竜ヶ岳(ふるさと兵庫100山)
- GPS
- 05:43
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 809m
- 下り
- 814m
コースタイム
- 山行
- 5:28
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 5:41
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | ラベンダーパーク多可に食堂 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
土曜日は低気圧の通過後、一気に西高東低の気圧配置になり、高気圧の中心から低気圧の中心までの気圧差が50mBもあるため、猛烈な風が吹いていた。そもそも低気圧の通過時は、雷と雹とで恐ろしいほどの荒れ模様なのだった。そんなわけなので、土曜日の山行はとても無理。日曜日しかない。日曜日に天気がどれだけ回復するのかも疑問だったのだが、高圧部が南に偏ってせり出したため、西日本ははやくも等圧線が緩んで風も収まり、気温もだいぶ回復してきた。これはいいぞ。しかし、月曜日は出勤なので、近めの場所にして、帰宅が遅くならないようにしたい。ということで、先週の白岩山(神河町)に続き、ふるさと兵庫100山の一つ、多可町と氷上町の境にある竜ヶ岳に行ってみることとなった。起点は竜ヶ岳の西側に位置するラベンダーパーク多可ということであり、てっきり中国道の滝野社あたりから北上するものと思っていたが、自動車ルートガイドで調べてみると、舞鶴若狭道、北近畿道を経由して氷上から西に走るルートが出てきた。意外だったが、氷上から多可へと抜けるトンネルを使って、ストンとラベンダーパーク多可に出られるようなのだ。その清水坂トンネルは、今日の目的地、大井戸山と竜ヶ岳をつなぐ主稜線を東西に貫いているのだった。
北近畿道は氷ノ山や浜坂に行くときに必ず使うのだが、氷上はいつも素通りだった。初めて氷上で高速を降りる。氷上町は市町村合併で誕生した丹波市のセンターだ。こちらが丹波市を名乗ったことから、丹波の中心を自負する隣の篠山市が危機感を募らせ、住民投票の結果、丹波篠山市に改称したといういわくの地ということになる。さて、氷上の中心を抜けて西に県道78号を進む。この道は小春ロードと名付けられて、気持ちの良い高原の雰囲気の中をいく。正面に立ちはだかるように聳えているのが今から向かう竜ヶ岳だ。トンネルを抜けるとラベンダーパーク多可が左手にある。第3駐車場まであって、そんなに人が来るのかとちょっとびっくり。今はオフシーズンだからか、入園無料、施設の真前の第1駐車場に車を置く。冬が目前なので、施設は閉鎖されているんじゃないかと勝手に思ってやってきたが、食堂ではおばちゃんが調理しているし、販売施設の方も何やら忙しげである。近頃廃業、休業の施設が多い中、こうして元気に動いているのを見ると励まされる。
駐車場前の案内看板を見て、大井戸山への取り付きを把握する。とにかく、遊歩道をてっぺんまで上がると、そこが登山口のようだ。それでも勝手がわからずうろうろしていたら、施設のおっちゃんがやってきて行き方を教えてくれた。ラベンダー畑の上縁まで行ってさらに幅のある道をジグザグに上がったところに東屋があり、その正面山側の防獣柵の扉を開けて(そして閉じて)登山道に入った。しばらくの間は、ラベンダーパークが設置した案内板などが立っている。シカの食圧が大きくて下生えが一切育たず、さらにヒサカキやアセビなどの常緑樹が陽射しを遮るため、次世代樹が育たない、として防獣柵と常緑樹の伐採を試験的に行なっている、とある。しかし、その周囲にはアセビ、シキミ、といった有毒の常緑樹がなおも茂っているのだった。
綺麗に整備されて見晴らしのいい園地から山道に入ると周囲は温帯広葉樹林となり、明るくかつ自然度の高い雰囲気の中を快適に登る。まもなくして「この先足元注意」の標識が現れた後は、巡視路のトレードマークである黒い化成品の階段が現れる。頭上を見上げれば、やっぱり、高圧電線が走っているのだった。高圧線鉄塔の周囲は安全のため伐採するので、これまた見晴らしがいい。やがて眼前に大岩が現れると、その先は次々に大岩が出てくる。急登を喘ぎ登れば、道標の立つ稜線の一角に飛びだす。傾斜が緩み、なおも大岩を右に左に巻き、あるいはまっすぐに乗り越えて進んでいく。するとパッと明るくひらけた山頂に導かれる。大井戸山に着いたものと思い、そこからの眺めを楽しむが、山名板もない山頂なんだね、などと会話を交わしたのち僅かに進むと、もう一つ、目前にピークがある。何やら看板らしきものも立っている。あれっ、こっちが山頂だ!だが、眺めはさっきの展望台に比肩すべくもない。
この先も大岩は次々に現れる。しかし、周囲はヒノキの植林となり、薄暗く殺風景な稜線と化す。結局ここから龍ヶ岳の手前まではヒノキ植林が続き、面白みのない区間であった。ただひたすら、小刻みなアップダウンをこなしていく。仏様の祀られた清水峠を越えて上り基調となったのち、一旦は右(丹波側)が自然林となるがすぐまたヒノキ植林に変わる。さらに登ってようやく左側(播磨側)が自然林となるが、大井戸山のような温帯林というより、常緑樹の目立つ林相で眺望もイマイチである。ヒノキの隙間からようやく差し込んだ陽の光のスポットを拾って昼食を取る。
食後、ほんの少し進むと傾斜がグッと緩くなり、左からの陽射しも増してきた。前方が明るく開けると、もうそこは龍ヶ岳の山頂なのであった。
山頂からの展望は南北、西方にひらけて抜群である。十分に堪能して、清水峠にとって返す。二人の単独行の登山者とすれ違う。清水峠からの下りは早い。すぐに水音が聞こえ、眼下に舗装林道の終点広場が見えてきた。先ほどすれ違った単同行者のものであろう。軽自動車が一台止まっていた。ここからダラダラと林道を下る。うねうねと曲がりながら降っていけば、集落に出る。林道出口の防獣柵を開けて外に出たのち、左に小春ロードまでが上りとなる。情けないがこれが辛い。
小春ロードには歩道まで設置されており、安心して歩くことができる。ラベンダーパークは第2駐車場までほぼ満車の状態である。これにはびっくり。山中にもドラムやトランペットの音が聞こえてきていたが、さながら多可町のアミューズメントセンターといった賑わいだ。衰えの目立つ日本、特に地方ではその感が強いが、今日、この地の賑わいに接して、なんだかほっとした気分になるのであった。ラベンダーパークで抽出した精油を含む防臭スプレーを買い求め、ガラガラの景品で精油入り線香までもらって充実の山行を締めくくる我々であった。
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