妙義山相馬岳(相馬岳北稜の途中まで)
- GPS
- 13:55
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,900m
- 下り
- 1,891m
コースタイム
- 山行
- 11:21
- 休憩
- 2:35
- 合計
- 13:56
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場から尾根取り付き部までは徒歩。 |
写真
装備
個人装備 |
ロープ10m
50m
水と弁当
ツエルト
ヘッドライト
|
---|
感想
※ピークの番号は他の方のレコを参照して個人的推測値をつけました。間違っていたらごめんなさい。(ですが、このレコの中では一貫しています。)
当初、相馬岳北稜の尾根取り付き部から相馬岳へ登り、その後一般登山道(相馬岳コース)にて国民宿舎裏妙義へ戻る行程(約12時間)を想定していたが・・・
結果14時間かかり、目的地に到達できなかった物語。
長丁場の山行を予想し早朝から出発。
駐車場から尾根取り付き部の徒歩は真っ暗だったが、取り付き時には明るくなっていた。ナイス・タイミングに親指を突き立て、自画自賛しながら尾根に取り付く。
登り始めてすぐは水はけの良さそうなサラサラの砂で足元が悪い。三歩進んで二歩滑る(水前寺清子)をくり返し、ようやく尾根に乗った。
完全に尾根のド真ん中に乗ってしまったため、しばし岩をアップダウン。なんか無意味だな〜と思っていたら、なんと、少し逸れたところに踏み跡(巻き道)があった。
気を取り直し、推定P5までくると突如足元が切れ落ち、向こうに推定P6が見える。
前進困難なので来た道を少々戻ると、(行きには気付かなかった)巻き道を示す赤テープを発見。ここから西側を巻いてP5の基部まで降りた。
眼前のP6(推定)の形がひよこ饅頭かリーゼントパーマに見えた。
このP6を見上げながらしばらく進むと今度は推定P7の手前で行き詰まる。
P7を越えるにはさらに下巻いて行かなければならないようだが、ふと見ると近くの立ち木に残置スリングが見えた。ここからロープで下るのか。
単独行だと出すのが面倒くさいロープを用意し下降準備にとりかかったが、この後、悲しい出来事が訪れる・・・
50mロープをスリングではなく、立ち木に直接かけて25mほど下降。
ヨイショっと。
そして、ロープを回収しようと引っ張ったところで目が点・・・。う、動かない。
引っ張ってもビョンビョン伸びるだけでロープが落ちてこない。ならばと、バシバシ叩いてみたり、ぐりんぐりん回してみた。だが、ロープが動く気配はまったくなかった。
ロープの値段が頭をよぎる。1万6千円也。チーン。
(レジの決算の音だか、おりんの音だかわからない音が、頭の中で共鳴。)
何とか楽にロープを回収する方法はないかと立木の方向を睨みつけ、シックス・センスが働きだすのを待った。そして時間の無駄だと悟った。
意を決し、ご祝儀にも包んだことのない高額のロープを回収すべく、鬼の形相で登り返した。
どこに引っかかったのか? 俺の行く手を阻むのは何者なのか!?
と見ると、支点にした立木の根元と地面の摩擦でロープが動かないだけだった。
立木は地面から垂直に伸びており、根元部分は地面と鋭角をなしている。
自分の無知を呪い、今度は残置スリングを利用して下降。
(見るとこのスリングはだいぶんすり減っていた。)
降り立ったところからP7の先に進むには、岩の切れ目を乗り越えていくか、さらに下巻いて行くか。
ショートカット志向により、目に入った近場の切れ目を越えていったが、結局その先で下に落とされてしまったので、最初からもっと下降すべきかも知れない。
しばらく岩稜尾根を見上げながら基部の横を歩くが、どこまで続くかわからないので我慢できずに適当な切れ目から岩稜尾根に登る。
途中様々な突出した岩(偽ピーク?)に方向感覚を乱されながらも推定P11に到着。
すると前方に、これまでよりもいっそう切り立った岩が現れた。P12(しつこいようだが推定)とハサミ岩だ。
このとき既に12時目前。
ここからP12へ行くには稜線伝いに行けるか否か、先がよく見えず、さらに行った先で行き詰まると事なので、まずは周辺調査。
とりあえず、ここより西にあるピーク11c(山行概略図2参照)に登り推定P12方面を撮影。西側は険悪な岩肌。
今度はピーク11bを東から巻き、ピーク11aと11bのコルへ出た。
あれ、もうP12の下に来た?意外と簡単だな?と思い、P12と勘違いして登ったところが山行概略図のP11a。
イエス!と喜び進行方向(北側)を見ると何もない。恐る恐る振り返ると、なぜかさっきいたP11bが南側に見えた。
なんでそーなるの。一瞬方向感覚を失いP11bまで戻ってきた。神を呪い、天に向かって唾を吐いた。
今度はどこからか西側のずっと下へ降りられないかと思い、さっき赤テープを見たP11bとP11cのコルからロープで下ってみた。
すると下降地点がまずかったのか、50mほど降りてもランディング地点が見えず、かえって斜度がきつくなっている。遥か下方に着地地点が見える気もするが、支点となる灌木も心許ない。
きゃ〜! こりゃいかんと思い、近くの灌木帯に逃げ込みP11bに登り返した。
(今思うと、この灌木帯を利用すればもっと下に行けたかもしれないが、登るのに必死で、残念ながら下を覗かなかった。)
すったもんだしているうちに14時間近。明るいうちに帰れるリミットは過ぎている。(たぶんとっくに)
ここで大逆転的な何かが起こらないかと、再びシックス・センスが働くのを期待したが、当然それはなかった。
もういいや。山の上で寒い一夜を過ごしたくない(もしくは谷底で永遠の安らぎを得られたかもしれないが。)ので、ここで引き返すことにした。
最後にもう一度だけP11aとP11bのコルへ。落ち着いて見てみると、さらに奥にP12が見えた。
あそこまで行くのか。簡単には行けなさそうだが?
とりあえず写真撮影だけして引き返し、下山開始した。
かなり深追いしすぎたのでカモシカのごとく猛ダッシュで下山したい。
それは無理としても、少なくとも日暮れ前に岩稜部を脱出したい。そうすれば、あとはスマホのGPS(山と高原地図)で何とかなる。
適当なところから10mロープをつぎはぎして岩稜尾根から外れて西側へ下降。
あとは比較的傾斜が緩く、地図に崖マークのない尾根沿い(相馬岳北稜の岩稜基部沿い)を歩くことにした。
しばらく進むと、途中から誰かの踏み跡に合流した。先ほど天に向かって吐いた唾が、天使の羽根を生やして舞い降りた瞬間だった。神は寛大なり!サンク・ゴッド!
道中、岩稜尾根の基部を見るとえぐれていた。そのうち根元からポッキリ折れそうだ。
そして巻き道の性、張り出した支尾根を上り下りしながら進むと、無事、行きに歩いた登山道へ合流した。
18:31、舗装路に降り立ったのだった。
次回は・・・たぶんない。
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