長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、
長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。
長野県 山岳情報サイト https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/index.html
◎山岳遭難発生状況(週報)
・8月11日、北アルプス槍沢において、男性62歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月11日、北アルプス蝶ヶ岳において、男性58歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、松本警察署山岳遭難救助隊員が救助しました。
・8月11日、飯田市南信濃の梶谷川において、男性70歳が単独で渓流釣り中、何らかの原因により、行動不能となり死亡が確認されました。
・8月12日、北アルプス大天井岳において、男性26歳が体調を崩し行動ができなくなる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月12日、北アルプス白馬岳大雪渓において、男性73歳が下山中に疲労で行動ができなくなる山岳遭難が発生し、長野県山岳遭難防止対策協会夏山常駐隊パトロール隊員、大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス山岳遭難防止対策協会白馬班救助隊員が救助しました。
・8月12日、八ヶ岳連峰横岳において、男性67歳が道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生し、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が救助しました。
・8月13日、八ヶ岳連峰桜平夏沢峠登山道において、男性48歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員、諏訪広域消防本部救助隊が登山口まで下山した男性と合流して救助しました。
・8月13日、北アルプス奥穂高岳において、男性70歳が下山中に滑落する山岳遭難が発生し、松本警察署山岳遭難救助隊、長野県山岳遭難防止対策協会夏山常駐パトロール隊が救助しました。
・8月14日、南佐久郡川上村の小川山廻目平において、男性50歳がロッククライミング中にバランスを崩して転落し、負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月14日、上田市の太郎山において、女性69歳が下山中に転倒し負傷する山岳遭難が発生しました。なお、同人については消防隊員が救助しています。
・8月14日、北安曇郡小谷村の雨飾山において、男性62歳が下山中に滑落して負傷し、行動ができなくなる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月15日、北アルプス蝶ヶ岳において、男性42歳が登山中に転倒し負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月15日、下伊那郡阿智村の松沢山において、男性44歳が行方不明となる山岳遭難が発生し、飯田警察署山岳遭難救助隊員及び阿智村消防団員が捜索したところ、自力で下山してきた男性を発見し、無事を確認しました。
・8月15日、中央アルプス将棊頭山付近において、男性48歳が下山中にバランスを崩して滑落し、負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月15日、南アルプス林道北沢峠付近において、男性38歳と男性41歳が道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生し、16日、伊那警察署山岳高原パトロール隊が救助しました。
・8月16日、南アルプス北又沢において、男性3名が下山中に行動ができなくなる山岳遭難が発生し、飯田警察署山岳遭難救助隊員及び飯田市職員が捜索したところ、無人の小屋に休んでいた3名を発見し、無事を確認しました。
・8月16日、南アルプス鋸岳付近において、男性33歳が滑落して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・8月16日、北アルプス唐松岳において、女性48歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び機動隊員が救助しました。
・8月16日、上記と同場所で男性40歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び機動隊員が救助しました。
・8月16日、北アルプス北穂高岳において、男性75歳が登山中に疲労及び体調不良により行動ができなくなる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
○令和2年8月16日現在の遭難状況は
99件(死者15人、行方不明0人、負傷者46人、無事救出47人)となりました。
前年比は、発生件数が-87件、遭難者が-96人です。
うち、
・バックカントリー(スキー登山とゲレンデ外滑走)遭難は、-1件、-4人
・山菜採り遭難は、-5件、-8人 です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
8月3週は、20件の山岳遭難の発生があり、うち12件は、転倒・滑落によるものです。
遭難の多くは、疲労がたまりやすい下山中に発生しています。転倒・滑落の多くが、ハシゴや鎖が設置されている「危険箇所」よりも、比較的危険性の少ない登山道上で発生しています。これは視覚的に危険性が明らかな場所では、自然と緊張感が増して、慎重な行動を心掛ける一方、一見すると危険性が見えない登山道では、つい油断をしてしまったり、この季節は厳しい暑さによる脱水や疲労により、注意力が散漫になることなどが挙げられます。
木の根や岩のつまづき、浮石でのバランス崩し、濡れた岩場や木道でのスリップなど、わずかな不注意や気の緩みが、大きな怪我を負う事故につながることもあります。山頂はあくまでも通過点で、ゴールではありません。下山中も気持ちを引き締め、漫然と行動することがないよう、自身の体力にゆとりを持った計画をお願いします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。厳しい暑さはしばらく続く見込みですので、登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【安全で楽しい登山〜山岳遭難に関する現状と防止対策〜(動画)】
準備編/実践編
【山岳遭難救助活動における新型コロナウイルス感染防止対策(動画)】
【令和2年夏山情報(長野県版)】
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(夏山)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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