さかせ古道敗退 二本杉峠 地蔵平


- GPS
- 07:42
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 858m
- 下り
- 866m
コースタイム
7:39 細川橋
8:58 二本杉峠
地蔵平へ直通する「さかせ古道」に挑戦するも危険を感じて撤退
9:39 二本杉峠
10:43 千鳥橋
11:17 地蔵平 (昼食) 12:12
12:38 千鳥橋 12:54
13:44 二本杉峠
14:33 細川橋
14:45 中川橋駐車場
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト ありません。登山届は、外から見えるように車の中に置きました。 ■細川橋〜二本杉峠 一部「崩落注意」の場所がある。煤ケ谷から物見峠へ行く途中の崩落地のような感じ。注意して通過すれば問題ない。 その他の区間は問題ない。 ■二本杉峠〜さかせ古道 二本杉峠から地蔵平へと山腹に続くルート。手製の道標に「キケン」と書いてあったが、その通りだった。ザレ気味の細い足場が度々出てきて、バランスを崩して転落しそうになる。 慎重に慎重に15分ほど進んだところ、崩落気味の涸れ沢をトラバースするところで、脆そうな高さ約1.5mの岩壁に行く手を阻まれた。無理して登って体制を崩したら涸れ沢を滑落しかねない。引き返した。 帰りに二本杉峠で話した猟師さんの話では、以前はその岩壁に3本の木が架けられていて今と比べれば楽に登れたそうである。その漁師さんは、その岩壁を越えて奥へと猟に行くと言っていた。頑張れば通過できたのかもしれないが、今の私のスキルでは無理しないで正解だったと思う…ことにしよう。 ■二本杉峠〜千鳥橋 二本杉峠から千鳥橋へ降りてゆき、左手に涸れ沢が見えたところで道が不明瞭になる。そのまま沢沿いに(沢の右岸に)踏み跡が続いているようにも見えるが、ザレていて歩けそうにない。無理して進まないように。振り向くと、鋭角に折れて沢へと降りる踏み跡がある。これが正解。 沢に出たところで再び踏み跡が不明瞭になるが、よく見ると沢の左岸にルートが続いている。行きはこのルートに気付かず(帰り道での登りで気づいた)、沢を降りた。 沢を50mも行くと再び右岸の踏み跡が復活する。 そこからも足場の狭い、ザレ気味、崩落気味の箇所がいくつかある。杭、橋、ロープ、鎖といった整備は皆無。スリル満点と言えば聞こえが良いが、正直怖かった。 ■千鳥橋〜地蔵平 舗装されていない林道をひたすら歩く。道に危険はない。 |
写真
大山三峰へ登る際に通った、物見峠への道みたいな感じ。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-53850.html
慎重に歩けば問題がないレベルでした。
さて、ここからが本番。地蔵平へ続く「さかせ古道」を行きます。地図に微かに載っている破線ルートです。崩落が激しいらしい。
koshibaさんは「慎重に歩けば問題なし」と言っていたけど…無事に通過できるだろうか?
さかせ古道は再び尾根を巻くように左へ続くルートです。
今まで歩いてきたコースでは、このような細くて危ない場所には鎖やロープが整備されていましたが、ここにはそんなものはありません。
木の根も生えていないので、バランスを崩したら頼るものが何もありません。
この先へ進むには、涸れ沢をトラバースし、木の枝(細い幹)が横たえられている岩壁(高さ1.5mくらい)をよじ登る必要がありそうです。
岩壁まで行って試行錯誤すれば活路が見出せたかもしれませんが、この場所から見る限り、岩壁が脆そう+凹凸が小さいので手足を乗せるポイントが見つけづらい+その前のトラバースでさえ崩れ気味+涸れ沢が下の方まで続いていて滑落したら止まらない、という理由で二本杉へ引き返すことにしました。(;_;)
この写真を撮影したポイントも足場が狭くて崩れ気味で怖かったんです。
少し下ると左手に涸れ沢が見えてきます。ここで踏み跡が不明瞭になります。このまま進むとザレて危険な感じ…。
渡渉して対岸(左岸)へとルートが続いていたのですが、このときは気がつかず、沢を下りました。
ちょっと下の再渡渉する場所から右岸の踏み跡が復活します。
ここが危険なルートだということを忘れていました。最も警戒していたさかせ古道を(途中敗退したものの)終えて安心していたのでしょう。
緊張を保たねば…。慎重に、慎重に…。Y-chanさんの言葉を思い出す。
※この写真では振り向いて撮影したので左側に写っています。
天気は曇りですが、風がなくてラッキーでした。
ここから信玄平や大滝峠へ続く道(廃道)も歩いてみたいな。
昼食を終えて引き返す頃になって「見つかった」と戻ってきました。
また、よく見ると石が積み上げられた家の土台跡がいくつかありました。
かつては世附からここまで森林鉄道が延びていて、ここにも集落があったそうです。その頃の跡なのでしょう。
来たときは気がつきませんでしたが、林道と大又沢の間に小さな社がありました。鳥居が見えます。林道から崩れた石の階段が延びていました。
その頃、ここはどんな様子だったのでしょうか。思いを馳せました。
別の猟師グループが二本杉辺りで狩りをすると言って入山していきました。間違えて撃たれやしないよね?
