道の上部に2軒の山小屋が見える。下が石室山荘、上が覚明堂。S君はアイゼンが不調なので、ここで待つと言う
T君と二人で頂上に向かう。 左上に石室山荘を見ながら、直下の急な雪面を突き上げる。雪はクラストしているので全くもぐらない
2010年02月13日 08:34撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 8:34
T君と二人で頂上に向かう。 左上に石室山荘を見ながら、直下の急な雪面を突き上げる。雪はクラストしているので全くもぐらない
2930m圏で頂上稜線に出た。登山道の案内ロープは凍り付いて真っ白。奥に剣ヶ峰が顔を出してきた
2010年02月13日 09:11撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:11
2930m圏で頂上稜線に出た。登山道の案内ロープは凍り付いて真っ白。奥に剣ヶ峰が顔を出してきた
通って来た覚明堂が直ぐ下に見える。屋根も鳥居も真っ白だ
2010年02月13日 09:12撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:12
通って来た覚明堂が直ぐ下に見える。屋根も鳥居も真っ白だ
幅広い夏道を辿る。雪面はカリカリのアイスバーンで、アイゼンの爪が1cmしか刺さらない
2010年02月13日 09:25撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
1
2/13 9:25
幅広い夏道を辿る。雪面はカリカリのアイスバーンで、アイゼンの爪が1cmしか刺さらない
仏像も氷漬け。辛うじて顔が出ていた。奥は継母岳
2010年02月13日 09:33撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:33
仏像も氷漬け。辛うじて顔が出ていた。奥は継母岳
剣ヶ峰の山小屋群が大分近づいてきた。足元の杭に巨大なエビの尻尾が張り付いている
2010年02月13日 09:33撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:33
剣ヶ峰の山小屋群が大分近づいてきた。足元の杭に巨大なエビの尻尾が張り付いている
登山道の脇に建っている鳥居が半分近く雪に埋まっている上、氷雪で真っ白に覆われている
2010年02月13日 09:44撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:44
登山道の脇に建っている鳥居が半分近く雪に埋まっている上、氷雪で真っ白に覆われている
剣ヶ峰の山小屋群も真っ白。夏に2回登っているが、山小屋がこんなに沢山あったかなあ
2010年02月13日 09:44撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:44
剣ヶ峰の山小屋群も真っ白。夏に2回登っているが、山小屋がこんなに沢山あったかなあ
剣ヶ峰の頂上に着いた。神殿も神像も山小屋も、何もかも凍り付いて真っ白
2010年02月13日 09:57撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
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2/13 9:57
剣ヶ峰の頂上に着いた。神殿も神像も山小屋も、何もかも凍り付いて真っ白
南側500m程先に王滝頂上。そこに続く稜線の右側が噴火口群で、4年後の9月に大噴火した。薄っすら蒸気をあげている火口までここから200m程。
2010年02月13日 09:57撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
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2/13 9:57
南側500m程先に王滝頂上。そこに続く稜線の右側が噴火口群で、4年後の9月に大噴火した。薄っすら蒸気をあげている火口までここから200m程。
北方向、写真の左寄りが摩利支天山、右端が飛騨頂上、その間の奥が継子岳。遠くに乗鞍岳が望める
2010年02月13日 09:58撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 9:58
北方向、写真の左寄りが摩利支天山、右端が飛騨頂上、その間の奥が継子岳。遠くに乗鞍岳が望める
さあ下山だ。同じルートを戻る。正午前に幕場に着き、午後はのんびり日向ぼっこ
2010年02月13日 10:15撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/13 10:15
さあ下山だ。同じルートを戻る。正午前に幕場に着き、午後はのんびり日向ぼっこ
2月14日朝、幕場から北方向を望む。乗鞍岳と、その右に吊尾根を挟んで奥穂高岳から前穂高岳が眺められた
2010年02月14日 07:52撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
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2/14 7:52
2月14日朝、幕場から北方向を望む。乗鞍岳と、その右に吊尾根を挟んで奥穂高岳から前穂高岳が眺められた
幕場から西方向の御嶽山。写真中央の岩峰直下に覚明堂、そこから左下に落ちている尾根を降りたが、厳しかった!
2010年02月14日 07:52撮影 by  DiMAGE X50, KONICA MINOLTA
2/14 7:52
幕場から西方向の御嶽山。写真中央の岩峰直下に覚明堂、そこから左下に落ちている尾根を降りたが、厳しかった!

感想

2014年の9月に、木曽の御嶽山が大噴火し、多くの犠牲者が出た。その4年前の2010年2月に、S君とT君と一緒に厳冬期の御嶽山に挑んだ。今から10年前である。その当時、3人とも既に前期高齢者ではあったが、毎年1回以上は一緒に雪山に登っていた。

ゴンドラを降りてから樹林の中を登る。雪は柔らかかったが、ワカンを履いたのでラッセルに苦労することはなかった。
2370m圏の森林限界を超えると吹き曝しになるので雪は締まっていて、アイゼンでも潜ることはなかった。登るにつれて次第にクラストし、2930m圏の頂上稜線に出るとアイスバーンに近く、アイゼンの爪が1cm程しか刺さらない状態だった。しかし、無雪期の夏道は岩がゴロゴロして歩きにくいのに比べ、むしろ歩き易く、ペースは捗った。

なお、頂上稜線に出る直前、2740m圏から石室山荘を過ぎて覚明堂まで、標高差約200m、30度近い傾斜の雪面が続く。ここは緊張した。フラットなバーンなので、スリップしたらどこまで滑り落ちることやら。
ピッケルを使った停止訓練は現役の時に叩き込まれた。でも、半世紀前の話。今回、こんな急斜面でスリップしたら、直ぐに停止態勢を取れるか自信はない。
上りはまだしも、下りでは高度感満点で怖い。同行のT君がロープを持参しているので、登頂後ここに差し掛かった時に、ロープを使おうか、と相談した。でも、支点が取れない。一人が滑ったら、相棒も巻き込みかねない。そこで、自己責任で降りよう、滑ったら自分で止めろ、ということにした。

覚明堂の脇から下り始めた。
この急斜面が、頂上稜線のように強風で磨かれたアイスバーンで、アイゼンの爪が1cm程しか潜らない状態だったら、さぞかし厳しく、ビビっただろう。でも、この日、このフラットバーンは、アイゼンの爪の根元近くまで刺さる程度のクラスト状態だったので、案ずるより産むが易し、急斜面を下っていくにつれてカンを取り戻し、二人ともスムーズに降りることが出来た。

今回、登頂の日は無風快晴で絶好の天候だった。締まった雪にペースは捗り、2330m圏に張った幕場から3067mの剣ヶ峰頂上まで、5時間程で往復出来た。正午前には幕場に戻り、午後は暖かい日差しを浴びながら、のんびりとコーヒータイムを楽しんだ。

T君は過去にこの山に2回チャレンジしたが、いずれも悪天候で敗退している。3度目の正直で、やっと登れたと喜んでいた。それなのに私は厳冬期の御嶽山に初めて挑戦して、1回で登れた上、好天の下で3000mの展望を満喫できた。ラッキーの一言につきる。
(2020年04月22日登録)

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