燃える紅葉・金城山ー水無・滝入コース周回
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 1,083m
- 下り
- 1,083m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
とにかく急登、急降下。スリップ注意。 |
写真
感想
金城山の紅葉を、一度見に行きたいと思っていた。ただし、この山、標高の割に、険しく厳しい山だという。最初は観音山コースから登る予定にしていたが、前日になって急に気が変わり、距離の短い水無、滝入と周回するコースに変更した。
関越道六日町インターから三国川ダム方面に向かうと、右手に金城山の堂々とした山容が目に入ってくる。山の形が「金」の文字に似ているので、この名がついたそうだ。昔は「金状山」とも書いたという。
登山口の駐車場はぎりぎり10台ほどとめられるだろうか。すでに、ほとんど満杯状態だった。こちらが支度をしている間に、大半の人が、駐車場からいなくなった。
歩き始めてすぐに、道が二股に分かれ、右が滝入、左が水無コースの分岐となる。水無コースはかなり険しく急峻な道だというので、下りに使うのは怖そうなので、こちらから登り、滝入を下ることにした。
快晴の青空の下、錦繍をまとった峰々が朝の光に照らされ、金色に輝くようだ。しかし、余裕をもって景色を眺めることができたのは、わずかな間で、たちまち、厳しい急登が始まった。
これでもか、これでもかと急坂が現れ、ゆるむことがない。しかも、ヤセ尾根、鎖、ロープ、切れ落ちた崖のトラバースと、気の抜けない山場が連続する。体力もそうだが、精神の消耗も激しい。
さらに、露出した岩肌や、濡れた落ち葉に隠れた木の根など、滑りやすい箇所が実に多いのだ。ここを下るのはごめんだと、強く思った。足を滑らせば、谷底に真っ逆さまという場所がいくつも点在するのだから。
とはいえ、時折、足を止めて、見渡す山は、全山、紅葉の真っ盛りで、こちらの体も全身錦繍に染まるようだ。
それにしても、登山口にいた人たちの姿が、いっこうに見えない。こちらと5分も違わずに出発したはずなので、姿が見えてもいいのだが、よほど皆さん健脚なのだろう。それとも、こちらがのろすぎるのか。
六合目を過ぎ、嫌な感じの切れ落ちた崖のトラーバースを過ぎて、しばらく行ったところで振り返ると、真っ赤に紅葉した木々の向こうに、八海山、駒ケ岳、中ノ岳が姿を現した。
このあたりからようやく道も少しゆるやかになり、再び急坂を登り切ると、ぽっかりと小さな池のある平頂に出た。このあたりが、地形図に記されている金城山の最高点1369m峰、だろうか。しかし、それらしき標識は見つけられなかった。
そこを過ぎて、避難小屋まで来ると、前方に塔のような巨岩がいくつも空に突き立つ峰が目の前に現れた。巨岩を彩る、紅葉と相まって、この世ならぬ風景が、そこにあった。古くから、麓の人達が信仰の山として登拝してきたのもうなずける。
この大岩をどう抜けて行ったら、山頂にたどり着けるのか、迷いながら進んでいくと、ひょこりと六畳ほどの平らな岩の上に出た。傍らには、ベザイ岩という巨岩がそそり立っている。
山頂はもう少し先なのだが、ここで昼食を食べることにする。すると地元山岳会の人達が3人、登山口で話を交わした男性も加わり、昼食会のようになった。
登山口で会った男性は、滝入コースから登ったという。お互いに、登ったコースの様子を話す。滝入の下りも一筋縄ではいかないようだ。
地元山岳会の3人は、観音山コースを登って来たそうだ。弁当を広げながら、楽しそうに話をしている。こちらも、弁当のおかずのご相伴にあずかった。
そのうちのひとりが、傍らに立つ石塔の前で、般若心経を唱え始めた。朗々とした声が、山中に響き、あたりの峩々たる景観と相まって、何とも厳粛な気持ちにさせられた。思わず、ありがとうございました、とお礼の言葉がでた。
山頂に行くと、金城山山頂という、手描きの素朴な標柱が、何やら淋しそうに、建っていた。急に谷からガスが湧いてきて、展望が閉ざされてしまった。しばらく待ったが、晴れそうもないので、下山にかかることにした。
頂上直下の険しい鎖場を下り、雲洞コースと五十沢コースの分岐を右に入り、しばらく下るうち、沢沿いの道となった。山頂で話をした男性の言う通り、非常に滑りやすく、やっかいな道が、これでもかと続いた。数回、滑って転倒しそうになったが、大事には至らず、無事、登山口にたどり着くことができた時は、ほっとした。
金城山、また忘れがたい山がひとつ増えた。
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