狭薄山(1296m)


コースタイム
*1184m地点⇔狭薄山山頂 は相棒のタイム。
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
桑園8:05――8:50空沼岳登山口9:00――11:40万計山荘11:55――12:45真簾沼――13:20稜線出合――1184m地点13:40ーー14:30狭薄山山頂14:40――1184m地点15:20ーー16:15真簾沼――16:30万計山荘――18:20空沼岳登山口18:30――19:20桑園 *1184m地点⇔狭薄山山頂 は相棒のタイム。 |
写真
感想
家を7:30 に出たが、相棒がスパッツを忘れたという。今の時季スパッツ無しでは無理である。止む無く引き返す。途中今度は僕がカメラを忘れたことに気が付く。
30分ロスしてしまった。結果的にこの30分がものをいうことになった。
空沼岳登山口は20年ぶりである。途中不安になって、常盤で右に入った所でジョギング中の人に確認する。
採石場の構内と思しき所がオープンな感じで「空沼岳」という道標が出ている。
行き止まりに車が4台並んでいる。
続きに停めて出発。すぐ橋を渡って林道を行く。
間もなく「支笏洞爺国立公園」の看板がありその影に小さな登山口小屋がある。
雪がなければここまで車で来れそうである。
入山届けを見ると、今日の入山者で少なくとも2組が狭薄山を目指している。
届出を済ませ、橋を渡って林の中に入って行く。
ツボ足の踏み跡が続いている。所々踏み抜かれているが、今日はまだ雪が締っていてツボ足で大丈夫だ。
頼りない橋やスノーブリッジ、飛び石で渡る所が何箇所かあった。
万計山荘までは要所に「万計山荘○○km」の道標があった。
万計山荘が近くなった昼頃には雪が緩んで何回も踏み抜いた。
ソロの高年男性が降りて来た。「何処まで行ってきたんですか?」
「狭薄山まで」「ツボ足で大丈夫ですかね?」「大丈夫。ずっとこんなもんですよ」
今度は中年のソロの男性が降りて来た。「何処まで行ってきたんですか?」
「狭薄山まで。上はいいですよ。風は強いけど・・・」
「そうですか、どうも・・・」「頑張ってください」
また高年男性が降りて来た。「何処まで行ってきたんですか?」
「万計山荘まで」 この人は「取り付く島もない」、管理人が小屋を見てきたという感じである。
最後急な斜面を横切って万計沼、万計山荘に着く。11:40である。車の所から3時間近く掛かってしまいこの先がちょっときびしくなった。
僕は途中食べながら歩いたが相棒はここで昼食。
昼食もそこそこに、次の真簾沼を目指し先を急ぐことにした。
やがて高度差50m以上はある急斜面を必死で登る。
間もなく平坦になって樹間に真簾沼が見えてきた。
真簾沼は万計沼より一回り大きい。広々とした雪原はなんとなく気持ちをおおらかにしてくれる。
真簾沼は湖上を歩くことも出来るようで踏み跡がついているが近道というほどでもないので湖畔の踏み跡を辿って行く。
間もなく左前方に雪庇がくっきりした山が見えてきた。1170m峰である。
緩やかな登りとなって行く手に高くはないが稜線が見える。札幌岳、空沼岳縦走コースである。山頂部分だけだが狭薄山も見えてきた。
女の人がやって来た。ザックを下ろして水分を補給している。いかにも山女という、しかし疲れているのか近づきがたい感じである。
稜線に出た所で今度は中年の男性が降りてきた。
「山頂まであとどれぐらいですか」「1時間半ぐらい。この先、行きは左側、帰りは右側がいいですよ。どっちも沢へ降ります」「ありがとうございます」
左側は踏み跡はたった1つで、沢に下っている。右側の踏み跡が沢山ある方へ行く。
急な下りとなる。降りきった所に更に、狭くて深さ5,6mの沢溝がある。慎重に降りて、登り返す。
曲がりくねりながらやや急な斜面を登ると見晴らしのいい小ピークに出た。1184mピークである。正面間近に狭薄山が聳え、右に1200m峰が続いている。離れて更に右奥の方に札幌岳が見える。
ここから山頂へは、右に少し下って1200m峰の北側を巻いて狭薄山の北斜面を登る。標高差は100m強である。
僕のペースで往復2時間。今13:40 ,ここに着くのが15:40。登りにここまで4時間40分かかっているから降り3時間として車の所に着くのが18:40 。
今札幌の日の入りはおよそ18:00だからきびしい。山では日没が平地より早い。日が隠れると暗くなるのも早い。電池は持って来てはいるが、登頂は諦めた。相棒は先に登って行ったので、降りて来るのを待つことにした。
残念は残念だが今回は偵察ということにしよう。この素晴しい山にもう1度来れるのだと思えばいいのだ。朝の30分のロスがテキメンに効いた格好である。
それにしても狭薄山は立派な山である。ピラミダルで、堂々としていて、標高も
札幌岳、空沼岳より高い。それでいて名前もあまり知られていない。夏道もない。
札幌岳、空沼岳縦走コースの途中から約2kmだから何とかならないものだろうか。
山頂近くで黒い点が見える。点はゆっくりだが着実に上へ動いている。
点は一旦消えて山頂に現れた。
下ってくるのが見えたが間もなく消えてしまった。
風が強い。汗がひいて寒くなってきた。厚いアノラックを、要らないかな、と思いながらも、大して重くないのだからとザックに入れて来たのは正解だった。
尻敷き用のビニールも体に巻きつけた。これは防風効果がある。
点が消えてから20分以上経った。心配になってきた。
携帯で電話したが通じない。手がかじかんでボタンを押すのも緩くない。
何度やっても通じない。
間もなく樹の陰から相棒がひょっこり現れた。一安心である。
15:20だ。ここから3時間として車の所に18:20,ぎりぎりだが何とか暗くなるまでには着くだろう。
降りは速い。少し埋るのが、踵を利かせると程好いクッションになって、登る時とは逆に実に快適である。
深い沢を超えた所の登り返しは辛かったが順調に下って真簾沼を過ぎ、急斜面の降りは登りの時より神経を使った。
真簾沼日射し傾きまっ平ら 雪原広しほとり歩めり
間もなく万計山荘に着いた。湖畔の空沼小屋が夕日を浴びていた。相棒はデポしておいたスノーシューを回収。僕は先を急ぐ。
夕陽受け小屋佇めりひっそりと 沼の畔に木立透かして
朝より雪が緩んで踏み抜いた跡が多くなっている。僕自身も何回も踏み抜いた。
この辺りは神経を使う下山である。
要所に「万計山荘○○km」の道標があるので見通しが立ってよかった。
山の天辺だけが残照に輝いている。
貧弱な橋やスノーブリッジ、飛び石の沢も何とか明るいうちに超えることが出来た。
登山口小屋に着いた。日は落ちて夕暮れの気配だが、あとは広い林道を20分ぐらいだろう。
車が見えてきた。朝他に4台あったが今は僕の車だけだ。
帰る準備をしている間にもだんだん暗くなる。春の夕暮れも「釣瓶落し」といえそうだ。
家へ着いたのは19:20だった。
この山は 札幌岳ー空沼岳 縦走路から少し外れていて、縦走路から狭薄山までは夏道がないのです。夏に登るなら豊平峡の奥から沢登りです。従って春山絶好の山です。
拍手に感謝しています。
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