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Yamareco

記録ID: 2730957
全員に公開
沢登り
東海

【奥美濃】カゴカケ谷〜蕎麦粒山〜コソムギ(小蕎麦粒山)〜五蛇池山

2020年11月14日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.8km
登り
1,323m
下り
1,315m

コースタイム

日帰り
山行
11:40
休憩
0:00
合計
11:40
5:30
70
駐車地
6:40
6:40
10
カゴカケ谷出合
6:50
6:50
210
カゴカケの滝
10:20
10:20
20
稜線
10:40
10:40
150
13:10
13:10
50
14:00
14:00
30
五蛇池峠
14:30
14:30
20
14:50
14:50
50
五蛇池峠
15:40
15:40
90
林道終点(ミヤマ谷出合付近)
17:10
駐車地
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2020年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大谷川沿いの林道のニシマタ谷出合付近の路肩に駐車。スペースはかなり広く余裕がある。
コース状況/
危険箇所等
【カゴカケ谷】
・大谷川左岸の廃林道をカゴカケ谷出合付近まで歩き,斜面を下降してアプローチ。廃林道はこの時期であれば藪も落ち着いており歩きやすい(夏は結構藪が濃い)が,何か所か大きく崩れた箇所をトラバースする必要があるので滑落注意。廃林道からカゴカケ谷目掛けて下降する際は,北方向はかなり斜面が立っているため,西寄りに降りたほうが良い。
・カゴカケ谷は,カリヤス谷との出合に掛かっているカゴカケの滝30mの高巻きがポイント。左右とも高い壁となっており,今回は左岸から巻いたが,急斜面をつなぐ大高巻きになる。カゴカケの滝を越えたあとは,カゴカケの滝に匹敵するほどの迫力の25m滝を含め,無数の滝が続くが,それほどの困難はない。
・詰めは背丈ほどの笹薮とシャクナゲの藪が濃密で結構大変。できるだけ最後まで沢状地形を詰めたほうが良いと思われる。今回,沢を離れるタイミングが早すぎたようで,稜線に出るまで結構大変な目に遭った。

【蕎麦粒山〜コソムギの肩(旧道区間)】
・この区間は,現在一般的に歩かれている西尾根経由の新道ができる前の旧道が通っていた区間だが,現在はほとんど歩く人がいないらしく,自然に還りつつあるようだ。部分的に踏み跡が残っている箇所もあるが,大部分は不明瞭となっており,背丈くらいの笹とシャクナゲなどの灌木の濃密な藪が続く。気持ち的には,登山道を歩いているというよりも,藪山を歩いているのとあまり変わらない感じ。
・蕎麦粒山山頂から下る場合,ルートは山頂から歩き出してすぐに北方向に折れ曲がっているので注意。灌木の藪が茂っていて踏み跡が薄いのでわかりにくい。気を付けていないと,直進方向(北西〜西方向)の明瞭な尾根についている踏み跡(獣道?)に誘い込まれる可能性がある。

【コソムギの肩〜コソムギ】
・この区間も藪区間だが,他の区間に比べればわずかに藪が薄く,多少歩きやすかった印象。コソムギ直下の岩峰は,左右どちらからでもそれほど苦労せず越えられそう。コソムギの山頂は,一面の笹薮で切り開きや山名板などはないが,ほぼ360°の展望が得られる。

【コソムギ〜五蛇池峠】
・コソムギの山頂に近い部分はかなりの急傾斜かつシャクナゲの濃密な藪で,下りはともかく,登りの場合はかなり苦労しそう。山頂直下で1箇所,3mほどの岩場をクライムダウンする箇所がある。通過自体は簡単だが,岩場が藪に隠れているので誤って落ちないように注意。
・峠に近づけば近づくほど藪が薄くなり,踏み跡も出てきて楽になる。

