小津権現山まで行かずに撤退 (西尾根ピストン)『57%』


- GPS
- 05:39
- 距離
- 6.6km
- 登り
- 791m
- 下り
- 779m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
横山ダムの少し手前、右手の【写真1】トイレ前スペースに駐車。 ・同スペースにはコミュニティバスの停留所もあるので、 邪魔にならない位置に駐車する。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山ポスト● なし。 ●トイレ● 道の駅『星のふる里 ふじはし』にあり。 駐車場所のところのトイレは使用可否不明(入口にロープ)。 ●登山道の状況● ・電波塔までは巡視路の黒いプラ階段が設置されている(雪に隠れている場合も)。 ・電波塔を過ぎてしばらくは積雪、無雪地帯が疎らであり、結構いやらしい。 ・樹木の周りは融雪が進み、その付近は雪下が空洞になっている場合が多い。 そこら中で踏み抜き多数。ツボ足だと股の辺りまで沈む場合が多い。 ・尾根の南側に雪庇が発達している。 当日の気温・雪質だと、近づくのはかなり危険と思われる。 |
その他周辺情報 | ●下山後の温泉● 道の駅『星のふる里 ふじはし』内、『いび川温泉 藤橋の湯』 http://www.ogaki-tv.ne.jp/~fujihashi-spa |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(2)
1/25000地形図(1)
笛(1)
筆記具(1)
保険証(1)
飲料
食料
タオル(2)
携帯電話(1)
計画書(1)
雨具(1)
防寒着
ストック(2)
腕時計(1)
トイレットペーパー(1)
熊鈴(1)
魔法瓶水筒(1)
チェーンスパイク(1)
ワカン(1)
|
---|---|
共同装備 |
ツェルト(1)
ファーストエイドキット(1)
医薬品
カメラ(1)
車(1)
GPS端末(1)
布テープ(1)
ビニール紐
使い捨てカイロ(2)
|
感想
小津ルートと藤波ルート。花房山からモレ谷を介する縦走ルート。
それらのどれとも違うルートが、冬の小津権現山に存在する。
西尾根ルート。
奥美濃の深い雪が道なき薮尾根を包み込んだ時、頂まで続く白い道が現れる。
前出のルートに対し、比較的勾配の緩やかなこのルートを辿れば、
軽アイゼンとワカン(自分だけ)しか持っていない我々にも、
冬の白薔薇と称される雪化粧の花房山が間近に見られるはず。
現地でも前日から未明まで降った雨はすっかり上がり、
約一ヶ月ぶりにようやく巡ってきた、よく晴れた日曜日。
まずは中継地点の電波塔を目指す。
三基目の鉄塔が立つ尾根に到達するまでの勾配が大きく感じられたが、
後からグラフで見てみると、特にそうでもないようだ。
足下の雪も多くなってきた。
1月に手に入れるも、未だ使っていなかったチェーンスパイクのシェイクダウン。
これは良い これまで土踏まずの四本爪しか使ったことはなかったが、
足裏全体に負荷をかけられる点と、路面の状態変化もさほど気にならない点、
何より両足10〜20秒で装着できてしまう点がものすごく良い。
靴の種類を選ばないのも良い
電波塔に到着。雪量もそこそこ増えてきたのでここでワカンに換装。
…が、そこから10分もしないところで雪が消えた
雪量が安定するまでチェーンスパイクで進み、再び換装。
装着に10分、脱離・片付けに5分。過ぎてゆく時間がもどかしい。
地図の999m地点目前。時刻は10:00を回った。
距離にして山頂までの六割の位置。
装備の脱着時間等を省けば、ここまでに要したのは二時間強。
ここからは勾配も緩くなるので、この調子で進めば予定していた
11:00ぐらいに山頂に到着することは出来るだろう。
だが、気温上昇が思った以上に大きい。
前日の雨の影響もあって雪質は既に悪く、
危険度も次第に増してゆくことが想像できる。
確実な更なる悪化を考えると、先へ進むことに対して若干の躊躇が生まれた。
仲間との話し合いの結果、今回はここで引き返すことにする。
雪庇を避け、木立を縫うように、既に腐りかけの雪の尾根を小走りで下る。
頻発する股下の踏み抜きも、転倒も、もうお構いなしだ。
電波塔に到着。施設の入口付近は風を避けられ、南向きでとても暖かい。
この日はもう時間を気にしなくていいので、ここでゆっくりとした。
ゆっくりはいつものことか
もしかしたら慎重過ぎたかもしれない。
あの青空の下、山頂から広がっていたはずの景色を見なかったことに対して
悔いが全くないと言ったら嘘になる。
でも、それで正解だったと思っている。
今年に入って七度目の山行。…にしてマサカの四度目のリタイア
驚異の撤退率は57パーセントに達した…。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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hiroCさん、おはようございます。
この時期の美濃は相当に手強そうですね。
残雪が多い低山は、踏み抜き地獄ですね。罠にかかった隊員さん、いい絵になってますね。
ローリングエクソダスで抜け出したいところですが、ベトベトになってしまいそうですね。
花房山は、白薔薇のように見えるのですか、それは1度見てみたいですね。
higurasiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
前日も暖かかったですからね。
山でも雪でなく雨が降り、雪融けに大きく影響したのでしょう。
雪質は九時前で既に昼下がりを思わせる腐りっぷりでした
一度、踏み抜いた下の枝やら根っこやらにワカンが引っ掛かり、
雪をほじくり返してようやく脱出…なんてシーンもありました
『ローリングエクソダス!』早く体得しないといけません。
M隊員の表情に色々注文をつける内、左足をベトベトにさせてしまいました。
ワハハハ…
あそこより更に奥、能郷辺りはどうなんでしょうね?
