【庄部谷山・芦谷山】「哀れ、愛しき山毛欅林」 I Love Beech forest
- GPS
- 05:32
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 922m
- 下り
- 914m
コースタイム
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 5:33
天候 | 晴れ 強風 吹き荒れる |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
7〜8台は停められる |
コース状況/ 危険箇所等 |
○駐車地から林道を少し戻って黒谷の川を渡渉し、鉄塔巡視路(荒れている)を登り稜線へ。 ○稜線=黒谷右岸(西)尾根を辿って黒谷山〜庄部谷山へ。 ○庄部谷山からも尾根芯を辿る。芦谷山への分岐からは野坂岳へと続く縦走路につき踏み跡明瞭。 ○帰路の黒谷左岸(東)尾根は上部は杉の植林が中心の尾根道で道は分かりやすい。 ○下部は自然林の美しい緩斜面。林道と交差するが方向を見据えて適当に下ってゆく(GPS必携)。 ○最後は林道へ出て駐車地まで。 |
写真
感想
敦賀・野坂岳の南西、三方郡美浜町新庄の庄部谷山付近は美しい山毛欅の林が多く、素晴らしい山であると以前から聞いていた。
その山域において美浜新庄ウィンドファーム発電事業という名の風力発電施設の建設計画が持ち上っていると知ったのは今夏の初めごろだったか。
当時yamaneko0922さん達が歩かれたレコを拝見し、気にはなりつつも訪れることは無かった。
先日、yamanekoさんやnaojiroさん達が再訪された。そのレコで風力発電施設を建設する前段階の風力計(風況観測器)がすでに設置されており、それに伴い山毛欅の樹々が切り倒されている現状を目にした。
計画が順調に(?)進むと更に広範囲で山毛欅林は失われ、いずれ幾つもの風車が回る光景に変わってしまう可能性が高い。
そうなる前に、美しい山毛欅が生きている間に、やはり訪れて見ておこうと、本日出掛けてみた。
風力発電施設建設計画については、様々な考え方や色々な立場があろうと思う。
エコロジー、自然エネルギー、化石燃料、代替エネルギー、原発再稼働、環境破壊、環境保護、地球温暖化、森林伐採、人類、開発、豊かな生活、電力会社、既得権益・・・まだまだ他にいろいろなキーワードが思い浮かぶが、私には良く分からない。私的な意見は述べずにおこう。
ただ言えるのは、大好きな美しい山毛欅の林が伐採され失われてゆく光景は、想像するだけで哀し過ぎる。
計画地には切り倒された山毛欅の樹が散乱し、切り株は露わに曝されている。それはまさに大量虐殺で、切断された死屍が放置されたままの墓場そのものであった。
すでに建設済みの風力計は天に突き刺さるかのように聳え立ち、銀色に怪しげな光を放っている。まるで近代的な墓標か、得体の知れない宗教団体のシンボルタワーみたいだ。
この風力計により安定的な風力を得ることが実証されれば、風力発電の設備すなわち風車の建設計画がさらに進むことになるのであろう。
今日は朝から見事な快晴の青空に恵まれたのだが、皮肉なことに終始強い風に吹き付けられる山行であった。
風によるせいだけでは無いザワつきが、心の中から離れなかった。
今回、大いに参考にさせていただいた、yamaneko0922さんとnaojiroさん達の11/14.15のレコ↓↓(失礼ながら勝手に添付させて頂きました)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2733847.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2735797.html
ありがとうございました。
コメント
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ウリさん こんにちは。
積雪期に赤坂山へ寒風から歩いているとき、殆ど雪が積もっていない稜線があって風がきつい所なんだと思ったことがありました。日本海から強烈な風が吹くのかな〜 風力発電の条件にはいいんでしょうけど、ブナの大木を切り倒すのには抵抗がありますよね。
ののさん、こんばんは。
この山域はほんとうに山毛欅林が素晴らしいのです。ブナフェチには堪らない場所です。
このまま残って欲しいのですが、すでに計画は進んでいます。
常に風が吹く場所ということ以外に、既存の送電線路が近くをたくさん通っていますし、麓の新庄の街には大規模な変電所もあり、流用し易いのかもしれませんね。
寒風や大谷山ほど強風域だとは思わないのですけどね。それを今、あの高さ60mもある風力計で実地調査してるわけですね。
ウリさんに歩いてもらってブナも喜んでいます。風が強かったですが青空となりよかったです。私も野坂山から庄部谷山を眺めておりました。