【五蛇池峠〜五蛇池山】
・五蛇池山への登路として一般的なルートなので,藪っぽいものの踏み跡が続いており,ところどころマーキングもあったりして,今回の山行の他の区間に比べれば断然歩きやすい。ただ,踏み跡が不明瞭な箇所や,浅い沢状地形を横断する箇所など,分かりにくい箇所もある。踏み跡自体はほぼ途切れることなく山頂まで続いているので,もしこの区間で濃密な藪に阻まれたら踏み跡から外れたと考え,一度戻って踏み跡の続きやマーキングがないか探したほうがいいと思う。
※なお,今回の山行ではパスしてしまったが,五蛇池峠から五蛇池山方面へ尾根を少し登ったところで出てくる浅い沢状地形(踏み跡は,この沢状地形をまたぐように尾根に上がっている)をそのまま詰めると,山名の由来ともなった五蛇池の湿地があるそうだ。

【五蛇池峠〜大谷川沿いの林道跡】
・五蛇池峠はカラーテープが一つ巻いてあるだけで,プレートの類はないが,周囲の樹林が美しく雰囲気の良いところ。峠からは直下の沢(トウゲノ谷)をほぼそのまま下る。今回は沢装備のため,沢の中を歩いて下ったが,沢沿いには登山靴の登山者向けのマーキング付きの巻き道も付いていた。ノンゾ谷出合(670m付近二俣)の少し下流辺りから左岸側に明瞭な踏み跡が出てきて,ミヤマ谷出合付近から同じく左岸側に廃林道が現れる。あとはそれを辿るだけ。
まだ暗い中,この看板の右手から廃林道へ。夜明け前の星空がきれいだ。
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まだ暗い中,この看板の右手から廃林道へ。夜明け前の星空がきれいだ。
廃林道の途中で夜が明けた。大谷川沿いの廃林道は,夏は藪が濃くて大変だが,この時期は藪が落ち着いて,同じ場所と思えないほど歩きやすい。
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廃林道の途中で夜が明けた。大谷川沿いの廃林道は,夏は藪が濃くて大変だが,この時期は藪が落ち着いて,同じ場所と思えないほど歩きやすい。
カゴカケ谷出合付近(林道が北から東に折れ曲がる箇所)から谷を目掛けて下降していく。北側は崖のようになっているため,少しでも傾斜の緩い西側斜面を下っていく。
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カゴカケ谷出合付近(林道が北から東に折れ曲がる箇所)から谷を目掛けて下降していく。北側は崖のようになっているため,少しでも傾斜の緩い西側斜面を下っていく。
大谷川に降り立った。落ち着いた美しい流れだ。
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大谷川に降り立った。落ち着いた美しい流れだ。
カゴカケ谷出合から,左のカゴカケ谷に入る。
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カゴカケ谷出合から,左のカゴカケ谷に入る。
カゴカケ谷に入ると,すぐに小滝が上へ上へと連続しているのが見え,期待が高まる。
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カゴカケ谷に入ると,すぐに小滝が上へ上へと連続しているのが見え,期待が高まる。
小滝を越えていく。
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小滝を越えていく。
そして,カゴカケの滝30mと対面。直瀑の部分と,水が岩に当たってから綺麗な末広がりになる部分を併せ持っており,豪快さと繊細さを兼ね備えた美しい滝だ。
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そして,カゴカケの滝30mと対面。直瀑の部分と,水が岩に当たってから綺麗な末広がりになる部分を併せ持っており,豪快さと繊細さを兼ね備えた美しい滝だ。
滝の上の紅葉が美しい。
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滝の上の紅葉が美しい。
滝の直下から。この時期になると,滝の飛沫が冷たく感じられて,滝に近づくのにちょっと覚悟がいる。
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滝の直下から。この時期になると,滝の飛沫が冷たく感じられて,滝に近づくのにちょっと覚悟がいる。
さて,問題はこの滝をどうクリアするかだが…。左右ともに高い壁となっており,どちらから巻くとしても苦労しそう。結局フィーリングで左岸側に取りついた。
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さて,問題はこの滝をどうクリアするかだが…。左右ともに高い壁となっており,どちらから巻くとしても苦労しそう。結局フィーリングで左岸側に取りついた。
壁の基部に沿って急斜面を慎重にトラバースした後,壁の切れ目を見つけて攀じ登り,壁の上に出ることができた。
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壁の基部に沿って急斜面を慎重にトラバースした後,壁の切れ目を見つけて攀じ登り,壁の上に出ることができた。
谷に戻ろうとするが,カゴカケ谷の両岸はかなりの急斜面…。これは懸垂かな,と一瞬思ったが,灌木をつかんで慎重に下っていくと,奇跡的に細いバンドがつながっており歩いて谷に降りることができた。
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谷に戻ろうとするが,カゴカケ谷の両岸はかなりの急斜面…。これは懸垂かな,と一瞬思ったが,灌木をつかんで慎重に下っていくと,奇跡的に細いバンドがつながっており歩いて谷に降りることができた。
カゴカケの滝の落ち口。
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カゴカケの滝の落ち口。
覗き込んで。やっぱり高い。
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覗き込んで。やっぱり高い。
