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Yamareco

記録ID: 487140
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

復活!八嶽大神権現講参詣登山 乙事〜権現岳

2014年07月30日(水) 〜 2014年07月31日(木)
情報量の目安: S
都道府県 山梨県 長野県
 - 拍手
ALFAROMEO その他1人
GPS
32:00
距離
25.4km
登り
1,867m
下り
1,860m

コースタイム

1日目
山行
5:40
休憩
14:50
合計
20:30
4:30
10
権現講講舎(乙事諏訪神社)
4:40
10
権現講
4:50
5:00
30
富士見高原登山口
5:30
100
不動清水
7:10
60
大ナギ横通入り口
8:10
8:20
10
絵図小屋の水場
8:30
9:00
30
青年小屋
9:30
9:40
40
ノロシバ
10:20
11:00
20
権現小屋
11:20
17:50
0
胎内くぐり
11:40
13:20
10
権現岳頂上
13:30
17:50
10
権現小屋
18:00
18:40
10
奥擬宝珠頂上
18:50
権現小屋
2日目
山行
3:50
休憩
2:10
合計
6:00
4:30
10
権現小屋
4:40
5:20
10
権現岳頂上
5:30
6:20
40
権現小屋
7:00
7:10
0
青年小屋
7:10
7:20
60
絵図小屋の水場
8:20
60
西岳登山道
9:20
9:30
30
不動清水
10:00
10:10
10
富士見高原登山口
10:20
10
権現講講地
10:30
権現講講舎
過去天気図(気象庁) 2014年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
中央道小淵沢IC〜乙事諏訪神社〜富士見高原P
コース状況/
危険箇所等
VR大ナギ横通(廃道):ナギ滑落危険
その他周辺情報 ルート:手書きで適当、特に大ナギ横通
乙事諏訪神社〜富士見高原登山口は車移動
乙事の郷土史研究家、佐久吉文氏の著作『乙事の信心 山岳信仰』
乙事の郷土史研究家、佐久吉文氏の著作『乙事の信心 山岳信仰』
佐久吉文氏 ご自宅ギャラリーにて(H26.7.24)
2014年07月24日 14:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
7/24 14:37
佐久吉文氏 ご自宅ギャラリーにて(H26.7.24)
権現講講舎(乙事諏訪神社境内)
参詣登山の安全祈願
2014年07月30日 04:27撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 4:27
権現講講舎(乙事諏訪神社境内)
参詣登山の安全祈願
権現講地の「八嶽大神」碑
昔はここが参詣登山の出発点だった
2014年07月30日 04:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 4:37
権現講地の「八嶽大神」碑
昔はここが参詣登山の出発点だった
不動清水
2014年07月30日 05:34撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 5:34
不動清水
3本目、最後の林道横断
2014年07月30日 06:26撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 6:26
3本目、最後の林道横断
2014年07月30日 07:08撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 7:08
大ナギより南ア
2014年07月30日 07:23撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 7:23
大ナギより南ア
廃道を行く
2014年07月30日 07:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 7:45
廃道を行く
朝の廃道
2014年07月30日 07:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 7:48
朝の廃道
絵図小屋跡
2014年07月30日 08:06撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 8:06
絵図小屋跡
絵図小屋の水場。乙事では昔からそう呼ばれていたという。(「乙女の水」は青年小屋初代小屋番、宮澤源治氏らが後から付けた名称)
2014年07月30日 08:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
7/30 8:12
絵図小屋の水場。乙事では昔からそう呼ばれていたという。(「乙女の水」は青年小屋初代小屋番、宮澤源治氏らが後から付けた名称)
水場にある卯在福萬の石碑
卯在福萬は乙事の久保川幹夫氏の先祖で、江戸時代の権現講者(修験道者)
2014年07月30日 08:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 8:12
水場にある卯在福萬の石碑
卯在福萬は乙事の久保川幹夫氏の先祖で、江戸時代の権現講者(修験道者)
青年小屋より富士
2014年07月30日 08:33撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/30 8:33
青年小屋より富士
珈琲カップと編笠
2014年07月30日 08:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 8:45
珈琲カップと編笠
編笠と青年小屋
2014年07月30日 09:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:09
編笠と青年小屋
ノロシバより旧参道中継地点の無名ピーク
2014年07月30日 09:28撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:28
ノロシバより旧参道中継地点の無名ピーク
2014年07月30日 09:31撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:31
これから登る前擬宝珠(西ギボシ)岩場を仰ぎ見る
2014年07月30日 09:41撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:41
これから登る前擬宝珠(西ギボシ)岩場を仰ぎ見る
姥の懐
2014年07月30日 09:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:56
姥の懐
2014年07月30日 09:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 9:58
2014年07月30日 09:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/30 9:58
ガスがかかる権現小屋〜権現岳〜胎内くぐり
2014年07月30日 10:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 10:03
ガスがかかる権現小屋〜権現岳〜胎内くぐり
2014年07月30日 10:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 10:09
権現小屋より頂上〜胎内くぐり
2014年07月30日 10:29撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 10:29
権現小屋より頂上〜胎内くぐり
まずは胃袋のお清め
2014年07月30日 10:32撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 10:32
まずは胃袋のお清め
藪漕ぎ中間点より
2014年07月30日 11:14撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:14
藪漕ぎ中間点より
胎内くぐり
これが結界、鳥居と同じ役割。この向こうは神の領域。
2014年07月30日 11:16撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:16
胎内くぐり
これが結界、鳥居と同じ役割。この向こうは神の領域。
松尾大明神の石碑あり
2014年07月30日 11:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:17
松尾大明神の石碑あり
胎内くぐりで禊(手と口のお清め)
2014年07月30日 11:19撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:19
胎内くぐりで禊(手と口のお清め)
胎内くぐりをくぐって南側を登る
2014年07月30日 11:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:25
胎内くぐりをくぐって南側を登る
檜峰神社奥社
この石の祠は、大正〜昭和初期に乙事の権現講者たちが持ち上げたものだという
2014年07月30日 11:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:37
檜峰神社奥社
この石の祠は、大正〜昭和初期に乙事の権現講者たちが持ち上げたものだという
注連縄を付ける
2014年07月30日 11:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:44
注連縄を付ける
お神酒を奉納
2014年07月30日 11:45撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:45
