城ヶ森山と上湯川岳、有田川町清水の福井橋から往復【和歌山県、有田川町清水の奥山】
- GPS
- 05:29
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,079m
- 下り
- 1,087m
コースタイム
福井橋 1017 ― 山の神、城ヶ森登山口 1032 ― 中股谷川渡渉 1045 ― 尾根に乗る 1047 ― 標高600m付近 1103 ― 道路距離標No.27 1115 ― 萩の尾の頭下の分岐 1149 ― 萩の尾の頭(985m標高点) 1151 ― 1125m三角点 1215 ― 白馬城ヶ森林道横断 1226/1227 ― 札の辻 1232 ― 上湯川岳 1247/昼食/1308 ― 鞍部で作業道に合流 1314 ― 城ヶ森山頂部への分岐 1319 ― 城ヶ森山山頂 1325/1329 ― 雨量観測塔正面側 1331 ― 休憩 1333/1341 ― 鞍部で林道と合流 1348 ― 私設林道と白馬城ヶ森林道の合流点 1404 ― 白馬城ヶ森林道横断 1407 ― 1125m三角点 1415 ― 萩の尾の頭下の分岐点 1429 ― 道路距離標No.27 1449 ― 標高600m付近 1455 ― 中股谷川渡渉 1512/1519 ― 城ヶ森山登山口 1523 ― 福井橋 1537
● 行動時間 05:20
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(和歌山=有田川町清水の福井橋) 福井橋―白馬城ヶ森林道―上湯川岳―城ヶ森山―白馬城ヶ森林道―福井橋 (有田川町清水の福井橋=あらぎ島=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○福井橋 ・有田川町の国道480号を高野に向けて進み、清水にて県道19号へと右折。約9km道なりに走ると福井橋。橋の袂に2,3台駐車できる余地がある ・福井橋を左折で渡り登山口までは更に1kmほどあるが、登山口付近での駐車余地は倒木と落石が存置されており駐車できない。また途中にも倒木があるため、背の高いクルマはそこまで行くこともできない。道の状態が不良であることも考えると、福井橋から歩くほうがよいと思う (2023.5現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○城ヶ森登山口〜白馬城ヶ森林道横断地点 ・まず県道から下降して渡渉、その後は旧龍神街道でもある萩の尾を登り続ける。入口に「城ヶ森登山道」という標示があるが、それ以降は林道まで文字標示を見ることはない ・道は明瞭。テープが所どころにあるがなくとも道筋は明らか ・渡渉地点は比較的難度は高く、飛び石間隔は広い。もっといい地点があるのではないかと帰途物色してみたがないようだ。行きも帰りも同じ地点を渡ったが、大股で3,4歩一気に進まなければならない ・萩の尾の尾根道は狭い尾根の中で器用にジグザグに付けられている。萩の尾の頭から先は勾配が緩み、小ピークはすべて巻いていくので昇降もない ○白馬城ヶ森林道横断地点〜上湯川岳〜城ヶ森山〜白馬城ヶ森林道横断地点 ・横断地点からはモルタル覆工に設けられた階段を上り、山道跡に復して進む。おそらく城ヶ森へはその道取りが続くのであろうが、上湯川岳へは札の辻で分岐し、薄い樹相の尾根を進む。道は不明だが、尾根を進むだけなので迷いはない。一応テープはある ・上湯川岳の山頂から城ヶ森山との鞍部までは、先ほど同様に尾根を下降するが踏み跡は不明瞭。しかし迷いようもない。テープがあるにはある ・鞍部からは舗装された作業道が城ヶ森山山頂まで続いている。帰りに通ってみると、尾根伝いに歩いて行くこともできる ・鞍部から白馬城ヶ森林道横断地点までは私設林道を歩いたが、本来はどこかで先ほどの旧龍神街道へと繋がっているはずなのだが発見することができなかった (いずれの記述も2023.5現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアは、有田川インターからの場合は有田川町金屋に、海南インターからの場合は国道370号旧道では海南市野上に、国道370号バイパスではバイパスに入る前の海南市重根にそれぞれ最後の店がある ・有田川町清水には複数の飲食店がある ●日帰り温泉 ・有田川町清水に「しみず温泉」がある。大人700円。水曜木曜休 (2023.5現在) |
写真
感想
有田川町の最奥地、上湯川付近から城ヶ森山を目指した。多くのハイカーは高野龍神スカイラインから白馬城ヶ森林道へと進んで登るようだが、それではこの奥深い山の本質は感じ取れない。オーソドックスに、有田川町清水の福井橋からかつての龍神街道に沿って尾根を登ることにした。
福井橋までは、国道480号から分岐した県道19号で行く。有田川町清水はかつての清水町の中心部で、県道はそこから上湯川方面へと向かう。途中正真正銘の“1車線”区間もあるような細道を進み、福井橋へ。釣り人が多く、その路上駐車もポツリポツリと目につく。登山口は、福井橋から1kmほど未舗装の県道を進むことになるのだが、途中に倒木もあるためクルマは橋の袂に駐車した。