カゴカケの滝から上のカゴカケ谷は,地形図から予想していた通りゴルジュ状の急傾斜の谷が続いており,滝が連続する。きれいな7mほどの滝。
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カゴカケの滝から上のカゴカケ谷は,地形図から予想していた通りゴルジュ状の急傾斜の谷が続いており,滝が連続する。きれいな7mほどの滝。
これも美しい斜滝。上部のナメ状の部分も合わせれば20mほどか。左岸から巻いた。
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これも美しい斜滝。上部のナメ状の部分も合わせれば20mほどか。左岸から巻いた。
と,目の前にかなり大きな滝が出現。大きさはカゴカケの滝よりわずかに低く,25m位だと思うが,堂々とした直瀑の姿で,姿の美しさとしては,カゴカケの滝よりも風格があるかもしれない。カゴカケの滝の奥にもこんなに大きな滝が隠れていたなんて,驚きだ。
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と,目の前にかなり大きな滝が出現。大きさはカゴカケの滝よりわずかに低く,25m位だと思うが,堂々とした直瀑の姿で,姿の美しさとしては,カゴカケの滝よりも風格があるかもしれない。カゴカケの滝の奥にもこんなに大きな滝が隠れていたなんて,驚きだ。
滝を取り囲む漆塗りのような黒い岩盤の上に,紅葉が映えて美しい。
この滝も左岸から巻いた。かなり急傾斜でちょっと大変。
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滝を取り囲む漆塗りのような黒い岩盤の上に,紅葉が映えて美しい。
この滝も左岸から巻いた。かなり急傾斜でちょっと大変。
高巻きを終え,25m滝の落ち口に降り立つ。
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高巻きを終え,25m滝の落ち口に降り立つ。
朝日の差し込む紅葉の谷。
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朝日の差し込む紅葉の谷。
ダイモンジソウ。
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ダイモンジソウ。
10mほどの滝。これは確か右岸から巻いたような…。
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10mほどの滝。これは確か右岸から巻いたような…。
7mほどの岩間滝。右岸から狭いバンドを辿って巻く。
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7mほどの岩間滝。右岸から狭いバンドを辿って巻く。
谷の周囲の樹林も美しく,谷中にはところどころ大きなサワグルミやトチノキが散見される。
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谷の周囲の樹林も美しく,谷中にはところどころ大きなサワグルミやトチノキが散見される。
紅葉が美しい。
谷が少しだけ開け,穏やかになってきた。
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谷が少しだけ開け,穏やかになってきた。
それでも谷底にはひたすら小滝やナメ滝がつづく。
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それでも谷底にはひたすら小滝やナメ滝がつづく。
青空に紅葉が映える。
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青空に紅葉が映える。
紅葉の谷間。
小滝を楽しみながら越えていく。
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小滝を楽しみながら越えていく。
連続するナメ滝。
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連続するナメ滝。
5mほど。
大分水が少なくなってきたが,それでも小滝が途切れない。
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大分水が少なくなってきたが,それでも小滝が途切れない。
標高が高くなると,ますます紅葉が冴える。
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標高が高くなると,ますます紅葉が冴える。
ついに源頭の様相。
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ついに源頭の様相。
ここまで来ると,紅葉を終えて冬枯れとなった木も目立ち始める。
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ここまで来ると,紅葉を終えて冬枯れとなった木も目立ち始める。
トチの巨木。
ついに水が枯れ,左右に藪が迫ってきた。
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ついに水が枯れ,左右に藪が迫ってきた。
こういう藪山での沢登りの詰めでは,できるだけ沢形を辿るのが鉄則なのだが,ついふらふらと稜線を目指して斜面を登り始めてしまい,これが失敗だった。背丈を越える濃密な笹薮に捕まり,かなり難渋。しかも思った以上に尾根が遠い。
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こういう藪山での沢登りの詰めでは,できるだけ沢形を辿るのが鉄則なのだが,ついふらふらと稜線を目指して斜面を登り始めてしまい,これが失敗だった。背丈を越える濃密な笹薮に捕まり,かなり難渋。しかも思った以上に尾根が遠い。
しかも岩壁さえ出てきた…。おいおい,本当に尾根に出られるのか?
