宝鉱山跡から角研山・笹一新酒フェアへ
- GPS
- 05:30
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 878m
- 下り
- 977m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
帰路は笹子駅まで徒歩 |
コース状況/ 危険箇所等 |
宝鉱山跡手前からの登山道入り口は、道路標識に手書きで登山道・鉄塔と記されているだけで、見落とさないように。このルートは東電巡視路と思われるが、沢付近のルートは台風などの影響か、かなり荒れており、ロープが張ってあるものの、足元が崩壊して、足場がほとんどない場所もあり、悪場慣れしていない人は避けた方がよさそう。ルートは赤テープや「登山道」という表示が所々にあって、見落とさなければ迷うことはないだろう。歩く人が少ないこと、台風などで荒れていることを考慮して、慎重に行動することが必要と思う。 また角研山から一旦、鶴ヶ鳥屋山方面に下ってからヤグラ跡に出るが、ヤグラ跡の少し先から笹子に下る道は最後の船橋沢に出てから渡渉を5−6回繰り返すので、大雨の後などは避けた方がよさそう。今回も水量はやや多かったが、大きな問題はなかった。ただ今回以上に水量が多いと、渡渉に難儀するケースも考えられる。 笹一新酒フェアはおいしいお酒を飲んでみな幸せそうな顔をしていた。 |
写真
感想
恒例の笹一新酒フェアのはがきが届いたので、今年は懸案だった宝鉱山から本社ヶ丸稜線に出て笹一に下る予定を立てた。ただし宝鉱山方面からは初めてで、道もよくない可能性もあり、そこがやや心配。事前にいろいろ調べてみたが、松浦本は古いし新しい記録も多くはない。しかも宝鉱山には寄らずにバス停の少し先のけいごや橋から直接からかさ岩に出るコースを歩く人が多い。あとは稜線から間違えて宝鉱山方面に下った人、それもからかさ岩分岐からと、鉄塔からのハイキングコース、角研山付近からとヤグラからのバリルートなど、様々だが、詳しい記録ではない。帰ってから、ba sobuさんの「青空に雲が光る」というHPに2008年の記録があり、宝鉱山の藪の踏み跡から、鉱山露頭を経て、ヤグラの道を稜線まで歩いた記録があり、なんとかヤグラの尾根に出られそうなので、次回チャレンジしてみたい。
さて、都留市駅に7時過ぎに到着しバスは9時しかないので、タクシーで宝鉱山バス停まで行く。今日は宝鉱山跡を探索して、からかさ岩方面の道につなぐ予定。まずバス停から鉱山跡に向かう。タクシーの運転手に鉱山のことを尋ねるが、行ったことがないという。稜線に向かうハイカーは皆、からかさ岩経由で登るので、けいごや橋から直接入るという。バス停で下車し、向かい側にふれあいの里に向かう径があるので、案内板を見て進む。すると、意外や意外、ふれあいの里はよく整備がされており、立派な施設群になっている。
落ち葉と紅葉とアジサイの赤い咲残り(ガクか苞か?)のきれいな風景の中を進むと、ネーチャーセンターと管理棟のある場所に出る。まだ朝早いので両方ともしまっている。中を覗いてみるがよくわからない。さらに進むと宿泊棟やバーベキュー設備、調理場、休憩場などが続き、コッテージを覗いてみると畳もあり、結構豪華なつくりで泊まってみたくなる。
御座石のすぐ隣には鉱山共同浴場跡があり、最後のコッテージを抜けると、敷地のはずれになり、すぐ上の林道に出る。そこには本社川と本社川橋がある。この林道は黒野田林道で、けいごや橋付近の都留市大幡から鶴ヶ鳥屋山の先の稜線を越えて、笹子町奥野まで続いている。奥野からはさらに甲州街道沿いの黒野田まで道が続いている。この林道を後にして、本社川橋から鉱山に向かう簡易舗装の道に入る。
鉱滓ダムのような堰堤が何度も出てくる。この辺りはすでに標高800m近い。森のサテライト道という看板があり、まだふれあいの里の施設が続いている。トイレと東屋を通過してしばらく進むと、ここの目玉施設?なのか、ムササビタワーと野鳥観察小屋がある。今は日が短いので、早めの時間帯でムササビ観察ができるに違いないが、果たしてそんなにムササビは出てくるのだろうか?ホームページを見るとふれあいの里では都留文科大学の学生なども利用したり、子供向けのキャンプなどを行っているらしいが、このムササビタワーはどの程度使われているのだろうか?説明版をよく見ると、ムササビが巣を作るようなウロのある大木がないので、大木をイメージしてムササビの繁殖を助ける意図でタワーが作られたそうだ−−利用されていればよいが――。人が中に入っていると落ち着かないだろーなー−??
