伊能忠敬の道【裏高尾非一般道】追加情報:周辺の尾根


- GPS
- 05:55
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 423m
- 下り
- 426m
コースタイム
- 山行
- 5:07
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 5:56
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3655558.html
では、伊能忠敬が測量したかもしれない高尾天満宮から1号路までの尾根道(略してカッコつきで「伊能道」とよぶことにする)の一部、蛇滝林道までを歩いた。そのときの印象から、それが本当に伊能忠敬の測量した道なのかという疑問がわいた。先週の記録で参照したURLの考察やその他の検索結果などから他の可能性は浮上しないが、自分の足でその両隣の尾根を歩いて比較してみたくなった。今回は急に思い立ったのと自身のこだわりから始まった計画なので単独行となった。こだわった山行記録になることをお許しいただきたい。
まず、「伊能道」の東側の尾根を金毘羅台の東から高尾天満宮方面に向けて下降した。ここは昔の登山道の可能性を感じさせる痕跡が「伊能道」より強く残っているように感じたがやはり傾斜は急な部分が多く、参道として多くの人が使うには大変だったであろうという印象をもった。この点は「伊能道」と同様である。使い込まれた登山道とは20号線から金毘羅台への登路のようなえぐれた部分があるのが特徴だが、それは見られなかった。
東尾根を下ったところから高尾天満宮を通り、その裏で沢を渡り「伊能道」の西側の尾根に取りついた。沢を渡るとき、対岸には誘うようにリボンがあったのに、その先に尾根を直登する道は見つからないので、構わず尾根筋を直登した。ほどなく、左からも右からもえぐれた登山道が尾根に合流してきた。尾根への取り付き点は2つもあったのだ。この西尾根は、比較している3本の尾根の内で登山道としての痕跡は最も濃く残っていた。
西側の尾根と蛇滝林道の交点では、尾根の続きは高い崖で阻まれ、ちょっと見では取り付き点は見つからなかった。そこで、林道を歩いて「伊能道」の尾根の上部へ取り付いた。最初から傾斜は急で、尾根筋と思われる部分にも踏み跡らしきものは時折見かける程度。この「伊能道」の上半分は3本の尾根の内で最も歩き難く、歩行痕跡に乏しかった。
「伊能道」を登りつめ、1号路に出るとものすごい人で混雑。ついさっきまで、数十メートル北の無人の尾根で黙々と斜面をよじ登っていたことが嘘のよう。
喧騒の舗装路から早々に避難するように、さきほど登った西尾根の、林道から上の部分の下降を開始した。下降開始点にはリボンが下がっていた。少し降りたあたりで落ち葉に埋もれたトラバース路と交叉し、動物のモニターカメラが置かれていた。ここまでは尾根筋に旧道らしき痕跡は見当たらなかった。
そこから林道のどこを目がけて下るか迷った。先ほど、西側尾根の蛇滝林道から上への取り付き点が急崖で見つからなかったので、急崖へ降りるのは避けようと思い、蛇滝に近い西方寄りにルートを取ることにした。したがって、西尾根の延長からはそれ、旧道の痕跡の確認はできなくなった。
下降方向に見つけた作業標識に沿って下った。標識は蛇滝林道まで続いていた。次第に傾斜がきつくなり、足場が悪くなったので、最後は安全のためザイルを使って下降した。20m×4ピッチほどで林道へ出た。法面には取り付きの明瞭な踏み跡があった。
結局、3つの尾根を比べる限り、登山道の痕跡は西側尾根が最も濃く、先週歩いた部分も含め「伊能道」は最も薄い結果となった。天満宮からの尾根に測量可能な登山路は果たしてあったのだろうか。あの尾根を本当に測量したのだろうか。あの急斜面を正しく測量できたのだろうか。
現在の地図に伊能図を重ねる試みはいくつかのサイトで行われているが、いずれも高尾天満宮の尾根(花見尾根と呼ばれることがある)ということになっている。しかし、それが高尾山北面のメジャーな登山道だったかどうかはわからない。他に登山道はなかったのか。今回はその辺りの疑問から踏査を思い立ったが、現地を見る限り、登山道の名残が色濃く残っていたのは「伊能道」の西側の尾根だった。傾斜が比較的緩く風化しにくかったため、たまたま痕跡が残りやすかっただけなのかもしれないが、今も往時をしのんで歩くことができるよい道だと感じた。ただし、1号路までの行程の一部の踏査を割愛したので、その部分は今後自分の足で確かめてみたい。
今回の踏査では、思いがけず、金毘羅台への「ちか道」がすばらしい登路であることを知った。途中には道沿いに何か所も平坦な場所があり、昔は茶店があったのではないかと想像を掻き立てられた。傾斜も緩やかで、歩きやすく、人にはほとんど会わず、気づいたらもう金毘羅台かと驚くほどあっという間の楽しいリラックスした登行だった。金毘羅台はさすがに人が多く別世界だった。