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しかも岩壁さえ出てきた…。おいおい,本当に尾根に出られるのか?
岩壁を巻いて壁の切れ目を見つけ,シャクナゲの藪を手掛かりにして這い上がる。
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岩壁を巻いて壁の切れ目を見つけ,シャクナゲの藪を手掛かりにして這い上がる。
やっと登山道に出た。
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やっと登山道に出た。
ほどなく蕎麦粒山山頂に到着。
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ほどなく蕎麦粒山山頂に到着。
山頂は360°開けていて,本日の快晴も相まって素晴らしい眺め。まさに奥美濃の山々の展望台だ。昨年来たときはガスっていて何も見えなかったので,同じ場所とは思われないほど。写真はこれから向かうコソムギ(左)と五蛇池山(右手前)。
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山頂は360°開けていて,本日の快晴も相まって素晴らしい眺め。まさに奥美濃の山々の展望台だ。昨年来たときはガスっていて何も見えなかったので,同じ場所とは思われないほど。写真はこれから向かうコソムギ(左)と五蛇池山(右手前)。
大谷川を隔てた向かいには黒津山とアラクラ。
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大谷川を隔てた向かいには黒津山とアラクラ。
能郷白山とイソクラ。
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能郷白山とイソクラ。
右から若丸山,冠山,金草岳。その向こうに見えるのは銀杏峰と部子山だろうか。
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右から若丸山,冠山,金草岳。その向こうに見えるのは銀杏峰と部子山だろうか。
足元には門入も見える。
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足元には門入も見える。
門入を取り囲む山々は,まさに紅葉真っ盛りだ。深く切れ込んだ入谷の奥には,千回沢山と不動山が控えている。
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門入を取り囲む山々は,まさに紅葉真っ盛りだ。深く切れ込んだ入谷の奥には,千回沢山と不動山が控えている。
能郷白山の少し左手に,白山が遠く望まれた。山頂付近は既に雪を頂いて白く輝いている。雪山の季節ももうすぐだ。
(ちなみに,一番手前に見える稜線のやや左寄りのこんもりしたピークは先週登ったスギクラ。)
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能郷白山の少し左手に,白山が遠く望まれた。山頂付近は既に雪を頂いて白く輝いている。雪山の季節ももうすぐだ。
(ちなみに,一番手前に見える稜線のやや左寄りのこんもりしたピークは先週登ったスギクラ。)
さて,展望を楽しんだ後は,蕎麦粒山からコソムギに向かう。西尾根の新道ができる前の旧道が付いていた区間だが,どんな状態だろうか。山頂からは薄い踏み跡が続いているが,近年は枝打ちされていないようで,シャクナゲの藪が張り出してかなり歩きにくい。
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さて,展望を楽しんだ後は,蕎麦粒山からコソムギに向かう。西尾根の新道ができる前の旧道が付いていた区間だが,どんな状態だろうか。山頂からは薄い踏み跡が続いているが,近年は枝打ちされていないようで,シャクナゲの藪が張り出してかなり歩きにくい。
尾根を下降していくと,踏み跡は不明瞭になり,背丈くらいの濃密な笹薮となる。
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尾根を下降していくと,踏み跡は不明瞭になり,背丈くらいの濃密な笹薮となる。
こんな感じのシャクナゲの藪も断続的に現れ,一苦労。
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こんな感じのシャクナゲの藪も断続的に現れ,一苦労。
一部,背丈以上の笹の海に覆われている区間もあり,空が見えないほど。しかし,ところどころ旧道の名残と思われる薄い踏み跡が足元に存在しており,それを辿ると少し楽。
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一部,背丈以上の笹の海に覆われている区間もあり,空が見えないほど。しかし,ところどころ旧道の名残と思われる薄い踏み跡が足元に存在しており,それを辿ると少し楽。
目指すコソムギの鋭鋒。地図上ではそれほど距離はないと踏んでいたが,この藪では距離から予想される以上に時間がかかる。
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目指すコソムギの鋭鋒。地図上ではそれほど距離はないと踏んでいたが,この藪では距離から予想される以上に時間がかかる。
ところどころ,藪が薄くて踏み跡が比較的残っている箇所もあり,そういう箇所はにわかにスピードアップできる。
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ところどころ,藪が薄くて踏み跡が比較的残っている箇所もあり,そういう箇所はにわかにスピードアップできる。
しかし,そういう区間は長く続かず,すぐに藪が濃くなる。旧道が谷に降りる地点であるコソムギの肩(コソムギ南西のca1180mポコ)を通過。
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しかし,そういう区間は長く続かず,すぐに藪が濃くなる。旧道が谷に降りる地点であるコソムギの肩(コソムギ南西のca1180mポコ)を通過。
