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記録ID: 6684457
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積雪期ピークハント/縦走
白山

【白山】大杉谷林道から御前峰 (シゲジ〜湯の谷横断〜御前峰西尾根 経由)

2024年04月20日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
23.1km
登り
2,312m
下り
2,301m

コースタイム

日帰り
山行
12:10
休憩
0:00
合計
12:10
8:00
8:00
180
鳴谷峠付近の稜線
11:00
11:00
40
11:40
11:40
170
湯の谷を横断→御前峰西尾根に取りつき
14:30
14:30
60
15:30
15:30
50
湯の谷を横断
16:20
16:20
130
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス 大杉谷林道は除雪・落石撤去などの整備が進み,標高点968mヘアピンの車止めゲートまで進入可能。ダートでガタガタの箇所もあるが,普通の乗用車でも何とか奥まで入れる。
コース状況/
危険箇所等
・ 林道〜鳴谷峠(鳴谷山と屏風山P1712の間の最低鞍部)までの区間は,飛び石状に残った残雪を辿って何とかヤブ漕ぎ最小限で上がれる感じ。来週あたりは完全に残雪が切れると思う。鳴谷峠に直に突き上げている沢の左岸の尾根は比較的残雪が残っており,下部に踏み跡?らしきものがあるため,歩きやすい。
・ 目附谷左岸稜線(鳴谷峠〜シゲジ)は,概ね雪がつながっているものの,ところどころヤブが出ている箇所がある。残雪期の山としてはあと1〜2週間くらいが限度か。
・ 湯の谷はところどころ谷割れしているが,問題なく横断可能。標高1850m以上であればスキー滑降も十分可能そうに見えた(それより下は谷割れがひどい)。
・ 御前峰西尾根は取り付きがかなりの急斜面なので,ピッケル必須。アイゼンは雪が緩んでいたため使用しなかったが,雪が硬いの時のために携行必須。まだ雪はつながっており快適に登れる。
先週の大杉谷林道は下杉谷で早くも残雪ストップだったが,今週は一般車両の終点である968mヘアピンのゲートまで車で入ることができた。
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先週の大杉谷林道は下杉谷で早くも残雪ストップだったが,今週は一般車両の終点である968mヘアピンのゲートまで車で入ることができた。
京都では桜はもう散り過ぎているが,白山ではようやくマメザクラが咲いている。
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京都では桜はもう散り過ぎているが,白山ではようやくマメザクラが咲いている。
ブナの梢がふくらんだ芽で赤みを帯びている。新緑ももうすぐだ。
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ブナの梢がふくらんだ芽で赤みを帯びている。新緑ももうすぐだ。
林道を離れて鳴谷峠へ。鳴谷峠に突き上げる沢の左岸尾根は下部に薄い踏み跡があり,雪がなくても登りやすい。
林道を離れて鳴谷峠へ。鳴谷峠に突き上げる沢の左岸尾根は下部に薄い踏み跡があり,雪がなくても登りやすい。
飛び石状に溶け残った残雪を追って,稜線へ。
飛び石状に溶け残った残雪を追って,稜線へ。
鳴谷峠付近の稜線に登り上げた。稜線上の雪は何とかつながっている。雪はよく締まっており,ワカンは付けずに行く。
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鳴谷峠付近の稜線に登り上げた。稜線上の雪は何とかつながっている。雪はよく締まっており,ワカンは付けずに行く。
屏風山P1712は,今日は最短距離の南側を巻く。ブナの森が美しい斜面を延々とトラバース。
屏風山P1712は,今日は最短距離の南側を巻く。ブナの森が美しい斜面を延々とトラバース。
屏風山の北側の屏風平(仮称)もいいところだけど,南側の山腹もいいところだな。
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屏風山の北側の屏風平(仮称)もいいところだけど,南側の山腹もいいところだな。
稜線をシゲジへ。四塚山や大汝峰,御前峰もよく見える。
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稜線をシゲジへ。四塚山や大汝峰,御前峰もよく見える。
左手は加賀禅定道の稜線。
左手は加賀禅定道の稜線。
眼下の目附谷の谷底は完全に割れている。同じ時期にスキーで滑ったことがあるなんて信じられない眺めだ。(実は,稜線のヤブがひどい場合は目附谷に降りて雪渓を辿ることも想定していたが,こりゃどちらにしろ今年は無理だな…)
眼下の目附谷の谷底は完全に割れている。同じ時期にスキーで滑ったことがあるなんて信じられない眺めだ。(実は,稜線のヤブがひどい場合は目附谷に降りて雪渓を辿ることも想定していたが,こりゃどちらにしろ今年は無理だな…)
シゲジ山頂を通過。
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シゲジ山頂を通過。
シゲジから御前峰を眺めつつ,湯の谷に下降していく。
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シゲジから御前峰を眺めつつ,湯の谷に下降していく。
雪の少ない今年でも,さすがに湯の谷はほぼ雪渓がつながっているようだ。一安心。
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雪の少ない今年でも,さすがに湯の谷はほぼ雪渓がつながっているようだ。一安心。
湯の谷への最短距離・最小高度差である湯の谷乗越付近から谷底へ下降。
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湯の谷への最短距離・最小高度差である湯の谷乗越付近から谷底へ下降。
あ,やっぱり谷割れしてる。でもこの箇所はこの時期には大抵割れてるからなぁ
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あ,やっぱり谷割れしてる。でもこの箇所はこの時期には大抵割れてるからなぁ
谷割れ箇所を避けて,湯の谷の谷底に降り立った。
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谷割れ箇所を避けて,湯の谷の谷底に降り立った。
岩壁の地層がすごい。
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岩壁の地層がすごい。
最初は,湯の谷をしばらく遡行して,源頭の枝谷から大汝峰西面に登り上げることも考えていたが,御前峰西尾根の下部の斜面の雪がしっかりつながっているのを見て,御前峰西尾根を直登することにした。
