川崎の殺傷事件
理不尽でいたたまれない。
事件直後から「死にたいなら一人で死んでくれ」といった主旨の論調やネットの書き込みに対し、即座に反応したのがNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田氏。
加害者同様の孤立状態の人を絶望に追い込み同様の事件の連鎖性を生む可能性が高まる。
社会的疎外感を増幅させないことが大事だと。
今朝の朝日新聞朝刊でも、新潟青陵大学大学院の碓井教授が、死んでもいいと絶望を感じている人は、刑罰を重くしても事件を防ぐことはできない。気の長い話だが、社会の中で絶望を感じる人を減らすしかないと。
無差別殺傷事件は防げるのだろうか。
反社会的人間の出現について、遺伝子的、脳科学的、さまざなま見地から研究が行われている。
反社会的、暴力的行動な起こす人は、統計的に安静時の心拍数が低い傾向があるという。
行動を指令する脳は、家庭や学校のような外的な環境よりもむしろ胎内の生理的刺激から強い影響を受ける・・・。
こうした研究成果から、犯罪者早期発見システムを構築する研究。
一定の年齢になると脳スキャンとDNAテストを受け、基準以下の評価値の人は、犯罪者予備軍として当局の監視下に置かれる。
行き着くところは、子供の選別や「親の免許制」。基準を満たさない人間は子供を産むことができない。
こんな恐ろしい近未来社会を、SFの世界でなく現実世界の課題として議論している人達がいる。脳科学による監視で社会から犯罪を無くす。
人間の尊厳や人権なんてあったものじゃない。
孤立状態の人を絶望に追い込まないためには、どうしたらいいだろう。
山はいい。
山には五感の刺激がある。無機的に感覚が鈍った人にこそ山に行って欲しい。
一人でも複数でも自由。人との過剰な関りが苦手な状態であれば、少し離れて歩けば人と無理に会話をしなくても済む。
親しい間柄でない人に対し、社会的疎外感を増幅させないために接したり、メッセージを送り続けることはなかなか難しい。受け入れられる心情で無ければ逆効果だろうし。
疎外感を与えないことよりも、こころの空気の入れ替えることができるような術を身につけて自律的更生を促すのも一つの方法ではないか。
山歩きは一人でも楽しい。草木がそよぎ、花が微笑み、鳥が歌う。虫や爬虫類や小動物。なかなか賑やかなものだ。
慣れない人を誘うには、天気、気温、行程の難易度の見極めがポイントだろう。
自然の治癒力。
まずは、こころの空気を入れ替えるくとができるくらいの、扉を少しだけ開けてくれたなら。
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