空沼岳〜万計沢コース〜(狭薄敗退)
- GPS
- 11:20
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 1,118m
- 下り
- 1,163m
コースタイム
【3月31日】万計沼(万計山荘)6:36-7:50真簾沼-8:00登山道分岐-8:15真簾沼西畔-9:16空沼〜札幌縦走路-9:21 P.1197-9:46 P.1197南西尾根引き返し点-10:09 P.1197-11:56登山道-13:05頂稜-13:22空沼岳頂上-13:33頂稜下降点13:50-14:04凹地-14:42万計沼(万計山荘)15:30-16:13登山口-16:36採石場-17:05空沼二股
天候 | 3月30日■快晴 3月31日■霧・曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
20数年ぶりに何とか空沼岳の頂上に立つことができた。
しかし、35年ぶり2度目の狭薄山登頂は視界不良のため果たせなかった。
3月30日から父が2泊3日でショートステイに行くので、
久しぶりに泊まりの山行に行ってみようと思い立つ。
手元にはツェルト的なテントしかないので、
あれこれ考えた挙げ句、小屋泊まりにすることに。
しかし、平日に確実に泊まれる(鍵が開いている)と思われる小屋が少ない。
ヘルベチアはもちろんダメ。奥手稲山の家や無意根尻小屋は大丈夫かもしれないが…
結局、万計山荘泊まりで久しく行っていない空沼岳方面に決定。
1泊2日の計画で、初日は空沼二股から万計山荘まで。余裕があれば空沼岳往復。
2日目は、真簾沼経由で狭薄山に登り、蝦蟇沢の源頭を渡って札幌岳まで縦走し、
冷水沢を下って定山渓へ。だが天候や体調が悪ければ、狭薄山往復あるいは空沼岳往復に変更して空沼二股に下山。
空沼岳に登るのは20数年前の夏に札幌岳まで縦走したとき以来。
高校時代にGWに登ったことはあるが、スキーで行くのは初めてだ。
札幌岳の方は、やはり20数年前の正月に遭難捜索に参加して
スキーで登ったことはあるが…。
スキーは、縦走路のアップダウンや荷の重さも考えて
軽量のウロコ板(細板ではない)にする。
初日は天気がよさそうだが、2日目は微妙。どうなるか。
30日、真駒内駅からのバスの中で、中年男性に
「空沼岳に登るんですか?」と声をかけられる。
空沼二股の先の最終人家に住んでいる人で、7、8年前に引っ越してきたらしい。
釣りが趣味で独りで山に出かけるのだとか。
終点・空沼二股でバスを降りて彼の家まで一緒に歩き、
「よかったら帰りに寄って」と言われて別れる。
採石場のT字路を過ぎ、橋を渡ったところで雪が出てきてスキーをはく。
しばらく行くと右の沢を渡っているシュプールがあるが、
下流へと下っているので、これはたどらず登山道を行くと
すぐに登山口となり、クルマが1台停めてある。
さっきのシュプールの主のクルマか。
入山届ノートには最近の入山記録はない。
川を渡って、ほぼ夏道通しに登っていく。
数日前、たぶん先週末のかなり大人数のトレースがしっかりとあり、
ラッセルはほとんどなし。
天気はよい。サングラスを忘れてきてしまったので、
薄目を開けた状態で歩く。
シュラフや食料の他に酒なども少々持ってきたこともあり、
ちょっと荷を重く感じる。食料はある程度減るにしろ、
明日、これに近い荷を背負って札幌岳まで行くのは辛いかな、
万計沼から狭薄山往復に変えようかな、と弱気の虫が頭をもたげる。
やがて右下に沢を見下ろしながら右岸斜面をトラバース気味に登るところに出る。
このコースで一番記憶に残る特徴的なところだ。
その後、上部が開けるところで左岸に徒渉。
小さな沼の畔を通り、左に行く万計沼からの沢沿いの道と分かれて
正面の斜面を右から巻いて上に出て進むと、万計山荘の裏手に出た。
既に15時30分なので、今日空沼岳に登るのは止めにする。
万計山荘に入るのは、たぶん高校の時以来。
その時も泊まったのは空沼小屋だったので、ここに泊まるのは初めて。
中は板の間でかなり広い。そしてストーブは大きい。