コソムギの肩からコソムギ山頂までは完全な藪区間で,笹と灌木の藪が続くものの,意外に藪の程度はましで,思ったより歩きやすい印象。
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コソムギの肩からコソムギ山頂までは完全な藪区間で,笹と灌木の藪が続くものの,意外に藪の程度はましで,思ったより歩きやすい印象。
コソムギの山頂が少しずつ近づく。手前に見える岩峰がいやに高く見えて,無事越えられるのか少し不安になる。
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コソムギの山頂が少しずつ近づく。手前に見える岩峰がいやに高く見えて,無事越えられるのか少し不安になる。
岩峰直下に到着。思ったより壁は低く,左右どちらからも巻けそうでほっとした。
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岩峰直下に到着。思ったより壁は低く,左右どちらからも巻けそうでほっとした。
岩峰の下は岩屋のようになっていた。こんな空間が隠れているとは,面白い。
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岩峰の下は岩屋のようになっていた。こんな空間が隠れているとは,面白い。
岩屋の中から外を見上げる。
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岩屋の中から外を見上げる。
岩峰を左手から巻き越え,ほどなくコソムギ山頂に到着。小広い山頂は胸位までの笹原が広がっており,切り開きもプレートもない清潔な藪山だ。(写真に写っている物体はマイヘルメットを灌木にひっかけただけです。)
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岩峰を左手から巻き越え,ほどなくコソムギ山頂に到着。小広い山頂は胸位までの笹原が広がっており,切り開きもプレートもない清潔な藪山だ。(写真に写っている物体はマイヘルメットを灌木にひっかけただけです。)
コソムギ山頂から見る蕎麦粒山。やっぱり形の良い山だ。
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コソムギ山頂から見る蕎麦粒山。やっぱり形の良い山だ。
コソムギ山頂は蕎麦粒山ほどではないものの,360°開けていて展望はなかなか良い。能郷白山方面の眺め。遠くにうっすら白山。
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コソムギ山頂は蕎麦粒山ほどではないものの,360°開けていて展望はなかなか良い。能郷白山方面の眺め。遠くにうっすら白山。
これから向かうたおやかな五蛇池山の展望。
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これから向かうたおやかな五蛇池山の展望。
旧徳山村側の広瀬又も眺められた。徳山ダムのバックウォーターが思った以上に広瀬又の奥まで入り込んでいる。
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旧徳山村側の広瀬又も眺められた。徳山ダムのバックウォーターが思った以上に広瀬又の奥まで入り込んでいる。
コソムギから五蛇池峠めがけて下降していくが,灌木主体のかなり濃密な藪のうえに急斜面で,踏み跡らしきものはない。下りだから重力に任せて藪を押しのけていけるが,登りの場合は相当苦労しそうだ。
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コソムギから五蛇池峠めがけて下降していくが,灌木主体のかなり濃密な藪のうえに急斜面で,踏み跡らしきものはない。下りだから重力に任せて藪を押しのけていけるが,登りの場合は相当苦労しそうだ。
シャクナゲの藪が強烈。
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シャクナゲの藪が強烈。
山頂直下で,3mほどの岩場を通過する箇所がある。簡単にクライムダウンできるが,岩場の降り口が藪で隠れており,誤って転落しないように注意が必要。
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山頂直下で,3mほどの岩場を通過する箇所がある。簡単にクライムダウンできるが,岩場の降り口が藪で隠れており,誤って転落しないように注意が必要。
途中,鎌が灌木にひっかけてあった。過去にコソムギを目指した人の落とし物だろうか。
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途中,鎌が灌木にひっかけてあった。過去にコソムギを目指した人の落とし物だろうか。
峠に近づくと藪は落ち着き,うっすら踏み跡も出てきただいぶ楽になる。
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峠に近づくと藪は落ち着き,うっすら踏み跡も出てきただいぶ楽になる。
五蛇池峠に到着。立ち木にテープが巻いてあるだけで,プレートの類は見当たらない。この時期であれば藪も薄く,周囲のブナ林もきれいで気持ちの良いところだ。
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五蛇池峠に到着。立ち木にテープが巻いてあるだけで,プレートの類は見当たらない。この時期であれば藪も薄く,周囲のブナ林もきれいで気持ちの良いところだ。
五蛇池山に向けて尾根を登っていく。ここからは比較的明瞭な踏み跡もあり,要所にはマーキングも付いている。これまでの行程に比べれば天国だ。
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五蛇池山に向けて尾根を登っていく。ここからは比較的明瞭な踏み跡もあり,要所にはマーキングも付いている。これまでの行程に比べれば天国だ。
かなり藪っぽい箇所もあるが,踏み跡は途切れず続いている。
