南八ヶ岳・赤岳主稜(自主山行)
kobechuo
その他1人 コースタイム
14日：(朝−14℃)赤岳鉱泉6:20→行者小屋→文三郎尾根8:20→主稜取り付き(先行パーティ数組・順番待ち)登攀開始10:00→各ピッチ(10分〜50分待ち)→稜線→14:20赤岳(2,899m)→頂上小屋(装備片付け・昼食)15:10→地蔵尾根→行者小屋→16:30赤岳鉱泉
15日：(朝−5℃）赤岳鉱泉6:10下山開始→美濃戸口(♨)バス9:34⇒茅野
| 天候 | 13日晴れのち曇り、14日晴れ、15日曇り時々雪 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年02月の天気図 |
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感想
自主山行で赤岳主稜ルートを登ってきました。この時期ならではの感動あふれる山行でした。トレーニングの成果も十分確認できました。
天気も良く素晴らしい眺めで、最高の一日、移り変わる天気予報を元に当初予定を1日遅らせて出発、主稜登攀日が日曜日になり予想通りの混雑、人が多くて順番待ちで身体が冷えて震えました。
前日は曇りでガスって後日は朝から小雪で天気は下る一方・・・。凍ついた岩と雪、そして凍つきそうな冷たい風のなか、自然の厳しさを体感しながらアイゼンとアックスを効かせての登攀を楽しむことができました。
【13日】雪山登攀の装備は金物類が多く、Ｋさんは26�坩漫∋笋�22�坩未砲覆辰拭Ｈ�濃戸口からカチカチに凍った登山道を登る。樹林の合間から青空・・大同心、小同心が見える。小屋に着くと数人が“青く透き通ったアイスキャンディ”でクライミングを楽しんでいた。昼食を済ませビーコンや登攀用具を身につけて明日の主稜取り付きの下見に行く。樹林帯を抜け文三郎尾根に出ると風やガスが出てきた。左岩尾根の下部に取り付きの目印“チムニー”が見え、2,700ｍ付近からロープを出してトラバース（65ｍ）を開始する。急斜面でトレースも風ですぐ消えとても緊張した。支点など確認をして下山する。
【14日】朝かなり冷え込んでいたが風は全くない。行者小屋まで行きアイゼン、登攀用具などを装着し出発。主稜取り付きにはたくさんの人が並んでいた。１時間ほど待って今にもちぎれそうな残置スリングを掴んで大岩を乗っ越し、チムニールートを登る。１ピッチごとに支えていてみんな急斜面にアイゼンで足場を作りピッケルを突き刺して落ちないようにして待った。その間寒くてからだも手も凍りそうでガタガタ震えた。核心部は３箇所あったように思う。岩がツルツル凍っていてホールドがつかめないので途中からもう１本のアックスを取り出す。上部斜面で昨年の別山バットレスを思い出させる雪面が出てきてダブルアックスで快調に登った。稜線に出ると予想通り強い風、飛ばされないよう頂上へと向かう。雲ひとつなく素晴らしい眺め、そして富士山が見え大感激！！頂上小屋の風が当たらない場所で昼食、昨日はペットボトルを厚手のサポーターの中に入れていたが凍ってしまったので、今日はそれにカイロを入れていたら大丈夫だった。装備を片付け他の人達と一緒に文三郎尾根を降りる相談をしていたら文三郎尾根に向かった人達が引き返してきた。「風がきつくて危険だ、地蔵尾根の方がましかもしれない」と・･・私達も一緒に地蔵尾根を降りることにした。このルートの方が風はきつくなく一気に下り、無事に登攀できたことを共に喜んだ。
【15日】今朝も風がなく昨日より暖かいが天候が悪くなるとの予報でアイスクライミングの予定を中止して下山、美濃戸口でバスを待つ頃雪が降り出した。（Ｏ）
厳冬期の2月・・・、今回の目指す山は赤岳西壁主稜。当然この山行は自主山行計画になる。岩と雪のミックスクライミングは、お互いを確保しながらの登攀となり2〜3人でのパーティ編成となるので例会としては組みにくい山行です。
この南八ヶ岳も今回で５度目となるが、いつもアイスクライミングが主体で、今回初めて赤岳に登ることになり、登攀ルートの資料を頭に入れることから始まった。天気予報をもとに入山日を調整、最初の計画より1日後にずらすことにした。美濃戸口から鉱泉小屋を目指してスタート・・・まもなく林道をショートカットし林に入ると凍りついていてツボ足では滑る。ここで早くもアイゼンの登場となる。次第にザックが重く感じるようになり苦しさが・・・。フゥッと頭の中で思うのはコタツに入り一杯・・・。いかん、いかんと我に返り、取り敢えずは目的地の鉱泉小屋テント場に荷揚げをすることを目標に気持ち切り、替え前に前に・・・と足を運ぶ。
明日の主稜登攀の取り付き点の下見に出かける。テント場から行者小屋コースも文三郎尾根も初めての体験となる。温かいラーメンで元気を取り戻したが文三郎道がけっこう急登で疲れた足には堪えた。主稜の取り付きや登るルートの全景を眺めることができ取り付き点までの急な雪面をトラバースしビレー点の確認をした。テンバに戻り明日の装備を準備し、一番の楽しみの食事で生き返る思いがする。凍つく寒さに鉱泉小屋の暖かさが羨ましいが厳冬期の訓練だからとテントで辛抱。
いい天気に恵まれ出発、行者小屋テン場にもかなりの数のテントが張られ、撤収のパーティも多くいた。主稜登攀ならばここからの方が楽で早く取り付くことができるが小屋が開いてなく今回は天候変化も考慮し鉱泉小屋テン場に決定した。二度目の文三郎道からトラバース・・・取り付きにて順番待ちも天気がいいから辛抱できるが吹雪いていたなら無理で次回の挑戦になるだろう。１ピッチ目の大岩乗越しがワンポイント・中間の凹角・上部の核心部で混雑して順番待ちとなった。今回は雪が多く付いて途中のプロテクションが取れたのは１箇所のみで後はアイゼンとアックスを効かせて登る確実性を求められた登攀となった。上部に行くほど冷たい風が強く吹き、順番待ちがたまらなく辛い。ペットボトルの中身全部が凍って飲めない。テルモスの温かいコーヒーが救いだった。カメラの収納袋にもカイロを張り電池の保護をしないとすぐにダウンしてしまう寒さである。凍ついた雪と岩の登攀で赤岳登頂、南八ヶ岳の全景が良く見え、苦しさも楽しさに変わる価値ある山行になった。バリエーションの多い八ヶ岳を後ろに下山、重いザックが足に堪えるな〜。(Ｋ)
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