誰もいない施設を後にして、鉱山を目指す。水路やパイプが目につくが、下流に鉱山の中和施設があり、酸性の強い鉱毒水を中和しているようだがいまだに鉱毒は流れ続けているそうだ。途中、硫化鉄鉱が露出しているらしい岩があり、掘られた跡がある。標高900m付近で、鉱山跡と登山道(鉄塔)分岐がある。カーブミラーに道標が取り付けられている。まずは道なりに鉱山跡を目指す。大きな水路を通過し、ゲートを越えていくと大きな丸い鉄のタンクのようなものがあり、中には鉱石か何かが詰まっている。操業停止から30年くらいたっているので、タンクは錆びて中が少し露出しているが詳しくはわからない。
道のどん詰まりには閉鎖された坑道入口と鉱滓ダム、階段があり、階段を上って先に進む。坑道入口から中を覗くと赤茶けた水とパイプなどが見える。階段の先には藪になった小尾根があり、両側に水路がある。右に水路を登っていくと小尾根に再び坑道入口がある。さてこの先どうするか、−−余裕があれば藪を少し歩いて鉱山の露頭を探すなり、さらにヤグラのある尾根まで登ることも考えられるが、今日は準備不足で、笹一新酒フェアに行くのがもう一つの目的なので、うっかり道に迷ったり、進退窮まったりしかねないので、今回は偵察ということで、ここで引き返すことにした。天気も日差しがなく、いつ雨が降り出すかわからないし、ガスで見通しも悪すぎる。
分岐まで戻り、「登山道」の表示のある道を進む。途中までは簡易舗装のようだったが、「登山道」の道標につられて、山道に入ったのが間違いのもとで、途中、坑道入口もあり、進んでいくと植林地帯に出て、本社川を渡る道を探したが時すでに遅し。山道に入ってはいけなかったらしい。少し戻って様子を見るが、最初の入口まで戻らないとからかさ岩方面の鉄塔に向かうことはできない。今日は早めの時間帯に笹一に出たいので、今回はからかさ岩コースをあきらめて、このまま鉄塔コースを進むことにした。
本社川に沿って植林帯の端を登っていく。最初は悪い道ではなかったが、古ぼけて危うそうな橋を渡り、斜面が急になるとロープが現れ、崩壊地が出てくる。急に悪路になった。標高1100m位か?先月の連続台風で荒れたのだろうか?以前から荒れ気味だったらしいが――。足場が崩れ落ちて怖い個所もある。何とか踏ん張って、ロープをつかみながら谷に落ちないようにロープ沿いに進む。悪場慣れしていないハイカーや下りだとさらに怖そうーー。最初のロープの登りが終わると、鉄塔223号の標識があった。何回か悪い個所があったが、何とか切り抜けて沢を離れると少しづつ道はよくなる。道がよくなっても、巡視路の階段は土砂で埋まっており、滑りやすいので注意が必要。紅葉がよかったのは標高1000m位までで、稜線に近づくと紅葉は終わりになっているようだ。歩き難い荒れた道を登ると、少し傾斜が緩み、標識から20分くらいで最初の鉄塔に出る。道が穏やかになる。穏やかな登りを20分くらい進むと、さらに道は下り気味に等高線に沿ったトラバース道となり、どうやら鉄塔の尾根に向かっている。11時10分、林道の分岐から2時間40分くらいで稜線に飛び出した。本来のからかさ岩経由での稜線到着時間より15分くらい遅れた。鉱山探索で予定より一時間も遅れて、分岐を出発したので、悪くない時間だろう。本来なら本社ヶ丸か鶴ヶ鳥屋山を往復するところだが、今回は膝痛も完治していないかもしれず、笹一に直行することにした。稜線は日差しどころか、霧で何も見えず、寒い風が吹いてきて、長居できない。鶴ヶ鳥屋山方面に進み、目の前の小ピークで風をよけて休憩、昼食のコンビニ200円弁当(ちらし寿司)を食べる。休憩中にも多くのハイカーが両方から行き違った。鶴ヶ鳥屋山方面に急ぎ足で進むハイカーを追いかけてこちらも出発。アップダウンを繰り返して休憩地から13分くらいで角研山に出ると、先のハイカー氏が休憩中。話をするとここから鶴ヶ鳥屋山に向かい、笹一フェアに合流するという。角研山ピーク手前、道標の少し手前に南側に下る痩せ尾根があり、わずかに踏み跡があったので、この尾根もおそらく宝鉱山付近に下るバリルートかもしれない。ハイカー氏と別れて笹子方面に向かうが、ここで失敗。ヤグラを経由するのでここでは笹子駅方面でなく、鶴ヶ鳥屋山方面に向かわねばならない。笹子方面に少し下り、あれ、ヤグラ方面にはいかないのではと思いGPSで確認するとコースから離れつつあり、笹子駅から回ることもできるが引き返すことにした。
