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長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
★データで見る冬山登山に潜むリスク(YAMAHACK掲載)
https://yamahack.com/5563
・冬山シーズンの遭難者は20代〜40代が約3分の2を占める!?
・入山目的別で異なる態様(遭難原因)
・雪山登山では「道迷い」が多発
・・・
・同じ山でも難易度が上がる冬……一段階レベルを下げた登山計画を
<令和4年>
◎山岳遭難発生状況(週報)
・12月26日、3人パーティで八ヶ岳連峰に入山し、南沢大滝でアイスクライミングしていた男性(21歳)がバランスを崩して転落する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。
・12月29日、2人パーティで、北安曇郡小谷村の鵯峰東側斜面でバックカントリーをスノーボードで滑走中の男性2名(31歳、34歳)が、ルートを誤り、行動不能となる山岳遭難が発生し、県警山岳遭難救助隊員、大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して発見・救助しました。
・12月30日、2人パーティで八ヶ岳連峰横岳に入山した男性(34歳)が、大同心付近においてアイスクライミング中に転落し負傷する山岳遭難が発生し、岐阜県警ヘリが出動して救助しました。
○令和4年12月31日現在の遭難状況は
284件(死者37人、行方不明4人、負傷者140人、無事救出129人)となりました。
前年比は、発生件数が+27件、遭難者が+34人です。
内)単独登山は、発生件数が−8件、遭難者が−8人です。
内)山菜きのこ採りは、発生件数が−1件、遭難者が−1人です。
<令和5年>
◎山岳遭難発生状況(週報)
・1月1日、単独で八ヶ岳連峰赤岳に入山した男性(39歳)が、下山中にアイゼンを岩に引っ掛け転倒して負傷する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪広域消防特別救助隊員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。
・1月1日、4人パーティで八ヶ岳連峰石尊稜に入山した男性(67歳、66歳、62歳)と女性(67歳)が、日没と疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員らが出動して救助しました。
・1月2日、単独で八ヶ岳連峰赤岳に入山した男性(48歳)が、下山中に岩場で滑落する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊が出動し、富山県警ヘリが斜面に倒れている男性を発見・救助しましたが、死亡が確認されました。
・1月2日、単独で、北安曇郡小谷村の虫尾沢でバックカントリーをスキーで滑走中の男性(34歳)が、ルートを誤り、行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊が出動して救助しました。
・1月3日、2人で佐久市の虚空蔵山に入山した女性(78歳)が、頂上付近で足を滑らせて転倒し、負傷する山岳遭難が発生し、佐久広域消防署員が出動して救助しました。
・2人パーティで北アルプス西穂高岳に6日入山した男性(54歳)が、7日、下山中に雪庇を踏み抜き滑落する山岳遭難が発生し、松本警察署山岳遭難救助隊員等が救助活動を行い、富山県警ヘリが出動して男性を救助しました。
・1月8日、安曇野市の光城山に単独で入山した男性(83歳)が、下山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生し、松本広域消防局員が出動して救助しました。
・1月8日、白馬村内の八方尾根スキー場にバックカントリースノーボードに出掛けた男性2名(31歳、34歳)が、帰宅せず行方不明となっている山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊が捜索活動を行っています。
○令和5年1月9日現在の遭難状況は
8件(死者1人、行方不明2人、負傷者4人、無事救出5人)となりました。
前年比は、発生件数が+3件、遭難者が+7人です。
内)単独登山は、発生件数が+3件、遭難者が+3人です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
令和5年1月1日から9日まで県内では、8件の遭難が発生し、八ヶ岳連峰、北アルプスでの遭難が多発しました。
主な態様では、アイスクライミング中の転落、長時間の行動による疲労、下山中の滑落、バックカントリーによる道迷いなどです。うち1件は行方不明になっています。
バックカントリーエリアは、管理されたスキー場内と違い自然の山中を滑走するため、その魅力とリスクは表裏一体であることを忘れてはいけません。
滑走に夢中になるあまり、登り返しの分岐点を見過ごしたり、コースとなる尾根や沢を間違えて道迷いになるケースが多く見受けられます。
特に入ったことのないエリアでは、SNSやインターネット情報のみを参考にすると、ルートを誤ったり、方向や現在地を見失うなど、リスクを伴います。入山前には、仲間全員でコース全体の地形や方角等を把握し、行動中はこまめに現在地を確認するようにしましょう。
山中では天候や気温、標高によって大きく状況が変化します。単純な滑走能力だけではなく、安全に行動するための総合的な判断力と経験が必要になります。バックカントリースキー・スノーボードに行かれる方は、雪崩対策装備を必ず携行し、慎重な行動を心掛けてください。
登山についても、気象判断は非常に重要です。悪天候の際は、救助活動も長期化する場合があります。万が一に備えて、ツエルト、防寒着、着替え、ストーブ、非常食等のビバーク装備を携行しましょう。
また、事前に天気予報等を確認し、登山を中止することも検討しましょう。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【令和4年長野県SAFETYBOOK】
【令和4年冬山山岳情報】
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(冬山)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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