荷物:6.5kg、歩数:16000
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
高尾山口駅 ー(高尾山号2号 15時15分発)→ 京王新宿駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
一般道以外は踏み跡・リボンのないところが多い。 |
その他周辺情報 | 高尾山口駅と南浅川の中間あたりにコンビニが2軒ある。 |
写真
装備
個人装備 |
25Lザック
カッパ上
綿パン
コンプシャツ・タイツ
パイルソックス
ミッドカットシューズ
ゴム引き手袋
カメラ
スマホ+ヤマレコMAP
補助バッテリー
カップ麺
パン
湯
水
ガスライター
メット
スリング
カラビナ
エイト環
6mmおよび4mmザイル(各20m)
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感想
本当の伊能道はどこなのか? 高尾山を目指す道は他になかったのか。今回はこの謎を解こうと歩いたが、先週歩いた「伊能道」のかぎカッコは外せなかった。「伊能道」を本当に歩いて測量したのか、むしろ疑問は深まった。とくに蛇滝林道から上は歩き難い。あの一帯はどこを取っても急傾斜なので、登山路があっても使用頻度はおそらく高くはなく、そのため風化しやすく、すでに痕跡が消えてしまった可能性が高い。それにしても、参道にしては傾斜があまりにもきつい。その昔、高尾山の表側であった甲州道中から、いくら近道になるとはいえ、こんなところに道をつけたくはならない。
「伊能道」以外の登山道の痕跡を探してみたが、結局のところ、道らしき道は「伊能道」の西側の尾根にしか見られなかった。また急傾斜での測量は技術的に相当な困難を伴ったはずで、信頼度はそう高くなかったのではないかと思われ、彼が測量した結果の信ぴょう性にも疑問が残る。疑問が疑問を生み、謎は一向に晴れない。
金毘羅台へのちか道の発見(?)は今回の拾いものだった。ケーブルカーなどなかった時代には、多くに人が行き来するメインストリートだったはずだが、いまとなっては使う人が減り、今回出会った人は下りの3人だけだった。ひとりでものを想いながら歩くにはいい道だと思った。ただ、残念ながらよかったのは金毘羅台までである。
先週の記録の山行は3人であり、その安心感について記録にも書いたが、今回は一人。一人で歩きながらパーティーと単独のちがいを考えた。「なぜ一人で行くのか」は「なぜ山に登るのか」と似たような問いかけだ。答えのかけらがちらほら見えるが、まだ煮詰まらないので、書くのは先にのばそう。
今回の山行には、欲張ってもう一つ目的があった。それは前回訪ねた日影沢林道の3本巨杉の胴回りを測ること。樹齢を知るにはそのデータが必須だ。当然、前回測るべきだったのに思いつかなかった。今回は残念ながらそこへ行くには時間が足りなかった。またの機会の宿題だ。
充実した山行だった。杉の胴回り測定を逃した以外はほぼ目的を達成した。道なき道には難渋したものの、予定コースは予想より短時間で踏破できた。おかげで、梅郷遊歩道を全区間ゆっくり楽しみながら帰路に就いた。その後、甲州街道沿いは避け、裏道を散策した。小高いところを経由するルートからは南高尾山陵を眺めることができた。予約電車の発車の30分も前に駅につき、余裕だった。こんなことはめったにない。
コロナ禍では高尾山号はありがたい存在だ。このことはdenderoさんから頂いたコメントの返信に書いた。これで高尾山近辺への山行頻度は増えそうだ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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金毘羅さんから先、人混みに入るのでほかに道を探したことがありました。
コメントありがとうございます。
高尾山号ご覧になったのですか。一丁平へ行かれた帰りですね。紅葉の写真がきれいですね。
京王ライナー高尾山号は優れものです。コロナ禍で密を避けるには最適です。途中の乗降は限られており、座席が1方向に向いているのがいいです。いまは下火になっているので必要はないかもしれませんが、私にはリスクがあるので助かります。指定券が410円なのも魅力です。1人ではコスパの悪い自家用車を使わなくて済むので事故の心配もなく、これから重宝しそうです。
金毘羅さんまでの「ちか道」は素晴らしかっただけに、その先の混雑にはわたしも辟易しました。すぐ少し戻って、無人の尾根に入りました。バリルートはリスクはありますが、無理をしないよう慎重に行動します。すきなときに寝っ転がったり食べたり飲んだり、気が休まります。イノシシも昼間は出会わないと思うので、まずは安心だと思っています。自然を損なわないよう細心の注意を払っているつもりです。贅沢です。
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