黒谷東尾根の紅葉は終わっていたみたいですね。まだ残っているかと思い散策だけでも行こうかと思ったりもしていました。散るのが早くて一週間ほどで季節が変わってしまいます。
南越前ウィンドファーム計画では、江越国境の音波山の西ピークに風況観測機が設置されたのですが、同じG.P.I.社の事業でした。スキー場跡地から2km間をブルにより強引に作業道を造成して資材を運びました。尾根道はズタズタに寸断され、数多くのブナ林が切り倒され哀れと言う他ない状態でした。今回はその点ヘリで資材を運搬したのでまだマシですが。この後が心配です。
ここも風データ収集して二年後には風車建設が始まることでしょう。頓挫しないかと祈ることしかできません。地元の関係者は過疎化を食い止めるためにと、風車に向かう道に桜を植え観光地にすると考えてる人もいるようです。この件に関してはこの辺で止めときます。
できるだけ多くの人にこの尾根を歩いて欲しいと思っています。私も来春に再訪できたらと考えています。
naojiroさん、いつも有難うございます。
皆さんが行かれたので、ずっと気になっていた私も居ても立っても居られなくなり、訪れてきました。
断りもなくレコを貼り付けて申し訳ありませんでした。
それにしても山毛欅林が素晴らしいなぁと思いながら歩いていたのですが、830標高点に達したときは唖然としました。切り株や転がる山毛欅の幹が痛ましいですね。哀しい気持ちを写真の色で表現してみたのですが・・。
今のところあの場だけで済んでいますが、計画が進むと広範囲に伐採が繰り広げられるわけですね。
風力発電事業に関して個人的な意見は述べるほど勉強できてません。ただ、ここで無くてもいいのに、と思います。じゃあ何処ならいいのか?犠牲になるものが何なら構わないのか?
黒谷の東尾根の下部は素敵な場所でしたね!紅葉の盛りの時はさぞ美しかったことでしょう。新緑期も期待できそうですね。
春に行かれる際は是非ご一緒させてください。あの尾根も。
uriuriさん、こんばんは
庄部谷山・芦谷山行ってこられましたね。
先週、naojiroさんに連れられ行ってました。山毛欅がきれいなところで、気持ちよいところでした。
naojiroさんも書かれていますが、まだ、音波山に比べれば、伐採、山の荒れはマシのように思いました。また、あちらにも行ってみてください。
音波山のこと、滋賀北部は余呉の中河内のかたと話したことがあります。滋賀では草津の方に風力発電の風車があり、使い物にならず、撤去されました(くさつ夢風車)。撤去についても多大な費用が掛かったといいます。山奥の雪深いところに風車立てて、大丈夫なのかとか心配されていました。時流に乗ったいい計画のように見えるが、いい加減な会社がいい加減な計画で工事をしているともおっしゃってました。しかし、お金落としてくれると歓迎するひともいるとのことでした。
湖北水鳥センタのかたにも話を聞いたことがあります。琵琶湖の畔には、コハクチョウやオオヒシクイ、オオワシとか越冬してきます。滋賀北部には鳥越峠という地名がいくつかあり、渡り鳥の道になっています。また伊吹山の方にはイヌワシのつがいがいて、湖北の山を数十キロの範囲で縄張りにしています。そういうところに風車ができる。自然のこと、どこまで考えているのかとおっしゃってました。
難しい問題ですね。
yo_yonedaさん、こんにちは。
先日の山行のレコを大いに参考にさせていただきました。素晴らしい山、そして山毛欅林を堪能出来ました。有難うございました。
ご丁寧なコメント、音波山の件、そして様々な方々の色々なご意見を教えて下さり感謝です。更に深く考えさせられます。
ただ、これらの計画を歓迎される逆の立場の方々もいらっしゃるので何と申し上げていいか分かりません。
単純に美しい山毛欅林が、貴重な自然が、なるべく犠牲が少なくて済むように望むばかりです。
江越国境にも一度足を運んでみたく思います。
また色々教えてください。よろしくお願いいたします。
uriuri4211さんこんにちは
庄部谷山の現状をレコいただき有難うございます。
私もブナ林好きなので一度庄部谷山に行きたいと思っています。naojiroさんのレコも拝見しました。
私の場合、普段は単独行で、国土地理院の地図と磁石を頼りに歩いています(GPSなし)。庄部谷山に行くとしたら、芦谷山への往復は省略し、黒谷左岸は林道を忠実にたどって歩き林道横断はしないつもりです。
道迷いが心配なので質問します。
GPSなしでも踏み跡やテープを頼りにすれば行ける程度でしょうか。踏み跡の明確さやテープの頻度は如何でしょうか。
なお、私は山歩き経験20年で、高島トレイルの全てのブナ林と大日ブナ林は歩いています。高島トレイルでは一番道が不明瞭な地蔵峠→三国岳→桑原橋も大きな問題なく歩けました。でもnaojiroさんのレコにあるように庄部谷山で単独行は危険かなと思うのでお聞きするしだいです。