登山口までの道はこれまた県道19号だ。しかし、橋以降は未舗装で倒木も処理されずに放置されている。やがて中股谷川の川音が激しくなり、山の神の置かれた登山口へ。
登山口からは一旦川原に降りて渡渉することになる。県道からの下降地点には「城ヶ森登山道」と彫られた手製標示が掲げてある。
一旦中股谷川の川原へと下降。渡渉地点を探すが、どこも飛び石幅が大きいように思う。中ではマシなところを選んだが、最後の一歩が1m以上の飛び越しとなるため、勢い余ってその先にも続く水辺に落ちそうになった。水難に遭うことなく、山道へ。尾根へは一登り。そこからは見事なくらいに尾根上を進む。尾根ではあるが、その10mはないような幅の中に、ジグザグ道が巧く配されている。
ふと見ると、「和歌山県道路距離標No.27」というのが現れた。通常の用地境界標とは違うものだ。あとで調べてみると、この山道は県道19号の一部に相当しているようだ。県道19号とは、先ほど福井橋から城ヶ森登山口まで歩いてきた未舗装の車道のことだ。県道19号は五段の滝方面に向かい未開通のまま龍神村に至るものと思われているが、実はそうではなく、この山道がルート指定され、城ヶ森山を越えて龍神村に至るもののようだ。確かにこの道はかつての龍神街道だ。江戸時代には紀州藩主が湯治のために龍神を目指して通ったともいわれている。歴史ある街道を県道として指定し、改良を待つ状態なのであろうが、今のところ別途道路整備がなされる見込みはないようだ。
一気に標高差600mを登り萩の尾の頭に。標高点はルートを少々外れており、いったんはその高みにも行ってみる。戻って更に林道横断を目指して進む。その先は勾配が緩む。加えて小ピークを巻くように道が付けられており、上り下りに苛まれることもない。
林道や上湯川岳のシルエットが見え始めると白馬城ヶ森林道に出る。1,000m以上の地点に登ってきたら舗装林道があるというのも無粋だが今時致し方ない。林道を横断して覆工に設けられた階段を上ると、先ほどまでの旧街道の続きが待っている。暫く進むと札の辻。古い石標が残るその辻で左に進路を取り上湯川岳を目指す。旧龍神街道からは一旦離れることになる。
上湯川岳への道は踏み跡が薄く、しかも緩やかな尾根はどこを歩いても行けてしまう。あまり迷った感なく進み、ほどなく山頂へ到着。昼ご飯とした。
上湯川岳と聞くと、山名に上という方向接頭語が付けられているように感じてしまうが、上湯川という地名を山名にしたもののようだ。上湯川は登山口のさらに奥にある集落の名だ。山頂には「有田川町の最高峰」とある。展望ははっきりしないが、樹木は薄く、光は十分に差し込んでくる。
上湯川岳を後にして、こちらも踏み跡の不明瞭な南面を降り、城ヶ森山方面へ。こちらもテープがまばらに付けられているが踏み跡はあまり確からしくはない。ほどなく眼下に舗装された作業道が見え始め、城ヶ森山との鞍部に降り立った。
鞍部から城ヶ森山へは作業道伝いに進む。舗装路を歩いて行くと、大きな雨量観測施設のある山頂部が見え始める。塔に着く手前から右手の土手へと上がって進むと、塔の手前脇にある一等三角点と山名標にたどり着いた。
山頂広場の背後には大きな塔がそびえる。ちょうどかつての六甲山山頂部に似ている。六甲山山頂も今でこそ、電波塔の奥に山頂広場が設けられ、あまり塔を意識することなく山頂気分を味わえるのだが、かつては大きな米軍施設の柵囲の前に山名標が立つだけの無粋な場所だった。
ここはその雰囲気に似ている。山頂のはずだが、背後にあるそれ以上に背の高い施設が味消しになっている。加えて、ビルのおかげで眺望も限られている。
三角点を後にして建物をぐるりと半周。反対側には保護林の案内看板が建っている。ツガやブナの天然林が広がっているそうだ。確かに紀伊半島の最奥地。手つかずの森林が残されているのも頷ける。
頭頂部にはまだ若いツガやブナが並び、薄日が新緑を浮かび上がらせている。しかしそれもあって背後になるはずの護摩壇山方面は見通すことができない。
いよいよ山頂をあとにするが、帰りは舗装された作業道ではなく、頂稜を歩いてみた。ここにもテープ誘導があり、先達が踏み固めた跡もたどることができる。鞍部に降り立ち、旧街道沿いをたどるように左手の林道へと進む。
林道からどこかで山側へと旧街道が分かれていくはずだが見当たらない。結局、荒れたその林道を歩き通し、白馬城ヶ森林道に出てしまった。林道を歩いて横断地点に戻り、あとは登ってきた萩の尾を下降する。
最後に再び渡渉。帰りの場合は最初の一歩が幅広だ。まるで三段跳びのように数歩先まで一息で飛んだ。幸いにも滑ることもなく、足の置き場を間違うこともなく、どうにか対岸にたどりつくことができた。
福井橋に戻ると橋の袂には藤の花がきれいに咲いていた。朝は気づかなかった。癒やされるようだ。
帰り道では、同じ旧清水町にある「あらぎ島」に立ち寄った。何度か来たことがあるが、また立ち寄ってみた。有田川の蛇行地点に囲まれた島のようになったいったに棚田があるのだが、有田川の見事なオメガカーブも美しい。平地の少ないこの山間での生活の苦労にも思いをはせつつ家路についた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する