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かなり藪っぽい箇所もあるが,踏み跡は途切れず続いている。
なだらかな山頂部に出てから少し歩くと,五蛇池山の三角点に到着。周囲は背の高い笹薮に囲まれており,あまり展望はないが,静かで落ち着いた山頂だ。
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なだらかな山頂部に出てから少し歩くと,五蛇池山の三角点に到着。周囲は背の高い笹薮に囲まれており,あまり展望はないが,静かで落ち着いた山頂だ。
五蛇池山のプレート。かなり高い木の上にある。積雪期に付けたのだろう。
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五蛇池山のプレート。かなり高い木の上にある。積雪期に付けたのだろう。
藪の間に南東方面の山並み(小津三山だろうか)が少しだけ覗いている。
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藪の間に南東方面の山並み(小津三山だろうか)が少しだけ覗いている。
山頂から少し下ったところから見えるコソムギ。蕎麦粒山によく似た,格好の良い山だ。
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山頂から少し下ったところから見えるコソムギ。蕎麦粒山によく似た,格好の良い山だ。
蕎麦粒山(左)とコソムギ(右)の揃い踏み。
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蕎麦粒山(左)とコソムギ(右)の揃い踏み。
五蛇池峠まで戻ってきた。これで今日の山行も終わりだと思うと名残惜しくて,腰を下ろしてテルモスの紅茶で一服することにした。
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五蛇池峠まで戻ってきた。これで今日の山行も終わりだと思うと名残惜しくて,腰を下ろしてテルモスの紅茶で一服することにした。
北側の広瀬又。徳山ダムのバックウォーターが迫っている。昔はこの五蛇池峠を越えて戸入まで峠道が通じていたと思うと,不思議な感じがする。
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北側の広瀬又。徳山ダムのバックウォーターが迫っている。昔はこの五蛇池峠を越えて戸入まで峠道が通じていたと思うと,不思議な感じがする。
峠に腰を下ろして見上げると,時折吹き抜ける風が,ブナの高い梢に残る枯葉を掻き鳴らしていく。
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峠に腰を下ろして見上げると,時折吹き抜ける風が,ブナの高い梢に残る枯葉を掻き鳴らしていく。
峠の両側のブナが斜陽を受けて美しい。
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峠の両側のブナが斜陽を受けて美しい。
紅葉もきれいだ。五蛇池峠,地味な峠だが,なんだか気に入ってしまった。
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紅葉もきれいだ。五蛇池峠,地味な峠だが,なんだか気に入ってしまった。
峠で一服した後,南側のトウゲノ谷を下りていく。
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峠で一服した後,南側のトウゲノ谷を下りていく。
五蛇池峠を見上げる。
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五蛇池峠を見上げる。
谷の両側の紅葉が美しい。
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谷の両側の紅葉が美しい。
トウゲノ谷はとくに悪場はなく,スムーズに大谷川に降り立つことができた。
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トウゲノ谷はとくに悪場はなく,スムーズに大谷川に降り立つことができた。
大谷川の源頭部は,トチノキやサワグルミの美しい森の中を穏やかな流れが続き,歩いていて気持ちの良いところだ。
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大谷川の源頭部は,トチノキやサワグルミの美しい森の中を穏やかな流れが続き,歩いていて気持ちの良いところだ。
大きなトチノキも川岸に立っている。
トウゲノ谷から大谷川までの区間は,ただの下山路と思ってあまり意識していなかったのだが,思った以上に雰囲気の良いところだった。
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大きなトチノキも川岸に立っている。
トウゲノ谷から大谷川までの区間は,ただの下山路と思ってあまり意識していなかったのだが,思った以上に雰囲気の良いところだった。
谷を下っていくとノンゾ谷出合を越えたあたりで左岸に明瞭な踏み跡が出てきて,それを辿っていくと,ミヤマ谷が出合うあたりで林道跡にたどり着いた。あとはこれを歩くだけだ。
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谷を下っていくとノンゾ谷出合を越えたあたりで左岸に明瞭な踏み跡が出てきて,それを辿っていくと,ミヤマ谷が出合うあたりで林道跡にたどり着いた。あとはこれを歩くだけだ。
振り返ると,遠い紅葉の稜線が夕日を浴びて真っ赤に染まっていた。
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振り返ると,遠い紅葉の稜線が夕日を浴びて真っ赤に染まっていた。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。カゴカケ谷は結構ぬめりが強いので,フェルト推奨。
・40mロープを携行したが不使用(高巻きもロープ使わずに可能)

