北精進ヶ滝 滝壺
- GPS
- 32:00
- 距離
- 1.8km
- 登り
- 464m
- 下り
- 173m
天候 | 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
非公式ルートは事前にネットで下調べが必要。 予習しておけば大丈夫。 登山靴では渡渉困難なので、沢靴があれば安心。 でも裸足になれば渡れます。 |
写真
装備
個人装備 |
スマホ防水ケース
|
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感想
前日夜から乗り込んで車中泊で北精進ヶ滝滝壺に行く計画を立てました。9月第1週は台風のため見送りで一ヶ月後に決行。21時に川崎の自宅を出発して友人のm氏を拾い、中央道韮崎ICで下車して下道を延々行くと、雨がぱらついている。古いカーナビのせいで未舗装の林道に入り込んだりしたが、道路に出てきたヤマネやテンに癒されました。m氏の携帯ナビで何とか北精進ヶ滝駐車場にたどり着いたのは午前2時を回っていました。他に車は無し、簡易トイレがあるので安心、明日の予報は曇りなので取り敢えず寝床を整えて就寝いたしました。
朝6時と7時にアラームをセットしていましたが、目覚めると車の屋根を打つ雨音でテンション下がりそのまま再び眠ってしまう。本格的に目覚めたのは8時半。雨音は止んでいる。早速起き出しパーコレーターでコーヒーを淹れ、用意していたパンなどの朝食をすませる。食事が終わる頃一台の車が駐車場に入ってきた。先行すべく準備をしていると、雲が切れて青空が覗き俄然期待が高まってゆく。ザックに昼食を準備して、完全登山スタイルで9時40分出発。
駐車場横の吊り橋を渡ってスタート。この石空川(いしうとろがわ)を遡って行くと北精進ヶ滝があるはずです。沢沿いの緩やかな道を行けばヤマボウシの実が鈴なりで、苔むした森に赤い色が映える。沢沿いに歩いて行くと3つの連続した滝が現れる。整備された橋を渡りながら間近で眺めつつ進むが、二の滝などは単体の滝としても見応えがある。滝好きとしてはこれをスルーするなど大変贅沢な話です。規模の大きな沢なので大岩が多く、名前のついた岩もある。沢は様々な表情を見せてくれて、飽きることなく進んで行ける。道もよく整備されており、程なくして観瀑台に到着しました。 コースタイム通り40分程度。
観瀑台から見る北精進ヶ滝はガスにけむってぼんやりとしか見えないが、それがまた神秘的でかっこいい。九段の滝も美しくて滝壺から見たいのだが、本丸が見るからにヤバいので後回しとして、小休憩後ネットで集めた情報を予習し直して10時半出発。少し戻ってケルン広場から左岸を遡ってゆく(後から分かったが、観瀑台下から九段の滝壺前を経由して行くルートが正規のようです)。目印が多いので迷うことはあるまい。しばらく沢沿いを歩いた後、九段の滝を高巻く登りが始まる。ザレ場を200メートル程登るという。足場が悪くて滑りやすいところもあって慎重に進むが、山慣れた人ならさほど危険ではないでしょう。あとは目印を見失わないように注意が必要ですが、現状は愛好家皆さんのお陰でかなり分かりやすいですね。こういう道は大体下りの方が危険です。トラバースとアップダウンを繰り返しているうちに不意に視界が開けて、枝の間から明るい空の下滝上部がお目見え。思わず写真を撮り始めてしまうが、少し進めば前衛滝直下に躍り出る。そこでついに前衛滝越しに御本尊と対面。滝壺を中心に大きく開けた空間の奥に巨大なエネルギーが炸裂している。到着時間は11時過ぎ。意外とあっさりついた印象。
ここから更に前衛滝を巻いて本丸直下まで行きたいのです。しかし右岸に渡渉する場所に暫く悩む。滝の飛沫で岩の表面は濡れてヌルヌルしていて、登山靴では全くグリップが効かない。安全第一で荷物をデポ。裸足になれば何とか踏ん張れるので、私から川幅の狭い場所をジャンプで渡る。しかしm氏は危ないと判断して靴を受け渡したあと、川中を歩くもっと安全なルートで渡渉。靴を履き直して大岩を登ってゆく。今にも崩れてきそうな岩肌が怖い。そして滝の存在感に圧倒されつつ更に近づいて行けば、ついに全貌を捉える滝壺縁に到着。写真と動画を撮りまくる。今まで見た滝とスケールが違い過ぎて現実感が乏しいような、夢でも見てるような感覚。 最高だ!
滝向かって右の岩壁まで近づくと、滝と人間の大きさを比べられるので、ここでの撮影はマストではないでしょうか。そしてこの時のために用意した防水スマホケースにiPhoneをセットして、滝直下へ降りてゆく。直下は暴風雨が吹き荒れている状態で、あっという間にずぶ濡れになってしまいます。滝直下に近づいていくにつれてそのエネルギーが伝染してくるようで、叫び出したいようなテンションで直下に誘い込まれ行く。直下手前の岩陰まで行き、身を乗り出して撮影するも暴風雨が強すぎて中には入れない。昔行者がこの滝に打たれていたというが、信じがたい話だ。飛沫のシャワーを浴びながら轟音をたてて落ちてくる水の流れを見上げていると、日々の鬱屈が洗い流されて、止まっていた感情が再び動き出したような気がしました。
小一時間ほど滝を堪能して帰路につく。昼食を持参しているが、ザックをデポしてしまったし、空腹でもないので取り敢えず観瀑台まで戻ることに。名残惜しい気持ちが薄かったのは、再びここを訪れようという思いが強かったからだろう。強い満足感に包まれつつ来た道をもどる。気を使う箇所もあるがほぼ不安なく踏破できた。ケルン広場から再び公式遊歩道に入って、観瀑台で北精進ヶ滝を見納めて帰ろうという腹積もり。観瀑台では月に二回はここに来ているという裸足の若い男に遭遇。なんでも北精進ヶ滝を見たい人を募って、案内役を務めているのだと言う。今日は歌手だという若い女性を案内してきているのだが、彼女が靴以外街でみるような露出の多いギャル的ファッションで驚愕。根性はありそうなので滝壺までは行けると思うが…。物事を楽しむ為には常識にとらわれない自由な精神が大切だということ、そして滝には人を狂わす魔力のようなものがあるということを、改めて感じた次第でありました。
帰り道フォッサマグナ(東北日本と西南日本の境目、大地溝帯)に寄り道。さらなるビッグスケール感が味わえます(見た目は地味だが)。このコースはなかなかエンターテイメント性が高い。駐車場について着替えたら、空腹なので風呂より先に昼食を摂るべく、店を検索しつつ出発。アグリーブル武川付近の「かたかご」で贅沢なコース料理の昼食を食べてまったりしていると16時を回ってしまったので、渋滞をなるべく避けるべく風呂をあきらめて帰路につきました。しかしガッツリ渋滞にはまり込み、横浜のm氏宅にm氏を送り届けて川崎の自宅に帰ったのは夜半近くになっており、シャワーを浴びてすぐに就寝したのでした。
(おわり)
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