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Yamareco

記録ID: 628534
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雪山ハイキング
甲信越

巨木の森の信越国境に、「鬼ぶな」を訪ねて

2015年05月02日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 新潟県 長野県
 - 拍手
tanigawa その他1人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
05:17
距離
7.0km
登り
466m
下り
458m
天候 快晴。
過去天気図(気象庁) 2015年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
信越国境の麓の集落へ進み、畑作地帯のはずれに車を止めました。除雪作業の邪魔にならない場所を利用すること。
コース状況/
危険箇所等
この時期、信越国境の峠に登る車道や踏み跡は、雪に埋もれており、上部のブナ林へは行けそうなルートを探しつつ上がります。残雪の下には、水路、小沢、畑地などが隠れています。雪の踏みぬきは、危険。登高の中盤以降は、傾斜がある沢のそばや、雪原の下に隠れた枝沢などの上を、横断しつつ登って行きます。大きな用水掘りも隠れています。地図の表記や現在地確認を重ねて、登り、下りする必要があります。
その他周辺情報 ブナの森は全体が積雪1m以上の雪原。雪が少なくなり、木の根が露出し始める遅い時期の場合は、樹下に入り込むことをせず、根を踏んで傷めぬように注意したい。
車は畑作地帯の車道のそばの空き地にデポ。除雪をしていない農業用の作業道を上がります。
車は畑作地帯の車道のそばの空き地にデポ。除雪をしていない農業用の作業道を上がります。
途中、雪原状の畑を迂回しがら、はるか先の信越国境を目指します。
途中、雪原状の畑を迂回しがら、はるか先の信越国境を目指します。
冬眠から覚めたばかりか? まったく動かず、日なたぼっこ。
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冬眠から覚めたばかりか? まったく動かず、日なたぼっこ。
地図上は、ここが踏み跡があるルート。
地図上は、ここが踏み跡があるルート。
クロモジ。
オオカメノキ。
コブシ。
1時間ほど登ると、ブナ林に入ります。
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1時間ほど登ると、ブナ林に入ります。
左側に沢があるため、沢に沿って上がります。
左側に沢があるため、沢に沿って上がります。
イワカガミ。
コシアブラの芽。以下、同じ。
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コシアブラの芽。以下、同じ。
ここまで、コシアブラの芽。
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ここまで、コシアブラの芽。
マンサク。
コブシか、タムシバか。脇の葉がないので、タムシバ。
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コブシか、タムシバか。脇の葉がないので、タムシバ。
タムシバ。
右下の谷筋を、車道が上がってきています。この区間だけ、雪が早く融けて、路面の一部が姿を現しました。
右下の谷筋を、車道が上がってきています。この区間だけ、雪が早く融けて、路面の一部が姿を現しました。
若いブナなどの林を進みます。
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若いブナなどの林を進みます。
この先で、いったん登りになり、信越国境の手前の広大な、起伏のある雪原に出ます。
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この先で、いったん登りになり、信越国境の手前の広大な、起伏のある雪原に出ます。
途中の高みに上がると、国境線の北北西方向に、巨木のブナが見えます。
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途中の高みに上がると、国境線の北北西方向に、巨木のブナが見えます。
雪原はこの時期ならではのもの。
正面は、峠の北西方向の国境線。
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雪原はこの時期ならではのもの。
正面は、峠の北西方向の国境線。
国境線の峠のそばに、見事なブナの大木が。でも、幹は「鬼ぶな」と言われるほどではない。でも、大きく、伸び伸びと立ち。立派でした。
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国境線の峠のそばに、見事なブナの大木が。でも、幹は「鬼ぶな」と言われるほどではない。でも、大きく、伸び伸びと立ち。立派でした。
ここが、国境の峠。積雪4mほど、雪がたまっています。
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ここが、国境の峠。積雪4mほど、雪がたまっています。
志賀の山山。
苗場山方面。
私たちは、稜線直下の高みからあちこち眺めて、巨木の「鬼ブナ」を探しました。
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私たちは、稜線直下の高みからあちこち眺めて、巨木の「鬼ブナ」を探しました。
ここからは、写真は時系列でなく、あちこち歩き回ったものを順不同で並べます。
この立派なブナも、「鬼ぶな」と思わされた1本。美しさを感じるのは、雪と、葉を開きかけた若緑の色彩のせいでしょうか?
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ここからは、写真は時系列でなく、あちこち歩き回ったものを順不同で並べます。
この立派なブナも、「鬼ぶな」と思わされた1本。美しさを感じるのは、雪と、葉を開きかけた若緑の色彩のせいでしょうか?
雪原の彷徨。「鬼ぶな」は何処に?
雪原の彷徨。「鬼ぶな」は何処に?
近づいてみたら、2本の幹でした。
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近づいてみたら、2本の幹でした。
幹が立派な1本。
お、これは、ひときわ、でかい。
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お、これは、ひときわ、でかい。
幹も太い。それよりも、枝を上へ、四方へと、大きく広げています。
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幹も太い。それよりも、枝を上へ、四方へと、大きく広げています。
周回して、その大きさに圧倒されました。これぞ、まさに「鬼ぶな」。
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周回して、その大きさに圧倒されました。これぞ、まさに「鬼ぶな」。
見に来た甲斐がありました。
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見に来た甲斐がありました。
帰り道。カモシカ。
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帰り道。カモシカ。
朴の木。
コブシか、タムシバ。
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コブシか、タムシバ。
雪開け。
中腹から下まで降りてきました。
厚く積もった雪の重しで、たわんで地を張っていた枝も、もうすぐ立ち上がります。
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中腹から下まで降りてきました。
厚く積もった雪の重しで、たわんで地を張っていた枝も、もうすぐ立ち上がります。
デポした車まで、到達。
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デポした車まで、到達。

