長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
■全国でコロナ急拡大!登山者のみなさまへのお願い
山小屋では、安心して登山ができるよう従業員の健康管理をはじめ定員削減や間仕切設置など様々な感染防止対策に取り組んでいます。
登山者のみなさまは、「山にコロナを持ち込まない、広めない」ことを意識して、登山前の1週間程度はリスクの高い行動を控え、自身の健康チェックをしっかり行うとともに、山小屋利用では事前予約やマスクなどの基本的な対策を徹底してください。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/20220725yamagoya.html
https://yamahack.com/5399
(YAMAHACK転載)
◎山岳遭難発生状況(週報)
・8月8日、4人パーティで八ヶ岳連峰赤岳に入山した男性(46歳、5歳)女性(45歳、8歳)が下山中、行動不能となる山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員及び消防隊員が出動して発見、救助しました。
・8月9日、2人パーティで一の沢登山口から入山した男性(79歳)が、北アルプス常念岳を登山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。
・8月8日、単独で北アルプス奥穂高岳を登山中に滑落した女性(79歳)が、10日、収容された山荘で体調が悪化したため、県警ヘリで救助しました。
・8月10日、2人パーティで北アルプスに入山し、北穂高岳から涸沢に向けて下山中の男性(62歳)が、登山道から滑落する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しましたが、死亡が確認されました。
・8月10日、単独で八ヶ岳連峰に入山し、大同心付近を登山中の男性(67歳)が、浮石につまずいて転倒し負傷する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪広域消防特別救助隊員が出動して救助しました。
・8月10日、2人パーティで八ヶ岳連峰硫黄岳に入山した女性(48歳)が、浮石につまずいて転倒し負傷する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。
・8月11日、単独で北アルプス爺ヶ岳に入山した男性(86歳)が、行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しましたが、死亡が確認されました。
・8月11日、単独で横岳に入山した男性(61歳)が、山頂付近で足が痙攣し歩行困難となる山岳遭難が発生し、茅野警察署員、諏訪広域消防署員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。
・8月11日、6人パーティで、北アルプス白馬乗鞍岳に入山した男性(72歳)が、転倒して負傷し、行動不能となる山岳遭難が発生し、12日、県警ヘリで救助しました。
・8月12日、3人パーティで北アルプスに入山した男性(50歳)が、天気不良のため涸沢に向けて引き返していたところ、バランスを崩して転倒し、行動不能となる山岳遭難が発生し、松本警察署山岳遭難救助隊、長野県山岳遭難防止常駐隊が救助しました。
・8月11日、2人パーティで白馬岳に入山した男性(50歳)が、疲労で行動不能となる山岳遭難が発生し、12日、大町警察署山岳遭難救助隊が出動して救助しました。
・8月12日、2人パーティで入山した女性(27歳)が、大天井岳から槍沢に向けて縦走中、登山道上から滑落し行動不能となる山岳遭難が発生し、13日、松本警察署山岳遭難救助隊、長野県山岳遭難防止常駐隊が出動して救助しました。
・8月13日、2人パーティで北アルプス槍ヶ岳に入山した女性(55歳)が、下山中に転倒して行動不能となる山岳遭難が発生し、防災ヘリが出動して救助しました。
・8月13日、2人パーティで北アルプス槍ヶ岳に入山した男児(10歳)が、下山中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。
・8月13日、2人パーティで北アルプス真砂岳に入山した女性(54歳)が、道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生し、長野県山岳遭難防止常駐隊が出動して救助しました。
・8月13日、単独で北アルプス七倉岳に入山した男性(77歳)が、下山中に滑落して行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊が出動して救助しました。
・8月10日から2人パーティで南アルプスに入山した女性(69歳)が三伏峠付近で転倒して行動不能となる山岳遭難が発生し、飯田警察署山岳高原パトロール隊及び飯田広域消防本部救助隊が救助しました。
・8月12日から2人パーティで白馬岳に入山した男性(66歳)が、14日、持病により行動不能となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。
・8月14日、単独で八ヶ岳連峰に入山した女性(50歳)が、根石岳付近で道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊が救助しました。
・8月14日、単独で黒姫山に入山した男性(52歳)が滑落して負傷する山岳遭難が発生し、防災ヘリが出動して救助しました。
○令和4年8月14日現在の遭難状況は
165件(死者20人、行方不明2人、負傷者79人、無事救出81人)となりました。
前年比は、発生件数が+25件、遭難者が+28人です。
内)単独登山は、発生件数が−2件、遭難者が−2人です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
8月2週、死亡遭難2件含む20件の遭難が発生し、山域別では、北アルプスで13件、八ヶ岳連峰で5件発生しています。
県内の遭難発生状況は、14日現在で、前年比+25件、遭難者数+28名と大幅に増加し、その多くは、下山中の「転・滑落」「転倒」となっています。転倒・滑落の多くは、ハシゴや鎖が設置されているいわゆる「危険箇所」より、比較的危険性の少ない登山道上で発生しています。
これは、視覚的に危険性が明らかな危険地帯では、自然と緊張感が増して慎重な行動を心掛ける一方、危険性のわかりにくい登山道では、つい注意が散漫になり、油断してしまうことが原因の一つと考えられます。
木の根や岩へのつまずき、浮き石でのバランス崩し、濡れた岩でのスリップなど、僅かな不注意や気の緩みが遭難につながります。下山中に限らず、登山中でも漫然と歩くことなく、足下の状態に注意を払って慎重な行動を心掛けてください。
また、装備不足による行動不能遭難も発生しました。たとえ日帰り登山でも、ヘッドライト、防寒着、ビバーク装備は最低限携行しましょう。
8月は、長期休暇を利用して、遠方から山深い北アルプスや日帰りでアクセスのしやすい八ヶ岳連峰を訪れる登山者の中には、登山前日の深夜、あるいは当日早朝に自宅から登山口までの移動のため、十分な睡眠や休養を取らない方がいます。
その結果、登山中に疲労や体調不良で行動不能となるほか、不慣れな登山道で疲労によりバランスを失い転倒・滑落するといったケースが見受けられますので、登山を計画されている方は、事前の体調管理を徹底し、登山前日・登山後の日程も踏まえた上で、ゆとりのある日程を計画し、安全に登山を楽しんでください。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【山岳レスキュー最前線「春山特有の遭難」滑落・雪崩・吹雪 春山特有のリスクを紹介!】
【令和4年長野県SAFETYBOOK】
【令和4年夏山山岳情報】
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(夏山)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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