お神酒を奉納
お神酒をかけて礼拝
2014年07月30日 11:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 11:47
お神酒をかけて礼拝
頂上の鉄剣、注連縄つける
2014年07月30日 12:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:03
頂上の鉄剣、注連縄つける
刻印された文字は、
「乙事講中世話人五味傅五エ門」
2014年07月30日 12:04撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:04
刻印された文字は、
「乙事講中世話人五味傅五エ門」
五味傅五エ門は、乙事の権現講者、五味慶三氏の先祖で、江戸後期の人。
2014年07月30日 12:04撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:04
五味傅五エ門は、乙事の権現講者、五味慶三氏の先祖で、江戸後期の人。
鉄剣の位置を直す
2014年07月30日 12:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:03
鉄剣の位置を直す
お神酒を奉納して礼拝
2014年07月30日 12:03撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:03
お神酒を奉納して礼拝
鉄剣にかける
2014年07月30日 12:05撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:05
鉄剣にかける
御神体にもお神酒をかけ
2014年07月30日 12:06撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:06
御神体にもお神酒をかけ
般若心経を読経
発音は事前に乙事の佐久吉文夫人に添削していただいた正調乙事版
2014年07月30日 12:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 12:09
般若心経を読経
発音は事前に乙事の佐久吉文夫人に添削していただいた正調乙事版
胎内くぐり〜姥の懐に続く尾根
2014年07月30日 13:09撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 13:09
胎内くぐり〜姥の懐に続く尾根
鉄剣に石碑を寄せて、以前のような位置関係に修正
2014年07月30日 13:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 13:20
鉄剣に石碑を寄せて、以前のような位置関係に修正
権現小屋から胎内くぐりまでの藪漕ぎトラバース跡
2014年07月30日 13:36撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 13:36
権現小屋から胎内くぐりまでの藪漕ぎトラバース跡
権現小屋横より赤〜中〜阿弥陀、奥に横
2014年07月30日 14:10撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 14:10
権現小屋横より赤〜中〜阿弥陀、奥に横
夕食の権現カレー
今日もうまい
2014年07月30日 16:58撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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夕食の権現カレー
今日もうまい
奥擬宝珠(東ギボシ)頂上にある3つの不動明石碑は、いずれも乙事由来
2014年07月30日 18:15撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 18:15
奥擬宝珠(東ギボシ)頂上にある3つの不動明石碑は、いずれも乙事由来
解説文によると、ここは中世からの修験道遺跡で、このピークは「阿弥陀岳」とよばれていたという。
西の尾根に見える大仏様?の岩が「擬宝珠」
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解説文によると、ここは中世からの修験道遺跡で、このピークは「阿弥陀岳」とよばれていたという。
西の尾根に見える大仏様?の岩が「擬宝珠」
つまりこれが擬宝珠
2014年07月30日 18:12撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 18:12
つまりこれが擬宝珠
日没前、駆け巡る濃霧の中佇む擬宝珠
2014年07月30日 18:21撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/30 18:21
日没前、駆け巡る濃霧の中佇む擬宝珠
夜明け前
2014年07月31日 04:35撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:35
夜明け前
左より、阿弥陀〜中〜横〜赤の夜明け前のシルエット
2014年07月31日 04:36撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:36
左より、阿弥陀〜中〜横〜赤の夜明け前のシルエット
朝焼けと雲海
2014年07月31日 04:37撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/31 4:37
朝焼けと雲海
権現&富士 朝焼け
2014年07月31日 04:44撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:44
権現&富士 朝焼け
世界に光が回りはじめる
2014年07月31日 04:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/31 4:47
世界に光が回りはじめる
今日の日の出から、鉄剣は再び天上を指す
2014年07月31日 04:47撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:47
今日の日の出から、鉄剣は再び天上を指す
夜明け独特の、ピンクのグラデーション
2014年07月31日 04:49撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
7/31 4:49
夜明け独特の、ピンクのグラデーション
日の出
2014年07月31日 04:52撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:52
日の出
2014年07月31日 04:52撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:52
日の出と赤岳
2014年07月31日 04:53撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:53
日の出と赤岳
2014年07月31日 04:54撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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権現に光が届く
2014年07月31日 04:56撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:56
権現に光が届く
右より、奥擬宝珠〜前擬宝珠〜編笠
2014年07月31日 04:57撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 4:57
右より、奥擬宝珠〜前擬宝珠〜編笠
奥擬宝珠にも光が届く
2014年07月31日 05:00撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 5:00
奥擬宝珠にも光が届く
影権現
2014年07月31日 05:04撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/31 5:04
影権現
光を受け、天を指す鉄剣
2014年07月31日 05:20撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 5:20
光を受け、天を指す鉄剣
朝食
2014年07月31日 05:34撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 5:34
朝食
帰路、前擬宝珠頂上より”擬宝珠”を仰ぐ
(画面中央:左横が現阿弥陀岳、右上が旧阿弥陀岳=現奥擬宝珠)
2014年07月31日 06:48撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 6:48
帰路、前擬宝珠頂上より”擬宝珠”を仰ぐ
(画面中央:左横が現阿弥陀岳、右上が旧阿弥陀岳=現奥擬宝珠)
権現講地の「八嶽大神」碑に、お神酒を持ち帰った事を報告し礼拝
2014年07月31日 10:16撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 10:16
権現講地の「八嶽大神」碑に、お神酒を持ち帰った事を報告し礼拝
横には卯在福萬の碑
2014年07月31日 10:17撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 10:17
横には卯在福萬の碑
権現講講舎に到着
正式な八嶽大神権現講参詣登山、これで終了
2014年07月31日 10:25撮影 by  TG-2 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/31 10:25
権現講講舎に到着
正式な八嶽大神権現講参詣登山、これで終了
撮影機器:

