【関東百名山/200名山:父子お替わり山行】鼻曲山〜浅間隠山(ポリタン水持参忘れ、やむなく“現地調達”!)
- GPS
- 08:49
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 1,425m
- 下り
- 1,424m
コースタイム
- 山行
- 6:55
- 休憩
- 2:27
- 合計
- 9:22
天候 | 終日ほぼ晴れ、一時曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(浅間隠山)登山口路肩駐車場(車3-4台分)利用〈近くにトイレ付きの広い駐車スペースあり〉 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(鼻曲山)氷妻山〜国境平分岐間の区間、笹藪がうるさい(マーキング多数、朝は露で濡れるためスパッツ or 雨具ズボンが必須) (浅間隠山)山頂直下のジグザグの登路、ショートカットルート多数(地元自治体から使わぬよう要請あり)。そこから上部、深い雨裂の道と迂回路が交錯、前者は相当に歩きにくく、スリップ注意 |
その他周辺情報 | 浅間隠山登山口から県道のつづら折れを下った先、倉渕川浦温泉・はまゆう山荘で日帰り入浴可(大人570円、入館時に体温測定[37℃超の場合は入館不可…]・館内マスク着用、ロビーにて休憩可) |
写真
装備
備考 | 〈消費水分量〉2人でペットボトル(500ml)×4本[うち2本は氷結解凍]、ガッツギア×2、浅間隠山中腹の沢で「現地調達」500ml! |
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感想
今夏はコロナ禍や梅雨明けの遅れもあり、長男と企画していた北アルプスの小屋泊まりツアーは結局断念。代わりに、パートナーを替えて複数の日帰りハイキングを計画、第一弾として、関東百名山&日本200名山の鼻曲山&浅間隠山をハシゴするツアーに木曜夜から出発します。今回のお供は、オンライン講義で約一ヶ月余り自宅「巣ごもり」していた大学生の3男クン。上里SAで車中仮眠後、前橋ICから約一時間国道・県道を疾駆、朝6時前にまだ空きのある二度上峠の駐車スペースへ。いきなりの「浅間山・後立山ドーン」に感動しつつも、車外は早くもアブやハチなど多数の虫たちが朝のお勤めでお祭り状態…。車中で朝食を済ませ、日焼け止めと虫除けを念入りに両腕や首筋に擦り込んで、いざ鼻曲山へ出発です。
獅子岩を越え、暫くはトラバース気味の緩やかな小径が続き、氷妻山を過ぎると急斜面の大下り、笹藪も密度を増してきます。幸い朝露はさほどでもなく、マーキングを追いながら緩やかに尾根道を進むと、やがて先達のレコにも絶賛されるレンゲショウマの花盛りゾーンに突入です。次第に斜度も増して息も上がりますが、可憐なレンゲショウマの花々に我々父子も大いに癒やされ、しばしば足を止めて撮影に大わらわ。この辺りから、花の数と同様にスライドするハイカーの数も増えてきて、“東京族”の我々はその度毎にマスクを着けたり外したり大忙しです…。やがて勾配が緩むと、国境平分岐を過ぎ、程なく南西側の展望が開けた鼻曲山の三角点に到着。意外と近くに見える蓼科山から連綿と続く八ヶ岳の右奥には、中央アと思われる山並みも望めます。証拠写真を撮り、歩を進めると霧積温泉への下降路を分け、すぐに立派な「鼻曲山」の山名標識の立つ大天狗着。天狗の鼻先の岩場まで進んでみると、特異な山容の妙義の岩峰群がニョキニョキ…。少し前から頻りに上空をヘリが巡回飛行してますが、浅間山周辺の登山者を監視しているのか、妙義の岩峰辺りの遭難者捜索か、はたまたコロナ禍のお盆の人出を取材する報道ヘリか、と想像が膨らみます。頑張ったムスコ君への登頂のご褒美に、無人の山頂広場の日陰へ避難してフルーツ缶を振る舞い、親子でしばし寛ぎます。