いくつも蛇行した沢が重なり、(特に登りでは)行く手を惑わします。
この辺りに炭焼跡があるらしいので探したかったのですが、猟師の一人が獲物を待ち伏せしていて「早く登って欲しい」とのことだったので、後ろ髪を引かれつつ去りました。
感想
不老山の登山口の一つである浅瀬から地蔵平まで、今は林道が続いていますが、かつては森林鉄道が通っていて、地蔵平にも集落があったそうです。そこ子どもたちは山の中の二本杉峠を越えて本校へ通うこともあったとか。そんな昔の面影を訪ねたいと思い、今回の山行を計画しました。
二本杉峠と地蔵平を結ぶ「さかせ古道」も、二本杉峠と千鳥橋を結ぶルートも、どちらも歩く人が少なく崩落気味だそうです。が、先日は大山三峰の峻険なコースも歩けたし、危なかったら戻ればいいし、そもそも今まで危ないと言われているコースでも引き返す必要はなかったし、今回も大丈夫でしょう。
…と思ったのですが、どちらのルートも足元もおぼつかないし掴まるものもないし、かなり怖かったです。これまで丹沢の崩落気味のルートを幾つか歩いてきましたが、今日のルートは今までで一番ビビリました。出会った猟師さんたちは行き慣れているようでしたが…数を重ねれば慣れることが出来るのでしょうか。私なんて慣れる前に滑落しそうですけど。
さかせ古道で私を阻んだ岩壁は、涸れ沢まで歩を進めて岩の凹凸を確認して慎重に足をかければ、または逆コース(地蔵平から二本杉へ)なら通れたかもしれません。でも、あの時点ではそれは危険だと思いました。岩登りの経験があれば良かったかも。あるいは猟師さんに着いて行って手本を見せてもらえば良かったかな。
何はともあれ、このコース、要注意です。
地蔵平の集落跡は、林道の地蔵堂の逆側の杉林の中にありました。積み上げられた石が家の土台であったことを物語っていました。また、杉林の中にはひっそりと災害被害者供養塔(だったと思う)と遭難者供養塔が立っていました。見る影もなくなりつつある住居跡に比べて新しいように見えましたが、あんな杉林の中に立てても訪ねる人はいないでしょう。杉林になる前に建立されたのかもしれません。
地蔵平から信玄平経由で城ヶ尾峠、廃道となった大滝峠へのセギノ沢ルート、昔の東海自然歩道…。この辺りには歩いてみたいバリルートがいくつもあります。今日歩いたコースの延長線上に考えると怖くもありますが。
それから、今回はパスした権現山やそこから浅瀬入口を結ぶルートもいつの日か!
コメント
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melonpanさんこんにちは。
「ジゾウ」「ホウラク」「キケン」
ここまでで私は早くも断念しそうです
私の知らない丹沢の古道、こんなルートもあるんですね…。
丹沢も知れば知るほど奥が深い山域!
地図を眺めてばかりでなく足も運んでみます
さかせ古道はちょっと無理ですが…
melonpanさん
行ってたんですね
廃道歩き
そうですよ。
単独行では 無理しちゃいけませんね
もちろん相棒がいても同じですが
地蔵平の開放感
感じられましたか?
