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ピストンなら時間もそれほどかからないだろうと、少し遅めに出発。
登山道はトレースができていたが、「ぐぎゅっ、ぐぎゅっ」と靴が雪を嚙む感触も十分残っており、先行者はそれほど多くない模様。10〜20人程度か。
高度を上げるにつれ、湿り気のある雪から粉雪に変わり、足音も小さくなる。
鉛色の日本海の冬の空。木々の中を歩いているうちは風はほとんどないものの、上空には風のうめきが聞こえる。
太平洋側なら「青空と真っ白な雪のコントラストが美しい」というのが冬山の楽しみなのだろうけど、日本海側では滅多にないシチュエーション。
大方はモノトーンの世界。壮大なパノラマはなかなか見られないが、それでも日本海側の冬山も楽しい。
楽しいとは少し違う?
天気が崩れれば、低山とはいえアクシデントに見舞われれば命が脅かされる緊張感。自然の畏怖を感じながら、比較的自然の機嫌のいい時に、「ちょっとお邪魔します」と謙虚な気持ちで、山の中を歩かせてもらう。頂上でホワイトアウトでも何も見えなくても、道中は雪ならではの造形美が楽しめ、適度に汗もかき、自然に触れた喜びを感じる。
日本海側の人にとっての春への憧憬は、ビールを楽しみにじっくりサウナに入っているようなものか。春を待ち焦がれつつも、この時期ならではの「今」を楽しむ。
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