装備

共同装備
清酒 一升パックx1 五合パックx1 注連縄x2 般若心経教本x1

感想

【プロローグ】
前回、八嶽権現参道の登山記録をあげてから、化学反応のように急速に乙事権現講の方々と知り合うことが出来た。
まず、乙事の郷土史研究家、佐久吉文氏を富士見町役場経由で紹介され、氏と電話でお話できご自宅を訪問するお約束をした。
同時に、登山記録を見てくれた、乙事出身、登山歴2年目のMさんと知り合うことが出来た。
Mさんは、ながらく中断されている、正式な乙事権現講の参詣登山を復活させることに賛同して下さり、先週一緒に佐久氏のご自宅を訪問した。
ここで、古来より続く正式な権現講参詣登山のしきたりについて事細かく質問し、マニュアルを制作。
山頂のご神体に捧げる般若心経についても、一般的なものをネット引用して印刷し、佐久夫人に乙事での伝統的な発音に添削修正してもらった。

この準備を先週までに整え、奉納するお神酒、注連縄を準備して、夜明け前の早朝、Mさんと乙事諏訪神社で待ち合わせ。

【正調参詣登山 乙事〜青年小屋】
乙事諏訪神社境内にある権現講講舎に参詣登山の安全祈願。続いて権現講講地にある八嶽大神碑に参拝。昔はここが登山の出発点だったという。
登山口まで車で移動。ここから徒歩。
不動清水を経由し西岳登山道を登る。大ナギ横通に入り鳥居の痕跡を探すが見つからない。佐久氏によると、昔は鳥居があったのだという。
廃道を進み、絵図小屋を経て絵図小屋の水場へ。禊用の清水を汲んで青年小屋。
窓から「おはようございます」の声。下に降りていた権現小屋シゲさんの声だった。
「ボッカがあるので戻るのは3時過ぎですが、先に行って適当にやってください。他の登山者が来たらよろしくお願いします。」
富士を見ながら珈琲ブレイク。