とはいえ、気温も上がってきて熱中症も心配、午後の「お替わり山行」もあるので山頂に長居は無用。下りはレンゲショウマのパラダイス区間も快調に歩を進め、お花目当て?の多数ハイカーとスライドする度にマスクを着脱。キツい氷妻山の登り返しも何とかクリアして、11時20分過ぎには地元ナンバーの車で満員盛況、路肩にも車がいっぱいの二度上峠へ帰着。レンゲショウマの集客力、ハンパないです!暑いので素早く浅間隠山の登山口へ700mほど移動、車中で涼みながら、おにぎり等のプチ昼食を済ませます。レンゲショウマ等の「季節限定」の賑わいを見せる鼻曲山とは対照的に、こちら浅間隠山は山頂まで1時間半、初心者にも歩きやすい上に展望良好ということで、地元ハイカーのみならず関東近県から、季節を問わず多くのヤマラーを惹きつけています。この日も路肩の駐車スペースはほぼ満杯、我が家のすぐ前にはワンちゃん連れの軽装家族ハイカーも。我が父子も、キャンピングコンロや空のPETボトルなど余計な装備を車に残し、軽快な出で立ちにて午後の「お替わり山行」に意気揚々と出発します。(この時点では、まさか盛夏の登山には必須のグッズを持参し忘れ、その後途中撤退の危機に陥るとは夢にも思わず…。)
登り始めは昨秋の台風でやや荒れた沢沿いの道を進みますが、北軽井沢分岐を過ぎるとルートは樹林帯の中のなだらかハイキング道となり、これなら初心者も安心のコース、と納得。とはいえ、午前の鼻曲山往復の疲労が出て、その先のつづら折れの登路に入るとドッとペースが落ち、休憩中に2人して路傍に寝そべっていると、ゆっくり登る外人さんのソロハイカーに「疲れたー?」「シエスタかい?」と2度も声をかけられる始末。500mlのPETボトルに残ったヌルい水を飲み干し、さて予備のポリタンから水を補給しよう、とザックをまさぐると、あるはずの水がどこにもない…!記憶を辿ると、どうやらポリタン水を冷やして美味しく飲もう、と冷蔵庫に入れたまま、自宅に置き忘れてきた模様…。小生の長いヤマラーのキャリアでも初の大失態に、急遽親子会議。ここから山頂まではまだ1ピッチ半の道程、気温も高く下りの水分補給も考えれば、これ以上登るのは危険、と判断し、無念のうちに撤退の判断。小生にとっては2度目の登山ながら、初挑戦のムスコには誠に申し訳ない、と元来た道をトボトボ下っていくと、行く手右側に往路は気付かなかった窪地地形が現れ、心なしか微かな水音も聞こえた気がして(これは森を吹き抜ける風の音の聞き違い、と後で判明…)、ムスコを残し、PETボトルを握り締めて疎林を掻き分け等高線方向にしばし進みます。一向に小沢も見つからぬまま400mほど前進、そろそろ撤退か、と思い始めるとやがて植生が変わり、行く手に涸れ沢状の谷が見えてきます。山麓方向からの踏跡も合わさり、滑りやすい斜面を立木に掴まりながらひとしきり下ると、何と清冽な水が少量ながらサラサラと流れてます。心の中で快哉を叫び、早速水質を検分、PETボトル一杯に美味しく冷たい水を汲んだ上、プチ水浴びして火照った頭と心をクールダウン。再び藪を掻き分け、往復30分弱で無事ムスコの待つ下山路へ復帰。聞けば、小生の帰りが遅いので、2人分の荷物を持って下山し、助けを呼ぼうかと思案していた由(小生は3年前に徳本峠越えのクラシックルートのソロツアーで橋から滑落、両腕骨折しながらも頑張って生還した経験あり、家族から見ると「前科一犯」だそうです…)。