でも、悲劇の場所でもあるんです
再度挑戦して下さい。
melonpanさん
これは、赤岳より怖そうですね。
山登りという概念を超えているような、、、
丹沢も奥行きあります。
この道全然知りませんでした。
koshibaさんのコメントでは、
「廃道」ですか、、、。
もう私は駄目ですが、、、。
雪が降り始めた山梨、南アルプス市より、、、
Y-chan
melonpanさん、こんばんは。
西丹沢、私も行ったことのないルートが沢山有ります。
どこもそうですがメジャールートはよく整備されてますが、あまり歩かれてないルートは要注意ですね。
まして初めての道、それにホウラクなんて書いてあると
不安になりますね。
私もそうですが単独登山、お互い気お付けましょう
melonpanさん、こんばんは。
古道は初めて知りましたが世附権現と中山権現には
ちょっと興味があります
行って見たい気持ちよ〜く分かります
難所を通る時1mいや50cmでもずれると
ひどい目に遭いますからね・・・気をつけてください
難所といえば昨年奥多摩の「鳥屋戸尾根」を無謀にも
真冬に登って怖い思いをした思い出があります
2万5千分の1の地図に綿密にルートを手書きし、
いろいろ調べ、装備にはアイゼンとピッケルをもって
挑んだ。今では泥がつきかすれて一番ボロボロの地図になっています
それにしてもラーメンうまそう〜
こんばんは、melonpanさん。
タイトルに「敗退」の文字があったので、
どうしたのだろうと思っていました。
凄いルートのようですね。
melonpanさんの歩いた道、丹沢地図で
見ましたが・・。
不安があるから引き返す、正解だったと思います。
無事で何よりです。
それにしても猟師さん達、流石ですね!
manabu
melonpanさん、こんばんは。
またマニアックなコースを歩いてきましたね。
ただ雪降って(積もって)いなくてよかったですよね〜。
こんなデンジャラスなコースで、積雪あったら、もう大変
ですよ。
でも崩落箇所ってホント、危ないですよね。
それに、いつ崩れるかわからないコースって、神経がピリピリ
しっちゃって、けっこう疲れますよね。
かなりなコースを歩いてきたんですねー
雪がなければいいってものでもないですね。
人気もないでしょうし、滑落したら見つけてもらえなそう
猟犬くんが見つかってよかったです。
犬だって迷っちゃうんだから(?)、ヒトなんて特にですよ。
山歩きに無理は禁物。
なんていいつつ、このコース、ちょっと歩いてみたかったりして
melonpanさん、こんばんは。
さかせ古道は廃道になっているので誰も補修しませんから、僕が歩いた時よりもっと条件は悪くなっているかもしれませんね
ただこの道は、少し離れた所から見ると、とても通れそうにないのに、近くに行くと案外歩けました。 なので取りあえずすぐそばまで近づいて見る価値は有りますよ。
それでもダメそうなら前より崩落が進んでいると思ってあきらめましょう。滑落すると大変ですから。
25年以上前にニュージーランドの山で滑落した事が有りますが、ずいぶん後まで夢に出てきてうなされました。。。
丹沢お疲れ様です。
だんだん廃道マニアになっていますね
私も「廃モノ」が大好きなので、そのドキドキ感が良くわかります。
廃道は単なるバリエーションルートとは違い、「歴史」があるのでそこが興味深いですね。
って、レコがあるのですから、無事でしょうけど…
レコを読んでいる間もドキドキでしたよ
慎重に通らなくてはいけない難所も怖いですが、
道迷いの心配のあるエリアは、本当怖いですよね!