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最初は,湯の谷をしばらく遡行して,源頭の枝谷から大汝峰西面に登り上げることも考えていたが,御前峰西尾根の下部の斜面の雪がしっかりつながっているのを見て,御前峰西尾根を直登することにした。
御前峰西尾根の下部は天を仰ぐような急斜面が続く。雪は緩んでおり,キックステップがよく効いたので,アイゼンは付けなかったが,ピッケルを深く差し込みつつ慎重に登っていく。
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御前峰西尾根の下部は天を仰ぐような急斜面が続く。雪は緩んでおり,キックステップがよく効いたので,アイゼンは付けなかったが,ピッケルを深く差し込みつつ慎重に登っていく。
岩がちな尾根で,ところどころにモニュメントのような大岩が立っているのが目立つ。
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岩がちな尾根で,ところどころにモニュメントのような大岩が立っているのが目立つ。
急斜面を越えて,上部の台地に登り上げると,目の前に雄大な風景が一気に広がる。
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急斜面を越えて,上部の台地に登り上げると,目の前に雄大な風景が一気に広がる。
振り返れば湯の谷の向こうにシゲジ。
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振り返れば湯の谷の向こうにシゲジ。
穏やかな丘のような大汝峰。
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穏やかな丘のような大汝峰。
左手には四塚山と七倉山。
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左手には四塚山と七倉山。
広大な雪原の向こうに,別山。
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広大な雪原の向こうに,別山。
ところどころに島のような大岩が横たわっている。これらの岩も,白山信仰が盛んだった当時は,一つ一つに謂れがあったり,名前が付いていたりしたのだろうか。
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ところどころに島のような大岩が横たわっている。これらの岩も,白山信仰が盛んだった当時は,一つ一つに謂れがあったり,名前が付いていたりしたのだろうか。
ここまで来ると,御前峰西尾根は,尾根と言うより,ほとんど平原のような印象の広がりを見せる(地図上では,けっこうはっきりした尾根状に見えるのだが)。風景が大きすぎて,歩いても歩いても,なかなか御前峰が近づいて来ない。
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ここまで来ると,御前峰西尾根は,尾根と言うより,ほとんど平原のような印象の広がりを見せる(地図上では,けっこうはっきりした尾根状に見えるのだが)。風景が大きすぎて,歩いても歩いても,なかなか御前峰が近づいて来ない。
どちらを眺めても,ただ雪原があるばかり。有名な弥陀ヶ原だけではなく,御前峰の足元には,誰もいない雪原が至る所に広がっている。
どちらを眺めても,ただ雪原があるばかり。有名な弥陀ヶ原だけではなく,御前峰の足元には,誰もいない雪原が至る所に広がっている。
ようやく御前峰が近づいてきた。
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ようやく御前峰が近づいてきた。
雪に埋もれた千蛇ヶ池の南縁をめぐって,御前峰へ。
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雪に埋もれた千蛇ヶ池の南縁をめぐって,御前峰へ。
御前峰山頂に,人影はなかった。風嵐ゲート開放前の,今シーズン最後の静寂だろう。
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御前峰山頂に,人影はなかった。風嵐ゲート開放前の,今シーズン最後の静寂だろう。
御前峰山頂に到着。
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御前峰山頂に到着。
室堂平と,その向こうの別山。
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室堂平と,その向こうの別山。
室堂は深々と雪に埋もれ,人影はなかった。GW営業に向けた準備はまだ始まっていないようだ。
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室堂は深々と雪に埋もれ,人影はなかった。GW営業に向けた準備はまだ始まっていないようだ。
大汝峰方面を眺める。
大汝峰方面を眺める。
もちろんお社にも参拝。お久し振りです。帰路もご加護を。
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もちろんお社にも参拝。お久し振りです。帰路もご加護を。
さて,戻ろうか。
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さて,戻ろうか。
御前峰から見ると,シゲジはとても遠く見える。あれを越えて帰る。
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御前峰から見ると,シゲジはとても遠く見える。あれを越えて帰る。
御前峰よ,また。
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御前峰よ,また。
湯の谷の谷底まで,標高差300mを一気にシリセード。登りではあんなに時間がかかったのに,下りは1分…。
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湯の谷の谷底まで,標高差300mを一気にシリセード。登りではあんなに時間がかかったのに,下りは1分…。
湯の谷からシゲジへ登り返す。そんなに標高差はないはずだが,疲れた脚には結構こたえる登り。
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湯の谷からシゲジへ登り返す。そんなに標高差はないはずだが,疲れた脚には結構こたえる登り。
シゲジへ登り返しながら,登ってきた御前峰西尾根と,その奥に控える御前峰を振り返る。御前峰まで一直線のルートであることが良くわかる。見慣れない角度から見る御前峰は,とても印象的だった。
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シゲジへ登り返しながら,登ってきた御前峰西尾根と,その奥に控える御前峰を振り返る。御前峰まで一直線のルートであることが良くわかる。見慣れない角度から見る御前峰は,とても印象的だった。