ともあれ、約1時間のロスタイムにはなったものの、何とか当面必要な水資源は確保でき、時間的にも山頂往復は十分可能。この日は雷雲も湧かず、夕立の心配もなさそうなので、心のスイッチが入って「クライマーズ・ハイ」状態の小生と休養十分!?のムスコの一致した見解として、再びの山頂アタックを決定。さすがに疲れから当方のペースは上がらず、小生とムスコのザックを交換したり、休憩を挟みながらゆっくりと急斜面を登っていくと、やがて樹林帯を抜けて展望の開けた尾根道に飛び出します。足下は深い雨裂の道でやや歩きにくいものの、あたりは五色の花々が咲き乱れるお花畑。午前中は煩かったアブなどの虫はすっかり鳴りを潜め、蝶やトンボが優雅に飛び交う「ミニパラダイス」の趣。絶体絶命の「水喪失」のピンチから“現地調達”で立ち直った当方の心象風景とも見事に一致して、かつてない高揚感とともに、午後2時半過ぎ、父子揃って標高1,750m超の浅間隠山到着です。来て良かった、無事来れて良かった…と思わず親子で快哉。浅間山は頭を雲に没していたものの、上州を象徴する赤城・榛名・妙義の名山たちが、我々父子の頑張りを祝福してくれているようでした。
この時間になるとさすがに山頂独り占めか、と展望・日当たりの良い山頂広場の一角をふと見ると、途中2度にわたり抜かれたイタリア人ソロ男性がノンビリ休憩中。「日本語OK!」だそうで、お互いSocial Distanceは保ちながら、英語・日本語チャンポンで「コロナは大変ですよねー」などしばし会話。親子ツーショットの山頂写真のシャッターもお願いし、我々の方が一足先に山頂を辞します。下りは滑りやすく複数ルートの錯綜する斜面に難渋しながらも、現地調達した美味しい水で休憩中に気力を回復。山頂踏破した達成感から、最後はルンルンで登山口に帰着。登山靴を脱いで寛ぐうち、件のイタリア男性も無事下山、道中ご無事で、と声がけし、我々もそそくさと山麓の倉渕川浦温泉へ直行。駐車場から本館までの道が果てしなく長く感じられた上、入館時の体温チェックに若干緊張しつつ、熱めの天然温泉で疲弊した身体をほぐします。風呂上がりは館内の冷水機から供給される、この日の我々にピッタリ?の「浅間隠山」の伏流水が火照った五臓にしみ渡り、更にお楽しみの炭酸ジュース複数本を、がぶ飲み。土産品も館内で調達し、この日のアクションアジェンダは全て終了。いざ自宅へ直行、と県道・国道を快走し、頑張ったムスコ殿もスヤスヤ夢の中、さて関越道に藤岡ICから乗ってみると、何と花園ICの先から想定外の35km断続渋滞…。今年のお盆休みは、多くの都会人が帰省や旅行を手控え、お盆渋滞もゼロか、と期待していただけに、この大渋滞はさすがに疲れた心身に堪えたものの、途中のSAでクィック夕食を取り、何とか温泉から3時間半ほどで自宅に帰り着きました。
今回は、お気楽なプチハイキング×2ぐらいの安易な気持ちで出かけたものの、結果的には波瀾万丈、サバイバル気分満点のツアーとなりました。結果的には無事2座登頂は成し遂げたものの、飲み水喪失で相応のリスクを負った上、沢水の「現地調達」でムスコを登山道途中に30分余り置き去りにして「すわ、オヤジ遭難か!?」と無用の心配と不安を与えたことは大いなる反省材料です。特に、コロナ禍の下の山歩きでは、間違っても地元の医療・山岳レスキュー関係者にご迷惑をかけることだけは避ける必要がありますので、次回以降の日帰りツアーでは、出発前の持ち物チェックに従来以上に万全を期すべし、と肝に銘じた小生でありました…。
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