指南本なんかには「迷ったら引き返せ」とありますが、
私なんて来た道が分からなくなって、戻れなくなったことがありますよ
お互い安全第一で行きましょうね
皆様、コメントありがとうございます。
忙しく過ごしているうちに返信遅くなってしまいました。
>saichanさん
さかせ古道はヤマレコにいくつか踏破報告があり、
今までのように気をつけて歩けば大丈夫でしょ
と根拠もなく挑戦してみましたが、ダメでした。
でも、無事に帰ってくることが何より大切なので
無理をしなかった自分を臆病者と笑わずに
懸命だと思うことにしました。
丹沢には主要な登山道だけでなく
名も知れないルートがいくつもあり、
奥が深くて面白いです。
>koshibaさん
「気を付ければ大丈夫」じゃなかったですよ
仰る通り、単独だし人もいない地域なので遭難したら大変です。
山行中は「koshibaさんやkaramomoさんのように踏破したい」と
思ったのも確かですが、無理しなくて良かったです。
今になってyamanokoさんのHPを読んでみました。
杉林の中の住居跡だと思っていたものは、
学校や治山事務所跡だったようです。
いやー、面白い!! この地域にハマリそうです
>Y-chanさん
山「登り」というより山「歩き」ですね。
歩きとおせずに引き返しましたけど…。
慎重に慎重に歩を進めても危険な香りがプンプンしました。
自分の実力を知る良い機会になりました。
実力を上げて再挑戦したいです。
>kankotoさん
単独でこんな場所は歩かない方がいいのですが、
行動を共にする人がいないし行きたい気持ちが募るので、
どうしても一人で行くことになります。
お互い、気を付けたいですね。
西丹沢は人がすくなく、手入れがされていない道も多いです。
それがまた魅力なんですけど。
>yasuhiroさん
私は臆病なので悪いことを想定して荷物が多くなります。
それが幸いしたのか、これまで怖い思いをすることはありませんでしたが、
今回ばかりは怖気付きました。
ずるっと滑ったら終わりですからね…。
1/25000地形図やロープなどの装備は必要ですね。
それを使いこなす能力も。
私は山での食事に惹かれて山歩きを始めました。
何を食べても美味しいですからね
>manabuさん
地図から消えかかっている廃道に挑戦しました
写真では道がわかりにくいですが、
実際には踏み跡の行先はちゃんとわかります。
でも、あの岩壁は踏み跡云々の問題ではありませんでした。
「いやいや、これは無理でしょう!」と声が出ちゃいましたもん
でも、猟師さんたちの話からすると、
頑張れば乗り越えられたのかもしれません。
いずれそれを確かめに行ってきます。
>w-koboriさん
去年の秋に気軽にハイキングで登った丹沢。
一年ちょっとでこんなにマニアックになるとは、
自分でも呆れています。(笑)
積雪があったら問答無用で引き返していますよ
崩落気味の箇所は力が入って疲れますよね。
でもそれがまた楽しかったり
>garumaaさん
途中で出会った登山者は1名だけでした。
猟師さんがいなかったら無人の地域です。
地蔵平からは菰釣山や畦ヶ丸が近いです。
テント泊して巡るのも楽しそうですね。
沢が近いので水の心配はありませんし。
>Futaroさん
誰も補修しないのでいつ崩壊するかわかりません。
本当に歩けなくなる前に行ってこようと思ったのですが、
すでに私の安全レベルを超えていました
はい、意外と「道」は分かりました。
あの岩壁も近づいて確かめればよかったかもしれません。
でも、その前でずるっと行きそうで怖くて…
> 25年以上前にニュージーランドの山で滑落した
初耳です。滑落は未体験ですが、体験したくないです。
>MATSUさん
はい、段々とマニアックに…。
かつて人の生活があり、その痕跡を訪ねると、
いろいろなことが想像できて楽しい…ということが分かってきました。
ネットに地蔵平に付いて詳しく語られたサイトがあり、
私の中でじわじわとキています。
>dailumiさん
はい、恐れをいだいて引き返したので無事です
引き返した先も楽ではありませんでしたが
Futaroさんが仰っているように、現場では踏み跡は意外と分かります。
(写真ではわかりにくいのですが)
ですので、道に迷うことは少ないと思います。
それより滑落や転落の可能性の方が高いでしょう。
安全第一ですがマニアックも楽しいですよ
>振り向けば、沢の方へと踏み跡が続いているようです。テープもあるし、これがルートだろう、と判断して沢へと下りました。
渡渉して対岸(左岸)へとルートが続いていたのですが、このときは気がつかず、沢を下りました。
このパタン多いです。覚えているだけでも、秦野峠、書策新道で間違えました。沢登や渓流釣りの方の踏み跡みたい。怪しいと思ったら直ぐ上、対岸を見るのがよさそう。
>i_wata18さん
沢が横切ると道がぷつっと切れるので分かりにくいですよね。
寄大橋〜雨山峠間の渡渉を繰り返すので道をロストしそうです。
前回はi_wata18さんの先導に頼ってしまった感があるので、
次回は一人で行って確かめてみたいと思っています。
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