角研山に戻ると、まだハイカー氏は残っていて、間違えたーーというとそちらからも回れますよと言われたが、知っています――と答えてお先に鶴ヶ鳥屋山方面に向かって下る。10分くらい、細かなアップダウンを進むと、南側から谷を乗越すような広い場所に出る。これは鉱山と関係のある場所なのかどうか??向こうからやってくるカップルにヤグラを見かけたか尋ねると、このすぐ先だという。「笹子」「登山道」の道標があり、5分もかからずにヤグラに出た。ヤグラから鉱山方面に下る道は見当たらないが、振り返ると南西側に斜めに進む踏み跡があり、これかもしれないと思うが、この先余裕があれば探索したいところだが、今日は笹一新酒フェアに急ぐことにする。鶴ヶ鳥屋山方面を見ると直進する登りと、南側に巻道のようなものがあるが、これはおそらく巻道のようだ。ヤグラ付近でひとしきり撮影したり、ヤグラコースを確認したりして、11時10分、笹子方面に下り始める。
稜線の紅葉は終わりだが、下り始めると下の方は少しづつきれいになっていく。20分くらい下ると下の方に林道が見えてきた。林道に出ると、黒野田林道の本社ヶ丸側から高齢ハイカーが歩いてくる。声をかけるとこの辺りをよく歩いている人で、今日はこれから笹一フェアに向かうという。先に下りに入ると、この先は何回も渡渉があり、水量が多いかもしれないと言われたが、昨年歩いているので大丈夫と答えた。
黒野田林道あたりが標高1100m位でそこから少し下あたりが紅葉のピークか?多分、1100mから800m位かな?
紅葉を撮影しながら20分くらい下ると、船橋沢に出た。ここから渡渉が始まった。昨年の新酒フェアの時は、たしか三つ峠から清八峠を越えて、長丁場の歩きで笹子に出たので、急いで下ったために、渡渉の記憶がない。昨年はおそらく水量も少なかったので印象が薄かったのかもしれないが、今回は結構水量があり、大小の沢を含め6回くらい渡渉、そのうち、2つくらいは沢の中で足を取られないように慎重に濡れた石を石の間を飛び越して渡った。こんなに渡渉の多い下降路だったのかと改めてびっくりした。15分くらい渡渉を繰り返して沢伝いに下り、最後の渡渉を終えて林道に出た。林道終点から3〜4分で右手に何やら廃屋がある。その付近に林業の集材作業に使うワイヤーとヤグラがあり、裏手に回ると土場と駐車場のような空間があり、かつての林業小屋と確信できた。すると上から先のハイカー氏が下ってきて、撮影中に追い越された。きわめて足が早い。渡渉に関して少し話をして後を追う。10分くらい下ると、最後のコーナーがあり、そこに道標と小さな物置のような場所と東屋のようなものがある。ハイカー氏がコーナーで道を探している。「そんなところに近道があるのですか?」と声をかけると、何回も来ているのに、忘れてしまったと笑い、少し戻って道標のあたりにヘアピンで下るダートの径があった。こんなところに近道があったのかと感心し、後を追う。結局、笹一前の、滝子山方面から下ると、手前の橋の途中に出た。お墓も手前にあり、私道のようなところだ。ハイカー氏の姿はすでに新酒フェアの中に消えていた。
12時40分過ぎ笹一に到着し、届いたはがきを渡して、受付を済ます。はがき持参者用のくじ引き券を受け取り、500円を払って、グラスを受け取る。これで搾りたて生原酒や濁りワインなど出来立てのお酒とワイン飲み放題だ。少し飲んでからステージを抜けて、後ろの出店を見る。広島風お好み焼き、ソーセージ、焼きそば、鳥もつ、鳥皮などとともに、マメブ汁があり、あまちゃんの影響はここまでおよんでいる。1時過ぎ、酒造の売り場に入り、購入するお酒を選んで、搾りたて生原酒と純米各種を注文しているうちに、ハガキくじが終了してしまった。しかし購入分の別のくじ券をもらい、ガラガラくじを八回回し、白玉のはずれ6本(焼酎小瓶)と黄色玉一本(お酒小瓶)を受け取る−−ムム、一本足りない??ーー
販売所を出て、搾りたてを再度飲み直し、電車の時間を見ると10分後に高尾行きがある。今日はもう充分楽しんだので急いで会場を出る。振り返るとバス旅行やハイカーグループなどなど、様々な人々が幸せそうにほろ酔いを楽しんでいるーー。少し後ろ髪引かれながら、家路へと急いだ。帰りに電車の前の席の上に蜘蛛の巣が張っていて、これは吉兆か??写真にとっておいた。
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