VRコシバ沢左岸尾根+大崩落左岸〜鍋割山〜VR後沢右岸尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 866m
- 下り
- 848m
コースタイム
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 4:45
天候 | 快晴(ピーカン) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
VRコシバ沢左岸尾根+大崩落地左岸:S級バリ。踏跡なし。獣道さえない区間あり。安易に突入すると前進も後退も困難な状況に陥る可能性有り。斜度60度、手がかりなしのザレ場多く危険。 VR後沢右岸尾根:通称1000mバリ。ほぼ全体が作業道で構成されているC級バリ。滑落の危険箇所なし。 |
写真
感想
【プロローグ】
Tさんをガイドする寄沢〜鍋割山バリ第3弾。
前回、釜場平で相談してパスした、コシバ沢左岸尾根経由で山頂に行く。
前回の真西尾根でもTさんはロープ不要だったので、今回は持ってきていない。
【寄大橋〜釜場平】
寄沢2番めの渡渉地点、先行していた4人PTが渡った先で靴を脱いでソックスを振り回しているのが見える。
「何やってんのかなあ」と思いつつ、いつものポイントで渡渉。
すると、乾いているように見えた緑色の流紋岩?の表面が、実は薄い氷に覆われていたらしくスリップ。
Wストックで左右に支点を作っていたので危うくずぶ濡れはさけられた。
次に渡るTさんにストックを渡そうと思ったが、意思疎通が上手く行かず、シングルストックを棒にして引っ張る形になってしまった。
Tさんはスリップして片足川底に。
足首が濡れたがそこから先は大丈夫だった様子。
先行PTの靴下ブンブンはこのためだったのだ。
次の渡渉からは両岸一気飛びのポイント探してリスク回避。
【VRコシバ沢左岸尾根+大崩落地左岸 S-class】
釜場平辺りですでにTさんの足首はほぼ問題なしになっていた様子。
釜場平上の尾根を保って、コシバ沢に降りる登山道から外れる。
だんだんと無慈悲な傾斜度のザレ場が増えていき、踏み跡がないのはもちろんのこと、鹿の糞も獣道もない60度ザレ場に突入。
手がかりは殆ど無く、地面を横に這う木の根が頼りになるのみ。
4本の手足総動員で、ほとんどアスレチックの状況で高度を上げていく。
経験的に、早めに右横の杉林に入ったほうが楽なことがわかっているので、トラバースが可能そうなポイントで右へ。
杉林に入ったところで斜度が緩むわけでもなく、きつい登りが続く。
大崩落地の最上部では、奥に雪の檜洞丸がみえる。
昨日電話で各山小屋に問い合わせたところ、蛭が10cm積雪、塔が積雪なしだったので、一昨日の降雪は1500mあたりより上だけだったということだろう。
大崩落地上の明るいブナ林を行くと、傾斜が緩み、鹿の糞が見えるようになる。
ブナを抜けると明るい草原。
ここからの相模湾と富士の景色は絶景。
【鍋割山荘】
Tさんに先頭を譲り、Victory Road。鍋割山頂のすぐ下のプラトーに到着。
山荘に10時過ぎに着。まだお腹空いていないので、今日は珈琲。
これが濃厚で激ウマ。
先日の尊仏での珈琲もそうだが、山上のドリップコーヒーはびっくりするほど美味い。
草野さんにバリの状況を聞かれ、しばし歓談。
【VR後沢左岸尾根(1000mバリ) C-class】
小屋を出て南稜を下り始めると、登りの到達ポイントあたりで男性ソロに話しかけられる。
なんでも、コシバ沢に降りるところを、尾根筋に足あとがあったので直進したらえらい目にあったのだと。
そして4本手足総動員で、ヒーコラ言ってやっとここまで登ったのだという。
A「あっ、その足跡我々二人のです。ごめんなさいね。」
それにしても、よく踏破したものだ。
我々の足跡に忠実に登ったのであれば(特に杉林へのトラバースポイント)一番リスクは少なかっただろうが、それにしてもちょっと無茶な行動。
60度ザレ場でしまったと思っても、もう後退できなかったのだろう。
Tさんに今まで登り降りした各バリの一般道合流点をおさらい。
コシバ沢左岸尾根〜大崩落地、清兵衛沢右岸尾根、清兵衛沢左岸尾根。
1000mポイントから、後沢右岸尾根に入る。
踏跡すらない登りとは大違いで、一般登山道準拠の作業道が続く。
後沢出合の上で寄沢の登山道に出る。
いつものように側溝に水が出ているポイントでストックの先を洗って収納。
【エピローグ】
寄大橋から車で松田町のいつもの温泉で入浴。
お腹が空いたが、松田で美味しい店は知らないし、小田原まで出るとなると30分ぐらいかかるので、いっその事東京に帰ってしまおうとうことに。
いつものイタリアンで反省会。
鍋割バリコースも3回目ともなると、だいたいどんなところを歩くのか分かってきた。ほとんどアスレチックと考えて間違いない。
今回のコースは長くはなかったがこれまでに比べて、浮石ごろごろでザレ場多数、手がかり少なめでいやらしさは1級のコースだった。
でも、だからこそ一歩一歩が真剣で、この足場は大丈夫かな?この根っこはつかんでも危なくないかな?と慎重に吟味しながら登るため、疲れたとかまだかな〜なんてことを考えることもなく、ただひたすら無心に登ることだけに集中できるのが、たぶん私に合っているのだと思う。
やっと稜線に出たあと、見下ろした海がキラキラと光っている光景や、真っ青な空に真っ白な富士山が間近にそびえている様は本当に清々しく、頑張った後のご褒美としてこれ以上のものはありません。
いつもながら師匠、ありがとうございます。
次の目標は北尾根。
また、よろしくおねがいいたします。
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