naojiroさんからもご意見をいただければ幸いです。
yaaboさん、はじめまして。
レコにご訪問くださりありがとうございます。
ご質問の件ですが、まずメッセージに記載されている多数の山のご経験からすれば此の山域も十分に安全に歩かれることが出来ると推測します。
私の歩いたルートと同様に黒谷の右岸から時計周りに庄部谷山を訪れ、ジャンクションピークから芦谷山へは行かずに黒谷左岸尾根を下られるご予定でしょうか。
まずスタート地から黒谷西(右岸)尾根への取り付きですが、私が歩いたルートは鉄塔巡視路です。急坂ですが分かりやすいと思います。naojiroさん達は谷のもう少し南側からp384へ尾根を激登されているようです。山友のyamaneko0922さんに依ると鉄塔巡視路で稜線へ上がる方が良いとのことでした。
黒谷山の尾根へ上がれば快適な稜線歩きです。主稜線を忠実に辿るのみだと思います。
庄部谷山の山頂からも引き続き南東への稜線を辿ります。道も快適です。
芦谷山へのルートとの分岐は広いジャンクションピークだったかと記憶しています。方角を間違われないよう下山路は南の尾根に入って下さい。
因みにこの分岐から芦谷山南尾根(野坂の主稜線)までの間が実は核心部でして、山毛欅林の美しさに魅了されると同時に風力発電計画地の無残な姿を目の当たりにする場所であります。(p830付近)
今回はこちらへは向かわれないとのことですが、機会あればまた足を運んでみて下さい。
話を戻し、JPから南進した先の標高点795mは南東の尾根へ入らないように気をつけて、南西の尾根を辿って下さい。あとは明瞭な尾根道です。
林道へは何処で出るかですが、私は標高点708からもそのまま明瞭な尾根を歩き674付近で林道へ出ました。
ここから緩斜面をショートカットすることはされず出発地まで林道歩きをされるということですので、全く問題ないと思われます。
山毛欅林の素晴らしい山域ですが、序盤の黒谷山付近のススキ原から眺める大御影山や三国〜赤坂〜寒風〜大谷山の眺望も抜群です。
拙い回答ですが参考になりましたら幸いです。どうぞお気をつけて。
yaaboさん、初めまして
相当に山馴れた方とお見受けいたします。失礼が合ったらご容赦ください。
庄部谷山を右周りで周回されるのですね。
取り付きはuriuriさんが利用された巡視路がよいと思います。
庄部谷山頂まではマーキングがありますが尾根が広く、何処でも歩けるので踏み跡が薄いです。高みを目指せば間違えることはないでしょう。
山頂から南西尾根もマーキングがあり、踏み跡もあります。但し大きな倒木が二ヶ所ほどあります。迂回する時に支尾根に引き込まれ易いので注意してください。
※以下は時間があれば参考にしてください。
芦谷山分岐からは野坂岳南尾根の接続ピークP806の間に風力観測機が設置されている関係上、業者が出入りするためのピンクテープがあるので迷うことはないと思います。灌木帯を過ぎるとブナの巨樹に出逢えます。更に芦谷山までブナの回廊が続きます。
黒谷左岸尾根はしっかりとしたマーキングが頻繁にあるので迷うことはないと思います。林道に下降するポイントにもピンクテープがあります。間違って直進しても次の鉄塔出合いで林道に下降する道があります。
※林道をショートカットするポイントにもピンクテープがあります。疎林の尾根は地形図に現れない起伏があって広く、迷いやすいですが概ねテープがあります。参考まで
新緑の季節でイワウチワやイワカガミも楽しめると思います。どうぞよい山行をなさってください。
ウリウリさん
yaaboです。
早速にご回答いただき有難うございます。
とても参考になります。私でも行けそうな気がします。ブナ林が伐採され尽くす前に行きたいです。ウリウリさんがブナ林の核心部と仰る芦谷山へのジャンクションピークから芦谷山南尾根は省略しますが、その他のブナ林が見れれば満足です。
話は変わりますが、ブナの巨木がこれでもかと見れるコースを紹介します。
下記URLをクリック。矢問さんの山と森のブログです。2006年の記録で古いですが、私はこれを参考にして昨年行ってきました。
http://www.komachans.com/hp1/yama4/oomikage.htm
登山口は福井県美浜町新庄の大御影山白谷登山口です。踏み跡は無くたまにテープがある程度ですが、登りに使うなら迷わず歩けます。登りの最後は大御影山頂上の電波反射板が目標になります。美浜トレイルの一部です。下記URL参照。
http://www.wakasamihama.jp/yama/pdf/yama_map.pdf
naojiroさん
yaaboです。
早速に有益なアドバイスを頂き感謝しております。
迷い易い地点とその対処方法が説明されていてとても参考になりました。
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