前に試みた時は暑くて水不足となり途中で断念。木々に景色も遮られ、ひたすら歩くだけの「苦行」のようだった。
今なら、あちらこちらで花が咲き、木々の葉もまだ少ないので海も見える。そして21日は何故かこの日だけ前後の日と比べて予想最高気温がぐんと低い(最低気温は同程度)。この日しかない! 唯一の不安は、この日が「仏滅」くらいか。
どのコースから取り付くか。最短距離の稲島か、一番斜度が緩い五ヶ峠か。
朝2時に起床し支度をする。洗面所の電球が切れており不吉な感じ。やめろというお告げ?3時45分に稲島登山口駐車場に到着。ヘッドライトを点けて出発。
夜が明けるまでは単調な道のりを覚悟していたが、ヘッドライトが道沿いのイチリンソウやタチツボスミレなどを時折とらえる。スポットライトを浴びたプリマドンナたちが愛らしく孤独な気分を癒してくれた。見晴らしの効くところでは、まだ眠りにつく街の灯が夜景となって眼下に広がる。これは想定外のおまけ。
山頂はガスがかかっていたが、ほどなくガスも晴れ、夜が明けた。
カタクリはすっかり姿が見えなくなり、イカリソウなどが花盛り。思っていた通り、あちこちらで花が咲き、お陰でモチベーションが下がることもなく順々に各コースを歩くことができた。
終盤は右ひざに痛みを覚え、下り道には時間を要したが、登りは足がつることもなく最後まで順調。ラストの桜尾根を登ったところで夜のとばりが降りた。稲島への下りは再びヘッドライト。起きている街の灯りは朝よりも賑やかで、その日常が待つ世界に向かってアクセルを踏み込んだ。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する