感想

 信越トレイルと呼ばれる国境線は、豪雪と巨木の森とで、惹かれてきた地域でした。「巨木の谷」の「森太郎」に会いに行って、1度目はかなわなかったのが、2011の春でした。そのときは、本命に会えなかったけれど、巨木の谷に沿って上り下りするルートをとって、背丈のあるとても立派なブナを、数本も観察することができました。
 今回は、その「森太郎」から6,7キロほど離れた場所に発見された「鬼ぶな」を見たくて、雪解けが早まったのにも合わせて、出かけました。
 「鬼ぶな」は、名前は近づきがたいけれど、姿は伸びやか、樹皮も白く美しい巨木らしい。

 ルートは、信越国境の峠へ、どこでも好きにルートどりできるこの時期にほぼ直上するラインを選びました。なにしろ、「鬼ぶな」どこに位置するか、くわしい地図は見たことがない。そのかわり、この時期なら、低木とヤブをすっかり雪の下にして、広い雪原を探索することができます。

 結果は、遠目が利くし、行動もしやすいし、すばらしい時間を過ごすことができました。
 幹の直径が1m超えで、元気な盛りのブナの大木が、幾本か見つかり、見とれました。
 そして、めざす「鬼ぶな」は、それらの巨木のなかでも、抜群に立派な姿で、私たちを迎えてくれました。
 この時期、まだ葉はやっと開きかけだったこともあったのだと思います。とにかく明るく、でかい。周囲の大木から抜きんでる太さの幹を高く立ち上げ、空にも周囲にも、ドーンと大きく枝を広げて、堂々とした大きさで私たちを迎えてくれました。

 「鬼ぶな」の正確な場所は、保存と観察の手だてがまだ定まっていないようで、詳しい位置は公表はされていません。私たちは、現場で見晴らしの位置に登り上がるなど、ちょっと苦労して「鬼ぶな」探しをしました。場所は正確にはGPSでもデータは略しています。冬の後半から、雪が落ち着くこの時期に、現地で自力で探すのが、一番楽しめるし、保存が必要な古木の根を痛めることもありません。自分で探すことで、いろんな美しい巨木にも出合える楽しみもあると思います。
 まだまだ「鬼ぶな」は働き盛りの世代のようです。現地では、樹林が枯死したと思える空間が多いことが気にかかりました。「鬼ぶな」やその生命力を継承する若いブナたちにも、すばらしい未来があるようにと願いながら、林と広大な雪原のルートを降りてきました。

 
 

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