とりあえずストーブを点けることにする。
なんとか火は点いたが、ストーブの中でちょろちょろ燃えているだけで、
周りはなかなか暖かくなってこない。
ストーブが大きすぎて、よっぽどぼんぼん薪をくべないと
鉄板が輻射熱を発するまでに至らないのだ。しかも部屋がだだっ広いと来ている。
しかし、独りで薪を大量に消費するのは気がひける。
という訳で、薪のくべ足しは少しずつにならざるを得ず、
それほど気温は低くないはずなのに、
小屋の中のしかもストーブの前でぶるぶる震えるハメに。
夕食後、焼酎を飲むうち、ストーブもやっと少し暖かくなってくるが、
2階に行ってみたものの寒くて、ここで寝る気にはならず、
ストーブの横にシュラフを広げる。それでも結局、
朝まで1時間おきに起きてはストーブに火をくべるハメになってしまった。
夜半から外で風が吹き荒れる音が聞こえていたが、
朝になってもかなり強そうだ。
空は曇りで、万計沼付近は見えるが上の方はガスっていて見えない。
この時点で既に札幌岳への縦走はあきらめかけている。
GPSは持っているが、地図もルートも入れていないので、
ガスで視界がなければ狭薄の頂上に達するのも難しいかと思うが、
とりあえずは真簾沼を目指すことに決め、大半の荷物を小屋にデポして出発する。
夏道に沿う形で沢沿いを行き、途中から斜面を登っていく。
後方から朝日が差し、青空ものぞくが、すぐにまた隠れてしまう。
スノーモービルのトレースが現れ始め、気にしないようにと思うのだが、
ついつい惑わされて右往左往、迷走してしまう。
このあたりは迷走地形だったことを思い出す。
真簾沼に着く頃には風も強まり、ガスも濃くなっていて、
沼があるはずのところは、何も見えないから沼だとわかるくらい。
とにかく沼の西の縦走路までは行ってみようと、
沼の南畔をいく。空沼岳への夏道が登っているP.1180の西の急な沢型が見える。
しかし、沼の西の沢に入るともういけない。
沢といってもほとんど平坦で、どっちが源頭かよくわからない。
尾根の南西面の斜面をトラバースしていくが、
スノーモービルのトラックが縦横に現れ、現在地がわからなくなる。
まあ、それでもまだまだ時間はあるし、行けるところまで、と西の方へ進むと、
左に上へ向かって延びる斜面が現れる。
狭薄への尾根にしては近すぎるが、登ってみることにする。
急斜面を登ると、木の生えていない尾根上に出て、
これをたどるとちょっとしたピークに出る。
ここからさらに、南に向きを変えた尾根を行ってみるが
次第に下っていくので、引き返すことにする。
後からログを見ると、このピークはP.1197だった。
さて狭薄はあきらめ、今度は目標を空沼岳に変えて
空沼ー札幌の縦走路の尾根を目指すが、
この時点で現在位置の誤認があったため、迷走することに。
というのも、先ほど通ったP.1197こそ縦走路上のピークだったのだから。
というわけで、縦走路の尾根と思って上がったのは
実は、真簾沼からの登山道が通っている2つのP.1150のあたりで、
気がつくと右側にここより随分と高いところがあるのに気づき、愕然とする。
仕方がないので今の尾根を下り、急斜面をシールで這い上がり、
やっと縦走路の尾根に出る。背後にはP.1153が見える。
細長い頂稜が北東側に雪庇を発達させて南東へと続いている。風は強い。
木のない、偃松だけの頂上とおぼしきところに着くが、
周りには何も見えないので早々に引き返し、
先ほど尾根に上がったところでシールを外す。少しガスが晴れ、
P.1180とP.1153が見えるので、この2つのピークの間の凹地を目指す。
あっという間に滑り下り、ちょっとの登りはシールなしで乗り切り、
今度は万計沼へ向けて滑る。決していい雪質ではないが、結構快適だった。
修復が必要で閉鎖されている空沼小屋の様子を見に行った後、
荷物をまとめ、帰路についた。
行きのバスで一緒になった人の家の前でちょっと躊躇したが、
バスの時刻に余裕がなかったので、寄らずに素通りした。
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