装備

備考 ・ アイゼン・ピッケル携行(雪が緩んでいたためアイゼンは使用しなかったが,ピッケルは常時使用)
・ ワカン携行。使用しなかったが,ガボリがひどいときのために持っていたほうがいいと思う。
・ スキーの使用も有効なルートだと思うが,下部の雪切れのため今回は使用しなかった。

感想

 白山公園線の冬期閉鎖中に,御前峰まで最短距離で到達するには? と考えて,辿ってみたのがこのルート。でも,よく考えてみたら,このルート,かつて白山に存在し,現在は廃道となっている「青柳新道」と「ワンゲル新道(湯の谷新道)」の一部区間にほぼ重なるルートではないですか。幻の登山道,時を超え一日だけ束の間の復活。見慣れない角度から一直線に近づいてくる御前峰は,とても新鮮だった。

 ところで,これは勝手な推測だが,青柳新道とワンゲル新道(湯の谷新道)は,ワンセットの登山道だったのではないか。白峰から延々と目附谷左岸稜線を辿ってきて,湯の谷乗越で登山道(青柳新道)が終わってしまうのは大変惜しい。シゲジから眺めると,湯の谷の対岸に急峻に立ちあがる御前峰西尾根の直線上に,御前峰が見えている。あそこまで行きたい。そう考えるのは登山者として当たり前に思える。改めて地図上で眺めると,青柳新道とワンゲル新道の接合部は,湯の谷という険谷の弱点を突きつつ,白山の主峰に直行するための効率的かつ美しいラインに見えてくる。

※ 青柳新道…昭和37年に開通した,白峰〜青柳山〜砂御前山〜鳴谷山〜シゲジ〜湯の谷乗越をつなぐ登山道。現在は廃道。
※ ワンゲル新道(湯の谷新道)…昭和38年に金沢大学ワンダーフォーゲル部が開削した,湯の谷乗越〜室堂を結ぶ登山道。昭和41年に転落事故が起こり廃道となる。

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