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長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
◎山岳遭難発生状況(週報)
・9月16日頃、単独で京ヶ倉に登山に行ったと思われる男性(54歳)が、19日、行方不明となっており、安曇野警察署山岳遭難救助隊員等が捜索を行っています。
・9月19日から2人パーティで爺ヶ岳に入山した男性(81歳)が、20日、山頂から柏原新道を下山中に発病して体調不良となる山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。21日、搬送先の病院で死亡が確認されました。
・9月20日から2人パーティで中央アルプス空木岳に入山した男性(74歳)が、21日、山頂から池山尾根を下山中、疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、駒ケ根警察署山岳遭難救助隊が出動し、救助しました。
・9月23日、8人パーティで畳平から入山した男性(59歳)が、剣ヶ峰から畳平に向けて下山中、転倒して負傷し、行動不能となる山岳遭難が発生し、長野県消防防災ヘリが出動して、救助しました。
・9月23日から単独で入山した男性(65歳)が、24日、白馬大池から白馬岳に向けて縦走中、浮石によりバランスを崩して転倒し、負傷する山岳遭難が発生し、長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して、県警ヘリで救助しました。
・9月23日より単独で上高地から入山した男性(24歳)が、24日、明神岳から前穂高岳に向けてバリエーションルートを縦走中、膝をひねり負傷して、行動不能となる山岳遭難が発生し、長野県消防防災ヘリが出動し、救助しました。
○令和5年9月24日現在の遭難状況は
235件(死者28人、行方不明4人、負傷者130人、無事救出97人)となりました。
前年比は、発生件数が+21件、遭難者が+23人です。
内)単独登山は、発生件数が+15件、遭難者が+15人です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
9月4週は、1件の死亡遭難を含む6件の遭難が発生しました。9月に入ってから、毎週死亡遭難が発生しています。
京ヶ倉は人気のある里山ですが、「馬の背」と呼ばれる場所は登山道の両側が絶壁で切れ落ち、険しくなっています。里山は標高が低いため、危険箇所が少ないイメージを持たれがちですが、急斜面での滑落や道迷い等多くのリスクが潜んでいますので、行動中は慎重な行動を心掛けましょう。
空木岳の遭難は、長時間行動していたことにより日没となり、さらに疲労も蓄積して行動不能となってしまった事案です。遭難者は、雨で体がぬれて低体温症の危険もある状況でしたが、救助隊が夜間出動したことにより無事救助されました。
登山中における夜間行動は、視界が利かないだけでなく、気温が下がり体が冷える等多くのリスクをもたらします。
万一、予定していた行動よりも大幅に遅れてしまったり、悪天候に見舞われてしまったときには、安定した場所や風雨をしのげる場所でビバークする判断も必要です。
県内では、徐々に気温が下がり、標高の高い山域では、最低気温が2度となり氷が張った場所もありました。
日中は日が当たれば暖かく感じることもありますが、稜線上で風に吹かれると体が冷えて、手がかじかんだり寒さで足が震えてしまうなど行動にも影響が出てしまうこともあります。
登山を計画されている方は、普段携行している装備にプラスして、「寒さ」や「防風」対策にダウン、フリース、手袋等の装備を携行しましょう。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【令和5年長野県SAFETYBOOK】
【令和5年秋山山岳情報】 <NEW>
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(秋山) <NEW>
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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