感想

 小滝を登ろうとして岩に手を掛けると,袖口から伝わった滝の水がびっくりするほど冷たくて,結局,藪の斜面をすごすごと高巻いてしまう。秋だなぁと思う。
 カゴカケの滝を見上げる。秋の滝は,夏の滝よりも少し高いところから落ちてくるような気がする。空が澄んでいるせいだろうか。
 夏の藪は水をたっぷり含んでしなやかで,押せばどこかを通してくれるが,秋の藪は白骨のように固く乾いて,無理に押し通ろうとすると,物悲しい音を立ててぽきぽき折れてしまう。そして思わぬ方角から鋭い枝先で急に眼を突いてくる。そのしんしんする痛みも,秋だなぁと思う。
 五蛇池峠の藪の中に腰を下ろして,テルモスの紅茶を飲む。温かい飲み物が嬉しいのも,秋の山の楽しみだ。
 峠から谷に降りていくと,風が吹くたびに谷一面の紅葉が赤や黄色に舞い落ちて,時雨のような音を立てていく。小さな流れの淀みに,岩魚が一匹,黒い背を見せて放心したように浮かんでいる。一夏じゅう釣り人に追われた後で,ほっと一休みしているのだろう。
 車に戻って上着を脱ぐと,乾いた笹の葉の残骸に混じって,赤い小さな手のひらのようなモミジが一枚はらりと落ちた。秋の山の一日だった。
 

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