伊能忠敬の道+日影沢林道の3本巨杉【裏高尾バリエーションルート】
- GPS
- 04:28
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 538m
- 下り
- 486m
コースタイム
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 4:28
そこからは登山道を横切り、尾根を一つ巻いて日影沢林道に達する踏み跡を辿った。雨上がりで滑りやすく、倒木が折り重なるように道をふさいでいて歩き難かったが何とか林道へ出ることができた。林道は草におおわれ、その中央に細い踏み跡がはっきりと残っているので、通る人がいることは明らかだ。
林道をかなり進んだところに3本の巨杉がある。これは見るたびに圧倒される。何かいわれがありそうだが、手掛かりはない。
昭和17年ごろの「ハイキング地図」(武相観光社蔵版)によれば3本巨杉付近を通って薬王院方面へ向かう道が記されているが、ここを通ったかどうかは無論定かではない。約80年昔の痕跡は、ちょっと見ただけではもはやわからなくなっている。ただ、この場所には、近付くと気持ちが改まるような不思議な雰囲気が残っている。はじめてこの巨杉に気づいてから、訪ねるごとに謎は深まる一方である。
巨樹を後に、さらに林道を歩き、通行止めの柵の外に出た。そこはいろはの森の登山路。さらに進むと林道は豪雨に流された無残な残骸をさらしている。車は全く通れない。復旧されそうな気配はない。
キャンプ場を経て日影BSからバスに乗った。
充実の山行だった。(ken13記)
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* 「小仏関から高尾山登山道を探して」
http://www.emap802.net/sansaku/20130907.html
伊能図
http://www.emap802.net/sansaku/7th_photo/ino_zu.png
伊能図の高尾山への登山道を地理院地図に重ねた図
http://www.emap802.net/sansaku/7th_photo/ino_zu_orig.png
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:日影バス停→(バス)→高尾駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
概ねバリエーションルートであり,かつ,立入禁止(自粛要請)のルートにつき,自己責任で通行するべき。 |
その他周辺情報 | 高尾駅南口に「たまの里」という居酒屋がある。本日時点で,午後8時までの営業。 |
写真
装備
個人装備 |
通常の軽登山装備
ヤマレコMAP
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共同装備 |
6/4mmx20mザイル各1本
エイト環
カラビナ
スリング(いずれも不使用)
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感想
3人パーティーの山行。通常はそれぞれが単独行のことが多いので、談笑があると緊張感がほぐれ、なごやかな登行を楽しめた。もちろんパーティー山行でも緊張感はあるが、ゆとりが生まれていることに皆気づいており、そんな話題がひとしきり続いた。
3人の内2人はヤマレコつながりではじめてパーティーを組んだ。ただ、知り合って何度か山行を計画しても直前に都合がつかなくなったり、コロナで自粛期間が続いたりしてずっと実現しなかったが、3年越しでようやく叶った。共通点はバリ趣向。今回のコースはなかなか変化に富み充実し、下山後の居酒屋では大いに盛り上がった。年齢差30歳以上ある老骨と付き合ってくれたことに謝意を表したい。
伊能図のルートと現在の踏み跡とは、参照資料によれば厳密には一致しないようだが、おおむね沿っており、尾根の急傾斜から考えると、このルートが薬王院の参道の一つとしては、当時はジグザグの歩行路だったのではないかと推察された。
今回歩いた林道についてはすべて危険につき立ち入り禁止の区域。ためらいはあったが、自分たちで責任のとれる範囲でという心づもりで立ち入った。万が一にも事故を起こしてはならない。
林道の中ほどの3本巨杉は圧巻であった。まだこんなに太くなかったその昔に静かに思いを馳せた。京王高尾駅のコンコースには古い杉の輪切りと年輪の時代の展示があるが、それにも引けを取らない太さなので、植えられたのは江戸時代の中期以前にさかのぼる可能性を感じさせた。詳しく調べてみたいが、立ち入り禁止区域に存在するので公然と調べるのがはばかられる。さてどう手をつければよいものか。
充実の山行に重ね重ね感謝。
今回は、ヤマレコで知り合った方と私の友人の3名で初の登山に行ってきた。
新宿から高尾山口までノンストップ(運転停車はする。)の臨時列車に乗り、高尾山口駅で合流し、その後、登山口まで歩く。登山口までの梅林は、中々楽しい道のりであった。普段は、バスで車道を進むだけであったが、そこに並走する梅林は、落ち着ける。登山口からは、バリエーションルートでもあり、急登で、息が切れる。同時に腰の痛みもあり、同伴者に気を使わせてしまった。しかし、登り道は、あっという間である。
急登を登りきると、林道に出て、そこから林道歩きをしていく。こういう林道歩きは、雑談をするのにちょうど良い。様々な話をした。ただし、林道はやや荒れている。人はほとんど歩いていないようだ。そして、林道沿いに、今回お目当ての3本の巨大な杉の木があった。杉の木の幹の太さは何メートルだろうか。京王高尾駅構内に幹の標本があるが、それよりも大きい感じがした。また、そこは、テント泊がしたくなるような広々とした草原であり、何か神秘的な感もあった。後日調べると、ここは、昔、伐採木のストックヤードとして利用されていたようであり、車も入っていたようである。散策路としても利用されていたのか、ベンチの残骸もあった。
そして、この3本杉の辺りで伊能忠敬の古道を探したが、それらしきものは見つからなかった。ただ、古地図には、その3本杉の辺りから上方に道らしきものが付いているのである。存否については、今後の検討課題である。
下山は、日影バス停。バスで高尾駅に向かい、南口の居酒屋(たまの里)で一杯やって帰路に就いた。
コメント
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高尾山に伊能忠敬の踏跡があったとは驚きです。歴史的な財産でもあるので、公的に調査し「伊能忠敬の径」などを整えていただけると、また一つ高尾山の魅力が深まるのではと思います。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
旧甲州街道沿いということもあり高尾山への登山道があったようですが,私も驚きでした。
今回,3本杉の謎を解明するべく,林道を管轄する東京神奈川森林管理署(旧東京営林署)に問い合わせたのですが,歴史的側面には関心がないようでした。公的な調査をどこにお願いするか,今後の検討課題となります。
コメントありがとうございます。
3本巨杉には何かいわれがありそうなので、高尾山x古道など検索していたところ、伊能さんの測量地図があるということがヒットし、目的外の結果にびっくりして一時はそちらに気を取られました。先に示しましたURLのほかにも、
https://variationcycling.wordpress.com/2018/12/27/topographicmap/
とその記事内のURLに詳しい調査記述があり、公的な調査ではありませんがなかなか読みごたえのある立派な論考です。
その一部を紹介すると、伊能の測量は高低差の小さいところは現在の地図に驚くほどよく一致するが、傾斜の急な部分は正確でなく、結論的には伊能の測量図にある登山部分(傾斜部)が現地のどこに対応するかは不明とのことです。わたしも本レコの1週間後に周辺を歩きましたが、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3682655.html
現在ある登山路(痕跡程度)は伊能図とは異なります。
公的に調べれば色々出てくるでしょうけど、そうでなくても人でごった返す高尾山ですから、伊能隊が測量したといわれる道がひっそりと埋もれているのを発掘して人がわんさか押し寄せることにならないよう、そっとしておくのがよいのではないかとわたしは思っています。もちろん、文献・資料(伊能図と現在の地図の重ね合わせ等)はビジターセンターに展示するとよいですが。
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