白薔薇に見えるのが、花房山の名の由来なのかな?と思います。
おはようございます。
今回のレコ,共感しまくり
> 危険度も次第に増してゆくことが想像できる
そうなんですよ。私は相談する仲間もいないし・・・
>頻発する股下の踏み抜きも、転倒も、もうお構いなしだ
分かる分かる,私も最後は開き直ってツボ足で降りました・・・
>もしかしたら慎重過ぎたかもしれない
今でもスッキリしていません。落し物がなかったら突入していたかも。そうしていたら,今ココにいないかも・・・
>悔いが全くないと言ったら嘘になる。でも、それで正解だったと思っている。
そうなんです。正解だったんです。撤退も一つの登山なんです。そう言って自分を納得させる。この部分,一番共感できました
山は逃げません。hiroCさんと,また一緒に登る機会があれば嬉しいです
私にとって,すごく良いレコでした。ありがとうございます。
totokさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
こちらもtotokさんの蕪山レコ見ながらウンウン頷いてましたよ
沢沿いの奥牧谷ルートに比べたら、こちらのコンディションは
まだ良かったと思います。少なくともワカンは機能していました。
ですが、『ワカンの後をツボ足の二人が続く作戦』は全く機能せず、
二人は結構ズボッてました。やはりこういったルートを歩くのならば、
ワカンやスノーシューがないと厳しい様です。
仲間のひとりはこの日の帰り、早速ワカンを購入してました
仲間と一緒だったから、すんなりと引き返せたのかもしれません。
仲間と一緒だったから、馬鹿をやりながら楽しく下山できました。
ひとりだったら前回みたいに危ないことになってたかもしれませんし、
沈んだ気持ちで黙々と山を下っていたのかもしれません。
仲間のありがたさを痛感した一日でもありました。
山は逃げません。良い言葉ですよね。
こちらこそ、また御一緒できる日を楽しみにしていますよ
好天のもと、AM10時での撤退判断、
しかも、遠征ではなく、往復にも
それほど時間がかからないエリア。
悔いが残るのは、当然だと思います。
でも、仲間、パ−トナーさんたちと
出した結論には従うのも当然。
パーティー登山ですから。
強行したところで、楽しくないと思います。
山では、動物的な勘も、ときには
大事だと思います。本能的な危険予知的な。
ちなみに、この日のヤマレコ見てますと
鈴鹿北部、奥美濃方面は、午後から
劇的に晴れたようですが、それも、もう少し
標高が高く、気温の低い山のお話。
判断は、適切だったかと。
さて、チェーンスパイク、重宝しそうでしょ?
お手軽なのがいいですよね。、
komakiさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
もし、ひとりだったら撤退していただろうか?
僅かな躊躇を、自分をごまかして先に進んでいたのではないか?
何となくそんな気がしてなりません。
『強行しても楽しくない
複数でもひとりでも、きっとそうですね。
楽しくなくなれば、趣味でもなくなってしまいます。
努力といくつかの好条件に恵まれた上での巡り合わせだからこそ、
歓喜や感動が生まれ、達成感や満足感に浸れるのでしょうね
komakiさんオススメのチェーンスパイク、想像以上の良さです
ありがとうございました。手に入れて正解でした
hiroCさん、こんばんは。
腐れ雪に泣かされ、好天にもかかわらずに早々の撤退の判断は
お見事だと思います。それも、下山時の雪質の悪化まで考慮した
判断は、なかなかできないことだと思います。
自分たちで納得した上での撤退は、下山してきた時は納得できて
いますが、時間が経つと後悔が次第に募ってきますので、早めの
リベンジもしくは満を持してのリベンジをされることをお勧めします
それにしても撤退率が57%ですか・・・
お気持ちはお察しします。
kameさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
曇って撤退…ならまだしも、
晴天下での撤退は正直ツライところもありました
前回の失敗と反省があったこと、自分だけではなかったことが、
今回の判断に大きく影響したのだと思います。
『時間が経つと後悔が次第に募ってくる』
実は正に今がその状況です
この日の帰り、仲間の一人がワカンを買いました。
なので、次週にも今回のリベンジに出掛けたい気持ちがありますが、
また来年かな…と、思ってはいます
今年4回の撤退を振り返ってみますと、
どうしても気乗りせずに下山した回を除いてみたら、
残り三回の全てが複数での雪山でした。
登山道の状況と複数での進行ペースが分かり辛い雪山登山。
やはり難しいですね
始まりましたね。
こんばんは
荒鷲要塞OZ権現、もう少し雪が固くないとOZ集落か国道に落ちそうで攻略が難儀そうですね。
翌日の雨もあるし、部隊長として良い判断だと思います。
損耗なしの撤退率はよい指揮官の証です。
少佐に昇進できるでしょう。
赤いザックを買ってください。
(映画やってますね)
fuararunpuさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
OZ表記に近未来を感じます
雪庇を踏み抜き、道の駅、藤橋の湯の露天風呂(女湯)に落ちてしまったら、
警察に突き出されて難儀なことになりそうです
ルート状況や行程時間の読みづらい雪山を、複数山行で選択してることが、
撤退率上昇のそもそもの原因ですね、きっと。
K隊員がワカンを買ったので、次週にもリベンジと行きたいところですが、
たぶん白薔薇は来年以降に持ち越しになりそうです。
実はダークブルーのニューザック(高機動仕様)を入手済みです
近日公開予定?
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