【正調参詣登山 青年小屋〜権現岳頂上】
ノロシバから、西岳との間の無名峰を下に見る。佐久氏によると、古の登山道は絵図小屋の水場の右岸からこの無名峰を経由してノロシバに至ったのだという。
乙事でいう前擬宝珠〜奥擬宝珠へと、権現初体験のMさんには厳しい岩場が続くがなんとかクリア。
小屋で一休み。胃袋のお清めをして、サブバッグに奉納するお神酒、禊用の清水、注連縄を入れ、小屋の横から旧トラバース道を藪漕ぎ。
胎内くぐりで、手と口をお清めする禊。ここを結界とし、ここから先は神の領域。
檜峰神社奥宮に参拝。注連縄を施し、お神酒を捧げる。
続いて山頂の鉄拳に注連縄をし、本来の位置に整置。お神酒を捧げ、鉄剣と御神体(山頂岩でなく、その右側の岩!)にお神酒をかける。
二礼二拍手一礼したのち、Mさんが正調乙事の般若心経を唱える。

鉄剣の周囲を以前のように石碑や石で囲って整置終了。

【日没のギボシ山頂】
例によって苦しいほどカレーを頂き、奥擬宝珠(東ギボシ)山頂へ。山頂に3体ある不動明王の石碑はすべて乙事由来。
濃霧の中、ギボシ山頂の金属板に書かれた、いにしえの由来を知る。
勢い良く昇る濃霧に霞む擬宝珠(岩)を拝んで小屋へ。
早々就寝している名古屋からのパーティーに遠慮して、シゲさんMさんと暗闇のテラスでランタン照らして宴会。

【日の出の権現山頂】
夜明け前から時々刻々色付く天空のグラデーションを撮影。
山小屋初泊まりのMさんは、このめくるめく大パノラマに目を潤ませている。
今回の山行には、ご先祖様のお導きがあったように感じるとのこと。
朝日を受けて天上を指す鉄剣を参拝して小屋に戻り、有難く朝食を頂く。
ゆっくり準備して小屋を発つ。シゲさんが外まで見送りに出てくれる。

【帰路】
青年小屋〜絵図小屋の水場〜大ナギ横通〜西岳登山道〜不動清水と、無風激暑の道をもくもくと下山。
権現講講地に持ち帰ったお神酒を奉納し、それを持って権現講講舎へ。
無事、古来からの正しい参詣登山を行い、山頂で神事を済ませ持ち帰ったお神酒を奉納。
これにて終了。
持ち帰ったお神酒はMさん宅で預かっていただき、週末の権現講で講員の皆様で味わって頂く予定。
 
【エピローグ】
このように失われたいにしえの神事山行を復活させることが出来た。感無量。
尚、Mさんは今年の権現講から正式に乙事権現講員となられることになっている。
Mさんを中心に今後もこの神事山行が続けられることだろう。
非力ながら今後もサポートしていこうと思う。

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コメント

ALFAROMEOさん/祝!権現講登拝成功
ALFAROMEOさん、権現講復活の山行お疲れ様でした。
「復活!」とのタイトルに、ずいぶんタイミング良くそんなことになったのかと思いましたが、ALFAROMEOさんのご配慮にての復活だったのですね。
地元乙事の方々のご協力や同行も叶い、まったく正式な方法による登拝ができたこと、人ごととは思えずうれしく感じます。
気になっていた山頂の鉄剣もしめ縄まで結わえて晴れて直立し、石碑ともども古来の姿に戻ったということでしょうか。
私はまだギボシ山頂の石碑も見ていませんので、これの確認も兼ねてぜひ一度正式な姿となった権現山頂にお参りに行ってみたいと思います。
(もちろん西岳ではなく天女山あたりからとさせて頂きますが。)。
御神酒も捧げたい所ですがやはり「真澄」が正式でしょうか(^^)
なんとも楽しみです。
2014/7/31 23:39
Re: ALFAROMEOさん/祝!権現講登拝成功
おはようございます。
鉄剣の主が江戸後期の人物で、そのご子孫が乙事にいらっしゃること。その方や権現講重鎮より鉄剣の整置を依頼されたことから、今回鉄剣を直したことは、オーソライズされた行為となりました。
何よりも、乙事出身の登山家(ビギナーですけれど)の正式参詣をサポートでき、長く中断していた儀式を復活させられたことが一番嬉しいです。
お神酒は昔の瓶と違って紙パックのものが良いと思います。銘柄は真澄と七賢で迷いましたが、乙事が武田領から諏訪領となってから後の儀式なので、真澄にしました。天女山から登るなら七賢でも良いと思います。
2014/8/1 5:28
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積雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
編笠山〜ギボシ〜権現岳〜三ッ頭〜前三ツ頭〜天女山
利用交通機関: 車・バイク、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5

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